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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

教団新報:一覧

【4612号】荒野の声

2006年10月14日
▼「ぼくたちのきたないとこだけを見て、なぜきたないのかを考えないあの男をにくむなら…そうしたら…そうしたら」-中略-「そうしたら、ぼくがあの男と同じになってしまうだろう。ぼくたちが今まで生きぬいてきたことは、無意味なものになってしまう、季節が羊にとって意味がないように-中略-ぼくたちが動物とちがうのは、分かろうとすることだよ。わかろうとすれば、どんなみじめなときでも、それなりに幸せになれるんだよ」▼長い引用は、E.C.ホガードの『小さな魚』(富山房)。戦争で孤児となった少年が生き抜き、食べるために、イタリア半島を縦断する話だ。この作家の特徴で、箴言めいた警句に充ちている。『マサダの砦』『クロムウェルへの使者』『議会への使者』作品名を上げるだけで、どんなにキリスト教的な作家か想像が付く。▼想像力を欠くことは、思いやりを欠くこと、想像力がなければ同情もできない。分かろうとすれば、どんなにみじめ……

【4612号】メッセージ

フィリピの信徒への手紙 1章12~14節 前進する福音のために 七條真明 「兄弟たち、わたしの身に起こったことが、かえって福音の前進に役立ったと知ってほしい」。 フィリピの信徒への手紙は、使徒パウロの獄中書簡の一つとして知られています。捕らわれの身となった、そのところでパウロが書いた手紙です。パウロの身に起こったこと、伝道者パウロが捕らえられたことは、どんなに教会の人々を悲しませ、落胆させる出来事であったろうかと思います。 しかし、パウロが書いたこの手紙は、「喜びの手紙」と呼ばれる手紙でもあります。「喜びなさい」という語りかけが繰り返しなされ、落胆する者たちを励まします。手紙をしたためた者が捕らわれの身というマイナスの状況にあることなど微塵も感じさせないほどに、不思議な明るさがこの手紙には満ちています。 ・行き詰まりの状況の中で 私がスタッフの一人として開……

【4611号】日本福音同盟と共に

2006年9月30日
旧聞に属するが六月五日~七日札幌にて日本福音同盟(JEA)の総会が開催された。 六日には再編20周年企画として一般公開集会が持たれた。公開シンポジウムとして「日本宣教の実態分析」「福音と原理主義」「神の前に女性としてどう生きるか」「戦後60周年の節目にあたって」とのテーマに従って二時間語り合い、各グループとも大勢集め大いに盛り上がっていた。 夜は公開講演会が持たれ、私が「日本の教会の課題・今後への展望」と題して語らせていただいた。JEAの総会に教団総会議長が招かれ講演したのは初めてのことだが、三人のパネラーが応答し、会場からの意見も交えて熱い時を共有したのである。 信徒数十二万人を有するJEAも伸び悩みは例外ではなく「伝道しなければ教会は死ぬ」「真理中心の伝道回復による一%弱の教会の現状を打開すべき」ことが訴えられていた。 福音派の人々との協力は日本基督教団にとって生命線だと思う。……

【4611号】人ひととき 鵜沼 裕子さん

生涯のテーマとの出会い 鵜沼さんは幼い時から、将来は何か研究的な仕事につきたいと思っていた。大学一年の時に受洗して、その願いはキリスト者としての生き方と結び合う、生涯の研究テーマを求めるものへと導かれた。 そんなある日のこと、教会の友人から日本聖書神学校主催特別講演会に誘われ、日本キリスト教史研究家、大内三郎氏の講演を聴いた。 大内氏はこれまで日本キリスト教史に関しては、各個教会や諸教派の記録、個人の伝記等を散見するのみで、学的研究はこれからの開拓分野であると語り、特にキリスト教信仰の立場からその内的世界と取り組む若い研究者が出ることを望んでいると結んだ。その講演は鵜沼さんにとってすべてが新鮮であり、特に最後の言葉は彼女自身のために用意された言葉として響いた。鵜沼さんは即座に、これをやってみようと心に決めた。 その後、鵜沼さんは大内氏から直接指導を受け、観念だけではなく、実証的……

【4611号】隠退教師を支える運動(百円献金) 両丹地区推進座談会報告

隠退教師を支える運動(百円献金)両丹地区推進座談会が、七月十六日午後二時から四時まで、教団推進委員会多田信一委員長、滝川英子書記の出席のもと、大江野の花教会で開催され、教師信徒合わせて十四名の出席がありました。教会行事や急な葬儀等で欠席された教会もありましたが、それらの教会からも、この運動に対する厚いメッセージをいただきました。 両丹地区は二〇〇五年五月に開催された第六九回(合同後第三九回)京都教区定期総会において、地区名称が「府下地区」から「両丹地区」に変更されたもので、亀岡市以北の市町にある九つの教会で構成されています。「両丹」とは京都府内の丹波、丹後の両地域を表す名称です。山々や田園の豊かな自然に恵まれた地域ですが、一昨年の台風二三号では大きな被害を受けたところです。 会場の大江野の花教会は福知山市(旧大江町)の由良川沿いにあり、鬼伝説で知られた大江山の麓に位置しています。開会礼……

【4611号】伝道のともしび

奥中山の地 奥中山教会牧師 江戸 清 岩手県北部、青森県に近い所に位置し、標高四五〇㍍ある過疎化の進んでいる町に教会はある。小学校も今年度から三校が一つに統合された。近くにある第三セクターの運営による奥中山高原駅は、無人駅にはならないが、小さな駅である。隣の駅は、無人駅である。昨年この駅で、実際にあった出来事をもとにして、映画が作られた。映画『待合室』である。待合室にいつしか置かれたノートに、旅人が心の思いを綴り、そのノートに、駅前で酒店を営む女性が返事を書き込み続けたことが発端となって、旅人たちとの心の交流が始まるというストーリーだ。映画の撮影時、その駅の待合室のベンチに、奥中山教会の古い長椅子が使われた。地元で先行上映され、私も見たのであるが、ストーリーからすると、田舎の厳しい冬の状況の中での心暖まるエピソードが盛り込まれた映画であったが、今の時代にあっているのかは、分から……

【4611号】お知らせ

★キリスト教農村伝道推進協議会第24回研修会及び総会/時=10月23日(月)11時半~24日(火)11時半/所=日本基督教団八甲田伝道所・農村センター/主題=『私の農村伝道論』~農村に生きる人々と共に歩む者として~/講演=渡辺兵衛牧師/参加費=3千5百円/締切り=10月16日/申込み・問合せ=奥中山教会(江戸まで)TEL・FAX0195-35-2233

【4611号】消息

林 康夫氏(無任所教師) 四月二四日、逝去。四五歳。愛知県に生まれる。一九九三年日本聖書神学校卒業後、清水ヶ丘教会に赴任。九六年から九九年まで桜木教会を牧会した。遺族は妻の百合子さん。 井刈堅治氏(無任所教師) 五月二一日、逝去。七一歳。東京都に生まれる。一九六二年青山学院大学神学科卒業後、辻堂教会に赴任。六八年まで同教会を牧会した。遺族は妻の堯子さん。 川村菊枝氏(隠退教師) 八月三日、逝去。九三歳。東京都に生まれる。一九三七年青山学院大学神学部女子部卒業。六四年から七五年までフェリス女学院教務教師、八〇年まで尾山台北教会牧師として務め、八一年隠退した。遺族は妹の静江さん。  

【4611号】教区コラム 京都教区

宣教連帯の再構築を目指して 望月修治 今「宣教連帯」のあり方をめぐる再検討が京都教区の大きな課題の一つとなっている。京都教区に 属する七六の教会・伝道所の中で、地域の過疎化、高齢化による会員の減少、また教師が高齢となり退任した後、後任の教師を招聘することが困難な状況に立ち至っているところがいくつかある。 この夏、教区三役でいくつかの教会を問安した。ある教会では「この前の日曜日の礼拝出席者は五名、そのうち三名は牧師と妻そして母でした」との話を聞いた。「教会員の人数は少なくなってきており、教会を維持すること自体、困難を覚え始めている。しかしこの地域には他に教会はなく、この教会がなくなれば礼拝をする場がなくなってしまうから、私がここにいて灯火を消さないことが大事だと思っている」との教師の言葉が重く響いた。 このような状況に教区はどのように連帯していくのかが問われている。京都教区……

【4611号】キリスト教教育主事 認定試験の要領決定 第六回教育委員会

第34総会期第六回教育委員会が、九月四日(月)、五日(火)の両日、日本基督教団会議室を会場にして開催された。主な報告と協議は以下の五項目である。 ①二〇〇六年度クリスマス献金に関する件 毎年発行されている「みんなで生きよう」の紙面内容の確認。目標献金額は一二〇〇万円。 ②精勤者表彰に関する件 金斗鉉氏がデザインされたものの中から、二〇〇六年度のバッヂ、表彰状をそれぞれ決定した。 ③キリスト教教育主事養成に関する件 キリスト教教育主事養成のためのカリキュラムを持つ聖和大学が、関西学院大学と合併する予定であるため、その動向を見守りつつ、教育委員会としてはキリスト教教育主事という職務が教団においていかに大切であるかを再確認した。 ④キリスト教教育主事認定試験に関する件 次回のキリスト教教育主事認定試験の日時、会場、論文題等を決定した。10月に教団新報紙上に公告を掲載する。尚、試験担当は……
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