モーセは、全イスラエルを呼び集めて言った。
イスラエルよ、聞け。今日、わたしは掟と法を語り聞かせる。あなたたちはこれを学び、忠実に守りなさい。我々の神、主は、ホレブで我々と契約を結ばれた。主はこの契約を我々の先祖と結ばれたのではなく、今ここに生きている我々すべてと結ばれた。主は山で、火の中からあなたたちと顔と顔を合わせて語られた。わたしはそのとき、主とあなたたちの間に立って主の言葉を告げた。あなたたちが火を恐れて山に登らなかったからである。
主は言われた。
「わたしは主、あなたの神、あなたをエジプトの国、奴隷の家から導き出した神である。
あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。
あなたはいかなる像も造ってはならない。上は天にあり、下は地にあり、また地の下の水の中にある、いかなるものの形も造ってはならない。あなたはそれらに向かってひれ伏したり、それらに仕えたりしてはな……
あなたが子や孫をもうけ、その土地に慣れて堕落し、さまざまの形の像を造り、あなたの神、主が悪と見なされることを行い、御怒りを招くならば、わたしは今日、あなたたちに対して天と地を呼び出して証言させる。あなたたちは、ヨルダン川を渡って得るその土地から離されて速やかに滅び去り、そこに長く住むことは決してできない。必ず滅ぼされる。主はあなたたちを諸国の民の間に散らされ、主に追いやられて、国々で生き残る者はわずかにすぎないであろう。あなたたちはそこで、人間の手の業である、見ることも、聞くことも、食べることも、嗅ぐこともできない木や石の神々に仕えるであろう。しかしあなたたちは、その所からあなたの神、主を尋ね求めねばならない。心を尽くし、魂を尽くして求めるならば、あなたは神に出会うであろう。これらすべてのことがあなたに臨む終わりの日、苦しみの時に、あなたはあなたの神、主のもとに立ち帰り、その声に聞き従う。……
あなたたちは自らよく注意しなさい。主がホレブで火の中から語られた日、あなたたちは何の形も見なかった。堕落して、自分のためにいかなる形の像も造ってはならない。男や女の形も、地上のいかなる獣の形も、空を飛ぶ翼のあるいかなる鳥の形も、地上を這ういかなる動物の形も、地下の海に住むいかなる魚の形も。また目を上げて天を仰ぎ、太陽、月、星といった天の万象を見て、これらに惑わされ、ひれ伏し仕えてはならない。それらは、あなたの神、主が天の下にいるすべての民に分け与えられたものである。しかし主はあなたたちを選び出し、鉄の炉であるエジプトから導き出し、今日のように御自分の嗣業の民とされた。主はあなたたちのゆえにわたしに対して怒り、わたしがヨルダン川を渡ることも、あなたの神、主からあなたに嗣業として与えられる良い土地に入ることも決してない、と誓われた。従って、わたしはヨルダン川を渡ることなくここで死ぬ。しかし、あ……
イスラエルよ。今、わたしが教える掟と法を忠実に行いなさい。そうすればあなたたちは命を得、あなたたちの先祖の神、主が与えられる土地に入って、それを得ることができるであろう。あなたたちはわたしが命じる言葉に何一つ加えることも、減らすこともしてはならない。わたしが命じるとおりにあなたたちの神、主の戒めを守りなさい。あなたたちは、主がバアル・ペオルでなさったことをその目で見たではないか。あなたの神、主はペオルのバアルに従った者をすべてあなたの間から滅ぼされたが、あなたたちの神、主につき従ったあなたたちは皆、今日も生きている。
見よ、わたしがわたしの神、主から命じられたとおり、あなたたちに掟と法を教えたのは、あなたたちがこれから入って行って得る土地でそれを行うためである。あなたたちはそれを忠実に守りなさい。そうすれば、諸国の民にあなたたちの知恵と良識が示され、彼らがこれらすべての掟を聞くとき、「こ……
モーセはイスラエルのすべての人にこれらの言葉を告げた。それは、ヨルダン川の東側にある荒れ野で、一方にパラン、他方にトフェル、ラバン、ハツェロト、ディ・ザハブがあるスフに近いアラバにおいてであった。ホレブからセイルの山地を通って、カデシュ・バルネアまでは十一日の道のりである。第四十年の第十一の月の一日に、モーセは主が命じられたとおり、すべてのことをイスラエルの人々に告げた。モーセがヘシュボンに住むアモリ人の王シホンを撃ち、アシュタロトに住むバシャンの王オグをエドレイで撃った後のことであった。
モーセは、ヨルダン川の東側にあるモアブ地方で、この律法の説き明かしに当たった。
主の命令と約束
我々の神、主はホレブで仰せになった。「あなたたちは既に久しくこの山にとどまっている。向きを変えて出発し、アモリ人の山地に行き、更にその近隣地方、すなわちアラバ、山地、シェフェラ、ネゲブ、沿岸地方に行きな……
アンティオキアでは、そこの教会にバルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、キレネ人のルキオ、領主ヘロデと一緒に育ったマナエン、サウロなど、預言する者や教師たちがいた。彼らが主を礼拝し、断食していると、聖霊が告げた。「さあ、バルナバとサウロをわたしのために選び出しなさい。わたしが前もって二人に決めておいた仕事に当たらせるために。」そこで、彼らは断食して祈り、二人の上に手を置いて出発させた。
聖霊によって送り出されたバルナバとサウロは、セレウキアに下り、そこからキプロス島に向け船出し、サラミスに着くと、ユダヤ人の諸会堂で神の言葉を告げ知らせた。二人は、ヨハネを助手として連れていた。島全体を巡ってパフォスまで行くと、ユダヤ人の魔術師で、バルイエスという一人の偽預言者に出会った。この男は、地方総督セルギウス・パウルスという賢明な人物と交際していた。総督はバルナバとサウロを招いて、神の言葉を聞こうと……
バラクはバラムに対して激しく怒り、手を打ち鳴らしながら、バラムに言った。「敵に呪いをかけるために招いたのに、見よ、お前は三度も祝福した。自分の所に逃げ帰るがよい。お前を大いに優遇するつもりでいたが、主がそれを差し止められたのだ。」バラムはバラクに言った。「あなたがわたしのもとに遣わした使者に対しても、わたしはこう言ったではありませんか。『たとえバラクが、家に満ちる金銀を贈ってくれても、主の言葉に逆らっては、善にしろ悪にしろ、わたしの心のままにすることはできません。わたしは、主が告げられることを告げるだけです』と。わたしは今、わたしの民のもとに帰ります。後の日にこの民があなたの民に対して何をするか、あなたに警告しておきます。」
そして彼はこの託宣を述べた。
ベオルの子バラムの言葉。
目の澄んだ者の言葉。
神の仰せを聞き、いと高き神の知識を持ち
全能者のお与えになる幻を見る者
倒れ……
バラムは、イスラエルを祝福することが主の良いとされることであると悟り、いつものようにまじないを行いに行くことをせず、顔を荒れ野に向けた。バラムは目を凝らして、イスラエルが部族ごとに宿営しているのを見渡した。神の霊がそのとき、彼に臨んだ。 彼はこの託宣を述べた。
ベオルの子バラムの言葉。
目の澄んだ者の言葉。
神の仰せを聞き
全能者のお与えになる幻を見る者
倒れ伏し、目を開かれている者の言葉。
いかに良いことか
ヤコブよ、あなたの天幕は
イスラエルよ、あなたの住む所は。
それは広がる谷
大河の岸の園のようだ。
それは主が植えられたアロエの木のよう
水のほとりの杉のようだ。
水は彼らの革袋から溢れ
種は豊かな水を得て育つ。
彼らの王はアガグよりも栄え
その王国は高く上げられる。
エジプトから彼らを導き出された神は
彼らにとって野牛の角のようだ。
彼らは、敵……
バラクはバラムに言った。「わたしと一緒に別の場所に行って、そこから彼らを見てください。見えるのは彼らの一部にすぎず、全体を見渡すことはできないでしょうが、そこからわたしのために彼らに呪いをかけてください。」バラクはバラムをピスガの頂の見晴らしのきく所に連れて行き、そこに七つの祭壇を築き、どの祭壇にも雄牛と雄羊をささげた。バラムはバラクに言った。「あなたはここで、この焼き尽くす献げ物のそばにいてください。わたしはあちらで、主にお会いします。」
主はバラムに会い、彼の口に言葉を授け、「バラクのもとに帰ってこう告げなさい」と命じられた。バラムが戻ると、バラクはモアブの長たちと共に焼き尽くす献げ物のそばに立っていた。バラクが、「主は何と告げられましたか」と尋ねると、バラムはこの託宣を述べた。
立て、バラクよ、聞け。
ツィポルの子よ、わたしに耳を傾けよ。
神は人ではないから、偽ることはない……
バラクはバラムが来たと聞くと、モアブのアルまで行って迎えた。この町は国境沿いのアルノン河畔にあった。バラクはバラムに言った。「あなたを招くために、何度も使いを送らなければなりませんでした。どうして来られなかったのですか。あなたを優遇することがわたしにできないでしょうか。」バラムはバラクに答えた。「御覧のとおり、あなたのところにやって来ました。しかしわたしに、何かを自由に告げる力があるでしょうか。わたしは、神がわたしの口に授けられる言葉だけを告げねばなりません。」バラムはバラクに同行し、キルヤト・フツォトに着いた。バラクは牛と羊の群れを屠って、バラムに贈り、また彼と共に帰って来た長たちに贈った。
朝になると、バラクはバラムを伴ってバモト・バアルに上った。そこからイスラエルの民の一端が見えた。
バラムはバラクに言った。「わたしのために、ここに七つの祭壇を築き、七頭の雄牛と雄羊を用意……