日本伝道150周年を迎えて 藤掛順一 (伝道150年記念行事準備委員会書記)
教会は何によってこそ一致するのか
2009年は、プロテスタント日本伝道150年の記念の年です。「教団新報」4671号の記事にあるように、教団においてもいくつかの記念集会と出版が計画されています。今私たちが「日本伝道150年」を記念することの意味を考えたいと思います。
しかし本年を「伝道150年」とすることへの疑義も提起されています。1846年に沖縄にベッテルハイムが渡来し、聖書の琉球語への翻訳などを通して伝道活動をした、その年をこそ日本伝道開始の年とするべきではないか、という主張です。ベッテルハイムはイギリス海軍琉球伝道協会から派遣された医療宣教師で、イギリス国教会(聖公会)の信徒でした。私たちは日本伝道の歴史におけるこの人の働きを忘れてはならないでしょう。しかし日本基督教団はその「成立の沿革」に……
与えられた仕事によって
吉田さんは幼少の頃、クリスチャンの母親に連れられて教会へ通った。青年時代は車で母親の送迎をしていただけであったが、ある時、牧師から教会学校のバスの運転手を頼まれ、教会に関わるようになった。その頃教会は大きな問題を抱えており、それが解決したら吉田さんは役割から逃れようと思っていた。しかし牧師 交代を機に受洗へと導かれた。
ちょうどその年、吉田さんは保育士を目指していた現在の妻と出会い、結婚した。新しく招聘された牧師は吉田さんと同い年で、腹話術をし、教会幼稚園も教会活動全体も活気が出て来た。吉田さんは牧師夫人に頼まれ、牧師館台所整備などをきっかけに、「腹をくくらなくては」と教会に関わるようになった。やがて気がつくと 、役員会書記、教会学校校長など、多くの働きを担うように導かれていた。
吉田さんの子どもたちも教会学校へ通うようになった。妻も受洗へと導かれた。それ……
二〇〇九年秋季教師検定試験を左記の要領で行います。
一、受験要綱と受験願書の提出期限
受験要綱と教団指定の願書用紙は一六〇円切手を同封し、正教師受験志願者か補教師(A、B、Cコースの別も)受験志願者かを明記した上、封書でお申し込みください。願書と必要書類を整えて、受験料とともに所属教区に提出してください。
教区締切 二〇〇九年六月五日(金)(教区により締切が異なりますので、教区事務所に確認してください。)
教団締切 二〇〇九年七月二日(木)(各教区から教師検定委員会に提出する際の締切です。)
* 受験料は正教師一万三千円、補教師一万円。
ニ、正教師「説教」「釈義」の課題テキスト
旧約 創世記 二二章一節~十四節
新約 ヨハネの黙示録 一章十七節~二十節
三、正教師の「神学論文」の課題
『今日における宣教の課題』「特に?をめぐって」という副題をつけ、ご自分の伝道・牧会……
豊かにいのちの伸びる場所「グリーンハウス」
ブラウネル・ネイサン、ブラウネル・のぞみ
(RCAとUMCからの派遣宣教師)
私たちは2007年の春に、息子3人(12、8、4歳)とともに米国から横浜に赴任して来ました。現在は、横浜山手にある青少年センター「グリーンハウス」の主事として青少年宣教に従事しています。同時にネイサンはフェリス女学院中高の英語講師を務めています。
「グリーンハウス」は、隣接の横浜ユニオン教会の旧礼拝堂で、ユニオン教会移転後、アメリカ改革派教会が「青少年のための施設を」という目的で備えた場所です。日本の社会で青少年を囲む諸問題が深刻化して行く中、プロテスタント教会では、信徒の高齢化に伴い、次世代への信仰の継承、そして青少年への宣教の重要性が 強く認識されています。その中で、私たちは「青少年が安心して集まり、キリストにある信仰を育んで行くことのできる場所」を……
実った祈り 疋田國磨呂
関東教区は、2004年7月13日(火)の「新潟水害」、10月23日(土)の「新潟県中越地震」、その年度及び2005年度の冬と二年続けての「豪雪」、2007年7月16日(月)の「新潟県中越沖地震」と、四年間立て続けに自然災害に遭遇しました。この間、関東教区143教会・伝道所は、海外や国内の諸教会の祈りと支援をいただ きながら見附教会、栃尾教会、長岡教会、十日町教会、小出教会、柏崎伝道所の被災教会と3つの関係幼児施設の再建のために、実によく祈り、献げ、奉仕をして共に苦しみ共に喜ぶ連帯の恵み(Ⅰコリント12・26)をいただきました。
教団の「新潟県中越地震」被災教会会堂等再建支援委員会の支援献金が1億8千万円を超えて満たされ感謝でした。2009年1月12日(月)に小出教会の会堂・牧師館の献堂式を終え、6教会及び関係幼児施設のすべての再建計画が完了したことを報告しま……
東京信徒会主催・日本伝道150年記念講演会
2009年2月28日(土)富士見町教会において東京信徒会の主催により、日本伝道150年記念講演会が開かれた。
プロテスタント日本伝道150年の年、不況が襲い人々が翻弄される只中にあって、真の価値再発見への提言がなされた。
講師の阿久戸光晴氏(聖学院大学学長)は、キリスト教会史において、厳しい経済状況に直面した時に教会はどのような態度と献身を示したか、それによって次の時代に審判が聞かれると前置きして、グリム童話「愚か者ハンス」を紹介した。
奉公人ハンスは退職金にもらった金塊を次々交換する内に最後は無一物に。交換する毎に価値は下がっていくが、その度に感謝し、全てを無くした時、これで私は自由に解放されたと神様に感謝の祈りを捧げる。
この寓意的意味は、経済価値よりも利用価値で考えるハンスに、感謝の祈りの喜びが増して行くという不思議な構造。し……
能登地震被災・富来伝道所献堂式
能登半島地震被災教会の一つ、羽咋教会富来伝道所が再建され、献堂式が3月17日行われた。夜来の雷雨も朝方には上がり、陽春の光射す午後2時、県内外25教会から62人の出席者が玄関ホールまで埋め尽くす中で、献堂式が始まった。
「この岩の上に教会を」と題する式辞で、内城恵牧師は、「この2年間、多くの方の祈りに支えられ、励まされて過ごして来た。私は阪神大震災の時、西宮市に住んでいたが、この時被災していなかったら、私は牧者として立てられていなかった。その12年後、能登半島地震に遭遇した。60年以上の老朽化した建物の柱、床は歪み 、無数の亀裂が生じた。私たちの教会には再建する力がなく、この地での礼拝を終える時が来たと考えた人もいた。
私は、この地で礼拝を守り続けよとの主の宣教命令が下されていることを信じ、全国諸教会の祈りと支援により、今、献堂を仰ぎ見ている。イエ……
試練を恵へ 震災と戦う
陸前古川教会
08年6月24日午前8時43分、震度6強の激しい揺れが、岩手県・宮城県の内陸地方を襲った。震源に最も近い陸前古川教会では、当初、被害は軽微と思われた。しかし、外からは見えにくい亀裂や断裂が建物内部を侵しており、相次ぐ余震もあって、深刻な被害は次第に露呈した。
結局、幼稚園舎と牧師館については、補強工事では十分な耐震効果が得られないことが判明、会堂に至っては、使用どころか立ち入り禁止となった。
以来、園舎での礼拝を守りながら、再建に向かうより他に選択肢はなかった。9月に発行された「建築通信・試練を恵みへ」?1に、関純一牧師は、次のように記した。
「新会堂建設に向けて、夢を共に描いてきましたが、今回の被災により、夢の実現に向けて急ピッチで取り組むこととなりました。この試練を恵みに変えるべく、一人ひとりが枝である自覚をより深め、この業に参与し、……
*委員会組織、今期の方針を協議 社会
3月2日~3日、第36総会期第1回社会委員会が開催された。
招集者司式による開会礼拝を行い、礼拝後自己紹介、その後、委員会組織を行い、委員長に福井博文、書記に上森俊明を選任した。
続いて担当幹事及び担当職員よりA.前期委員会よりの申し送り事項、B.業務報告、C.会計報告、D.常議員会報告を受け、協議に入った。
協議を始めるに当たり、社会委員会の活動が教規42条4項に記される「社会委員会の司る事項」を踏まえて、申し送り事項及び今期方針・計画を協議することが確認された。
主な協議事項は、次の通りである。
今期委員会の方針及び計画は、前期の申し送り事項である全国社会委員長会議の日程検討、「その他の救済資金」運用、日本キリスト教社会事業同盟との協力及び連絡、社会活動基本方針、「働く人」の廃刊、憲法問題、自殺問題、基地問題などに関する件等を受け……
▼ある養護施設の園長夫妻は、建物の防臭に強い拘りを持つ。病院には嫌な臭いが伴いがちだ。子どもの施設もまた、独特の臭いを持つ。これを払拭することが、この園形成の第一歩だ。▼建物だけではない。調度や服装も小綺麗に明るく、言葉遣いも上品に。所謂、施設くささ、悪い意味での「らしさ」を廃し、世間と同じ 、もっと上質を目指した。やがて巣立ち行く子どもたちには、それが是非必要と考えた。▼園が立地する田舎町は、決して豊かではない。「園の子どもたちの方が贅沢に暮らしている」という批判もあった。勿論限られた予算内のこと、贅沢ではなく、重点をどこに置くかだ。▼いつの間にか、園独特の「らしさ」が生まれ、香り・ 彩りが生まれた。これを「くさい」と言う人もあるかも知れないが、既に悪口ではない。▼今春巣立ち、それぞれの場で働く牧師たちに期待する。教会は清潔に、小綺麗に、嫌な臭いがしないように、掃除は小まめに。牧師自身も……