歴史を共有する 久世そらち
北海教区は、10年ごとに「長期宣教計画」を策定して歩みを進めてきた。本年度は「第三次長期宣教計画」の6年目にあたる。
この「第三次長期宣教計画」の立案作業にかかわった際、計画の具体的な内容もさることながら、もっとも根本的な課題として考えさせられたのが、「北海教区とは何か」「これらの教会・伝道所が、北海教区として結びあっている根拠はなにか」ということだった。教会の伝統や運営のありかた、信仰生活の強調点や会衆の肖像も、それぞれに異なっている教会が、それでも皆で今ある「北海教区」という個性あるひとつの地域共同体を形成しているのは、いったい何をよりどころとしているのか。議論の中でたどりついたのは、私たちは「北海教区」としての歴史を共有している、ということだった。
教団の創立と共に成立した「北海教区」から、戦後、少なからぬ教……
学校伝道研究会(濱田辰夫会長)の第28回講演会・総会が青山学院大学にて4月29日に開催され、前日28日には学校伝道懇談会が日本基督教団聖ヶ丘教会を会場として開催された。全国から教務教師また各教科担当のクリスチャン教員が参加した。今回は28日の「学校伝道懇談会」について報告する。
当日は青山学院初等部の小澤淳一宗教主任により「キリスト教学校と教会との連携」と題する、自身の日々の働きを通した発題があり、学びの時をもった。まずキリスト教教育の中心として、毎朝の礼拝があることが述べられた。特別礼拝には、近隣教会牧師・卒業生等も招かれている。さらに礼拝・授業以外の諸活動として、任意参加の「児童と教職員のための祈祷会」が週1回行われ多くの参加者があること、毎月の献金とクリスマス献金・イースター献金が献げられ、キリスト教諸団体等に送られていることが語られた。
今回の報告で……
違法聖餐執行停止を求める件可決 西東京
第21回西東京教区総会(定期)は、5月24~25日、吉祥寺教会を会場に、開会時で正議員134名の出席を得て開催された。
数年来、聖餐を巡る諸問題が最大関心事であったが、特に今総会はこの事柄に終始したとさえ言える。
冒頭、議事日程承認で、議案14号の取り扱いについて、以下の理由により、議案を取り下げるべきだとの主張がなされた。教区事務所に提出する期限に間に合ったという証拠がなく、むしろその事実関係に疑わしい点がある。前年の総会で殆ど同様の主旨の議案が廃案になっており、一事不再議の原則に抵触する。議案名と提案理由の関係が不鮮明で、議案として体裁をなさない。また、内容は自明のことであり、教区総会で決議するのに馴染まないという意見、可決しても具体的な実効性に結び付かない、更には、議事運営委員の過半数が賛同者に名を連ねている、定数が同じ他の特……
聖餐の学びを継続していく決議 大阪
第54回大阪教区総会は5月4~5日、大阪女学院のへールチャペルを会場として開催された。正議員296名中192名の出席で成立した。開会礼拝において11名の准允と1名の按手礼式が行われたが、受按者本人の希望により、司式者(教区総会議長)一人が按手を行うかたちが採用された。
今回、「大阪教区は、『過年度教団未払金』14、185、229円を教団に納付する」議案が可決され、30年前に端を発し、2000年から教団とも協議を重ねてきた課題に、解決をみることとなった。
この「過年度未払金」は、77年から80年に発生した自立連帯金の未納分である。2000年の大阪教区総会では、当時の負担金賦課方法で同教区の負担金過払いが生じているとして、未納額から過払い分の1000万円を差し引くように決議した。その決議にしたがって教団との交渉を重ねたが、教団からは、差し引……
教師問題の風化、祝祷で議論 京都
第73回京都教区定期総会は、5月4日から2日間、洛陽教会で開催され、正議員154人中、開会時119人が出席した。
開会礼拝、組織会の後、昨年と同様「教団問安使拒否にもかかわらず教団議長挨拶と総幹事報告が配布されている意味について常置委員会の姿勢を問う」との意見が出され、望月修治議長は、常置委員会の下に「教団対策検討小委員会」が設置されたことをふまえつつ「教団に属する教区であるからこそ、教団執行部の姿勢を問う中で、教団からのメッセージの一つとしてあえて配布している。合同教会として排除の論理は誤りであると主張している」と述べた。また「開会礼拝の聖餐はフリーだったのかそうでなかったのかはっきりしない」との問いに対し「聖餐の執行について一定の立場を持って臨むことはしなった。常置委員会で確認している」と述べた。
昼食後の教区総会議長報告に関する件で……
能登再建の見通しは明るく 中部
第59回中部教区総会は5月19~20日、名古屋中央教会を会場として開催された。
開会礼拝では御言葉から「命の栄冠」を目指す信仰共同体として、教区の主にある一致と宣教協力が確認され、聖餐式が執行された。出席正議員は200名中179名。
議事の中で特筆されるべきは、2007年3月25日に発生した能登半島地震から2年以上が経過する中、2007年度に続き、2008年度教区総会においても被災教会会堂等再建のため、献金の目標額を掲げて祈り、支援してきた教区の現況報告である。常置委員会報告では「教区へ直接献げられた献金は約1656万円(内600万円は教団社会委員会よりの送金)。その後、教団常議員会の下に設置された『能登半島地震被災教会会堂等再建支援委員会』による目標額1億5千万円の全国募金が、3月12日現在で約1億1800万円(内中部教区は諸教会約415……
教区規則 大幅に変更 兵庫
5月17日(日)~18日(月)、第63回/「合同」後40回兵庫教区定期総会が行われた。今総会の開催は、神戸市における新型インフルエンザの発生と重なり、入り口には消毒薬が置かれ、マスクが配布される中で行われた。
新型インフルエンザの流行を懸念して出席を控える議員もいる中、正議員212名中、133名の出席が確認され、開会が宣言された。
阪神大震災によって、三役・常置委員選挙等が1年ずれ込んだままになっているため、今年は一切選挙が行われない総会となった。
今回の総会で教区規則が改定された。これは、2004年に明らかになったクリスチャン・センター会計不正流用問題をふまえて設立された「調査委員会」より管理・運営体制の問題点が指摘されたことを受けたものである。以後、協議会や教区総会での議論を経て、教区の運営や任務について新たな規定を設けることとなっ……
聖礼典執行の問題が前面に
各教区で微妙に優勢順位や所要時間に相違があるものの、殆どの教区で大きな関心事・議論になっていることは、聖礼典の執行に関する事柄であり、二重教職制度の問題、補教師による祝祷のこと、更には、「合同のとらえなおし」も、聖礼典執行のことと、切り離して論ずることは出来なくなっている。「合同のとらえなおし」はまた、信仰告白、沿革の加筆、伝道150年記念事業、更に各種の差別問題と別途に論ずることは出来ない。長い時を経てますますもつれた糸、解きほぐす力は、何処に。
年度が移り、定期教会総会を迎えた。総会のために例年通りの準備を進め、前年度の活動や会計を振り返りながら主の恵みを数える時を持った。様々な資料を確認しながら「議案・報告」を作ってゆく。そこに示されることは過去に為された事柄のまとめではなく、前に向かって歩み続ける教会の姿であった。報告の文面、数字や言葉は何度見直しても誤りが出てくる。人間の業であることを深く思わせられた。総会当日にも指摘を受け、訂正をお願いする事柄が多くあった。しかし、教会の歩みにあずかっている人々は訂正をしながら神の御業を喜び、楽しんでいる。それは大切なものが何かを受け取っているからである。
新年度の計画や予算も人の思いの中にある。しかしそれらが祈りとなって神に捧げられる時、教会の歩みは神の示される時に向かうものとなろう。教会総会は教会が主の再臨の日に向かって歩んでいることを皆で喜び受け取る場所であった。そしてそのこ……
バングラデシュに寺子屋を贈ろう
「バングラデシュに寺子屋を贈ろう」とアジアキリスト教教育基金(ACEF)が設立されて19年。75校の小学校(うち2校職業訓練校)を建て、生徒1万2千人、教師300人を擁する成果を生んで来た。 金融危機はここにも影響を与えており、活動資金は年間4、000万円前後と、ここ数年横ばいが続いている。06年、事務局長に就任した中川英明さんは、「学校の数を増やすというより、既存の学校を維持し、質を高める」ことに重点を置かざるを得なくなった。 大学在学中に受洗した中川さんは、学生時代から「国際協力の仕事に就く」ことを志し、大学院終了後、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に就職し、ベトナム、ボスニア・ヘルツェゴビナ、スリランカなど海外5カ国で13年勤務した。難民の帰還業務に携わる中で、「戦争とはごく普通の人がやるもんだ」という感慨を抱いたという。 中川さんによると、……