見えてこない教団の未来
東京教区総会は、教区活動連帯金拠出留保を確認したうえで、予算案を可決した。幾つかの教区では、死活問題であるとして、この制度の継続と、速やかな拠出を求める意見が相次いだ。教団問安使を拒否または敬遠する教区もある。「正しい聖礼典の執行」に関する議論をはじめ、諸問題を巡る対立は、激化というよりも、深い溝を生み出し、話し合い・歩み寄りの余地がないかのような状況を呈している。一つの教区の中でさえも、この対立は次第に表面化しているように見える。教団の未来は。
「ゴミは持ち帰りましょう」との見出しで、趣旨を記したものが教会玄関ボードに掲示されている。今までも心がけられていたが、はっきりと示されるようになった。
数年前より、まず役員会がお弁当容器を持ち帰るようになった。ゴミ箱があるので、そこに捨てればよいのであるが、ゴミ箱はいつも空である。年に数回開かれる祝会は持ち寄りの食事で、それぞれのご馳走をおいしくいただいている。ご馳走は残らないが、容器等ゴミ類で、このときばかりは、満杯のゴミ箱となる。昔はそれらのゴミは、ゴミ収集日に牧師が出していた。ところが満杯のゴミ箱は日曜日の夕刻には空となっている。教会員がそれぞれゴミを持ち帰ってくれるからである。
教会の中にある牧師館に住んでいるので、ゴミの収集日にゴミ袋を出すのは、牧師の務めになっていた。しかし、役員会は牧師の職務を改めて考えるようになり、牧師に余計な仕事をさせるのは……
『支える運動』のために
今年1月の『隠退教師を支える運動』常任推進委員会で、森さんは事務局長として選ばれた。久しぶりの専任の事務局長である。これまで東京・下谷教会員の多田信一推進委員長が事務局長を兼務して事務局運営の指揮をとってきた。これを引継ぎ、金沢・若草教会員の大杉弘さんが委員長となり、事務局に専従する在京の奉仕者を必要としたためである。
森さんが『支える運動』に携わるようになったのは、10年ほど前になる。当時、東京教区・西南支区長であった金澤勤牧師より、支区の『運動』推進委員として奉仕するため声がかかったことがきっかけであった。それまでは教師の隠退後のことも、教団の年金のことも大きな関心を払ったことがなかった。父である森政雄牧師が隠退後に受けてきた年金のこともあまり意識したことはなかった。
この10年に亘る推進委員としての奉仕は、いわゆ……
プロテスタント日本伝道150年を記念する日本基督教団は、教団として3つの式典を実行します。
★創立記念礼拝
6月24日(水)富士見町教会
★全国信徒大会
11月22日(日)東京山手教会
★記念式典
11月23日(月)青山学院
創立記念礼拝には第2部をもうけ、伝道牧会50年以上の現職の先生方の業に感謝して、表彰式を行うことにいたしました。
宣教100年記念大会がNCC主催で実施されたのは1959年でした。その時、すでに牧会や教務教師として第一線に立たれ、2009年の今日まで、立ち続けられている教師に、教団の名で感謝したい、という表彰です。
表彰式の文面にも「実に50年の長きにわたって」とありますが、全国の信徒一人ひとりの胸に、ずしんと響く言葉です。
準備委員会で協議し始めた時、委員長の私は「該当者は十数名いる……
歴史を共有する 久世そらち
北海教区は、10年ごとに「長期宣教計画」を策定して歩みを進めてきた。本年度は「第三次長期宣教計画」の6年目にあたる。
この「第三次長期宣教計画」の立案作業にかかわった際、計画の具体的な内容もさることながら、もっとも根本的な課題として考えさせられたのが、「北海教区とは何か」「これらの教会・伝道所が、北海教区として結びあっている根拠はなにか」ということだった。教会の伝統や運営のありかた、信仰生活の強調点や会衆の肖像も、それぞれに異なっている教会が、それでも皆で今ある「北海教区」という個性あるひとつの地域共同体を形成しているのは、いったい何をよりどころとしているのか。議論の中でたどりついたのは、私たちは「北海教区」としての歴史を共有している、ということだった。
教団の創立と共に成立した「北海教区」から、戦後、少なからぬ教……
学校伝道研究会(濱田辰夫会長)の第28回講演会・総会が青山学院大学にて4月29日に開催され、前日28日には学校伝道懇談会が日本基督教団聖ヶ丘教会を会場として開催された。全国から教務教師また各教科担当のクリスチャン教員が参加した。今回は28日の「学校伝道懇談会」について報告する。
当日は青山学院初等部の小澤淳一宗教主任により「キリスト教学校と教会との連携」と題する、自身の日々の働きを通した発題があり、学びの時をもった。まずキリスト教教育の中心として、毎朝の礼拝があることが述べられた。特別礼拝には、近隣教会牧師・卒業生等も招かれている。さらに礼拝・授業以外の諸活動として、任意参加の「児童と教職員のための祈祷会」が週1回行われ多くの参加者があること、毎月の献金とクリスマス献金・イースター献金が献げられ、キリスト教諸団体等に送られていることが語られた。
今回の報告で……
違法聖餐執行停止を求める件可決 西東京
第21回西東京教区総会(定期)は、5月24~25日、吉祥寺教会を会場に、開会時で正議員134名の出席を得て開催された。
数年来、聖餐を巡る諸問題が最大関心事であったが、特に今総会はこの事柄に終始したとさえ言える。
冒頭、議事日程承認で、議案14号の取り扱いについて、以下の理由により、議案を取り下げるべきだとの主張がなされた。教区事務所に提出する期限に間に合ったという証拠がなく、むしろその事実関係に疑わしい点がある。前年の総会で殆ど同様の主旨の議案が廃案になっており、一事不再議の原則に抵触する。議案名と提案理由の関係が不鮮明で、議案として体裁をなさない。また、内容は自明のことであり、教区総会で決議するのに馴染まないという意見、可決しても具体的な実効性に結び付かない、更には、議事運営委員の過半数が賛同者に名を連ねている、定数が同じ他の特……
聖餐の学びを継続していく決議 大阪
第54回大阪教区総会は5月4~5日、大阪女学院のへールチャペルを会場として開催された。正議員296名中192名の出席で成立した。開会礼拝において11名の准允と1名の按手礼式が行われたが、受按者本人の希望により、司式者(教区総会議長)一人が按手を行うかたちが採用された。
今回、「大阪教区は、『過年度教団未払金』14、185、229円を教団に納付する」議案が可決され、30年前に端を発し、2000年から教団とも協議を重ねてきた課題に、解決をみることとなった。
この「過年度未払金」は、77年から80年に発生した自立連帯金の未納分である。2000年の大阪教区総会では、当時の負担金賦課方法で同教区の負担金過払いが生じているとして、未納額から過払い分の1000万円を差し引くように決議した。その決議にしたがって教団との交渉を重ねたが、教団からは、差し引……
教師問題の風化、祝祷で議論 京都
第73回京都教区定期総会は、5月4日から2日間、洛陽教会で開催され、正議員154人中、開会時119人が出席した。
開会礼拝、組織会の後、昨年と同様「教団問安使拒否にもかかわらず教団議長挨拶と総幹事報告が配布されている意味について常置委員会の姿勢を問う」との意見が出され、望月修治議長は、常置委員会の下に「教団対策検討小委員会」が設置されたことをふまえつつ「教団に属する教区であるからこそ、教団執行部の姿勢を問う中で、教団からのメッセージの一つとしてあえて配布している。合同教会として排除の論理は誤りであると主張している」と述べた。また「開会礼拝の聖餐はフリーだったのかそうでなかったのかはっきりしない」との問いに対し「聖餐の執行について一定の立場を持って臨むことはしなった。常置委員会で確認している」と述べた。
昼食後の教区総会議長報告に関する件で……
能登再建の見通しは明るく 中部
第59回中部教区総会は5月19~20日、名古屋中央教会を会場として開催された。
開会礼拝では御言葉から「命の栄冠」を目指す信仰共同体として、教区の主にある一致と宣教協力が確認され、聖餐式が執行された。出席正議員は200名中179名。
議事の中で特筆されるべきは、2007年3月25日に発生した能登半島地震から2年以上が経過する中、2007年度に続き、2008年度教区総会においても被災教会会堂等再建のため、献金の目標額を掲げて祈り、支援してきた教区の現況報告である。常置委員会報告では「教区へ直接献げられた献金は約1656万円(内600万円は教団社会委員会よりの送金)。その後、教団常議員会の下に設置された『能登半島地震被災教会会堂等再建支援委員会』による目標額1億5千万円の全国募金が、3月12日現在で約1億1800万円(内中部教区は諸教会約415……