創造の初め 北 紀吉
二〇〇九年を迎えた。
新しい年に、創造の初めを思う。神は言われた「光あれ」と、そして、神は、「光と闇を分け」られた。
続いて言われた「水の中に大空あれ。水と水とを分けよ」。そして「大空の下と大空の上に、水を分けさせられた」。
創造、それは分離。分けることで存在が鮮やかになる。混沌からの分離、それが創造である。混沌から分離してこそ、ことは明確になる。
何でも一緒、それは、混沌に帰ることに過ぎない。私共は、創造の神を神として仰ぐ。であれば、混沌からの分離、それこそが神を信じること、神に従うことである。
日本伝道150年を迎える。「キリストこそ我が救い」、十字架の言葉に固く立つ、それが今回の基本理念、コリントの信徒への手紙一第1章18節~25節が主題聖句である。
主イエス・キリストの十字架による罪の赦しにこそ私共の救いがある。
聖餐の不一致、それでは……
第36総会期第一回常任委員会で選任された七名の委員による第一回推進委員会が一月十五日(水)開催された。
冒頭に多田信一委員長から「年齢および健康上の理由で委員長の職を辞したい」との申し出があり、協議の後これを了承、後任として第36総会期委員長に大杉弘氏が選任された。ここで大杉・新委員長が議長席に着いて議事を進め、第36総会期の組織を次のとおり決定した。
*これまでは諸般の事情で委員長が事務局長を兼務してきたが、この際両者を分離することが望ましいという意見で議場は一致、森啓一委員を事務局長に選任した。今後は事務局長が書記の職能をも引き継いで担当することになるので、従来書記として永年にわたり委員長を補佐してきた滝川英子委員は退任することを確認した。
*監事については、第35期総会期の監事であった川上郁夫、愛澤豊重の両氏に留任を求めることとした。
*教区推進委員についても、第35総会……
第36総会期第一回委員会を一月二七日に開催。委員は、今総会期第一回常議員会で常議員から選任された小橋孝一、長山信夫、石橋秀雄、佃真人、難波幸矢の五名である。
まず委員会組織を諮り、委員長に小橋孝一、書記に佃真人を選任した。
続いて野村和正担当幹事から前期委員会の経過と「申し送り事項」について報告を受け、当委員会の働きについて確認、協議した。特に在日大韓基督教会との関係については、一九八四年二月に締結した「日本基督教団と在日大韓基督教会総会との協約」の精神を受け継ぐ活動が当委員会に求められている。しかし他方で、日本基 督教団側から教団三役、宣教委員長、連帯特設委員会委員長、総幹事、担当幹事らが出席する在日大韓基督教会との宣教協力委員会があり、またその下に双方教団(教会)の総幹事による実務会も組織されており、当委員会との関係が明瞭でない。当委員会はこの宣教協力委員会を補完する働きを荷う……
第35総会期第九回教師検定委員会が、一月二六日(月)~二七日(火)、教団会議室において、委員七名全員が出席して行われた。
委員長・事務局報告において、次の通り報告された。第36回教団総会(一〇月二一~二三日)で秋季教師検定試験合格者(正教師五九名、補教師九名)が承認された。第36総会期第一回常議員会において本総会期教師検定委員が選任された。なお、二〇〇九年春季教師検定試験は、慣例通り、第35総会期教師検定委員会である 当委員会が担当することが確認された。
次いで、二〇〇九年春季 教師検定試験の準備を行った。先ず、補教師受験志願者七六名と正教師受験志願者十五名の受験資格を、個別に照合した上で確認した。試験に関しては、次のように協議をし、決定した。先ず、提出物(釈義、説教、神学論文等)の採点結果を突き合わせ、合否判定、再提出等、それぞれを確定した。続いて、学科試験問題を……
キリスト教医療ミッションの現場から 大江 浩(JOCS総主事)
タンザニア
幼子の命を守る-大地に根を張って
JOCSは二〇〇七年にタンザニア・タボラ大司教区へ清水範子ワーカーを派遣しました。タンザニアを取り巻く周辺諸国は紛争が絶えず、同国自体の貧しさにも関わらず(失業率は44%超)、難民庇護国となっています。一昨年夏、六〇〇キロの道のりをひたすら走り、清水ワーカーの活動地を訪れました。車窓から見え たバオバブの木は、大地にしっかり根を張って生きていました。
タボラ大司教区の保健部門は、一つの病院、三つの保健センター、五つの診療所を管轄し、同時に地域に根付いた保健医療協力を行っています。清水ワーカーの活動は、保健部門でのマネジメントと、イプリ保健センターでの助産婦としての活動がメインです。イプリ保健センターでは、三つの村を巡回し妊婦健診と五歳未満健診 をしています。
「……
▼知名度や氏子の数では出雲大社が圧巻だが、松江周辺には他にも歴史と物語に彩られた多くの神社や寺がある。縁結びについては出雲大社より歴史があると言われる八重垣、本殿が国宝の神魂、周囲の景色が美しいことでは日御碕と美保、温泉もある熊野、他にもきりがないくらい。寺に関しては小泉八雲の描く通り。▼何 よりも驚かされるのは、戸数せいぜい数百の集落に、とてつもない規模の寺社があること。山門には運慶作の金剛力士像を持ち、海辺から標高五〇〇mの山頂近くまで石段の参道が続くというような。▼出雲の国では、未だに寺社への信心が生きている。教会は、これに向かい合い、時に戦わなければならない。赤い糸かどうかは知 らないが、地域の姻戚・人間関係は複雑に入り組み、むしろこんがらがっている。その地域社会と、時に共存しなければならない。▼だから、教会の信仰もまた生きている。そうでなければ到底太刀打ちできない。神話の国の物差……
▼出雲のぞみ▼秋鹿▼松江古志原
神話の国の兄弟姉妹たち
多くの牧師が「我が町は日本で最困難な伝道地だ」と言う。それぞれ根拠もあるだろう。戦い傷付いた体験を元に、実感を語ったのであり、嘘偽りではない。
しかし、過疎化率日本一の島根県こそが、数字的に見れば最も伝道不振の地であると、ほぼ断言できる。
人口七四万の県下に日本基督教団の教会は九、他教派の教会も少ない。九教会の合計で、現住陪餐会員二三二名、礼拝出席一六〇名、東京には一教会でこれを上回る所が少なくない。一方で、大社教の信者は全国に四〇〇万人とも言われる。
因みに人口こそ一一〇万と多いが、同じ九教会の富山県は、四五三名と三二五名で、約倍。福井県は両者の間くらい。人口六七万のお隣り鳥取県は島根の倍。
教団宣教委員会は、昨年九月十五~十六日、松江市と出雲市の五教会を訪問した。教団新報もこれに同行して、短い時間ではあったが、こ……
「黙秘権を使ってもいいですか」と少年は言った。少年院における面接のときである。彼は初めての面接で、随分と緊張しているようだった。「あなたを取り調べるのではなく、あなたの今後のことについて話し合うんだよ」と述べた。少年院では篤志面接委員を担っている。面接では少年達が将来について積極的に質問し てもらいたいのである。しかし、多くの場合、こちらから話しかけないと口をつぐんだままである。何回かの面接で、ようやく心を開き、少しずつ話すようになる。当然、将来については不安であり、相談を持ちかけてくるのであった。
院内の生活は刑務所より緩やかであるが、やはり厳しい。やたらに雑談はできない。まして、自分の過去などは話すことはできない。しかし、面接では何でも話してよいことを知り、積極的に自分のことを話してくれるようになる。
黙秘権の少年は誰も信用してないようだった。兄弟に苦しい思いをさせられ、その仕返し……
神の御手の業を 留めるために
なつこさんが博士審査展に提出した三作品のうち、二つには「ルアハ」という題がつけられている。ルアハは、ご存じのようにヘブライ語の風、息、さらに霊を言う言葉だ。また今一つの作品には「燃える柴」という題が付けられている。
彼女が手がけるのは彫刻、主として木を用いる木彫である。木彫と言っても、この小さな体のどこにこれほどのエネルギーが秘められているのか、と思わせるほどに大きなものである。
二つの「ルアハ」作品のうちひとつは、大人が三、四人でやっと抱えることができるほどの樟(くすのき)の木の丸みを生かし組み合わせて、風に煽られるカーテンを掘り出してみせる。また今ひとつの「ルアハ」は、直径一・二メーターの樟の円盤の上に約九百本もの、これもやはり木から彫り出された草が立てられてあって、この上を一陣の風が吹き渡ってゆく様子を表現する。
本来、僅かばかりの風などでは……
二〇〇九年一月九日(金)十四時から十六時一〇分まで、西東京教区国立教会で「隠退教師を支える運動・西東京教区推進座談会」を開催した。
東京地方は久しぶりの雨天だったが、それにも拘わらず十三教会二五名が出席した。
はじめに西村佳子委員の司式で開会礼拝をまもり、狛江教会・岩田昌路牧師から、ヤコブの手紙1章19~21節により「神の言葉を聴いて行動することが大切。隠退教師をおぼえつつ活動を続けているこの献金運動の発展を祈る」との説教があった。
そのあと、滝川英子委員の司会で座談会に入った。
まず出席者全員で、①「それぞれの教会に召命によって遣わされ、み言葉の役者として伝道と牧会に専心されている教師に、私たちは心から感謝いたします。...後略」、②「私たちは、それぞれの教師が長年にわたり伝道と牧会に全生涯を捧げられ隠退されてからの生活を少しでもお支えしたいと念願しております。このことは、 私……