150周年、言わずと知れた日本プロテスタント伝道開始150年である。
150周年という数え方そのもんがベッテルハイムによる琉球伝道を捨象し、沖縄を無視した暴挙として反対を唱える人たちがいることはよく知っている。
しかしそのベッテルハイムを背景に持つ日本聖公会は九月にカンタベリー大主教を招いて日本伝道150年を記念する。
反対する方は反対の立場からの伝道の集いを持ったら良い。
この記念すべき年を東京信徒会は初週祈祷会をもって歩み始めた。
五日の銀座教会を皮切りに、富士見町、小石川白山、高井戸、阿佐ヶ谷、東京山手の各教会で連日持たれた。
記念すべき年をまず祈祷会をもって始める、何とも相応しいことだ。祈りなくしては記念も伝道もないからだ。六教会で延べ五百人が集うた。そして祈りの輪により全員が祈りを合わせた。
これだけでも画期的なことだ。
東京教区の東、北、西南の各支区と西東京……
「できる先輩」を目指して
十九の年に終戦を迎えた。高等商船学校を辞めるにあたっての教官の面接で「これからはあなた自身がしっかり生きていかなければならない」と教えられた。自分の中にも「俺がしっかりしなければ、日本はダメになる」との自負があった。しかし、今までの軍国主義に代わる、自分の中心に据えるものが見つからなかった 。何を中心にすればいいのか、と思いながら手に取ったのが聖書だった。
神田で路傍伝道の声を聞き、キリスト兄弟団神田教会で求道を始める。同時にYMCAの会員になった。CSにも関わり、励まされながら受洗の時を迎えた。東京都職員として働いていたが、YMCAの主事となる決意をする。当時、YMCA主事となることは献身と同じ意味を持っていた。家族は大反対だった。
夫人の三和子姉ともYMCAで出会った。「YMCAの主事の妻となる」ことを、自分自身の召命として捉えてくれた。尊い仕事であ……
一月十九日~二〇日にかけて秋田県鷹巣教会で「子どもたちの未来の食を見つめて」と題して行われた。講師は安田節子さん(食政策センター・ビジョン21)。
グローバリズムで、食べ物もあらゆる国から輸入することになり、安全性や質が低下してきたことなど、わかりやすくお話していただいた。
食べる人の健康より、輸入を優先させたため、日本では認められていなかった添加物を認定し、基準を緩和してきた。
例えば、日本では魚に着色してはいけなかったのに(鮮度の良し悪しがわかるように)、輸入の養殖の魚の餌に入っている着色料や抗生物質が認められてしまった(輸入の養殖鮭が真赤)。
輸送中の劣化を避けるためのポストハーベスト(収穫後の農薬散布)、放射線照射など...様々な添加物の複合的な作用も恐ろしい。
安い食材を求めるあまり、畜産にも”効率”が求められ、鳥インフルエンザや狂牛病が出てきた。
ある鶏舎では、二羽……
神の御旨は不思議に満ち、「肉の思い」を超えている。
鈴木岩夫(筑紫教会牧師)
筑紫教会は、故鈴木吉三郎牧師による開拓伝道によって生まれました。教会設立記念日は戦後間もなくの一九四六年十二月二五日、設立認可は'49年三月、その苦労の程は、この日付からでも察していただけるものと思います。
'52年には、幼稚園を併設、教会も幼稚園も戦後を生き抜き、漸く形が整ってきたのですが、諸事情と更なる発展を願い、福岡市博多区から現在の大野城市へと移転いたしました。教会も幼稚園も、大きな転機、むしろ危機を迎えました。特に、幼稚園は、その時点で通園しています園児への責任があります。そのために、送迎バ スを一台増やしました。その送迎バスの運転手として働くようになったのが、初代牧師の三男に当たります私でした。工学部を出て以来勤務していました自動車会社を退社して、幼稚園に就職いたしました。財政的な事を考慮す……
創造の初め 北 紀吉
二〇〇九年を迎えた。
新しい年に、創造の初めを思う。神は言われた「光あれ」と、そして、神は、「光と闇を分け」られた。
続いて言われた「水の中に大空あれ。水と水とを分けよ」。そして「大空の下と大空の上に、水を分けさせられた」。
創造、それは分離。分けることで存在が鮮やかになる。混沌からの分離、それが創造である。混沌から分離してこそ、ことは明確になる。
何でも一緒、それは、混沌に帰ることに過ぎない。私共は、創造の神を神として仰ぐ。であれば、混沌からの分離、それこそが神を信じること、神に従うことである。
日本伝道150年を迎える。「キリストこそ我が救い」、十字架の言葉に固く立つ、それが今回の基本理念、コリントの信徒への手紙一第1章18節~25節が主題聖句である。
主イエス・キリストの十字架による罪の赦しにこそ私共の救いがある。
聖餐の不一致、それでは……
第36総会期第一回常任委員会で選任された七名の委員による第一回推進委員会が一月十五日(水)開催された。
冒頭に多田信一委員長から「年齢および健康上の理由で委員長の職を辞したい」との申し出があり、協議の後これを了承、後任として第36総会期委員長に大杉弘氏が選任された。ここで大杉・新委員長が議長席に着いて議事を進め、第36総会期の組織を次のとおり決定した。
*これまでは諸般の事情で委員長が事務局長を兼務してきたが、この際両者を分離することが望ましいという意見で議場は一致、森啓一委員を事務局長に選任した。今後は事務局長が書記の職能をも引き継いで担当することになるので、従来書記として永年にわたり委員長を補佐してきた滝川英子委員は退任することを確認した。
*監事については、第35期総会期の監事であった川上郁夫、愛澤豊重の両氏に留任を求めることとした。
*教区推進委員についても、第35総会……
第36総会期第一回委員会を一月二七日に開催。委員は、今総会期第一回常議員会で常議員から選任された小橋孝一、長山信夫、石橋秀雄、佃真人、難波幸矢の五名である。
まず委員会組織を諮り、委員長に小橋孝一、書記に佃真人を選任した。
続いて野村和正担当幹事から前期委員会の経過と「申し送り事項」について報告を受け、当委員会の働きについて確認、協議した。特に在日大韓基督教会との関係については、一九八四年二月に締結した「日本基督教団と在日大韓基督教会総会との協約」の精神を受け継ぐ活動が当委員会に求められている。しかし他方で、日本基 督教団側から教団三役、宣教委員長、連帯特設委員会委員長、総幹事、担当幹事らが出席する在日大韓基督教会との宣教協力委員会があり、またその下に双方教団(教会)の総幹事による実務会も組織されており、当委員会との関係が明瞭でない。当委員会はこの宣教協力委員会を補完する働きを荷う……
第35総会期第九回教師検定委員会が、一月二六日(月)~二七日(火)、教団会議室において、委員七名全員が出席して行われた。
委員長・事務局報告において、次の通り報告された。第36回教団総会(一〇月二一~二三日)で秋季教師検定試験合格者(正教師五九名、補教師九名)が承認された。第36総会期第一回常議員会において本総会期教師検定委員が選任された。なお、二〇〇九年春季教師検定試験は、慣例通り、第35総会期教師検定委員会である 当委員会が担当することが確認された。
次いで、二〇〇九年春季 教師検定試験の準備を行った。先ず、補教師受験志願者七六名と正教師受験志願者十五名の受験資格を、個別に照合した上で確認した。試験に関しては、次のように協議をし、決定した。先ず、提出物(釈義、説教、神学論文等)の採点結果を突き合わせ、合否判定、再提出等、それぞれを確定した。続いて、学科試験問題を……
キリスト教医療ミッションの現場から 大江 浩(JOCS総主事)
タンザニア
幼子の命を守る-大地に根を張って
JOCSは二〇〇七年にタンザニア・タボラ大司教区へ清水範子ワーカーを派遣しました。タンザニアを取り巻く周辺諸国は紛争が絶えず、同国自体の貧しさにも関わらず(失業率は44%超)、難民庇護国となっています。一昨年夏、六〇〇キロの道のりをひたすら走り、清水ワーカーの活動地を訪れました。車窓から見え たバオバブの木は、大地にしっかり根を張って生きていました。
タボラ大司教区の保健部門は、一つの病院、三つの保健センター、五つの診療所を管轄し、同時に地域に根付いた保健医療協力を行っています。清水ワーカーの活動は、保健部門でのマネジメントと、イプリ保健センターでの助産婦としての活動がメインです。イプリ保健センターでは、三つの村を巡回し妊婦健診と五歳未満健診 をしています。
「……
▼知名度や氏子の数では出雲大社が圧巻だが、松江周辺には他にも歴史と物語に彩られた多くの神社や寺がある。縁結びについては出雲大社より歴史があると言われる八重垣、本殿が国宝の神魂、周囲の景色が美しいことでは日御碕と美保、温泉もある熊野、他にもきりがないくらい。寺に関しては小泉八雲の描く通り。▼何 よりも驚かされるのは、戸数せいぜい数百の集落に、とてつもない規模の寺社があること。山門には運慶作の金剛力士像を持ち、海辺から標高五〇〇mの山頂近くまで石段の参道が続くというような。▼出雲の国では、未だに寺社への信心が生きている。教会は、これに向かい合い、時に戦わなければならない。赤い糸かどうかは知 らないが、地域の姻戚・人間関係は複雑に入り組み、むしろこんがらがっている。その地域社会と、時に共存しなければならない。▼だから、教会の信仰もまた生きている。そうでなければ到底太刀打ちできない。神話の国の物差……