「多くの肢体、ひとつの体」
機構改革に伴う不安を払拭
教団の宣教を共に担うために、全国のミッションスクールや教区に派遣されている宣教師たちが年に一度家族を伴って一堂に会す宣教師会議。自主企画でプログラムを準備し、お互いの情報交換や母国語で心おきなく交わる中で心身共にリフレッシュできるこの会議は長年、宣教協力協議会(CoC)の下で開かれてきました。
今年はプロテスタント宣教150年記念の年、多くの先達の宣教師たちが日本人のために注いだ愛の労苦に対して感謝の念ひとしおのこの頃です。
今年は3月26日(木)~28日(土)に箱根のスコーレプラザ・ホテルを会場に「多くの肢体、ひとつの体」のテーマで約60名が参加して開催されました。
かつては300〜400人ほどが集まったそうですが、近年世界の教会の変化と共に日本へ派遣される宣教師数が激減し、2005年1月に日北米宣教協力会(JNAC……
▼山形県の酒田教会は、1898年6月15日が創立記念日。年齢早見表を見たら、1908年が最古で、既に表からはみ出していた。今年110歳を迎えることになる。何か110年の記念行事を挙行するのだろうか、二昔前に一度訪ねただけの教会なのに、妙に気になって、多年の無沙汰を顧みず、突然電話した。▼酒田教会・佐々木茂牧師は、かつて88周年の記念誌を発行した。酒田と言えば庄内米、八八は勿論米に因んだもの。100というキリがよい数字よりも、88の方が、酒田では特別の意味を持つと言うこと。一方で、100周年にも、110周年にも、記念誌を発行した。▼数字が意味を持つのではない。しかし、意味を持たせることが出来る。149年も151年も特別の数字だ。もしその年に、懸命の伝道がなされるならば。▼教団年鑑で各教会の創立記念日を調べ始めたら、眠れなくなった。礼拝出席一桁の教会が、140年の伝道史を持っている例もある。
「教団新報」、今号4673 ・74号を合併号とし、4675号は5月30日に発行致します。
本号は、特別号として発行、各教区総会にお届けします。乞うご購読。
総幹事 内藤留幸
小林貞夫 伝道150年記念行事 準備委員会委員長
いま、世界は同時不況に入ってしまった。第二次世界大恐慌だという人もある。全米第一の企業が倒産かと聞かされれば、事実として世界恐慌なのだろう。日本も例外ではない。
この時、教会に何が出来るか、何をしなければならないかが問われている。
第一次世界大恐慌は1929年に山場があった。年表には「失業者続出」と書き込まれている。会社・企業の倒産は相次ぎ、地方の出先銀行の倉庫は、敗戦の頃まで立っていた。人々の恨みをかいながら。
その頃、教会は全国的な伝道を展開したのである。
各教派が協力して「全国強化総動員運動」を二年間にわたって実施した。さらに賀川豊彦が主唱する「神の国運動」も連動し、各地で信仰が盛り上がった。二年間の受洗者は3万人だったと報告されている。
日下部教会は農村教会の一つだったが、この全国的な運動に参加し励んだ。1931年の……
日本伝道150周年を迎えて 藤掛順一 (伝道150年記念行事準備委員会書記)
教会は何によってこそ一致するのか
2009年は、プロテスタント日本伝道150年の記念の年です。「教団新報」4671号の記事にあるように、教団においてもいくつかの記念集会と出版が計画されています。今私たちが「日本伝道150年」を記念することの意味を考えたいと思います。
しかし本年を「伝道150年」とすることへの疑義も提起されています。1846年に沖縄にベッテルハイムが渡来し、聖書の琉球語への翻訳などを通して伝道活動をした、その年をこそ日本伝道開始の年とするべきではないか、という主張です。ベッテルハイムはイギリス海軍琉球伝道協会から派遣された医療宣教師で、イギリス国教会(聖公会)の信徒でした。私たちは日本伝道の歴史におけるこの人の働きを忘れてはならないでしょう。しかし日本基督教団はその「成立の沿革」に……
与えられた仕事によって
吉田さんは幼少の頃、クリスチャンの母親に連れられて教会へ通った。青年時代は車で母親の送迎をしていただけであったが、ある時、牧師から教会学校のバスの運転手を頼まれ、教会に関わるようになった。その頃教会は大きな問題を抱えており、それが解決したら吉田さんは役割から逃れようと思っていた。しかし牧師 交代を機に受洗へと導かれた。
ちょうどその年、吉田さんは保育士を目指していた現在の妻と出会い、結婚した。新しく招聘された牧師は吉田さんと同い年で、腹話術をし、教会幼稚園も教会活動全体も活気が出て来た。吉田さんは牧師夫人に頼まれ、牧師館台所整備などをきっかけに、「腹をくくらなくては」と教会に関わるようになった。やがて気がつくと 、役員会書記、教会学校校長など、多くの働きを担うように導かれていた。
吉田さんの子どもたちも教会学校へ通うようになった。妻も受洗へと導かれた。それ……
二〇〇九年秋季教師検定試験を左記の要領で行います。
一、受験要綱と受験願書の提出期限
受験要綱と教団指定の願書用紙は一六〇円切手を同封し、正教師受験志願者か補教師(A、B、Cコースの別も)受験志願者かを明記した上、封書でお申し込みください。願書と必要書類を整えて、受験料とともに所属教区に提出してください。
教区締切 二〇〇九年六月五日(金)(教区により締切が異なりますので、教区事務所に確認してください。)
教団締切 二〇〇九年七月二日(木)(各教区から教師検定委員会に提出する際の締切です。)
* 受験料は正教師一万三千円、補教師一万円。
ニ、正教師「説教」「釈義」の課題テキスト
旧約 創世記 二二章一節~十四節
新約 ヨハネの黙示録 一章十七節~二十節
三、正教師の「神学論文」の課題
『今日における宣教の課題』「特に?をめぐって」という副題をつけ、ご自分の伝道・牧会……
豊かにいのちの伸びる場所「グリーンハウス」
ブラウネル・ネイサン、ブラウネル・のぞみ
(RCAとUMCからの派遣宣教師)
私たちは2007年の春に、息子3人(12、8、4歳)とともに米国から横浜に赴任して来ました。現在は、横浜山手にある青少年センター「グリーンハウス」の主事として青少年宣教に従事しています。同時にネイサンはフェリス女学院中高の英語講師を務めています。
「グリーンハウス」は、隣接の横浜ユニオン教会の旧礼拝堂で、ユニオン教会移転後、アメリカ改革派教会が「青少年のための施設を」という目的で備えた場所です。日本の社会で青少年を囲む諸問題が深刻化して行く中、プロテスタント教会では、信徒の高齢化に伴い、次世代への信仰の継承、そして青少年への宣教の重要性が 強く認識されています。その中で、私たちは「青少年が安心して集まり、キリストにある信仰を育んで行くことのできる場所」を……
実った祈り 疋田國磨呂
関東教区は、2004年7月13日(火)の「新潟水害」、10月23日(土)の「新潟県中越地震」、その年度及び2005年度の冬と二年続けての「豪雪」、2007年7月16日(月)の「新潟県中越沖地震」と、四年間立て続けに自然災害に遭遇しました。この間、関東教区143教会・伝道所は、海外や国内の諸教会の祈りと支援をいただ きながら見附教会、栃尾教会、長岡教会、十日町教会、小出教会、柏崎伝道所の被災教会と3つの関係幼児施設の再建のために、実によく祈り、献げ、奉仕をして共に苦しみ共に喜ぶ連帯の恵み(Ⅰコリント12・26)をいただきました。
教団の「新潟県中越地震」被災教会会堂等再建支援委員会の支援献金が1億8千万円を超えて満たされ感謝でした。2009年1月12日(月)に小出教会の会堂・牧師館の献堂式を終え、6教会及び関係幼児施設のすべての再建計画が完了したことを報告しま……
東京信徒会主催・日本伝道150年記念講演会
2009年2月28日(土)富士見町教会において東京信徒会の主催により、日本伝道150年記念講演会が開かれた。
プロテスタント日本伝道150年の年、不況が襲い人々が翻弄される只中にあって、真の価値再発見への提言がなされた。
講師の阿久戸光晴氏(聖学院大学学長)は、キリスト教会史において、厳しい経済状況に直面した時に教会はどのような態度と献身を示したか、それによって次の時代に審判が聞かれると前置きして、グリム童話「愚か者ハンス」を紹介した。
奉公人ハンスは退職金にもらった金塊を次々交換する内に最後は無一物に。交換する毎に価値は下がっていくが、その度に感謝し、全てを無くした時、これで私は自由に解放されたと神様に感謝の祈りを捧げる。
この寓意的意味は、経済価値よりも利用価値で考えるハンスに、感謝の祈りの喜びが増して行くという不思議な構造。し……