【4686号】『同和問題』にとりくむ宗教教団 

連帯会議の議長として 小林 眞

反省と悔い改めから結成された『同宗連』

 

神は御自分にかたどって人を創造された。

神にかたどって創造された。

男と女とに創造された。       (創世記1章27節)

主なる神は、土(アダマ)の塵で人(アダム)を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた。  (創世記2章7節)

 

【はじめに】

本年4月、「『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議(以下、同宗連とする)」総会で議長(任期2年)に就任し半年が経過したが、同宗連の出発や活動を紹介し、理解とお支えを願う次第。

【Ⅰ】結成と出発

30年前に、ある仏教教団の責任ある立場の方が、プリンストンで開催された第3回世界宗教者平和会議の場で「日本には、部落差別と呼ばれるものはない」などの事実誤認も甚だしい発言をされたことに対し、長く部落解放運動に取り組んできた人々が、日本社会に現存する部落差別の現実を示し、それらにかつての宗教教団(者)がどのように関わっていたかを指摘し、厳しい糾弾を行った。

詳細は省くがその発言後、2年近い間に幾つかの宗教教団が集まり、何らかの形で連帯し部落差別撤廃を願う目的で歩むべく協議を重ねた。

その結果、結成準備の呼びかけ文には、「深き反省のうえに、教えの根源にたちかえり、『同和問題』解決へのとりくみなくしては、もはや、日本における宗教者たりえないことを自覚し」と記したように、出発時の決意は本当に重く厳しいものであった。

この呼びかけに55教団、3協賛団体の賛同があり、19816月に同宗連が結成され今日に至っている。

勿論、それまでにも、一部の教団-日本基督教団では、1975年第3回常議員会で「部落差別問題特設委員会」設置。1981年第1回常議員会で「部落解放センター」の設置を決定し、同年9月に開所-は、内外からの問いや指摘から部落差別撤廃に向けての運動に取り組んではいたが、上記の件がきっかけとなり、各宗教教団においても共通の課題として認識されるようになった。

つまり、「同宗連」とは、外から指摘と糾弾を受けた結果、反省と悔い改めの中から結成された宗教教団組織であると言ってよい。

【Ⅱ】現状と課題など

  同宗連は出発時の決意である「部落解放」に向けて取り組んできた。

具体的にはフィールド・ワークを含む多種の研修会を開催し、さらには各教団内での啓発活動に資するような資料を作成し、また各宗教教団間の連帯等を目的とした広報活動も継続してきた。

またこれらの活動は、同宗連独自のものもあれば、他団体との共催で行っている行事も多い。

さらに具体的な解放への取り組みや活動は各教団に委ねられているとはいえ、これまで開催した同宗連主催の研修会などに、合計どれだけの人が出席し学ばれたことか。

それらの学びを通して、外に現れる効果は数字上は出ないかもしれないが、個々人の中での意識変化は大きいと思われる。

しかし私は、出発の頃のことを詳しくは知らないが、同宗連は、各教団の教義や目的などの相違から、同宗連(議長・役員教団)そのものが強力な指導性を発揮して前進する組織ではないと思われるし、少なくとも現在はそうである。

ただ運営上の利点から、当初は議長教団が、研修会などの企画や、広報全般などの多くの部分を担った。つまり、議長教団を引き受けるには、相当の人材の必要もあり、実際の事務局の分量も覚悟しなければならなかった。それ故に、気持ちはあっても教団の実情から、そこまでの働きはできないと議長就任を固辞する教団が現れ始めた。そこで少しでもこの課題を複数の教団で分担する方が良いとの考えから、企画部門や広報部門を別教団で分担するようになったのは非常に良かったと思う。また、事務軽減を目指しても、様々な改善が行われ、現在は3人くらいの事務局体制で運営できると思われる。

また同宗連の直接の目的ではないが、結果的に各宗教教団間の交流・懇親がなされているのは、他では見られない意味あるものと思われる。

ただ課題もないわけではない。

例えば、現在は加盟教団が64教団であるが、以前とはあまり変わらず、今後どのように参加教団を増やしていくかもその一つ。

また「同和」「部落」の表現を巡っても繰り返し議論がなされる。これは各教団の事情もあり、それぞれの温度差の中で、「同和」を「人権」と名称を変えて活動する教団もある。

これには、積極的に「同和問題をはじめ、一切の差別をなくす」という前向きの変更もあれば、「部落」や「同和」というと引く人がいるので「人権」に変更した教団もあるようだ。

しかし、出発から考えて、取り組む中心は「部落解放」であることは明らかであり、その確認だけは繰り返し必要と思われる。

その意味で、同宗連の働きは、部落の完全解放を目指して長く継続されるべきものである。

しかし狭山事件で、被差別部落への見込み捜査により逮捕され、一審死刑、二審無期懲役(確定)の判決を受け、現在仮釈放中の石川一雄氏に関しては、年齢(70歳)と健康から考えて、無罪を勝ち取るまで余り時間がない。

従って、この解放運動の取り組みには、解放全般に関する長期的展望と同時に石川氏に関しては短期の集中的取り組みという複眼が求められるのである。

【Ⅲ】30周年記念事業

同宗連が結成されて以後、2011年に結成30年を迎える。結成10年、20年の節目には記念誌を出版するなどの特別行事を行ってきた。前例に倣うだけではないが、やはりこの機会に、現在の状況は出発時と違うことを認識した上で、今後の道を探り、確認するためにも記念行事を行う予定である。まだ日時・内容・場所などの詳細は決定されていないが、少なくとも、現在の社会と同宗連の状況を正しく把握し、今後の方向を定めるような記念の会にしたいと考えている。

【終わりに】

以上、同宗連の現状などを書かせて戴いたが、この状況の中で、各宗教教団との連携を密にしつつ誠実に、この任を担いたいと思う。なお事務局はキリスト教会館5階にある一室。

今後とも、お支えを乞う。

(遠州教会牧師)

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