鈴木伸治
書記に三選され、戸惑いつつ受託しました。総会の二日目に私の書記就任が要請されました。しかし、私はすぐに応じず、保留とさせていただきました。
私の書記三選はかなり厳しいと思っていたからです。教会の牧会はもちろんですが、学校法人幼稚園の理事長・園長を務めています。さらに教会が関わる綾瀬ホームとさがみ野ホームの牧師としての関わりがあります。そして神奈川医療少年院には篤志面接委員であり、八王子医療刑務所の教誨師を努めています。この上、さらに教団書記を務めてきました。私が言うまでもなく、皆さんも大変であると思われているのです。
改めて私が置かれている状況を考えたとき、幼稚園、施設、少年院、刑務所の皆さんは、自分の叫びが出来ない人々なのです。
毎日、園児と接するとき、子ども達のいろいろな声が聞こえてきます。その声を真実聞きたいと願っています。次年度の入園受付を十一月一日に行いまし……
小林 眞
四年前、初めて副議長に選任された後、驚いたことがあった。
それは、教団の働きの「幅広さ」である。それまであまり見えなかった他宗教や他教派との交流を始め、官庁との関係などであり、改めて教団の社会的豊かさを知らされた。
加えて、教団は合同教会であるが故に、「多様性」という大きな賜物をも与えられていることは言うまでもない。しかし、この多様性とは「何でもあり」という無制約・無秩序的なものではない。
言わずもがな、当然ながら「教団・信仰告白」を前提とし、「教憲・教規」という土俵に立つのである。
それ故に、洗礼式式文や教師検定試験の科目などを思い起こして戴きたい。
洗礼という、救いに与り教団の信徒になる時に、「教団・信仰告白」を告白し「教憲・教規に従い…」と誓約して初めて洗礼式が執行される。
さらにその方が召されて献身し、研鑽を積んだ後に受ける教師検定試験には、各神学科目以……
▼ここ数年か、もう少し前から、「小説聖書」の類の出版が目立つ。ベストセラーもあると聞く。漫画版も続々と現れるそうだ。▼漫画では手塚治虫のものが出色だと、これは定評だろう。「長い物語をどう要約するかが難しいのに、聖書には登場しないキツネが狂言回しを演じ、それが無駄どころか実に効果的なのがニクイ」、とはある牧師の評。全く同感だが、中勘助の『鳩の話』は御存知ないようだ。▼そこでは、聖書的にも根拠のある鳩が、キツネ以上に活躍する。福音書の世界がみずみずしく描かれたこの作品は、昭和十六年の著。この年に、福音と平和を描いたことに敬意を覚える。しかし、孤高の詩人もまた、時代を免れることは出来ないのだろうか。暗い。このイエスは、著者自身が言うように、悲劇の主人公であり、この物語は、あまりに絶望的だ。▼モーリアックの『イエスの生涯』は聖書より先に読んだ。トルストイの『福音書』もノーマン・メーラーまでも。しか……
わたしはあなたがたを遣わす
日本基督教団総会議長 山北 宣久
第35回教団総会に於いて議長に三選され、「議長の抱負・祈り」を書かせていただいている。
「不信任議長」(第33回に続いて今回も不信任案を提出され、否決して議長を続けた)と言われ「採決議長」(直ぐ採決したがる、そんなに採決したけりゃ病院へ行き採血してろ!)と詰(なじ)られ、さらには「廃案議長」(総会の終わりに継続にすりゃいいものを廃案にしてしまう)と嘲られている議長の三選である。
三選が惨選にならなければよいがと案ぜられる。
・派遣
「わたしはあなたがたを遣わす」と主イエスは弟子たちに宣言される。
このマタイ福音書10章は弟子を派遣するに際し主イエスが訓示を垂れている箇所であるのだが、この16節には珍しくたった一節に動物が四種類も登場する。
主の派遣は羊を狼の中に送り込むようなものと緊張感を以てなさ……
日本基督教団総会議長 山北宣久
二〇〇六年十一月三日は、日本国憲法(以下、憲法とする)が公布されて丸六〇年の節目の時です。
憲法は、その前文で「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」と謳っています。
つまり、日本の過去の戦争は、政府の行為によると認識し、国内外、とりわけアジア諸国に甚大な被害と犠牲をもたらしたことへの深い反省に立った決意が憲法の基礎と言ってもよく、この決意の上に「①国民主権②恒久絶対平和③基本的人権の尊重」の三原則を定め、これらの実現こそ、新しい日本国の「形」としたのです。
特に第九条の「恒久絶対平和」に関しては、他の国の憲法にもあまり例を見ない「戦争放棄、戦力の不保持」を明確に記し、かつての戦争への反省と懺悔を前面に出しています。
また憲法施行直前に制定された「教育基……
・韓国基督教長老会
イム・ミョンギュ副議長
両教団が一九六七年に宣教協約を結んで以来、キリストにおいて深い交流を継続できたことを神に感謝する。日本基督教団が過去数十年に示した宣教へのビジョンとその実践は、韓国の教会の良き規範となったことを強調したい。また、昨今保守的傾向にある日本社会に対し、平和の使徒としての役割を忠実に担っていることに深く尊敬の念を抱く。半世紀を越える分断に苦しんでいる韓半島のためにも祈っていただきたい。平和の使徒として召された教会が成し遂げるべき時代的使命がある。お互いのために祈り協力して平和と正義が満ち溢れる神の国を成就してゆく先頭に私たちが立てるよう主の御名により祈る。
なお、副議長より記念品が教団に贈られた。
・台湾基督長老教会
タンウー・チョアン議長
台湾基督長老教会と日本基督教団が長きに亘り調和豊かな関係を分かち合って、喜びの時も困難な時も互いを受……
鷲山林蔵氏(隠退教師)
九月二〇日、逝去。八〇歳。東京都に生まれる。一九五四年日本基督教神学専門学校卒業後、富山総曲輪教会に赴任。その後日本橋教会を経て、八一年から横浜指路教会を牧会し九四年隠退した。遺族は長男の拓男さん。
山田有利氏(隠退教師)
一〇月九日、逝去。八三歳。鹿児島県に生まれる。一九六二年東京神学大学大学院修了後、東中野教会に赴任。その後青山町教会、広島教会を経て、八二年から三本木教会を牧会し九七年隠退した。遺族は妻の悦子さん。
主 題 「現代における『救い』の問題」
日 時 二〇〇七年一月九日(火)〜十一日(木)
会 場 国立オリンピック記念青少年総合センター
開会礼拝 学 長 山内 眞
主題講演 「今日の救いの問題-キリストの唯一性と
多様性における非対称の二極関係的一致-」
教 授 ヘイスティングス
シンポジウムⅠ 教 授 大住 雄一
教 授 朴 憲郁
助教授 小友 聡
助教授 中野 実
シンポジウムⅡ 助教授 ジャンセン
教 授 棚村 重行
教 授 関川 泰寛
特別講演 「日本人のアジア観」
元衆議院議員・東海大学名誉教授 河上 民雄
シンポジウムⅢ 教 授 神代真砂実
教 授 近藤 勝彦
教 授 芳賀 力
閉会礼拝 教 授 山口 隆康
会 費 二五、〇〇〇円
申 込 案内が届いていない場合は、郵便振替(00160-5-18894……
四六一三号三面、消息欄卒業大学名、「関西学院大学」を「関東学院大学」に訂正いたします。
教団年鑑刊行のお知らせ
このたび、日本基督教団年鑑二〇〇七年版を刊行いたしました。今回も新たな情報を満載しておりますので、是非、最寄りのキリスト教書店もしくは当方に直接お買い求めください(定価三六〇〇円+税)。また、ご購入いただいた方には、是非アンケートハガキにお答えいただき、当年鑑についてのご感想やご批判をいただければ幸いです。来年三月発行予定の追録を送ります。
なお、直接お買い求めの際は、〇三-三二〇二-〇五四一事務局総務部にお電話ください。
二〇〇六年一一月
日本基督教団総務部年鑑係