礼拝が始まり、賛美をささげていると、遅れて入ってきた一人の利用者が前のテーブルの上に丸めたティッシュを置いた。その意味を、もはや知っている利用者の皆さんは何も言わないで讃美歌を歌っている。社会福祉法人施設の礼拝のことである。
以前、この利用者が礼拝中に前の机の上に丸めたティッシュを置いたとき、礼拝をささげている他の皆さんが、洟をかんだティッシュだと思って、一斉に抗議した。そんなことして、失礼じゃあないか、というわけである。この利用者が、「献金だよ」とぼそりと言いつつ丸めたティッシュを置いた声を聞いているので、この利用者の行為を説明したのであった。後でその丸めたティッシュを開くと、確かに貴い十円玉が入っていたのである。この利用者は、毎週の礼拝ではないが、時にはこのようにして献金をささげてくれるのである。いつも何かをつぶやいている。このつぶやきは神様への深い祈りなのである。
利用者の皆さん……
こつこつと人の歯を診て48年
長らく歯科医として働いてきたが、医院の方は後進たちにまかせて現役を退いた。もともと歯科医を志望していたわけではない。川又昇さんは、牧師の家庭に生まれ育ち、弟をはじめ親しい者たちの中にも献身した者が多い。じつは若いとき、自身も東京神学大学を受験したことがある。「今でも忘れませんが、三六名が受験して三五名が合格したのです。つまり、落ちたのは私だけだったんですよ」。この時、すでに結核を病んでいたのである。
東神大の学長をした故左近淑氏とは幼稚園の頃からの友人だった。よく共に奉仕し、よく議論をした。「淑さんは、ほんとうに面倒見のよい人でした」。こう語る川又さんは、思い出すのは自分のことでなく、他人のことばかり。しかし、川又さんは左近ゼミの隠れた後援者として、天に宝を積んでいたのである。
東京教育大学に進むが、結核が再発し、結局歯科医の道を選んだ。神学が歯学と……
二〇〇七年度の東海教区婦人研修会は、六月五日(火)~六日(水)、河口湖畔にある富士レークホテルを会場にして開催された。
この研修会は大きく二つの特徴がある。第一は実務担当が、六つある分区婦人部の持ち回りである事である。故に会場も各分区持ち回りである。第二は聖書のテキストは変わっても主題は変わらない事である。今年も「教会の肢として明日の宣教を担う」の主題の下、二回の講演が講師によって行われた。講演Ⅰのテーマは「大胆に恵みの座に近づこう」講演Ⅱのテーマは「証人の群れに囲まれて」であった。副題は「ヘブライ人への手紙を学びつつ」であった。
講師の高橋真美先生(教団隠退教師)の話は自己紹介から始まった。牧師になるつもりも牧師の妻になるつもりも無く神学校を受験したのに、その両方になってしまったいきさつ。長年仕えて来られた若松栄町教会は野口英世が受洗した教会だが、彼は借金を残して出て行ったので町では……
常に立ち続けるために
輪島教会信徒伝道者 五十嵐(いからし)成見
三月二五日九時四二分、東京の安藤記念教会でCS教師会を行っている最中だった。知り合いの方から、「輪島に地震があって大変なことになっている」という連絡をもらい、すぐさま輪島教会に電話をかけたがつながらない。その日は神学生としての最後の奉仕日。教会では私のための送り出し会を企画してくださっていた。しかし、その背後に地震で被災されている方のことを思うと、喜びに浸ることの出来ない複雑な日であった。
地震発生から四日後、輪島に着く。教会堂の隣の家は、縦に貫く亀裂が走っており、立ち入り禁止の紙が貼られていた。牧師館の裏の家屋は半壊し、屋根や横壁が激しく歪んでいた。教会堂は、木枠の窓の損傷、モルタル部分の亀裂等、改修が必要な箇所は生じているが、構造上の問題は生じていない。問題は牧師館だ。土台部分にひびが入っており、家屋が若干……
白川鄭二氏(隠退教師)
六月四日、逝去。九二歳。大阪府に生まれる。一九四一年同志社大学神学部卒業後久世教会に赴任。その後桜美林教会を経て、五〇年から八六年まで函館千歳教会を牧会し隠退した。遺族は妻の恵美子さん。
今こそ祈りを集めなければ
邑原宗男
第62回奥羽教区総会は、一つの決意をすることとなった。勿論常置委員会において検討し、教区教師宣教セミナーや宣教会議、さらに各地区総会においても報告を繰り返し、協議する時を持ち、総会へと提案した議案である。それは「『謝恩日献金』の増額に取り組む件」である。
それは第34教団総会で賛成を得られず、その後の教団年金局理事会や常議員会での検討のもとに、第35教団総会で教団年金局財務計画額が可決された。この可決はけっして人ごとではない。教団全体で「謝恩日献金」を増額分と以前からの献金目標をあわせると一億一千万円となる。
何しろ、奥羽教区全体で謝恩日献金への協力は過去数年、毎年協力教会は五五パーセント、献金額でも五〇万円をわずかに上回る状況であった。それでは計画額への協力をどのように進めればいいのかについて財務委員会、さらに常置委員会と検討して議案として……
第二回教団教育委員会が、六月十一日(月)、十二日(火)の両日、教団会議室において開催された。主な協議事項は、教会教育プログラムとクリスマス献金についてであった。実務委員会である教育委員会は、委員が分担して小委員会を形成している。その一つであるプログラム委員会より、二〇〇八年度から二〇一〇年度までの「教師の友」の総主題と三ヶ月毎の単元のテーマの報告を受け、協議の後、承認した。総主題は前期プログラムと同じ「『いのち』を共に生きる」に決定した。「教師の友」は教団教育委員会が立案する三年サイクルの教会教育プログラムに則って編集されている。教育委員会と「教師の友」編集部、両者の働きのためにお祈り頂けると感謝である。クリスマス小委員会からは、二〇〇六年度の全国の教会学校よりささげられた献金の報告を受けた。学校や幼稚園、保育園からの献金も合わせた総額は11、233、414円(二〇〇七年三月末現在)であっ……
第35総会期第二回予算決算委員会は六月七日~八日開かれ、教団二〇〇六年度決算が確定した。
今委員会で特筆すべきことは、本部事務局の年度予算決算にあわせて、出版局、部落解放センターの決算が、本予算決算委員会での詳細な審議を経たところにある。
両者の決算は、教規で予決委員会を経て常議員会で承認を求めるよう定められており、この点でのこれまでの不徹底さが、今回改善された。また、これは、教団会計全体を統合的に把握する必要性を求める教団会計監査の方針及び機構検討特設委員会の趣旨に添うものである。
教団事務局会計〇六年度決算では、支出が前年度比約六%縮小の302、331、212円となり、収支差額5、021、581円を以って常議員会に報告されることになった。教団財政改善と健全化への努力の結果が〇六年度も見える形で表れていると言えよう。
二〇〇七年度補正予算は前年と横並び、303、415、508円で……
六月二三日、第一一八回神奈川教区総会が、清水ヶ丘教会を会場に開催された。まず、川又志朗牧師の司式により、逝去教師を覚えつつ開会礼拝が行われた。来賓の紹介の後、正議員二二八名中一五七名の出席が確認され、総会が成立した。組織会と議事日程の承認の後、高柳竜二議長により「神奈川教区形成基本方針」が朗読され、議事に入った。
議案第一号は補教師の准允執行に関する件。三名の准允受領志願者が所信を表明、質疑を経て、議長は次のように議場に問うた。「この准允受領志願者が受験した教師検定試験が、神奈川教区から見て不当であるとまでは言えないと思われる方の挙手を求めます」。これは、教師検定試験に問題提起をしてきた神奈川教区独特の手続きであり、教区総会における准允、按手礼の場合の他、常置委員会での志願者面接の際にもその都度行われている。この問いについて多数の挙手を確認した上で議案は可決、直ちに高柳議長の司式により准……
米国ニューヨーク郊外ユニオン日本語教会主任牧師
◎ニューヨーク在住日本人への特別牧会も兼任
◎資格/日本基督教団正教師
◎締め切り/2007年9月14日(金)
◎資料請求/世界宣教部
TEL03-3202-0544