キリスト教医療ミッションの現場から 大江 浩(JOCS総主事)
タンザニア
幼子の命を守る-大地に根を張って
JOCSは二〇〇七年にタンザニア・タボラ大司教区へ清水範子ワーカーを派遣しました。タンザニアを取り巻く周辺諸国は紛争が絶えず、同国自体の貧しさにも関わらず(失業率は44%超)、難民庇護国となっています。一昨年夏、六〇〇キロの道のりをひたすら走り、清水ワーカーの活動地を訪れました。車窓から見え たバオバブの木は、大地にしっかり根を張って生きていました。
タボラ大司教区の保健部門は、一つの病院、三つの保健センター、五つの診療所を管轄し、同時に地域に根付いた保健医療協力を行っています。清水ワーカーの活動は、保健部門でのマネジメントと、イプリ保健センターでの助産婦としての活動がメインです。イプリ保健センターでは、三つの村を巡回し妊婦健診と五歳未満健診 をしています。
「……
▼知名度や氏子の数では出雲大社が圧巻だが、松江周辺には他にも歴史と物語に彩られた多くの神社や寺がある。縁結びについては出雲大社より歴史があると言われる八重垣、本殿が国宝の神魂、周囲の景色が美しいことでは日御碕と美保、温泉もある熊野、他にもきりがないくらい。寺に関しては小泉八雲の描く通り。▼何 よりも驚かされるのは、戸数せいぜい数百の集落に、とてつもない規模の寺社があること。山門には運慶作の金剛力士像を持ち、海辺から標高五〇〇mの山頂近くまで石段の参道が続くというような。▼出雲の国では、未だに寺社への信心が生きている。教会は、これに向かい合い、時に戦わなければならない。赤い糸かどうかは知 らないが、地域の姻戚・人間関係は複雑に入り組み、むしろこんがらがっている。その地域社会と、時に共存しなければならない。▼だから、教会の信仰もまた生きている。そうでなければ到底太刀打ちできない。神話の国の物差……
▼出雲のぞみ▼秋鹿▼松江古志原
神話の国の兄弟姉妹たち
多くの牧師が「我が町は日本で最困難な伝道地だ」と言う。それぞれ根拠もあるだろう。戦い傷付いた体験を元に、実感を語ったのであり、嘘偽りではない。
しかし、過疎化率日本一の島根県こそが、数字的に見れば最も伝道不振の地であると、ほぼ断言できる。
人口七四万の県下に日本基督教団の教会は九、他教派の教会も少ない。九教会の合計で、現住陪餐会員二三二名、礼拝出席一六〇名、東京には一教会でこれを上回る所が少なくない。一方で、大社教の信者は全国に四〇〇万人とも言われる。
因みに人口こそ一一〇万と多いが、同じ九教会の富山県は、四五三名と三二五名で、約倍。福井県は両者の間くらい。人口六七万のお隣り鳥取県は島根の倍。
教団宣教委員会は、昨年九月十五~十六日、松江市と出雲市の五教会を訪問した。教団新報もこれに同行して、短い時間ではあったが、こ……
「黙秘権を使ってもいいですか」と少年は言った。少年院における面接のときである。彼は初めての面接で、随分と緊張しているようだった。「あなたを取り調べるのではなく、あなたの今後のことについて話し合うんだよ」と述べた。少年院では篤志面接委員を担っている。面接では少年達が将来について積極的に質問し てもらいたいのである。しかし、多くの場合、こちらから話しかけないと口をつぐんだままである。何回かの面接で、ようやく心を開き、少しずつ話すようになる。当然、将来については不安であり、相談を持ちかけてくるのであった。
院内の生活は刑務所より緩やかであるが、やはり厳しい。やたらに雑談はできない。まして、自分の過去などは話すことはできない。しかし、面接では何でも話してよいことを知り、積極的に自分のことを話してくれるようになる。
黙秘権の少年は誰も信用してないようだった。兄弟に苦しい思いをさせられ、その仕返し……
神の御手の業を 留めるために
なつこさんが博士審査展に提出した三作品のうち、二つには「ルアハ」という題がつけられている。ルアハは、ご存じのようにヘブライ語の風、息、さらに霊を言う言葉だ。また今一つの作品には「燃える柴」という題が付けられている。
彼女が手がけるのは彫刻、主として木を用いる木彫である。木彫と言っても、この小さな体のどこにこれほどのエネルギーが秘められているのか、と思わせるほどに大きなものである。
二つの「ルアハ」作品のうちひとつは、大人が三、四人でやっと抱えることができるほどの樟(くすのき)の木の丸みを生かし組み合わせて、風に煽られるカーテンを掘り出してみせる。また今ひとつの「ルアハ」は、直径一・二メーターの樟の円盤の上に約九百本もの、これもやはり木から彫り出された草が立てられてあって、この上を一陣の風が吹き渡ってゆく様子を表現する。
本来、僅かばかりの風などでは……
二〇〇九年一月九日(金)十四時から十六時一〇分まで、西東京教区国立教会で「隠退教師を支える運動・西東京教区推進座談会」を開催した。
東京地方は久しぶりの雨天だったが、それにも拘わらず十三教会二五名が出席した。
はじめに西村佳子委員の司式で開会礼拝をまもり、狛江教会・岩田昌路牧師から、ヤコブの手紙1章19~21節により「神の言葉を聴いて行動することが大切。隠退教師をおぼえつつ活動を続けているこの献金運動の発展を祈る」との説教があった。
そのあと、滝川英子委員の司会で座談会に入った。
まず出席者全員で、①「それぞれの教会に召命によって遣わされ、み言葉の役者として伝道と牧会に専心されている教師に、私たちは心から感謝いたします。...後略」、②「私たちは、それぞれの教師が長年にわたり伝道と牧会に全生涯を捧げられ隠退されてからの生活を少しでもお支えしたいと念願しております。このことは、 私……
奇しき恵みの場所
坪内佐知子(富山新庄教会員)
私共は昨年四月、富山新庄教会に参りました。教会報での紹介のためのインタビューで「キリストとの出会いは?」と問われ、考えました。いつだったのか?改めて考えるとはっきりしないのです。
成行きで洗礼を受けた印象の私。夫が献身を決意し、教会に赴任した時から、夫が私の牧者になりました。牧師館での生活、み言葉を通してイエス様が私の救い主であることをはっきりと確信したのです。けれど、その時が出会い?そうではないのでしょう。ずっと以前に既に出会っていたけれども、私の方に自覚がなかったのだ と思います。イエス様に背中を押され主の舟に乗り、ずーっと運ばれてきたのです。常にあたふたしていたけれど、いつも主から示し続けられてきたのです。教会とは縁遠い世界にいた私が、今教会に住んでいることは、まさに奇跡です。奇跡の連続で今の私があります。
私も夫も美術の道……
☆東京信徒会講演会
▼時=2月28日(土)14時~16時半▼所=日本基督教団富士見町教会▼記念講演=阿久戸光晴聖学院大学学長▼主題=「世界同時不況の再来か?」-価値について問う- ▼主催・問合せ=東京信徒会電話 044-969-2024(鈴木)
WCC青年プログラム
◎スイスのジュネーブで、中央委員会でのサポートやトレーニング
(2009年8月19日~9月4日)に参加
◎募集 18歳から30歳までの教団の信徒
◎自己負担 往復旅費
◎先方負担 宿泊
◎応募期限 3月15日(必着)、書類選考あり
◎問合先 総幹事室 (電話 03-3207-8768)
林 芳助氏(隠退教師)
一昨年十一月二五日、逝去。九二歳。山口県に生まれる。長島聖書学舎卒業後、一九七八年光明園家族教会に赴任。八三年まで同教会を牧会し隠退した。
及川 清氏(隠退教師)
昨年十二月十九日、逝去。八五歳。北海道に生まれる。一九五七年日本聖書神学校卒業後、手宮教会に赴任。九九年まで同教会牧師を務め隠退した。遺族は妻の久子さん。