違法聖餐執行停止を求める件可決 西東京
第21回西東京教区総会(定期)は、5月24~25日、吉祥寺教会を会場に、開会時で正議員134名の出席を得て開催された。
数年来、聖餐を巡る諸問題が最大関心事であったが、特に今総会はこの事柄に終始したとさえ言える。
冒頭、議事日程承認で、議案14号の取り扱いについて、以下の理由により、議案を取り下げるべきだとの主張がなされた。教区事務所に提出する期限に間に合ったという証拠がなく、むしろその事実関係に疑わしい点がある。前年の総会で殆ど同様の主旨の議案が廃案になっており、一事不再議の原則に抵触する。議案名と提案理由の関係が不鮮明で、議案として体裁をなさない。また、内容は自明のことであり、教区総会で決議するのに馴染まないという意見、可決しても具体的な実効性に結び付かない、更には、議事運営委員の過半数が賛同者に名を連ねている、定数が同じ他の特設委員と総入れ替えせよとの意見もあった。
この議案14号は、結局二日目最後に上程され、2時間近い議論がなされた。
議案名は、「西東京教区が、未受洗者への配餐を行っている教会・伝道所に対して、教憲・教規の規定に反した聖餐礼典の執行をすみやかに停止するよう求める件」提案者:長谷川洋介。
提案理由冒頭には、「日本基督教団に属する教会・伝道所が未受洗者への配餐を行なうことは、教憲および教規に違反する。そうした配餐を教会・伝道所が認めて執行したとき、その教会・伝道所が属する教区としてすみやかにその違反行為を指摘し、かつ停止するように求めることは教区としての責務である」と記され、教規からいくつかの条項が論拠として上げられ、その解釈が述べられた。
賛否交互に6人ずつが意見を述べた。教憲・教規及び準則の解釈と位置付け、第36教団総会での関連決議の評価を、賛否両派が根拠として上げ、或いは根拠たり得ないとして退けるという、やや図式的な議論になった。昨年の総会の議事録と寸分違わないではないかという指摘さえなされた。このことは、聖餐を巡る議論そのものについても、同様であった。
その中で準則、特に8条を巡る議論では、準則は本則のような拘束力を持たないという意見と、全く反対の意見、更には、各個教会が準則に添って教会規則を定めた時点で、これは既に準則ではないのだから、違反は紛れなく違反だという考え方も述べられるなど、従来よりも踏み込んだ議論がなされた。
この審議に先だって、同日の内藤留幸総幹事による教団問安使挨拶の際にも、同主旨の議論が既に行われており、議論は尽くされたとの判断がなされ採決、97名中55名の賛成により、僅差ながら可決された。
他の重要議案では、12号「西東京教区開拓伝道実行委員会設置ならびに委員選任に関する件」が可決され、昨年9月から立川駅近隣のレンタルスペースで開始された、教区開拓伝道の業である立川夕礼拝が、継続されることとなった。
この議案の中には、「日本基督教団信仰告白と教憲教規を共通基盤とする」と謳われており、自明のことを記す必要はないから、この一文を削除すべきだという修正案が出されたが、少数否決、原案が可決された。
このことが教区開拓伝道推進にとって特別大事な共通理解として確認される結果となった。
議案11号「めじろ台教会設立承認に関する件」が、反対意見なく承認され、小野澤照夫教師と教会員の働きを覚え祈りが捧げられた。
議案13号「教団年金を守るための教区推進案に関する件」では、基金の現況や運用について、詳細にわたって、鋭い質問が寄せられたが、原案通り議決された。
常置委員会に欠員が出た場合の対応について、従来不明確であったことを踏まえ、直近の定期教区総会で改選数に欠員を加えて選挙し、下位当選者を欠員の残任期間に当てることが決議された。
選挙結果は下記の通り。《議長》大村栄(阿佐ヶ谷)、《副議長》真壁巌(相愛)、《書記》道家紀一(井草)
常置委員選挙結果
【教職】山畑謙(小金井緑町)、岩田昌路(狛江)、菊地丈博(原町田)、吉岡光人(吉祥寺)
【信徒】小中乃芙子(永福町)、川原正言(南三鷹)、高橋豊(白鷺)、井田昌之(狛江)
(教団新報編集部報)