第36総会期第2回部落解放センター運営委員会が6月30日午後から7月1日にかけて、日本キリスト教会館4階教団会議室で開催された。出席者は陪席者をあわせて32名。活動委員長として谷本一廣が承認された。委員会の中で、日本基督教団全国同宗連事務局職員、NCC部落差別問題の担当者それぞれからの挨拶や報告の時間をもった。
会計監査報告の後、決算、予算及び活動献金について話し合われた。2008年度活動献金は611万円余りが献げられたことが感謝をもって報告された。今年度も700万円を目標に取り組むことが確認された。
6月13日~22日に開催された四国キャラバンが、四国教区の協力によって無事完走。各地で多くの出会いと交わりが与えられ、部落解放運動への取り組みを呼び掛けることが出来たことがキャラバン参加者から報告された。また、報告集の作成が承認された。今後の実施については継続して検討することとなった。
第11回部落解放全国会議は、来年6月7日~9日に東京で開催することとなった。現在、東京教区、西東京教区、部落解放センターで実行委員会を立ち上げ、準備が進められている。
常任運営委員会から、部落解放センターの新しい規約案が提案され検討した。次回に継続となった。
兵庫教区総会の席上、センターは日本プロテスタント伝道150年についてどう捉えているのかと問われたことについて、多くの時間をとって意見の交換を行った。出された意見を参考にして、運営委員長が『全国通信』の次号に文章を執筆することとなった。
次回の運営委員会は2010年1月25日~26日に、活動委員会と合同で開催することとなった。
(多田玲一・部落解放センター運営委員会書記)
四国に解放の風が
...四国の地に熱と光を...
「6月、四国に解放の風が...」「四国の地に熱と光を」。ポスターに踊るそれらの文字を眺めながら部落解放四国キャラバン2009を振り返っている。
6月13日から22日までの10日間、四国教区の全面協力のもと教団部落解放センターは隊員4名で四国一周のキャラバンを行った。全国で部落解放の課題に向き合いそれぞれの地で多様な営みが紡がれてはいるが、一方部落差別をはじめ「教会に差別は存在しない、教会の課題ではない」という声はいまだ根強い。そこで、隔年開催の部落解放全国会議と交互にこの課題を訴えながらキャラバンできないか...との声を受けて実現した。今後も教区単位で隔年開催を予定しているその第1回目が今回の四国教区だ。
1992年、部落解放センターは全国キャラバンを実施した。文字通り日本全国を82日間に亘り一周、全行程は1万2000キロに及び600教会で2500名の人々と出会う旅だ。その詳細は『走れキャラバン』(日本基督教団出版局)に残されている。四国キャラバンは期間も行程もそれには及ばないが17年前のキャラバン同様「出かけて行って人と出会うこと」を大切にするセンターの祈りは確実に継承され、濃密な出会いと励ましに満ちたものであった。
期間中14箇所の教会や会館で集会を開催し、二度の主日礼拝には分散して計8教会をお訪ねした。またキリスト教主義学校で部落解放に関わる特別礼拝も担当させていただいたことを感謝している。
各地での集会は内容も規模も様々である。ビデオを用いた学習会、ライブ&トークのコンサート、パワーポイントを示しながらの証言、主日礼拝担当など4名のキャラバン隊員が個性を発揮しつつ行われ、各集会の後半では参加者と心を開いて語り合うひとときが与えられた。礼拝後の茶話会や食事会でも素朴な疑問が投げられたり、証言に呼応しご自分の体験を語り出したりと、まさに出かけたからこそ与えられた出会いなのだ、と深く思わされた。
行程の後半、解放運動に関わる方たちから「あんたたちは大切なことをしてるんだからもっと胸を張ってやれ!」と檄を飛ばされる場面もあり、その「熱と光」に大いに励まされもした。
四国教区を挙げての協力、各地でのお心のこもったおもてなし......。お遍路さんを迎える優しさに満ちた風土は教会にも根付いている。
課題をひとつだけ。職場でもサークルでも「この話を最も聞いて貰いたい人がここに居ない」という現実がある。教会も然り。四国の各地で開催した集会に参加「しなかった人々」とどのように関わっていけるのか、が今後も大きな課題として示されている。
(片岡謁也報)