インスタグラムアイコンツイッターアイコンyoutubeアイコンメールアイコン
日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

教団新報:一覧

【4795号】神学講演 近藤勝彦 東京神学大学名誉教授 エネルギー政策転換のカイロス-キリスト教神学の視点から福島原発事故を考える-

2014年4月12日
 私たちキリスト者は、日本のみならず、世界の問題でもある福島原子力発電の事故をどのように受け止め、信仰の歩みを進めていくべきであろうか。キリスト教信仰と神学の使命には、どのような時代や文明の中でも、主イエス・キリストの十字架の死による神の救いを宣べ伝える伝道が、礼拝と共に中心的な位置にある。その上で、教会は世界文明と社会に対し形成的、また批判的に奉仕する課題を負うことになる。それゆえ、教会は必要に応じて「キリスト教世界政策」を科学技術の問題に関しても提示することを使命の中に持つと言える。  原子力発電に関して、私は三つの点を指摘したい。  一つは、「核廃棄物」の処理が過剰な負担を将来に負わせる問題である。放射性廃棄物の最終処分場を問題とする原発は、「未完成な技術」と言わざるを得ない。核廃棄物処理の解決は、しばしば「未来の人類の英知」に託すと言われてきた。将来に希望を置くこと自体……

【4795号】海外からの報告  原子力問題取り組みを報告

 国際会議3日目、午前11時以降には海外教会の報告が行われた。《午前11時〜、押川記念ホール=連帯福音宣教会、台湾基督長老教会》《午後2時〜、押川記念ホール=大韓イエス教長老会、スイス・プロテスタント教会連盟、第1会議室=合同メソジスト教会、第2会議室=ベルリン宣教会、第3会議室=カナダ合同教会》 ドイツ《連帯福音宣教会EMS》 台湾《台湾基督長老教会》  連帯福音宣教会からは、ドルテ・ジィーデントプフ医師が、自身が属する核戦争防止国際医師の会ドイツ支部が、チェルノブイリの事故後に行った、核兵器と原子力の廃絶運動を紹介した。主に、事故の影響を強く受けたベラルーシの状況を報告した。事故後、様々な疾病が増えたこと、また、現在でも続けられている支援活動に触れ、「私たちは、後の世代から世界を借りているにすぎず、キリスト者として、世界と生命と自然を保護する責任がある」と告げた。  台湾……

【4795号】東日本大震災3周年記念礼拝

 まず、奉唱の奉仕を、日本基督教団池袋台湾教会員である張端銘氏が、特別祈祷の奉仕を、大韓イエス教長老会企画局長ビュン・チャン・ベ牧師がそれぞれ担った。  続いて、震災発生時に東北教区の議長であった高橋和人牧師により、イザヤ書60章1~5節と、ヨハネによる福音書1章1~5節、14節から、「まことの光を求めて」と題して次のように説教がなされた。  「震災発生翌朝、音の消えた街を多くの人々が歩いていたが、まさにその瞬間、あの大きな闇が現れようとしていた。それは、それまで私たちが光だと思って追い求めていたものの陰であった。  2日目の夜の星空、人間の作りだした光が消えた故、そこにはかつての光の回復があった。しかしそこに押し寄せていた陰を感じることはできなかった。その後ラジオから流れるのは、原発事故の状況と、安全を語りつつ一方で避難を呼びかけるものであった。死の灰が降り注ぐ切羽詰ま……

【4795号】現地からの報告 地域とのつながりを報告

東北学院大学  会議2日目、東北学院大学の阿部重樹教授は、2011年3月29日に立ち上がった災害ボランティアステーションの活動を通して見えてきた大学災害ボランティア活動の意義や課題を報告。震災直後は、団体による短期間での活動が求められたが、被災者との信頼関係の中で、長期的、継続的な活動が問われ始めていると述べた。宮本直規講師は同大学が2012 年夏から発刊している『震災学』を紹介。発行に至る経緯から、刊行する意義について報告した。長島心一氏(同大学災害ボランティアステーション学生代表)は、学生ボランティアが現在取り組んでいる活動を紹介すると共に、ボランティアの魅力を語った。   会津放射能情報センター  会津放射能情報センター代表の片岡輝美氏は、震災直後から現在までの自身の体験を含めた、個々の体験を詳細に語りながら、同センターの働きを紹介した。活動の軸の一つは、「……

【4795号】基調講演 島薗進 上智大学教授 原子力発電の非倫理性と宗教からの声-福島原発災害後の苦難の中から-

 3・11以降、宗教界の反原発発言に関心を抱いてきた。震災による原発事故が倫理問題として論じられるには宗教界が一定の役割を果たしている。これまで政治、社会問題に積極的には発言してこなかった日本の宗教勢力が今回は比較的早く脱原発について意志表明した。  日本カトリック司教団は、事故前には緩やかな脱原発だったが、「いますぐ原発の廃止を」の声明(2011年11月8日付)を出した。環境へのスチュアードシップ、利益、効率優先の経済至上主義への反省、未来世代への責任といったことを倫理性とする。また、浪費的生活を改める清貧の理想を述べる。日本にも同じ伝統があると訴えるが、清貧を一般社会に求めるのは、世論を味方につけることをあまり顧慮していないと言える。  日本基督教団の議長声明(2012年3月27日付)は、詩編を引用しキリスト教的世界観をまず前面に出す。原発が「命あるものの関係を断ち切る」の……

【4795号】メディテーション

国際会議2日目以降のすべてのプログラムは、朝8時30分からのメディテーション(小礼拝)から開始された。2日目、4日目に全体で行われた礼拝では、比率的には日本人の礼拝者の比率が約半分程度であったため、讃美の歌声が日本語半分、諸外国語半分という国際色豊かな歌声となった。それは主の祈りについても同様で、数種類の言語で一斉に唱えられる主の祈りは、信仰による世界の一致を証する祈りであった。 毎朝語られた説教は、今国際会議の大きなテーマである人間の罪を明確に告げ、そこからの悔い改めを説くものであり、今回の原子力発電所事故が単に日本のみの問題ではなく、すべての人間に関わる全世界的な罪の出来事であることを改めて確認させられ、そしてその解決はそれ故に、ただ神にのみ委ねる信仰によって為すものであることを語るものであった。 共に祈り、共に讃美し、共に同じ御言葉を共有するメディテーションから各プ……

【4795号】日本基督教団第38総会期第4回常議員会において可決した原発関連議案及び声明文

第38総会期第4回常議員会 議事第22号 日本基督教団に所属する諸教会・伝道所に対して、脱原発への働きに参与することを呼びかける件 提案者 議 長 議  案  2011年3月11日の東日本大震災により起こった東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、第38総会期常議員会は、日本基督教団に所属する教会・伝道所に対して、脱原発のために祈りを合わせ、その働きに参与することを呼びかける。 提案理由  2011年に起こった東京電力福島第一原子力発電所事故による放射能汚染の問題は、今もなお深刻さを増しております。  この間、2012年5月5日に北海道電力泊原子力発電所3号機の定期点検に伴う稼働停止によって、日本中すべての原発が停止しました。しかし日本国政府は「国民の生活を守る」との理由により、同年7月1日に関西電力大飯原子力発電所を再稼働した(現在は定期点検のため停止中)ほか……

【4795号】教師検定試験公告

2014年秋季教師検定試験を左記の要領で行います。 1、受験要綱の申し込み  受験要綱と教団指定の願書用紙は160円切手を同封し、正教師受験志願者か補教師(A、B、Cコースの別も)受験志願者かを明記した上、封書でお申し込みください。 2、受験願書の提出  受験願書と必要書類を整えて、受験料とともに所属教区に提出してください。 ①教区締切 2014年6月6日(金)(教区により締切が異なりますので、教区事務所に確認してください。) ②教団締切 2014年7月3日(木)(各教区から教師検定委員会に提出する際の締切です。) *受験料は正教師1万3千円、補教師1万円。 3、正教師「説教」「釈義」の課題テキスト ①旧約 創世記27章18節~29節 ②新約 ルカによる福音書13章22節~30節 4、正教師の「神学論文」の課題 『今日における宣教の課題』に、「特……

【4793・94号】第38総会期第4回常議員会

2014年3月15日
「教区負担金配賦額」新算定方式可決  前週の大雪の影響が残る中、第4回常議員会が開催された。宣教基礎理論取扱い、教師養成制度検討についての議長諮問への答申、負担金新算定方式、事務局一時移転など重要事項を審議した。また、38教団総会より今期常議員会に付託となった原発関連、軍事基地撤去について決定した。    第38総会期第4回常議員会は、2月17、18日両日、教団会議室で、30人中29人が出席して開催された。  深谷春男常議員の説教による開会礼拝後、議事に入り、書記報告で雲然俊美書記は、2月3日、東京神学大学教授会と教団3役、総幹事、総務幹事が懇談し、「双方の近況報告、協力の在り方について意見交換した」と報告した。  長崎哲夫総幹事は、総幹事報告で、「東日本大震災募金は、国内6億6765万円(2月17日現在)、UMCOR(米合同メソジスト教会海外災害支援部……

【4793・94号】荒野の声

 この冬、仕えている教会としては比較的大きい100人、200人と集う葬儀が続いた。召されたのは90歳を間近にした姉妹、100歳を迎えた姉妹だった。おばあちゃんたちの葬儀にこれだけの出席があったことに教えられた。生前、良い証をしたことの現れだった。▼これまで葬儀で語ってきた式辞を思い返してみると、その兄弟、姉妹の人生のどこに、牧師として注目してきたかが分かる。兄弟、姉妹がいつキリストに捕われていることに気づかされたのか、信仰を告白し洗礼を受け、どのように教会につなげられたのか、ということだ。▼姉妹たちも彼女たちにしかないユニークな教会との出会いを経て、すべてのキリスト者が与ったひとつの洗礼の恵みを受けたことを覚えた。〈あめにたからつめるものは/げにもさちなるかな〉(54年版讃美歌513番)と歌うように、天に積まれてある宝が人生に明らかになるのが洗礼を受けるときだ。地上の人生で最も尊いときであ……
PageTOP
日本基督教団 
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2024
The United Church of Christ in Japan