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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4808・09号】伝道のともしび この地にある教会としての歩み 喬木教会牧師 伊奈 聡 

2014年10月25日

 私が喬木教会に赴任したのは2000年。今年で15年目に入ったところです。喬木教会は、長野県の南、飯田市の隣にある喬木村にあります。私が赴任した年、村の人口は7300人程でしたが、今はその頃より千人程少なくなりました。多くの若者は、進学や就職で都会へ。とは言いましても、現在6300人もの人々がいるのでありますから、希望をもって福音を届けて行きたいと願い続けています。

 喬木教会は戦後すぐ、この村出身の湯澤實牧師が郷里伝道に導かれたことから始まりました。本当に貧しい時代で生活が厳しく、キリスト教に対する偏見がある中、ただ主を信頼して、霊に燃えて伝道し続けました。湯澤實牧師が召された後、子息の湯澤宣道牧師が後を次いで牧会しました。この先生方の地道で熱心な働きによって、教会は地域に信頼され、受け入れらました。この地域から信頼されるという状況は、本当に大きな信仰の産物であり、主の御名を崇めます。

 そのような経緯の中で、地方教会において牧師は、その地に根差し、その土地の人になる方がよい、と私は思わされています。もちろん主の導きで転任すべき時もあるでしょう。しかし、地方においては、横の繋がりが深く、人々は教会に来なくても教会をいつも見ています。そんな中、牧師が頻繁に変わると、それだけで地域の人々と親しい関係を築くことが難しくなります。また教会としましても、牧師が変わる度に、牧師との関係を新たに築き直し、時に教会形成の方針や伝道方法が変わると前へ進めず、足踏み状態が続きます。そして、慣れた頃に、また牧師が変わる、と考えたら、信徒の方々も牧師に従うことに不安を覚えてしまうでしょう。

 ですから、地方伝道においては、地域からの信頼を勝ち取ることが必要であり、そのために、牧師はその土地に生き続けるべきだと思わされます。

 また、伝道において最も重要なことは、祈りであると考えます。これまでも祈りを大切にしてきたつもりですが、昨年からは、教会全体としてここに力を入れる必要があると教えられました。そこで開始したのが早天祈祷会です。地方の朝は早いのです。開始が6時からだと、信徒の方々の生活が忙しくなるので、5時30分開始にしました。約30分の祈祷会です。最初に賛美し、主の祈りを捧げ、御言葉を読み、奨励。そして祈りの課題を共有し、その後は自由に祈る。祈り終わった人から自由解散。そんなプログラムです。

 早天祈祷会を始める時、たとえ自分一人でも続ける、と覚悟を決めて呼びかけましたら、翌日から8名の方が集まりました。それから多い時で20名を超える方が来てくれます。最近は15名程で月~土まで毎日、祈っています。祈ることで、集う方々の表情が変わります。教会の雰囲気が変わります。

 実際の伝道面では、目に見える形で成果を得ているわけではありません。やはり地方ならではのしがらみは大きいように感じます。しかし、教会が希望の満ち溢れる場として、祈りによって輝き続けることによって、豊かな実を結べると信じて主に期待しています。

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