西東京教区では年一回、壮年委員会主催による「キリスト教講演会」が行われている。社会福祉、キリスト教教育、老いなどの現代社会、そして現代の教会に於ける諸課題を取り上げ、講演を伺い、教区内壮年会の親睦の時ともなっている。六回目となる今回は、一月二二日、「職業観について-コーリングへの応答」と題して、キリスト者経済人である速水優氏(前日本銀行総裁・聖学院名誉理事長・阿佐ヶ谷教会員)を講師として、阿佐ヶ谷教会に於いて開催され、教区内外二五教会より約一〇〇名の参加があった。
速水氏は、自らの戦中・戦後体験、経済界での経験はもちろんのこと、教会での経験、海外での体験や理事などで関わってきたキリスト教主義学校での経験を通して、「職業観」をどう考えるか、その思いを語られた。
速水氏の「職業観」は、大塚久雄氏のマックス・ヴェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』解釈に影響を受け、コリントの……
二〇〇六年一月一九~二一日、広島を会場に「第20回外キ協全国協議会」「同全国集会」が開催された。協議会では〈宣教課題としての外国人住民基本法-戦争と排外の時代に「外国人住民基本法」制定運動を展望する〉を主題として、三日間にわたり熱心な討議が交わされたが、これに先立ち今回も現場研修が設定された。広島YMCAの皆さんの案内により平和公園、広島城跡にある旧大本営跡などを巡ったが、特に朝鮮人原爆犠牲者慰霊碑については、協議会で証言された在日大韓基督教会広島教会の金信煥名誉牧師のお話とも直接結びついて心を揺さぶられた。大本営跡、護国神社ではまさに軍都「廣島」が記憶から蘇るようで、平和都市「ヒロシマ」の背後にあるおぞましさに触れ、背筋が寒くなった。
協議会は在日大韓基督教会広島教会の中江洋一牧師の力のこもった説教で始まり、夜の公開講座では古屋哲さんから「新たな入管指紋制度」についてみっちり学んだ。外……
第34総会期第四回予算決算委員会は一月二三日・二四日の両日、教団会議室で開催された。
竹前昇総幹事および計良祐時財務担当幹事より、当委員会に関わる事項の報告を受けた。
二月に開催される常議員会への報告事項について、二〇〇五年度補正予算案について、教団監査委員からの要望について、事務局・出版局・年金局の連結決算を目指すことについての課題、等の報告があった。
ついで二〇〇五年度補正予算の協議では、それぞれの補正項目について財務担当幹事より説明を受け、協議の結果、表に数字で表した予算案だけでなく、より判りやすく、くわしい概要説明を盛り込んだ、補正予算案を作成することになった。
かねて不用になっていた教団小金井住宅の処分については、処分金を運転資金とすることを承認した。
二〇〇七年度教団負担金については、現在の負担金賦課方式と、教規一五四条とのずれについて協議を行ない、規定を一部変更する……
第34総会期第七回教師委員会が一月二六~二七日に教団小会議室において開催された。
今回の主な協議内容は、昨年一〇月から一一月にかけて実施された教師委員会の神学校問安の報告をもとに協議したこと、二〇〇六年度の新任教師オリエンテーションの概要を決定したことなどである。
新任教師オリエンテーションは六月二六~二八日に天城山荘で開催されるが、その具体的な内容について協議し、決定した。
主題は、「教団の教師として宣教を共に担う」を今回も継続して掲げていくことを確認し、この主題の課題である、日本基督教団の「教師」像を探ること、「宣教」の内容を探ること、宣教を「共に」担うことを踏まえて教団総会議長、副議長、総幹事にそれぞれ発題をして貰う予定である。
しかし、一方で委員会が数年来心を砕いている点は、新任教師の現場での苦悩への配慮である。そこで、今回のオリエンテーションでは、新任教師相互の交わりを深……
一月二四日午前一一時から午後四時三〇分まで、教団会議室において第四回世界宣教協力委員会が開催された。葬儀のために欠席した木下宣世書記に代わり、村山盛芳実務委員が代理書記に選任された。
今回は委員以外に二組の方をお迎えした。一組は昨年七月、フレーザーバレー日系人合同教会(カナダ)での六年にわたる働きを終えられた、大下秀三・幸恵宣教師ご夫妻だった。昼食前の時間に活動報告をお聞きし、昼食を食べながら交わりの時を持った。北米における日系人教会の働きが、多くの人の心の支えになっている様子を知り、委員一同は大下宣教師ご夫妻の働きに感謝をするとともに、後任の木原葉子宣教師とご家族の働きが祝福されることを祈った。もう一組は、ブリュッセル日本語プロテスタント教会(ベルギー)から当委員会に派遣要請をいただいた、岡田直丈牧師であった。当該教会からの要請を受けて、帰国中の岡田牧師と面接をし、後援会の結成などの条……
第34総会期第四回教師検定委員会が、一月二三〜二四日、大阪クリスチャンセンター及び天満教会で、委員七名の出席で行われた。大阪クリスチャンセンターを会場にしたのは、試験会場の下見を兼ねるためであった。
最初に前委員会で試験会場の一本化の件を常議員会に報告したこと、各教区議長にその旨の文書を出したこと、常議員会及び各教区から特に反対はなかったこと等が菅原力委員長より報告された。また、「教憲第九条検討作業委員会」からの提言などが委員長より報告された。
次いで、二〇〇六年秋季教師検定試験の受験会場を大阪クリスチャンセンターにおいて一本化することが検討され、費用等も含めて可決された。常議員会を経て、今後この方向で教師検定試験は実施されていくこととなる見通しである。
二〇〇六年春季教師検定試験受験志願者は、補教師九二名(Aコース三九名、Bコース二九名、Cコース二四名)、正教師一五名、計一〇七名。……
▼ある寒い日の礼拝後、奏楽者がオルガンの席に座ったまま、手を組んでうなだれている。どうも気になるので、少し近づいて様子を窺ってみた。頬に涙がつたい、そして光った。▼涙を流すご婦人のお相手は敬遠したくなる。苦手だ。まあ、得意な人もいないだろうと思うが。妻が「どうかなさいましたか」と声をかけた。返答はあまりにも意外なものだった。米寿を迎えようとする年齢で、なお奏楽の奉仕が出来た。ここまで健康を与えられ、礼拝に仕えることが出来て、嬉しくて嬉しくて、感謝の涙が出てしまったということだった。▼喜怒哀楽の感情の内、怒哀は、あまり衰えないように思う。楽もありそうだ。喜、…感極まり感謝の涙を流したのは、一体何時のことだったか。そんなことが果たして一度でもあったかどうか、それも怪しい。▼婦人は、この日の奏楽を最後に、自ら現役を退いた。それから一〇年、今は転居し新しい教会で礼拝を守っている。「白寿を迎えました……
深刻な被害状況の情報共有
日韓の教派を超えた協力関係
一月一八~一九日、ソウルの韓国教会宣教百周年記念館を会場に「統一協会問題についての日韓教会フォーラム」が開催された。日本側からは「統一協会問題キリスト教連絡会」を構成する日本基督教団、カトリック教会、日本聖公会、日本福音ルーテル教会、日本バプテスト連盟、在日大韓基督教会の六教派の代表、弁護士、被害者家族の会の代表二八名、韓国側からは大韓イエス教長老会の統合派、高神派、ホーリネス、カトリック教会の四教派の代表二一名の合計四九名の参加であった。
これまで日本の各教派はエキュメニカルな形で「連絡会」を組織する形で、韓国の諸教派もそれぞれに「異端似而非対策委員会」等を設ける形で統一協会問題(韓国ではキリスト教と明確に区別して「文鮮明集団」と呼ぶ)の対策と相談に当たってきた。そうした積み重ねにより目覚しい成果が上がってきた一方で、互……
建国記念日としての歴史的根拠に基づかない二月一一日が「建国記念の日」として制定実施された一九六七年以来日本基督教団は二月一一を「建国記念の日」として認めず、「信教の自由を守る日」として位置づけ、各地で二・一一集会を開催してきました。教団のみならず、キリスト教会や市民団体なども全国各地で抗議集会などを開いてきました。
もともと二月一一日は、神話上の人物とされる神武天皇が即位した日とされ、一八七四年に「紀元節」と決められ、戦前の日本の超国家主義、軍国主義を象徴する「祭日」でした。戦後、「紀元節」は平和主義国家の祝日にふさわしくということで一九四八年に制定された「国民の祝日に関する法律」が公布実施されたことにより廃止されました。「旧紀元節」の事実上の復活は再びこの国を天皇を中心とする国とし、愛国心を復活させようとするものです。
昨年の一〇月一七日、小泉純一郎首相は五度目の靖国神社参拝を強行し……
心に聴く就職支援
米国に八年間駐在し、鉄鋼商社マンとして活躍した一宮さんが、Cコース受験を志したきっかけは、五〇代に入院したことだったという。といっても、大学で倫理学を専攻し、一九歳で受洗した時に、将来の教職を夢見ていたというから、長い間心に描いていた転身だった。
東神大夜間講座、日本聖書神学校夜間聴講生として勉強し、昨年、六一歳で補教師となった時に、教職の道に進まなかったのは、退職後、取得した産業カウンセラーの資格から得たハローワーク就職支援アドバイザーの仕事に、実践的愛の宣教の場を見出したからだった。
二年近くのハローワークでの体験で気づいたのは、「今の若者にコミュニケーション不足の者が目立つ」ことだ。「何をしたらいいか、何をしたいのか。表現出来ない」者がいる。
いとも簡単に職を見つける人と、何十回受けても決まらない人。その分かれ目は、「出会いの重要性」なのだという。「単に……