▼『リプレイ』というベストセラー小説がある。主人公は、題名通り何度も何度も人生をやり直す。読むと惹きつけられるが、改めて紹介する程の内容はない。▼同様の主旨の小説・漫画は無数にあり、膨大な数が出版されている。一人の人の人生についてもそうだし、この世界そのものがリプレイするストーリーもある。名のあるSF作家の殆どが、このテーマに取り組んでいると言っても良いだろう。随分読んだが、まあ、かなりの時間を無駄にした。▼しかし、この手の作品は売れるし、またつい読んでしまう。リプレイ願望が私たちを捕らえているのだ。出来るものなら人生をリセットし、人生のどこかの時点に帰りもう一度やり直したい。▼目の前には、滅びが待っていて、これを避けることは絶対に出来ない。今という時に留まり続けることも出来ない。それが私たちの現実。だから、リプレイ願望が私たちを魅する。▼新しい年を終える時、またリセットしたくなるだろうか……
マタイによる福音書二章一~一二節
別の道を通って
・決 意
「誓うより 願うばかりの初詣」 (読み人知らず)
私たちは、決意を以って新年を歩み出したい。教会の頭なる主イエス・キリストが我らと共にいて導いて下さるのであるから。
昨年、日本基督教団出版局から世に出された画期的大著「私には夢がある」の主人公、マルチン・ルーサー・キング牧師はこう言った。
「新しい年は新しい機会である。神は我々を祝福し給うゆえに、かれを中心として、愛と平和と兄弟愛と正義の共同体を創り出すよう挑戦し給うのだ。
これらの機会に、我々が明らかに応答し、我々の主また救い主であるイエス・キリストの栄光をあらわすことができるようにと祈る」(アトランタにて)
神の挑戦に応答し、主の栄光をあらわす一年でありたい。
・継 続
新年第一日に与えられた聖書日課はマタイ二章一節以下である。
「……
現在の立場で内外に幾つかの役目があるが、その一つに「『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議」(「同宗連」)の「副議長」がある。
これは、日本基督教団がこの二年間、「同宗連」の副議長教団に就任したことによる。従って、二~三ヶ月に一度、六教団から成る役員会に出席することとなる。
例えば、連絡で会場は「浄土宗宗務庁(住所は記載)」と来るが、この呼称でどこへ行けば良いのかが分かる人は少ないのではないか。勿論、私も分からず、調べてみると、何と一三世紀に建立された有名な「浄土宗総本山・知恩院」のこと。それ故「知恩院」に行けば会場は簡単に分かると思ったが、甘くはなかった。
つまり、私たちは、教会へ行けば、礼拝堂も牧師館もほとんど一つ所にあり、全ての事が足りる。それ故、同宗務庁も、世界最大の歴史的木造門を潜って本堂近辺へ行けばよいと思ったのが大きな間違いで、広大な敷地の故、本堂から一〇分ほど歩いた所……
この六月、全国教会婦人会連合中央委員長に再選された。「委員長として手腕があるのではないの。交通整理役だと思っています」と、にこやかに話す。
婦人会連合に関わったのは震災がきっかけだった。連合の委員は、地域の教会が順番制で出す。しかし当番教会が被災で委員を出せず、順番が回ってきた。自身も夫の両親を震災で失った中での関わりだった。教区の震災関連の働きにも関わった。連合三〇周年の大会が神戸で行われる時、準備委員となった。
「震災があったから今がある。全て神様のご計画で、たくさんの点が全て繋がっていくの」自分で切り開いた道ではない。神様から降ってきたものだと思った。それからは、ただひたすら、使命だと思って走ってきた。
洗礼を受けた後、「本当に自分は信じているのか」という問いがあった。パウロはロマ書七章で「内在する罪」について書いている。神様から善い物を与えられているのに、自分の罪ばかりを感じ……
★新刊から
『「断片」の神学-実践神学の諸問題』(関田寛雄)牧師として、神学者・教育者として五〇年。生活の現場で直面する一つ一つの問題に切実な神学の課題を見出して考察、説教・牧会・宣教そして明日を目指す実践神学について現代の問題を鋭く指摘しつつ、これからの日本の教会の宣教への提言をする。*A5判・四五八頁・五七七五円
『国家を超えられなかった教会-一五年戦争下の日本プロテスタント教会』(原誠)一九三一年に始まった日中戦争から敗戦に至る一五年間におよぶ戦争状態。その時、教団・教会・教会員は戦争とどのように向き合おうとしたのか。沖縄・アジアの教会など、現地に赴き、丹念に証言を集め、その実像に迫る。*A5判・三三六頁・六七二〇円
『手話で歌おう!-こどもさんびか改訂版』(原崎悦子=監修/石橋えり子=絵)手話はとてもチャーミング。一語一語に込められた思いを全身を使って豊かに表現しよう。手話で……
★東京教区原理問題相談会
/時=2006年1月27日(金)13時~15時
/所=日本キリスト教会館4階会議室
/問合せ=東京教区事務所 TEL03-3203-4270
★教団年鑑刊行のお知らせ
このたび、日本基督教団年鑑二〇〇六年版を刊行いたしました。今回も新たな情報を満載しておりますので、是非、最寄りのキリスト教書店もしくは当方で直接お買い求めください(定価三六〇〇円+税)。また、ご購入いただいた方には、是非アンケートハガキにお答えいただき、当年鑑についてのご感想やご批判をいただければ幸いです。来年三月発行予定の追録を送ります。なお、直接お買い求めの際は、〇三-三二〇二-〇五四一事務局総務部にお電話ください。
二〇〇五年一二月
日本基督教団総務部年鑑係
備えられた道の不思議さ
青砥恵美子
(春採教会員)
今私は、この四月から夫が牧会する春採教会で教会員となり、又幼稚園の副園長として働いているが、この事が不思議でならない。というのも、春採教会は、二四年前に赴任し、夫が九年間牧会した教会だからである。その時と同じ牧師館に再び住み、同じ様に幼稚園で働いている事の不思議さ。しかし、振り返って見ると、これまでの私の人生そのものが不思議と言えるのかも知れないが…。
幼稚園教諭となる為に入った学校で神学生だった夫と出会い、彼が最初の任地である男鹿教会に赴任するとき結婚してから三六年。私としては、出会った人がたまたま神学生だったのであって、自分が牧師のパートナーになる事は深く考えずに結婚したというのが、本当のところである。
その後、鳥羽教会、春採教会、玉川教会、秋田高陽教会と任地は変ったが、私はそれぞれの教会で自分の出来る事をさせて頂いてき……
第10回日本基督教団と台湾基督長老教会との教会協議会
共 同 声 明
日本基督教団と台湾基督長老教会は2005年11月14日から16日まで、日本基督教団学生キリスト教友愛会会館において、第10回教会協議会を開催した。両教会は第二次世界大戦後の1963年に宣教協約を締結したが、これをさらに強力なものとするために、1985年にこれを改訂した。本年は改訂後20年の記念すべき年に当たる。われわれは「日本基督教団と台湾基督長老教会との協約改訂20年-歴史と展望」を主題として、これまでの共同の歴史を確認し評価反省すると共に、現在両教会が直面している歴史的状況と宣教の課題を追求し、これを協力関係教会として分かち合い共に担ってゆく、新しい具体的な関係を構築しようと努力した。歴史の主の導きの下に、21世紀の教会の共働の歩みが築かれることを祈りつつ、両教会は以下の共同声明を発表する。
1. 世界宣教……
教会を生み出せる教区に
吉岡光人
西東京教区では毎年秋に、信徒・教師がともに学び議論する『教区伝道協議会』を開催しています。今年は「開拓伝道」についてのテーマで行われました。教区内の約四分の三の教会・伝道所が一九四五年以降に設立されており、比較的歴史の浅い教会が多いのがこの教区の特徴です。また三〇年ほど前から人口の激増した八王子・町田などの市部にはまだまだ教会のない地域が多く、東京教区西支区時代から開拓伝道の必要性が叫ばれていました。西支区が教区になりたいという願いを持ち続けてきたのも、そうしたことが背景にあります。そのために支区時代から「親教会群伝道」による伝道協力体制や「伝道互助制度」などを整えてきました。
一方、礼拝出席者の減少傾向、経済的な困難さなど、各個教会の現実も大変厳しいものがあります。このような時に開拓伝道ということがらを話し合うことは、各個教会の現実を反映したも……