日本における宣教
-伝道協力とその展望-
聖学院大学学長 阿久戸光晴
パウロがローマへ赴く途中、エウラキロンという暴風雨に遭遇する。パウロの行動と励ましによって、乗り合わせた全員は無事上陸(使徒言行録27章)するが、これは、暗示的なエピソードである。今日世界は同じ船に乗り合わせていると、よく言われるが、大事なことは海図と羅針盤と舵取りだ。
第2回伝道旅行でパウロは、アテネに失望し、コリントで思わぬ成果を上げる。しかし、そのコリントでガラテヤ教会的反動が起きる。古い律法への回帰こそ、今日のナショナリズム回帰への底流である。パウロの直面したコリント教会的自由の暴走とガラテヤ教会的回帰という二つの課題は、そのまま今日の教会的課題となる。
パウロの語った自由は、ピューリタンの信教の自由、人権理念とその保障制度となって広く歓迎されているが、パウロの伝えた自由は、他者に仕えるという愛の責……
鮮明なヴィジョンと具体的な方法を求めて
二一世紀の宣教を、それぞれの地域で共に担う
日北米宣教フォーラムが三月二七日~二九日、青山学院大学を会場に開催された。今回のフォーラムはJNAC(日北米宣教協力会)が二〇〇五年一月に解散総会を開催した際、解散後も引き続き日北米の宣教協力を継承して行く方向付けとして開催が予定されていた。
今回参加したのは、北米側は六教団、日本側は在日大韓基督教会(KCCJ)、CoC、日本基督教団で、スタッフを含めて五七名であった。
開会礼拝説教は大宮溥牧師で、「宣教の幻」と題してお話された。
「このフォーラムを通して、二一世紀の宣教を、一人の主の体としての教会が、それぞれの地域で共に担っていくための、鮮明なヴィジョンと、それを共に担うための具体的な方法が、明瞭に与えられることを期待するものであります」と述べ、パウロが幻を示され、ヨーロッパ伝道への導きの……
▼歌が苦手だ。嫌いではないが、上手ではない。歌うことを強いられるような場面になるととても辛い。一番だけでも歌詞を憶えている歌は一曲もない。▼と思い込んでいたら、二番三番まで記憶しているものが数曲あることに気付いた。所謂変身ものの主題歌、例えば『宇宙刑事ギャバン』を全部憶えていた。アニメソングもかなりの程度まで。皆、二〇年程前のものだ。残念ながら、私は三〇歳前後の青年牧師ではない。いずれも当時幼稚園生の長男が熱中していたテレビ番組。▼懐かしのポップスなどという類の曲が流されていると、つい、立ち止まっても聴いてしまう。グループサウンズにも、演歌にも。当時好んで聞いていたかというと、全く逆で、大嫌いだった。にも拘わらず耳に残っているし、今となっては、とても懐かしい。毛嫌いしていた演歌にもホロリとしてしまうのだ。▼若い時から親しんだ讃美歌が無くなってしまったという嘆き、むしろ怨嗟の声を聞く。『懐か……
『教団新報』今号を四六二五・二六合併号とし、四六二七号は五月二六日発行とします。
総幹事職務代行 愛澤豊重
秋山 徹
・はじめに
出版局は、書籍・定期刊行物・讃美歌等の出版を通して教団の宣教の働きを担っています。今年で四〇周年を迎えます。
・過去
出版局の歴史は、一九四一年の教団合同にともない、それぞれの教派の出版活動を整理統合し「教団出版局」として発足した時にさかのぼります。戦後、「出版事業部」となり、一九六七年総務局(現在の事務局)から切り離して「出版局」として組織され、現在に至っています。出版局の会計は教団本会計とは区分して行われています。
出版局の他の出版社との違いは、出版物の企画を教団内外の多くの教職・信徒によって構成された専門委員会が担っていることです。多くの方々によって支えられる体制が発足以来続けられてきました。売上等の推移と部門別構成比は、別表をご覧ください。
書籍では、一九八七年に刊行された『聖書 新共同訳』(日本聖書協会)を契機として、『新共同訳 ……
負いきれない負債を負いつつ、主をほめたたえる
武藤さんは現在六五歳。ふつうは、ゆったりとした年金生活でも考える頃だろうか。しかし、定年退職間近になって思い切って立ち上げた事業が失敗し、億単位の負債を抱えた。今も返済の生活が続いている。
大学卒業後、研究開発に従事したが、医者を目指そうかと考えた。その頃、公害問題に目覚め、「人の医者にならなくても、産業の医者になればよい」と思い立ち、発電所の排煙脱硫の仕事に移った。海外の駐在員として業績をあげ、鼻高々の折、突然のリストラに遭う。一九八五年のことだった。自分が完全失業したことを悟るにも時間がかかったが、経験と技術が買われシーメンスに就職、再び海外を駆けめぐる生活となった。
仲間の定年退職をきっかけに、忘れていた自分の歳を自覚させられる。「人間は誰もが死ぬ。死に方は選べない。しかし人生はやり直しができるものではないか」。思い切って会社を……
二〇〇七年三月一〇日(土)、十三時三〇分より十五時三〇分まで日本基督教団銀座教会で「隠退教師を支える運動・東京教区東支区の推進座談会」を開催した。出席者は十七名であった
以前から東支区で開催したいとの切望が漸くかなえられた思いである。
はじめに、会場教会の長山信夫牧師より「最後の祈り」(申命記33章1~7節)と題する説教を通して励ましをいただいた。
それから、滝川英子書記の司会で「隠退教師を支える運動」多田信一推進委員長と教団年金局髙橋豊理事長の挨拶、出席者の自己紹介を済ませ本題に入った。
多田委員長から、この信徒運動「一口100円献金」の目的、歴史、現状についての報告があり、髙橋理事長より教団新報に掲載された「日本基督教団年金の過去・現在・将来」をテキストとして、教団教師退職年金制度とそれ以前から実施されている謝恩金制度について話され、この二つの制度を維持するために、信徒運動の「……
ただ主の恵みの選びによって
久我山教会牧師 尾崎 風伍
主の召命を受けたのは
主が私を伝道者となるよう呼び出されたのは、一九八二年春のことでした。いわゆるCコースで受験することを志しましたが、一九八四年春になって、廣田登牧師が海老名教会に着任されるに及んで推薦が得られ、以後三回の試験を経て、一九八六年五月、神奈川教区総会で准允を受け、また、同年七月、海老名教会から招聘されて開拓伝道専任の伝道師に就任しました。同年八月三一日、定年まで四年を残してちょうど三〇年勤務した日本航空を退職しました。
海老名教会は中渋谷教会の開拓教会です。私ども夫婦はその信徒でした。一九六五年、自宅で始めた子供会(土曜学校)が発端で、一九七七年海老名伝道所の開設、一九八一年海老名教会が第二種教会として設立されました。主は私と妻マリ子をそこから呼び出されました。マリ子は一九八四年春、東京神学大学の学部三……
EMSユース・ワークショップ参加者
◎テーマ:Youth in with and Church-Creating a peaceful Future
◎場所:ヨルダン・アンマン
◎参加費:往復航空券代自己負担(補助あり)
◎締め切り:2007年4月25日
◎問い合わせ:世界宣教委員会・電話03-3202-0544
三月二〇日開催された教団役員会で左記の如く決定しましたので報告します。
一、竹前昇総幹事の辞任を三月末日を以て承認する。
一、次期総幹事は七月常議員会にて選任する。
一、新総幹事が就任するまで愛澤豊重総務幹事を引続き総幹事職務代行とする。
日本基督教団 総会議長 山北 宣久