★新刊から
『歴史の狭間を生きる』〈李仁夏〉戦争が暗い影を落とす一九四一年に余儀なく日本の中学に留学。教会と地域に仕えつつ、「寄留の民」として差別と向き合い、共生社会を目指して「和解の福音」に仕えた感動の記録。四六判・二三一〇円
『キリスト教徒が生きたローマ帝国』〈松本宣郎〉キリスト教公認以前のキリスト教徒は、「迫害」の中で死と隣り合わせの日々を送っていたのであろうか。彼らの実態を、社会史の観点から丁寧に紐解く。四六判・二五二〇円
『初期キリスト教の礼拝--その概念と実践』〈P・F・ブラッドショー、荒瀬牧彦訳〉教会の最初の数世紀に、キリスト者たちはどのような儀式を、なぜ行ったのか。時代背景と地域性から説得力のある叙述で考察し、その起源と展開を探る。四六判・二六二五円
『講座 日本のキリスト教芸術』全3巻〈刊行開始〉
日本の文化に溶け込み、固有の芸術として開花した、日本におけるキリ……
礼拝の喜び
田中 篤司
(安行教会員)
妻が安行教会の牧師に就任してから、九年余りの年月が経ちました。東京三鷹での生活に区切りをつけ、二歳の子どもと夫婦三人で埼玉安行にやってきました。期待と不安を抱きつつ…。妻は、一体どんな説教をするのだろう? ちゃんと福音を語るのだろうか。私たち信徒に十字架のキリストを毎回解き明かしてくれるのだろうか? いつもいつもキリストの十字架と復活を語って欲しい。私たちは聖書の言葉を聴いても、十字架と復活のキリストとの関係をすぐ見失ってしまうから繰り返し繰り返しとしつこく言って煙たがられはしましたが。
安行教会では、火事で現在の場所に移築後(皆様のご協力をたくさんいただいたらしい、ありがとうございます)、教会学校が閉じていて、CS教師の希望もなく、再開のめどが立っていませんでした。それならと、牧師が新たな方向を紹介し、その学びを始めることになりました。……
原 彰氏(隠退教師)
四月二六日、逝去。九〇歳。埼玉県に生まれる。一九三九年関西学院大学神学部卒業後、前原教会に赴任。その後小倉鍛治町、大分、広島南部、福岡中部、姫路五軒邸、唐津各教会の牧師を務め、九〇年隠退した。遺族は長男の誠さん。
横山フサ子氏(隠退教師)
四月二九日、逝去。九〇歳。福島県に生まれる。一九四二年横浜共立女子神学校卒業。六〇年から東京復活教会に赴任。七一年から七三年まで川口教会担任教師を務め、九一年隠退した。遺族は義弟の州夫さん。
白石愛子氏(隠退教師)
四月二九日、逝去。九二歳。愛媛県に生まれる。一九三八年神戸女子神学校卒業。四九年から八三年まで松山教会担任教師を務め隠退した。遺族は甥の東山隆志さん。
第34総会期第五回予算決算委員会は五月十五日・十六日の両日、教団会議室で開催された。
総幹事および財務担当幹事より当委員会に関わる諸事項の報告を受けた-二〇〇六年度各教区総会への総幹事報告、二〇〇五年度の財務関係諸報告、二〇〇五年度決算、教団監査委員からの要望、新横浜所在の土地売却、NCCへの負担金等。
ついでC表改訂後の問題点の協議では、教団年鑑に記載されている年間統計の継続性について検討し、C表の謝儀記載では、教会からの支出と互助に分けてあるが、年鑑の統計では従来通り合算して記載することを確認した。
新横浜の土地売却については、改めて売却に至った事情と経過について総幹事より説明を受け、事情止むを得ないものとして承認した。
二〇〇七年度教団負担金については、現在の負担金賦課方式と、教規一五四条との乖離について協議を行い、教規を変更する方向で検討し、更に将来の負担金のあり方について……
第34総会期第三回在日韓国朝鮮人・日韓連帯特別委員会が、五月十五日~十六日の両日、教団会議室で開催された。
酒井薫委員長が聖書日課の出エジプト記12章1~12節をもとに奨励。続いて報告事項に入った。
まず在日大韓基督教会と教団の宣教協約に基づく宣教協力委員会開催の結果、「入管法改定案」に反対する共同声明が発表され、また「教育基本法」の改定に対する共同声明を協議中であるとの報告があった。
外キ協関連では、広島で開催された全国協議会、全国キリスト者集会、「外国人住民基本法」の制定を求める国会請願署名運動、北海道で開催された外登法問題国際シンポジウム(外キ協ニュース54号参照)について報告があった。
吉澤恵次委員が関わっている「尼崎入居差別裁判」1審一部勝訴の報告(控訴中)、があった。また、前委員会で支援を決めた韓国ソロクト・台湾楽生院訴訟について、「ハンセン病補償法」の改正という、国外……
第65回東京教区定期総会は五月三〇〜三一日の両日富士見町教会を会場に、正議員、准議員等四二二名の出席を得て開催された。
開会礼拝は富里教会島津虔一牧師による「教会の生命の基盤」と題する説教によってなされた。
礼拝に続き、教団問安使山北宣久教団総会議長、来賓秋山徹出版局長、小林貞夫年金局理事長の挨拶を受けた。
山北宣久教団議長は教団の課題に言及。「教団紛争等で体力の落ちた教団は信頼関係の回復が急務」「正しい聖礼典執行による一致」を訴え、新潟県中越地震被災支援に一層の募金協力を呼びかけた。
長崎哲夫教区総会議長は、議長報告として教区運営状況を詳細に述べた。教務の一部を五支区に委任することとあわせて五支区教務打ち合わせ会により教務を遂行し、教区財政は負担金の四割によって賄われ六割は教団に納付、負担金未納問題は教区財政全体の位置づけによる検討の方向で取り組むと述べた。
また懸案の墓所拡張……
第55回東中国教区定期総会は、五月二二~二三日の両日、米子教会を会場に開催された。正議員九四名中、開会時七一名の出席であった。
開会礼拝・組織会の後、議場は議長報告を受けた。 「顔の見える関係づくり」を就任当初から訴えてきた宇野稔議長は、「見る」「知る」から「支え合う」「働く」関係に移行されていくことを目指していると述べた。また教区の様々な取り組みを通して、教団の諸課題にも触れた。
一日目は、各委員会の報告を中心に議事が進み、教団問安使と教団出版局長より挨拶を受けた。
夜には「伝道を考える」というテーマのもと、「教会教育の視点から」「教区財政の視点から」「教会問安から見えてきたもの」として、三名から発題を受け、分団協議を行なった。
二日目は、朝の礼拝の後、按手礼・准允式を執行した。受按者一名・受允者三名の決意が語られ、新しい教師を迎える喜びがそれぞれの教会の信徒議員より述べられた。……
五月三〇日(火)~三一日(水)、仙台青葉荘教会及び東北教区センター「エマオ」を会場に第61回東北教区総会が開催された。
開会礼拝においてエレミヤ書45章1~5節から「自分に大きな期待を抱くな」と題し福島純雄議長が説教を語った。現在諸教会の置かれている状況は厳しい。自分に過信することなく神の計画に委ねて行く時に展望が拓かれるとの御言葉を受けた。
議事に入り准允希望者の承認を受け、近藤国親(宮内)、石井佑二(山形本町)、瀧山結実(福島新町)の三氏の准允式を行った。また高橋力教師の教区巡回教師派遣式を執り行った。
一日目午後七時一五分より九時一五分まで、東北教区センターに会場を移して「謝儀保障ならびに教会共働についての協議会」が行われた。現在、既得権化している謝儀保障のあり方を見直し、地域の伝道のために教会が協力する道を探るものである。宣教共働研究所からの二つの答申、「浜通り北部教会設置運……
第56回関東教区総会は五月三〇日~三一日、さいたま市大宮のソニックシティ・小ホールで開催された。正議員二六四名中一三三名で総会は成立し、開会礼拝を行い聖餐に与った。
議事に入る前に、まず前回(55回)の教区総会で行われた常置委員選挙に関し、教区三役からのお詫びと経過説明がなされた。これは、信徒常置委員として選出された議員が後に教会役員でないことが判明した際の処置と、役員でないことが判っている議員の被選挙権の有無について、教区の慣例と教憲教規との整合性を巡る混乱があったことである。これらの問題について三役は、今後宣教研究委員会等で検討したいとの考えを示した。
一日目の午前、一名の准允式と三名の按手礼式が執行され、受允者と受按者それぞれの教会の関係者が壇上で紹介され、喜びを分かち合った。
一日目午後、教団問安使の鈴木伸治教団書記が挨拶し、教団議長の挨拶を朗読した。これに関して、議場からい……
▼農民達が車輪を作るために木を曲げている。二度も蒸して、柔らかく曲げやすくしているのに、自分たちがぐるぐる回るだけで木はいっこうに曲がらない。中心の台に留め木が無いので、彼らは台と一緒に回っていたのだ。トルストイの『洗礼の子』にそんな場面がある。▼どんな時にも動くことのない確固とした足場を持っていないと、他を動かすことは出来ない。力を入れれば入れる程、自分の方が動いてしまう。▼同じ本に、こんな場面もある。女性が熱心に床の拭き掃除をしている。しかし、汚れはひどくなるばかり。見ると、彼女の雑巾は汚れきっている。自分自身が汚れていて、他を清めることなど出来る筈がない。▼ところで、トルストイの論理を逆手に取れば、自分を動かすために取るべき手立ては、絶対に動かないものにどこまでも向かって行くことだろう。実際にそのような人が存在するかも。自分をきれいにするには、どうしたら良いだろう。少しの汚れもない方……