刑務所において、教誨が始まる前、係官が「今日は知的障害の人が初めて希望しています」と言われた。そんな予備知識を持ちながら教誨に臨んだ。
この日は初めての教誨が2人と毎回臨んでいる1人で3人の教誨である。初めて臨んだ教誨の動機を聞いた。係官がコメントしていた知的障害の人が、両親がクリスチャンであり、日曜日はいつも教会に行っていたので、自分もキリスト教を知りたくなったと言う。教誨では聖書を輪読するが、彼は字が読めないのでパスをした。しかし、その後の懇談では積極的に質問した。
教誨を希望する人は、家族や親族の中にクリスチャンがおり、その関わりの中で希望する人が結構いる。お連れ合いの両親が信者であり、義母の葬儀はキリスト教で行われたので、心に残っていたと言われる。あるいは親族が教会に出席していたと言う。刑務所に入って、親族の生き方を理解したくなったとも。今までキリス……
禁酒運動と福音宣教と
受洗教会が歴史的に「美普教会(メソジスト・プロテスタント)」の日本におけるファースト・チャーチだったことから、メソジスト教会の歴史に強い関心を持ち、研究を続けてきた。その流れの中で、戦前盛んに行われていた禁酒運動に関心をもつようになった。
現在所属する安藤記念教会は、日本禁酒同盟の初代会長安藤太郎が創設した教会で、未成年者飲酒禁止法を制定した国会議員、根本正も創設期の中心メンバーだった。それら先人の伝統を受け継いで、日本禁酒同盟の活動に参加している。
日本禁酒同盟では、飲酒の害を訴え、飲酒運転撲滅、未成年者飲酒問題など、飲酒に関する様々な問題に取り組んでいる。現在、最も中心的な活動となっているのは、アルコール依存症に関することである。
アルコール依存者は、「自己責任」においてだけでそうなったわけではなく、アルコール……
2010年春季教師検定試験を左記の要領で行います。
一、受験要綱と受験願書の提出期限
受験要綱と教団指定の願書用紙は160円切手を同封し、正教師受験志願者か補教師(A、B、Cコースの別も)受験志願者かを明記した上、封書でお申し込みください。願書と必要書類を整えて、受験料とともに所属教区に提出してください。
なお、正教師受験志願者は「教師検定規則第12条②」によるものに限ります。
①教区締切 11月16日(月)
(教区により締切が異なりますので、教区事務所に確認してください)
②教団締切 12月7日(月)
(各教区から教師検定委員会に提出する際の締切です)
*受験料は正教師1万3千円、補教師1万円
二、補教師について
①「説教」「釈義」の課題テキスト
旧約 エレミヤ書 4章1~4節
新約 エフェソの信……
牧師になる決意をしたころのこと
加藤 久孝(新潟愛泉伝道所牧師)
公立高校教諭で、翌3月に定年という10月10日、長女の結婚式で上京し、洗足教会のウェディング・ロードを踏みました。直後、両家お近づきの小宴会場への途上、義妹が定年後の予定はお決まり?と尋ねました。今日の格好は素敵で、牧師さんになったらいいのに、と突拍子もないことを言い、おいおい、と私も笑い、それはその時限りの笑い話のつもりでした。
それから一週間、後で思えば誰かが私の扉を微かに押し続けるように、小さな便りが幾つも舞い込みました。定年になるので教会の奉仕に本気になるつもり、とか、帰郷を機に母教会に戻るとか。それらを無意識に重ねました。事実、無関係なことだったのでしょう。
そこに一通、来年の年賀欠礼状が参りました。福音派の牧師夫人である旧友が、私より一歳若いその御夫君の急逝を知らせたも……
杉田常夫氏(隠退教師)
8月24日、逝去。82歳。奈良県に生まれる。'59年東京神学大学大学院を卒業、同年奈良高畑教会に赴任、'70年より香里教会を牧会し、'99年隠退した。遺族は、妻・典子さん。
八束潤一氏(米子教会主任担任教師)
8月31日、逝去。62歳。東京都に生まれる。'79年東京聖書学校を卒業、同年淀橋教会に赴任、新居浜教会を経て04年から米子教会を牧会した。遺族は、妻・真佐美さん。
……
宣教共働について
高橋和人
教区総会資料には逝去者の名簿が載せられている。毎年五、六〇名の名前が数えられる。寡黙に教会を支えてきた人々である。
東北伝道が順調であった時代は限られていた。信仰の先達たちは風土との戦いにおいて、また経済的にも苦労を重ねてきた。さらに今日、東北は共同体を維持することができない限界集落を多く抱えている。寂れて行く町。しかし賑わいのあるところも、まねたものばかりで空疎である。教会はその中に命の実質のあるものとして立ってきた。
今、この教会を後の世代に繋いで行くことが急務である。東北教区はそのために2004年に機構改革を行った。教会の「共働」(共に働く。つまり教会の孤立をなくし互いが支え合うこと)を地区が主体となって進める。教区はそれを後押しするようにした。
教区独自に使うことのできる予算の半分にあたる規模の……
9月7日~8日に第36総会期第3回宣教研究所委員会が開催された。
冒頭担当幹事が道家紀一幹事に代わったことが総幹事より報告された。
今回の委員会で協議された大きな課題の一つは「信仰問答」に関することであった。宣研では、今の教団には新たな信仰問答書が必要なのではないかという判断である。どのような信仰問答書かと言えば日本基督教団信仰告白に対応するところの信仰問答が必要とされるのではないかと考える。日本基督教団信仰告白自体が諸教会において、また所属の教師信徒においてしっかりと受け止められていくためである。そしてそのことが一人ひとりの信仰生活において力となっていくためである。日本基督教団信仰告白は簡易信条ではあるが、基本信条や福音主義教会の諸信仰告白を踏まえた充実した信仰告白である。もしその内容が教団内において充分に受け止められていないとするなら残念なことである。せ……
教育委員会の第3回委員会が、9月1日~2日、教団小会議室で開催された。各委員担当の部門の経過報告がなされたが、特に2008年クリスマス献金の「教会学校応援セット」を贈呈した教会を、委員が分担して問安した報告が感謝のうちになされた。困難な状況にありながらも、懸命に教会学校の活動を展開しようとしている一つ一つの歩みが、「クリスマス応援セット」の業をとおして、全国の教会(学校)に結ばれていることを、大きな喜びと共に知らされるものであった。またクリスマス献金をお献げした団体への問安も感謝のうちに報告された。2009年のクリスマス献金も準備が進められている。
8月31日に教団会議室で開催された「青年担当者会」の反省と展望が話し合われた。今回の「青年担当者会」は、山北宣久教団議長のメッセージによる開会礼拝をもって始められ、続いて学生・青年伝道にたずさわる宣教師のネイサン・ブラ……
毎年8月の上旬に行っている部落解放青年ゼミですが、今年は参加者が参加しやすい日程を考え、25日~28日と8月の下旬に青年ゼミを行いました。おかげで気候にも恵まれ、それぞれが充実した学びと交わりの時を過ごすことができたように思います。
私自身は、今年は実行委員長という立場での参加で、やはりそれなりの責任を感じながらの日々ではありましたが、参加者皆に支えられ、おかげで今までで最も自分と向き合い自己を解放することのできた4日間となりました。
今年の青年ゼミは「『あわいこそ』へ入ろう ~ただいま解放中!~」をテーマに、皆で差別の現実と向き合いました。
「あわいこそ」とは、被差別部落に存在した(地域によっては今も存在しています!)、人がすれ違えない程の狭い道のことで、この道は狭い地域に密集して住むことを余儀なくされた部落の人々に対する差別を如実に表しています。私……
「学んだ事、出会った事のたったひとつの証しは、自らが変わる事、変えられていくという事だ」
(灰谷健次郎)
広島・平和記念資料館
9月7~9日にかけて広島及び岩国で教団社会委員会が開かれた。7日午後、広島駅到着後すぐに広島平和記念資料館に向かい原爆の実相を知る。そのあと久保まさかずさん(ピースリンク広島・呉・岩国、広島の歴史をみてまわる会)の案内で平和記念公園(爆心地)を碑めぐりを中心にフィールドワークする。原爆投下前の町並み復元図を見ながら今、立っているこの場所に人々のかけがえのない生活があり、家族がいて、それぞれの人生があったこと、そして原爆によって一瞬にしてその命が、生活が、家族が奪われてしまったことを思うと胸が張り裂けそうになる。「あの日」どれほど多くの人々が苦しみもだえながら水を求めて元安川に飛び込んだことだろうか。そして死体で埋もれたことだろ……