インスタグラムアイコンツイッターアイコンyoutubeアイコンメールアイコン
日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4688号】キリストこそ我が救い 日本基督教団日本伝道150年記念大会

2009年12月12日

 

 

日本基督教団日本伝道150年記念大会が、11月23日(月)青山学院講堂を会場に、『キリストこそ我が救い』の主題のもと開催された。出席者は、約1500名、聖歌隊等を加えると1600名、日本伝道の歴史に大きな印を刻む集会となった。「不振・低迷が指摘される日本伝道が新しい時代を切り開く分岐点となるのではないか」と、準備委員の一人がもらした。そのような期待を抱かされる熱気が会場に溢れていた。

10時からの午前の部、青山学院オルガニスト鷺晶子氏による奏楽が高らかに奏でられ、長崎哲夫東京教区議長の司式で礼拝が始められた。コリント一1章18~25節が朗読される。司式者の力の入った祈祷、更に韓国で最も歴史ある教会であるセムナン教会から海を越えて駆け付けたイェボン讃美隊60名による奉唱が、いやが上にも記念式典の雰囲気を盛り上げた。

説教は小島誠志前教団議長による「宣教という愚かな手段」。「人は上を目指すが、キリストは十字架への道、低きに下る道を歩まれた」と話を起こし、100匹の羊の譬えから、「主は迷子の羊が彷徨った茨や雑草だらけの、その同じ道を歩まれた」と語り、5000人のパンの出来事を挙げて、「『主はあなたがたの手で食べ物をあげなさい』と言われた。弱い者に、弱い者を通して語られるのが神の宣教の仕方である」と指摘し、更に、種蒔きの譬えを引いて、「無駄になった沢山の種がある。伝道は多くが失敗に終わるかも知れない。しかし、芽を出す種もある」と、ここでも「愚かな手段による伝道」について述べた。

沢山の聖句に触れ、深く鋭い解説を加えながら、会衆をキリストと共に歩む十字架への一本の道、真の伝道である道へと誘った。

取り分け、嵐に漕ぎ悩む弟子たちの小舟と、私たちの教団の姿とを重ねて、「嵐の中、逆風を突いて進み、ために漕ぎ悩むのが伝道だ。伝道に失敗してこそ、そこでキリストに出会うのだ」と大胆に語り、慰めと励ましを与えた。

1600名による讃美、そして日本基督教団信仰告白は、単に人数が多いと言うだけではなく、御言葉に出会い慰めと励ましを受けた者の、圧倒的な迫力をもって歌われ、唱和され、更に会衆互いの心を揺り動かした。

礼拝後は、山北宣久教団議長による感謝と激励の挨拶、国内外からの来賓による祝福の挨拶があった。

午後の部、1時30分~4時は、網中彰子ベテル教会牧師の司会により、記念式典が執り行われた。

青山学院大学聖歌隊による美しい奉唱の後、長くこのことのために時間と思いを捧げてきた小林貞夫記念行事準備委員会委員長が挨拶に立った。日本伝道150年に当たり教団が企画した三つの集会、①6月24日富士見町教会で行われた「創立記念礼拝」そこでの50年以上奉仕した教職の表彰、②11月22日東京山手教会で開催された、実に40年振りの全国信徒大会、そして③青山学院講堂でのこの日の集会を、感慨をもって振り返り、大きな恵みを与えられた喜び・感謝を、時に涙ぐみながら率直に披瀝した。

東京信徒会の編集になる「イエス・キリストを証しする『時代の証言者たち』」と題した記念映像を観て、150年の歩みを支えた先達たちに思いを向けされられた。

次は、橋本徹氏(国際基督教大学理事長、聖ヶ丘教会員、元富士銀行頭取)の講演「伝道における信徒の役割」を聴いた。氏は50分の講演の前半で、郷里・母教会である岡山県高梁の伝道の歴史を縷々述べ、そこで働いた人々、大きな影響を与えた指導者たちを数え上げた。後半は、その土地・教会で育まれた自分の信仰について語った。淡々とした語り口にも、郷里、教会、人々への熱き思いが伝わった。一つの伝道が拓かれ、教会が建てられ、そして100年を越えて歴史が積み上げられる時、そこには多くの人々の信仰生活が織り込まれる。奇跡とも見える出来事が重ねられ、そして今、橋本徹という一人の信仰者につながっているのだということを噛み締めさせられた。

東洋英和女学院高等部ハンドベル部による奉鐘に続いては、加藤常昭氏による講演「こころを高く上げよう!」。哀歌3章40~42節とローマ15章14~21節を引きながら、「讃美歌の『こころを高く上げよう!』とは、十字架の前に引き立てられる殉教者の心のことだ」と語り、日本伝道に向かう私たちの姿勢について根本から問い直し、「数字合わせや票読みでは何も変わらない」「伝道とは外に出ることだ」と内側に向かいがちな教団の現況を突いた。

特に、「天安門事件が起こった時に、迫害され苦しむ人々のために祈ったか、アフガンのためには、イラクのためには」と厳しく指摘した。時に「遺言」を口にし、涙を滲ませて語った。最前列の椅子席から身を乗り出して聞き入る山北議長に、伝道の幻、教会の未来を訴え、託するかのようにさえ見えた。

佐々木美知夫教団副議長のリードのもとに、公同教会の信仰を表白し、別記5項目の、信仰の根本の根本が、大会宣言として会衆一同によって唱和された。

大杉弘常議員他2名の祈祷、会衆一同の主の祈りをもって、感動に満ちた大会は閉じられた。

(新報編集部報)

 

◆日本伝道150年記念大会宣言◆

2009年11月23日

一、
イエスをキリストと信ず。

一、
聖書を神の言葉と信ず。

一、
キリストの体なる教会を信ず。

一、
福音の恵みに与った者として、礼拝を守り、聖書を読み、祈る霊的な信仰生活に励む。

一、
神の救いに与った者として、日本伝道に励む。

※宣言文のみ抜粋、前文は省略。

 

教団新報
PageTOP
日本基督教団 
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2024
The United Church of Christ in Japan