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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

教団新報:一覧

【4892号】荒野の声

2018年11月24日
 飼い犬に手を噛まれた。牙が少し深く入ったので血が大分流れた。流れた血を犬の鼻面に突き付けた。神妙に静かになった。主人を傷つけてしまったと反省したのだろうか。▼飼い犬に手を噛まれるには比喩的に蔑みのニュアンスがあるが、主から傷を見せられたトマスはどうだったのだろう。トマスの心を聖書は記していない。「わたしの主、わたしの神よ」と信仰の告白だけを記す。▼お受けになった傷をトマスに示された主の御顔は、筆者が犬に傷を突き付けたような怒りの顔だったのではないであろう。憐れみ、慈しみと愛に満ちた表情であったのか。言葉にすると全く陳腐だ。この御顔をトマスは正面から見上げることができたのか。▼主は、弟子たちをもう僕とは呼ばない、友と呼ぶ、と十字架を前に言っておかれた。主従の関係ではなく、兄弟となってくださると言ってくださった。兄を傷つけた弟たちは、兄の傷を前に大いに悲しんだにちがいない。この大きな悲しみか……

【4892号】第41回教団総会 19年度予算、負担金3億円を下回る

 教団歳入歳出に関することを、愛澤豊重予算決算委員長が報告した。  16年度決算では、事業活動収支において、「財務幹事退職による退職金増、台湾地震への献金、東日本大震災対策本部への支出等の特別な支出があり、1480万3000円の赤字となった。投資活動収支において、三鷹住宅等の売却による収入があり、全体では424万5000円の赤字となった」と述べた。  17年度決算では、「総幹事未就任による人件費の減少等で、事業活動収支差額が1506万9000円の黒字となり、当期収支差額で347万4000円の黒字となった。収益事業会計においては、会館室料が1081万3000円となり、新報購読額、年鑑の売り上げの減少があるものの、2万2976円の黒字となった」と述べた。  18年度予算の審議に入る前に、兵庫教区から出された、「沖縄教区宣教連帯金」に関する件を審議した。2010年度からの減額分……

【4892号】第41回教団総会 常議員選挙、結果承認を前常議員会に付託

 教団総会三日目午後に議論された主な議案は次の通り。  九州教区提案の「伝道資金規則改定に関する件」。賛成意見として「教区間格差を少なくするような運用がなされるべき」、反対意見として「分配後の用いられ方を明確にすべきで、申請制は保持すべき」との意見があり、採決の結果少数否決となった。  西中国教区提案の「日本基督教団と沖縄キリスト教団との「『合同のとらえなおしと実質化』をすすめるための特設委員会を設置する件」。次回教団総会までの期間限定で各教区常置委員1名、計17名で委員会を組織することを求める議案である。議場からの「沖縄教区への言及について、沖縄教区が距離を置いている状況をどう考えているか」、「沖縄不在の状況でこのような議案を議論できるのか」との質問に対し、「沖縄教区の主体性を考えて、沖縄教区の判断にゆだねることを議案に盛り込んだ」と小畑太作西中国教区議長が答えた。沖縄から出……

【4892号】第41回教団総会 礼拝「福音伝播の命令」 開会・逝去者記念・聖餐礼拝を献げる

 総会三日間を通して、出席者が共に主を仰ぐ礼拝で一日の日程が始められた。  開会礼拝では、教団総会史上初めて海外から説教者を招いた。李秀英牧師(大韓イエス教長老会)は洛雲海牧師(長老会神学大学校)の通訳を介し、「福音伝播の命令」と題して、マルコによる福音書16章15~20節の御言葉を説き明かした。ご復活の主イエスは弟子たちに現れ、宣教命令を与えられた。この伝道の使命には、三つの危険が伴う。死と迫害、狂気に陥っているのではないかとの非難、福音が伝統と食い違うという糾弾である。相手の心を乱すことが倫理的伝統に反するとタブー視される日本では、心を揺さぶる福音の伝道は批判されるだろう。しかし、主の命令である伝道は、常に伝統よりも大切である。李師は、日本の教会が伝道を志すのは誠に尊いと語り、主が教団を力強く導かれ、宣教命令を遂行する教会とならしめてくださるようにとの祈りで説教を結んだ。 ……

【4892号】第41回教団総会 報告会 協議会 教団の諸課題について報告、協議

《報告会》  「熊本・大分地震支援」について、梅崎浩二九州教区議長が報告した。「継続的な支援に感謝である。被災教会15教会中8教会が再建完了。3教会が部分完了。2教会が復旧予定。2教会は見込みが立たない状況である。再建が完了した3教会は献堂式を行うことが出来た。支援活動として、ボランティアセンター・エルピスくまもとを設置し地域に奉仕している」。その後、献堂式を執り行った別府不老町教会・齋藤真行牧師と、同じく献堂式を行った隈府教会代務者の錦ヶ丘教会・川島直道牧師より、全国から捧げられる祈りと支えへの感謝の言葉が述べられた。  「西日本豪雨被災」「大阪北部地震・台風21号被災」「北海道胆振東部地震被災」について、秋山徹総幹事が報告書により報告した。大阪北部地震では、被害は比較的少なかったが、台湾基督長老教会より1万ドルの送金があり、大阪、兵庫、京都の3教区に託した。西日本豪雨では、被害……

【4892号】第41回教団総会 部落解放劇「さようなら無関心」

 教団総会ごとに行われる部落解放劇が50分ほどの上演時間で行われた。  香澄さんと遙君、二人の教会青年が「部落解放青年ゼミナール」実行委員会に参加して劇が進む。遙君は部落差別問題について詳しくないが、香澄さんに誘われてはじめて実行委員会に参加する。委員会では、武牧師に導かれながら、今年の教団総会に上演する解放劇についての話し合いがはじまる。差別問題をめぐる経験を寸劇の仕方で披露して解放劇に仕立てゆく。焼肉パーティーでの精肉業者の話。被差別部落に建つ学校に遣わされた教師の話。同和地区近くの極端に安い土地の売買を巡る話。演じられる寸劇と幕間に入れられた東谷誠センター運営委員長のワンポイントレッスンで差別問題の理解を深める工夫をする。  「寝た子を起こすな」と言うことで問題を避け、そのままにして忘れるのを待つことや、「部落分散論」と言われることによって、被差別部落を出て他のところに住……

【4892号】第41回教団総会 信徒運動全国展開への期待 第7回信徒交流の集い

 総会二日目の議事終了後、第7回信徒交流の集いが開催された。出席者全員の声が聴かれる全国規模の会への期待もあり、北は奥羽教区から沖縄教区まで、52教会65名が出席した。  世話人津村正敏兄の開会祈祷に始まり、来賓として出席した石橋秀雄教団総会議長は、「伝道推進基本方針が設定されたことはとても大きなことだ。祈ろう、伝えよう、献げよう、信徒運動として全国展開を願っている。信徒の皆さんが、ある意味では一緒に献身して頂いて、一緒に主のために働くことが出来ればと願っている」と激励した。  特別ゲスト日本原水爆被害者団体協議会の和田征子姉は、「私たち被爆者は同じ苦しみを世界中の誰にも経験させたくない。『核兵器廃絶国際署名』への支援協力を願いたい」と呼びかけた。続いて東海教区・大和田浩二兄は、1949年に始まる山梨分区の信徒活動について報告した。  第2部全国信徒会総会では、2019年……

【4892号】消息

栗田芳子氏(隠退教師)  17年5月26日逝去、102歳。大阪府生まれ。75年受允、同年より港復活、西九条教会を牧会し88年隠退。  遺族は娘・東條直美さん。 土屋恵子氏(隠退教師)  18年10月3日逝去、87歳。東京都生まれ。92年東京神学大学大学院卒業。93年より宮島口教会を牧会し、08年隠退。  遺族は義娘・土屋綾子さん。

【4892号】第41回教団総会 伝道協力の広がりを確認 教団総会・来賓挨拶

台湾基督長老教会  シェ・ポーツァン総会議長  日本はこの一年多くの災害に見舞われた。同じ環太平洋に位置する台湾でも同様の災害が起こるが、教会には具体的な行動や相互扶助が求められる。私たちの心は日本の人々と共にある。2月の花蓮地震に際する教団からの支援に感謝する。  中国の圧力がますます強まる中で原住民の人権と正義を守るために海外諸教会とのパートナーシップ保持を強く求めている。お互いのために祈ろう。また台湾独立デモ、プユマ号事故をおぼえ祈っていただきたい。   韓国基督長老会 キム・チュンソップ総会長  韓国基督長老会と貴教団は1967年の宣教協約締結以来、長年パートナーとして歩んできた。私たちの第103回総会および平和会議に秋山徹総幹事をお迎えし、心温まる協働の時が持てたことは大きな喜びであり、忘れがたい財産である。  一方で台風21、24号や大阪と……

【4892号】人ひととき 秋山 徹さん 教団総幹事に就任

 第41回教団総会で、石橋秀雄教団議長が、「総幹事17カ月間の不在をお詫びします」と陳謝し、常議員会での秋山徹総幹事選任を報告すると、満場割れんばかりの拍手が、議場を覆った。  秋山さんが、1968年、東京神学大学大学院を終え、担任教師として金沢教会に赴任した頃、教団は紛争のただ中にあり、「まさに、荒れ野の40年だった」と述懐する。秋山さんは、熊野義孝研究会に通った。荒れ野の時代だからこそ、温厚で、芯の強い秋山さんのような人を、教団は必要としたのだろう。秋山さんは、出版局長を6年務めた。教団全体が大きく揺らいだ時代で、各個教会でも、内部対立が表面化した教会も、数多く出た。金沢教会を出発点に4つの教会に仕えたが、上尾合同教会が、本年4月、総幹事就任で辞任するまで23年間と、一番長かった。上尾時代、関東教区議長を6年務めた。絶妙のバランス感覚で、難しい教区運営に務めたことが、総幹事就任に……
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