戦後六〇年という節目にあってさまざまな声明、謝罪、あるいは決意表明がなされている。それら一つ一つの重みを受止めていかねばならない。
しかし、今一つ「近くて遠い」
問題について考えてみなければならないのではないかと思うことがある。それはホロコーストについてのことだ。
ユダヤ人六〇〇万人の虐殺について直接的に日本は関与もしていないし、責任もないという。しかし本当にそう言い切れるのだろうか。
日独伊三国軍事同盟のもとドイツのナチスによるユダヤ人迫害さらには虐殺について日本も密接なドイツとの関係から知っていたにちがいない。しかし、結局は座視、無視したのではなかったか。
この点、日本にとってホロコーストに対する痛みは強くあるべきはずだ。
特にキリスト者にとってはイエス・キリストはユダヤ人だったということ、ユダヤ教からキリスト教が生まれたこと、そのことからしてもユダヤ人問題の距離は日本人の……
地域の幼子のために
浦和母の会幼稚園は、浦和駅から徒歩で一〇分ほどの住宅街に溶け込むように建っている。園舎は、まったく幼稚園の建物らしくなく、大きな住宅と言った感じである。
この園舎には、真崎さんの幼稚園についての考え方が具体的に表現されている。一つは、幼稚園教育は小学校の単なる準備教育ではなく、学校を幼児のために縮小したものでもないということ。家庭が幼児の人間形成に重要なように、幼稚園も家庭生活、家庭教育の延長でありたいし、家庭と協力し幼児の成長に尽くしたいと願う。もう一つは、この幼稚園の始まりが個人や学校、教会の志によるのではなく、地域住民が自分たちの子供への教育を願い、これによって始められたことがある。この願いにキリスト者たちが協力した。終戦直後のことである。
一つ屋根の下にいるような心地よさ、地域から浮き上がることのない佇まいは、こんな願い、始まりの表れである。
真崎さ……
★JOCSチャリティ映画会
/時=10月8日(土)14時半と18時の2回
/上映作品=ザ・カップ~夢のアンテナ
/所=千代田区公会堂
/入場料=千円
/申込み・問合せ=JOCS事務局☎〇三-三二〇八-二四一六
内閣総理大臣小泉純一郎様
文部科学大臣 中山成彬様
一九九九年「国旗、国歌法」の成立以来、それまでにもまして全国各地で、学校儀式などにおける「国旗、国歌」の強制が強まっています。
とりわけ東京都では二〇〇四年春の卒業式、入学式での処分が二〇〇名を超え、二〇〇五年も処分者が六三名に及んでいます。このような力による「国旗、国歌」の強制は、法制定時の国会答弁に反するのみならず学校現場に無用の混乱をもたらし、多くの教職員が強いストレスによって心を病み、休職者や早期退職者が増加するという事態を引き起こしています。
天皇への賛歌でもある「君が代」の伴奏を信仰上、あるいは音楽的な理由から拒否した音楽の教師たちが処分に追い込まれ司法の場に問題が提起されています。
また、公立学校のみならず私学に対しても地方自治体当局から「国旗の掲揚、国歌の斉唱」についての通達という形で、圧力が強まっています。
……
新しい人として
的場 武彦
(下田教会員)
二〇歳で受洗したが社会に出ると会社人間となり、娘の受洗まで教会とは長いご無沙汰期間があった。献身しても妻は妻、自分は自分の生活だったが、四年半前に下田教会から牧師である妻に招聘があったとき主の導きと信じ、妻と共に下田へ移り下田教会員となる決意をした。
◇◇◇
今回振り返ってみて自分が教会員・牧師パートナー・社会奉仕と三つも中心点を持って生活していることに気づかされた。
教会から「一信徒として牧師と一緒に来て下さい」と言われ、そのつもりで生活し始めた頃「分区牧師夫人の会」の案内状を受け取った。慣例として新任牧師の伴侶へ出した案内状であったかも知れないが、「新しい道を行け」と主が示してくださった気がして出席した。この会に参加したことで牧師夫人の担う役割の多様性や複雑さに気づかされたのが、会社人間からの脱皮の始まりだった。わたしに始まり……
ウィリアム・H・W・ジャクソン 氏(神愛教会牧師)
六月二四日、逝去。八六歳。北アイルランドに生まれる。一九四九年英国エマヌエル聖書神学校卒業後、五三年来日。六八年上山教会に赴任。七二年から神愛教会牧師を務めた。遺族は妻の信(ノブ)F.さん。連絡先/静岡市清水区沼田町8-5
今年度の東京教区の取り組み
木下宣世
二〇〇五年度、東京教区が特に力を入れて取組もうとしていることがある。
それは教区内の教会・伝道所に対する助成制度の整備に関することである。
これまで東京教区には「教会強化のための支援要網」というものがあった。これは比較的短期間に自立する可能性のある教会を対象としたもので、例えばこの支援により教師がアルバイト等から解放され、牧会・伝道に専念できれば教会の強化につながるのではないか、というのが当初の意図であった。
しかし、この要網が実施されたのは一九六九年であり、その後起こった長期に亘る紛争のため実際にはこの要網は有効に機能することはなかった。
また、今日となってみると時代の変化により、実情に合わない面も出てきている。
そこで、この要網を見直し、今日の実情に合ったものを作ろうというわけである。
加えて東京教区には「教会設立および伝道所開……
「日本キリスト教海外医療協力会・JOCSは、『お金や物を安易に送るのではなく、人を派遣することを通して共に生きる』ことをモットーに活動しているNGOです」小冊子に記されている通りに、計七年以上バングラデシュで活動し、様々な障碍を持つ人々と「共に生きて」きた岩本直美さんの報告会が、去る七月二三日、玉川教会を会場に行われた。
北海道くらいの面積に一億五千万の人口、高い山が迫り人が住める所は限られている、ドラム缶をひっくり返したような雨、講演は国土と気候についての説明で始められた。何より、私たちがいかにこの国について無知であり、無関心であったかを教えられた。それは、イスラム教徒についても同様だ。断食月の厳格さは聞いていても、厳密な人は唾も飲まないというのには驚いた。
もっと驚き深刻に受け止めたのは、親がいても放置され、自ら家を出、路上や駅で生活する子供たちの実態だ。希望のない生活の現実、麻薬……
「何故部落差別が今だに残っているんだろう。差別はなぜおこるのか?」このような基本的な疑問をもって多くの人が今年も第八回部落解放青年ゼミナールに集った。八月九~一二日、京都から大阪のいずみ教会に会場を移し行われたゼミは二年目。部分参加等も含めて総勢五九名の方々が関わってくださった。
参加者の半数は一〇代・二〇代という知識も経験も若い私たちであったが、だからこそ語り合える現実というものがあったと感じる。遠くは北海道からの参加、また韓国の大学生との交流・対話の時が与えられ、今後の関係性の継続も期待される。東岡山治部落解放センター運営委員長による開会礼拝では、ご自身の歴史を踏まえ人間解放に向けての希望が力強く語られた。
昨年に引き続き地元の青年との交流、また初めての試みとして彼らの活動であるDASHとの共催の公開講演会が行われた。基礎講座と各地における現実が様々な視点から報告された。青年ゼミ自……
学校伝道研究会は、幼稚園から大学までのプロテスタント・キリスト教学校において、伝道と教育に奉仕することを使命とする者たちの研鑽と相互育成を目指す会である。
各学校における孤立した活動としてではなく、全国的視野に立った意識と連帯を持ち、教育の中核に生徒・学生の人格的・霊的育成を見、その実現に向けて、福音に基づく教育の具体的展開、実践的課題を探求するための「伝道と教育に関する神学」を目指している。また青年の信仰育成の場として、教会との連携を極めて重視している。
第二二回夏期研修会は八月四~五日の二日間、参加者四三名で開催された。一日目は夕方から荻窪清水教会を会場に懇談会が持たれ、大阪キリスト教短期大学チャプレン・重富勝己氏より「学生の魂に届くために-大阪キリスト教短大チャペル活動紹介-」との発題があり、勤務校における学生の霊性育成のための工夫、努力を伺った。更に地域の教会に繋げていくことが……