出版局勘定の整理に関する件として、二八行にもなる詳細な提案理由を記して次の議案が提出された。「出版局勘定九七、六九九、二六八円、および未収入金の内、一三、五〇〇、〇〇〇円を出資金(出版局:元入金)に振替える」。
計良祐時幹事が議案と提案理由を朗読した後、竹前昇総幹事は、提案理由に基づき、特に次の点を強調した。「本来は事務局と出版局との間で業務の合理性を得るために設けられたもので、その都度現金の支払いを受け取ることをせず相手に替わって支出すること(立替払い)に用いられてきたが、長期にわたり両者間の清算が行われず今の数字になった」。「内訳は、大きく三つに区分される。①出版局が、区分経理として、事務局での出版局経理として会計処理を行ったために、その計上額が出版局勘定に残ったままになっている額、一二八、二九一、五八九円。②出版局が事務局から借り入れて、返済手続きをしていなかったために計上されている額、二八、〇〇〇、〇〇〇円。③事務局が経済的困難さから、事務局職員の給与等を出版局に立替払いをさせ未整理となっている額、五八、五九二、三二一円」。
竹前総幹事は「別紙の計算表は昨年七月に提出している。いきなり議案にして可否を問うことをしないで、考えていただく期間を置いた」と述べ、理解を求めた。
遠藤道雄常議員は「数字を明らかにした努力を評価する」と述べた上で、また「現実にお金は動かないのだから、振替ではなくゼロにすべきではないか」と疑問を投げた。計良幹事は、「ゼロにすると経理上出版局では収入になり税金もかかる」と答えた。飯塚拓也予算決算委員長は、かつて委員会で協議した経緯に触れ、「この度の提案は残念ではあるが、理由があると判断し承認した」と賛成意見を述べた。
同様に佐々木美知夫常議員は、財政検討の立場から「現段階では、これしかない。数字処理は妥当。出版局の財務状況は良くなる。見かけ上とはいえ債務超過に陥っていたので、是正は対外的にも良い」と述べた。
西田直樹常議員は、「組織管理上の不徹底が解消されないと同じことが起こる。ルールを作るべき」と意見を述べ、和田献一常議員は、「承認するためには監査が条件、監査することを確認して」と要望し、竹前総幹事は、「当然の発言だ。議案には条件は付けられないので承認して欲しいが、三局の包括監査はやる」と答えた。
西澤宏常議員は、消費税に関わる計算ミスと、その解明、責任問題について指摘した。
北紀吉東海教区議長は、活動優先で、予算を超えてやってきた教団構造の問題であり、その是正こそ懸案、経理処理では済まないものがあると指摘した。
斉藤仁一常議員が「今回の処理は脱税に当たらないのか」と訊ねたのに対して計良幹事は、「数字は事務局の資産なので税金上は問題ない」と答えた。また飯塚予決委員長、本村利春出版局主事も脱税には当たらないと答弁した。
長山信夫常議員は、「組織管理上の不徹底という言葉では説明できないものがある。責任問題は避けられない、明確にして処理すべき」と主張し、また「紛争が集結し再建期に入っている、紛争期の総括が必要」と述べた。これに対し、竹前総幹事は「意見として尊重するが、責任問題或いは総括は、別議案で扱うべき」と答えた。
挙手による採決の結果、賛成多数で可決された。