【4599号】教区コラム 九州教区

美伝道五〇年から問われること
西畑 望

今年九州教区は奄美伝道五〇年を憶えていくつかのプログラムを計画している。一九五三年クリスマスの日に奄美諸島の施政権が、アメリカから返還されたのを受けて、教団「奄美特別開拓伝道」が開始された。一九五六年四月のことである。もちろんこれ以前にも奄美には教会があった。アメリカ軍占領時期においても他教派などは沖縄の教会と連携を取りながら奄美の伝道を継続していた。しかし教団は政治のシステムに追随する形で伝道を開始したのである。
多くの苦悩を抱えながら教会形成を始めた奄美の教会の声を断ち切るかのように、教団の伝道計画は一〇年をもって終了した。教団の人材と資金を主流とした一方的参与と資金のパイプ役に徹する九州教区の姿が浮かび上がる。
《私共は、大変熱心に、気負うて「ひとりの改宗者をつくるために、海と陸とを巡り歩いて来たのである」(マタイ二三・一五)が、私はこの伝統的な正統的な伝道姿勢について、あらためて考えさせられているものである。私共が依然として、島々に対して、教勢拡張、教化を旨として、与え、教え、導きという与える側の立場ばかりを強調するならば、「島々は一層貧血な余計者の顔付きをあらわす」(島尾敏雄)に相違ないのである。》との奄美伝道二〇周年によせた雨宮恵教師の言葉は、三〇年の時の隔たりを超えて、私たちに色あせない問いかけを持っている。奄美伝道五〇年を憶える中から、伝道の質を考えていきたい。
(九州教区総会議長)

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