世界第5位の面積を持つインドは、世界有数の多言語の国である。公用語ヒンディー語に、17の地方公用語、各地の方言。「共通語は英語」と良くいわれるように、今でも英語を補助公用語としている。
多言語の国は、言語感覚に鋭い人を輩出する。インド東北部コヒマ生まれの宮島アトゥーさんの話す日本語を、音声だけ聴いたら、まず外国人と思わないだろう。その話す力の確かさには多言語地域の生み出す天性のものがある。
アトゥーさんは、大学卒業直後の93年、アジア学院(栃木)にやって来た。そこで出会ったのが、ボランティアとして、働いていた牧人氏だった。教師役と生徒といっても、同年生まれの若い二人は、恋に落ちた。アトゥーさんが結婚を決意した時、牧人氏は岩手のカナン学園に勤務しており、アトゥーさんは、来日2番目の居住地を岩手に移して、新たな生活を始めた。
その2年後、牧人氏は召命の心につき動かされ……
幼稚園の桜に真新しい竹箒が何本もまとめて立てかけられていた。落ち葉掃きの季節が来たのである。これから毎朝、子どもたちが登園する前に教諭たちが落ち葉を掃き、庭を整えてくださる。そこに新たに落ちる桜の葉を子どもたちは楽しむのである。夕方までに落ちた葉も翌朝にはなく、きれいになった園庭がまた子どもたちを迎える。ただ竹箒だけが少しずつ磨り減って教諭たちの業を伝えている。箒の変化に気づく子はいないであろう。ただ、いつの間にか大きな桜の木に殆ど葉がなくなり、遊ぶ自分の上に青空が拡がっていることに気づくのである。
幼稚園でも教会でも、人々に気づかれない奉仕が多く続けられている。整えられているのが当たり前のように思っていることが、ある日を境にそうでなくなることがある。そして“あの方が担っておられたのだ”と気づき、遅い感謝を持つことがある。また“今度は私が担う番だ”と、静かに決心してくださる方があ……
アメリカ「キリストとの出会いを与える「種蒔き教会」として」
カリフォルニア・シカモア組合教会
私に与えられている働きは、アメリカの地における日本語での宣教である。「外国人」として生きる海外生活者は、たとえその地の言葉を流暢に使い、その地の文化に深く溶け込める人であったとしても、やはり母国語を愛し、母国の文化に触れることができるコミュニティーを求めている。
シカモア組合教会は、1904年の創立以後、そうした人々の心に寄り添いながら、日系移民1世や2世の人たちを中心に歩みを進めてきた。しかし、3世の時代になると、日本語を話すことのできる日系人は激減する。そこで教会は、英語部を創設し、日語部と英語部に分かれて、一つ屋根の下で共に宣教を担うようになってきた。時代の変化に対応して、教会は「日本人教会」から「日系教会」へと形を変えたのである。
ところが、日本語を話す2世の方々が高……
9月の暦にある敬老の日に合わせて、幼稚園ではおじいちゃん、おばあちゃんを招いてのプログラムを準備している。全ての祖父母が参加できるわけではない。住まいが遠かったり、高齢で移動が難しかったりだ。そこで、誰々ちゃんのおじいちゃん、おばあちゃんということではなくクラス全部で参加してくれた方たちをもてなすことを考えているようだ。▼イスラエルの民は、シナイ山にて、父母を敬え、と教えられた。父母を敬うことは当然であったであろうが、改めて教えられることに意味があろう。わたしがここに存在し、生きているのは、一人の父が必ずいて、一人の母がいてくれたからだ。たとえ敬うことの出来ないような父母であったとしても、結婚がどのようなかたちであろうとも、わたしのはじまりに父がいて、母がいる。祖父母を敬うことは一世代置いているとは言え、やはり父母を敬うことである。わたしたちの隣人関係のはじまりに父と母がいてくれる。▼神……
《教区青年担当者会》
第7回教区青年担当者会は9月4~5日、教団会議室で開かれ、26名が出席した。
1日目は具志堅篤委員長の開会礼拝後、各教区・団体からの出席者による自己紹介が行われた。その後、講師の大嶋重徳氏(KGK総主事)より「若者に届く説教を目指して」と題して講演がなされた。ルカによる福音書におけるエマオ途上のキリストを通して、若者に寄り添うこと、届く言葉で若者に語ることの在り方が説き明かされた。また、多角的な視点からなされる具体的なアドバイスは、若者への説教のみならず牧会についての大きな示唆であった。
講演後は8月に開催された「リフォユース500」の報告が増田将平実行委員長よりなされ、2018年3月に開催予定の青年大会の告知もなされた。続いて各教区等から報告がなされ、青年に対する働きの課題と実りが分かち合われるひとときとなった。
2日目は4つの分団に分か……
3回教師委員会は、9月4日、教団小会議室にて開催された。はじめに報告事項を幾つか扱ったが、その中で一つ記したいことは、「神学校日献金」が、この5年間減少を続けていることである。昨年は献金目標額500万円に対して250万円程であった。「神学校日献金」の減少は、教団の教師養成にとって大変気がかりである。祈りつつ諸教会に献金をよびかけていくことが必要である。
今回、特に重要な審議事項は、「教師継続教育研修会」に関する件であった。伝道推進室によって行われてきた教師継続教育「夏期研修会」は、今年8回目を迎えている。豊かで内容の濃い研修会であるが、教師委員会は後援というかたちで参加してきた。しかし、教師の継続教育は、教師委員会が担うことが必要ではないか、と思わされたのである。これまで教師委員会は、毎年6月に開催している新任教師オリエンテーションを行っているが、教師の継続教育の必要性が高まる今……
9月5日、第3回熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援委員会が教団会議室で開催された。今回は、梅崎浩二九州教区議長の陪席が適わず、文書によって現況が報告された。6月の現地視察の報告書も参考にして最新の現状を確認した。
まず、建物修理が終了しているのは、大分地区は竹田教会、別府野口教会、熊本地区は熊本草葉町教会、錦ヶ丘教会(ただし、十字架塔は未着手)である。
この度、補助金を申請したのは由布院教会と別府不老町教会。
由布院教会は、既に工事は6月から始まり、現在進行中。クリスマス礼拝を新会堂で守ることを切望しており、11月末の最終支払いを前にしての補助金申請である。
別府不老町教会は、8月に工事が始まり、来年2月中旬の完成予定。10年前に購入した隣接地と牧師館集会所建築の返済がまだ残っている中での新会堂建築に不安を覚えつつの決断とのことであった。
それぞ……
7月22日~8月8日にかけてニューヨークにあるキャンプクイニペットで開催されたディスカバリーキャンプに9名の中高生と共に参加した。
この企画は4年前にSMJから被災地の学生を招待したい旨の申し出を受け、東日本大震災救援対策本部と宣教協力学校協議会の後援により実現し、今年で3年目になるが、救援対策本部の後援は今年で最後となる。日本からは岸ひかりさん(千葉本町教会)が私と同じ日本側リーダーとして参加した。
ニューヨーク周辺の日本語教会を通じて現地の学生の参加もあり、参加者総数は26名。キャンプのリーダーは伊与田昭夫伝道師(ヒックスビル合同メソジスト教会)が務め、日米合同教会を中心として3名のカウンセラーが参加した。
2週間のキャンプ中は朝礼拝に始まり、午前、午後と聖書を学んだり、スポーツをしたりグループ活動等盛りだくさんだった。夜には2回キャンプファイアーを行った。初……
主の大宣教命令により、伝道は教会に与えられた第一の使命である。
しかしながら現在の伝道委員会は、宣教委員会のもとに、社会委員会および教育委員会と並置された常設専門委員会の一つに過ぎない。
現在扱っている事柄は、教区伝道委員長会議と農村伝道に関する協議会の開催があり、諸教会にお願いしていることとして「こころの友」応援伝道、諸教会の創立記念日献金および開拓伝道援助資金献金がある。また会堂建築資金の援助と貸出を扱っている。伝道推進室および刑務所伝道も管轄である。
以前からの引き継ぎ事項が多く、創意工夫による新しい伝道方策にチャレンジするという余地が人員・予算・時間の面でもなかなかなかった。しかし、伝道推進室ができてからは、伝道キャラバンや中高生大会といった大胆な試みが、自由献金に支えられてなされるようになったのは喜ばしい。
今後は、激変する時代に不変の福音を、さ……
第2回世界宣教委員会が、9月11~12日、教団会議室を会場に開催された。今回より、日本キリスト教社会事業同盟の世界宣教委員は長沢道子委員から宮本和武委員に交代した。
委員会冒頭に林田義行教師より、台湾の高雄日本語教会での長年にわたる働きについて報告を聞いた。
宣教師人事に関しては以下のことが報告・承認された。
久山康彦宣教師(センテナリー合同メソジスト教会)は、2018年6月をもって引退、吉岡恵生宣教師は(シカモア組合教会)ビザ更新のため9月19日~10月19日に一時帰国、坐間豊宣教師(バンクーバー日系人合同教会)は2018年6月30日に任期満了、一時帰国していた知花スガ子宣教師(ピラポ自由メソジスト酒井兄姉記念教会)は9月12日にパラグアイに戻る。川合望教師(パイン合同メソジスト教会)はビザ申請から1年以上経過したが、ビザが認められず宣教師辞任を承認した。
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