【4886・87号】伝道のともしび この地にある教会としての歩み 羽島 健司

 東日本大震災のまさにその時、足利東教会では牧師の交代のために会議をしていたそうです。教会の建物は、揺れの中でも充分持ちこたえましたが、壁の内側にははっきりとひびが入り、震災の痕を残しました。

 そのころ私自身はというと、婚約式の準備に向かうため、珍しくタクシーに乗って移動中でした。車のサスペンションで揺れがだいぶ吸収されたものの、それでも揺れが長く続き、運転手さんと一緒に「どこか遠くで、かなり大きい地震があったのではないか」と心配していたのを覚えています。

 次の日には何とか電車を乗り継ぎ、当時神学生として奉仕していた教会に行きましたが、その教会も足利東教会同様、内壁がひび割れていました。

 その後しばらく、輪番停電などで不安な日々が続きました。足利東教会の信徒の中には、時おり信号が点かない中で、以前から入院中だった家族に会うために、車で往復していた者もいたそうです。

 それから、韓国人である私の妻が、韓国のキリスト教系ラジオ局による、教団総会議長の石橋秀雄先生への電話インタビューをセッティングしました。その繋がりから、石橋先生に連れられて、被災地の支援にもうかがいました。

 私と妻は、2012年4月から、伝道師として足利東教会に赴任しましたが、会堂の内壁のひびや、町の所々にあった、ブルーシートで覆われた屋根に、震災の影響の大きさを感じました。

 その後、関東教区を通して、足利東教会も、会堂の内壁の修理のために、教団の支援を受けられることになりました。栃木地区内や関東教区内に、会堂を建て直さなければならない教会がいくつもありましたから、初めのうちは、支援してもらうことにためらいもありましたが、支援が決まってからは、足利東教会からの献金にも、より熱が入りました。

 震災を通して、月並みな言葉ですが、「互いに助け合うこと」の大切さを感じました。日本国内の諸教会ももちろんですが、妻の知人たちや、教区の記念礼拝を通して、韓国や台湾の諸教会も、日本の被害を覚えて、共に祈り合い、支え合ってくださっていることを、具体的に知りました。

 そして、御言葉を取り次ぐことを通して、互いに助け合う教会の姿は、新約聖書の時代から変わらなかったということも学びました。説教準備の過程で『キリスト教とローマ帝国』という本を読みましたが、そこでは、人口の3分の1が亡くなるような疫病流行の中で、最後まで踏みとどまって隣人の看護に当たったキリスト者の姿が記されていました。そのことを説教で話したところ、信徒の一人は「殉教はとてもできないが、いざという時に命がけで近所の人の面倒を見るくらいなら、できるのではないかと感じた」と感想を返してくれました。

 「一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです」(一コリント12・26)。この思いを与えてくださった神様に感謝します。
(関東教区・足利東教会牧師)

【4886・87号】▼在日韓国朝鮮人連帯特設委員会▲在日外国人の 子ども支援塾を訪問

 第5回在日韓国朝鮮人連帯特設委員会を6月28日、横浜指路教会で開催した。

 はじめに宮本義弘委員長より以下の2件の報告があった。①2月1~2日、北海道クリスチャンセンターで開催された外キ協(外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト者連絡協議会) 全国集会に出席。②6月4日に第51回在日大韓基督教会と日本基督教団との宣教協力委員会に出席。

 協議事項は以下の通り。①8月16~18日、高知県南国市にある清和女子中高等学校で開催される全国キリスト教学校人権教育セミナーに宮本委員長を派遣する。②RAIK(在日韓国人問題研究所)所長の佐藤信行氏が退職、7月13日に感謝会が行われる。感謝会への出席については宮本委員長に一任する。

 委員会終了後、横浜市南区中村町にあるNPO法人在日外国人教育生活相談センター「信愛塾」を訪問した。大石文雄理事、福島周理事、竹川真理子センター長より信愛塾の働きについて聞いた。

 信愛塾は、1978年に在日外国人の子どもたちの学習支援から始まり、在日外国人と日本人が出会い交流し、共に支え合い、共に生きる社会をめざす具体的な場として成長してきた。また設立にあたってはクリスチャンの支援があった。現在は、子ども会、学力保障の場としての補習クラス、母語クラス、日本語クラスがある。また、在日外国人の子どもの保護者に対して教育・生活・人権等に関わる相談を行っている。

 当初は在日韓国朝鮮人の子どもが主だったが、今はほとんどおらず中国と東南アジアの方であると聞き、時代の変化を感じた。しかし、いつの時代でも信愛塾の働きは貴重であり、その役割は増々大きくなっていると感じた。信愛塾に関わる全ての人に神様の祝福を祈りたい。(豊川昭夫報)

【4886・87号】人ひととき 尾崎 七郎さん 神は万事を益として下さる

 20代に入ってすぐに肺結核を患い、結核療養所に入った。2年間の療養中に看護師として働いていた夫人との出会いが与えられ、アドバイスによって片肺の一部を切除、死を直感させられるような症状から回復し、数か月後に無事退院した。

 療養所内に野百合会という聖書研究会があり、そこに顔を出していたが、近永教会員である婦人の熱心な誘いによって教会へ通うようになった。会堂ができたのを機に洗礼を受け、以後近永教会の信徒として過ごす。結婚式も新会堂第1号であった。

 大病を患いながら、妻も仕事も家も信仰その他、全てが与えられた。神に従う者には万事を益としてくださる、そのことを共に喜びたい。

 病からの回復後、町役場に勤めた。仕事に夢中で礼拝がおろそかになった時期もあったが、「神が私の味方であって、誰が私に敵対できようか」(ローマ8・31)を信念に、正しいことのためには嫌われ役も引き受け、誠実に務めを果たした。役場勤めのおかげで、会議の進め方、予算の組み方、広報誌の書き方など、小さな教会でも大変に役立っている。

 退職後は親戚から任された畑で野菜を育てたり、今は引退したがクラリネットを演奏したり、グラウンドゴルフなどで体を動かしつつ、何よりも礼拝で御言葉を聴くことを楽しみとしている。今の時代、若い人たちへの伝道も大切だが、若い人よりも高齢者に、言い方は悪いが死ぬ前に神を知ってほしいと思う。教会学校も大切だが、地域的にも高齢者伝道に期待している。

 「とにかく説教が楽しみです。だからこそ、牧師には説教に専念してほしい。他のことは信徒がやります。牧師は忙しすぎませんか」。御言葉に生きる信徒の願い、祈りである。

1935年生まれ。愛媛・近永出身。7人兄弟の末っ子。近永教会員。

【4886・87号】誰も追い込まれることのない社会を

 今年、秋田いのちの電話は開局20周年を迎えた。超教派のキリスト者を中心として勉強会を始め、全国で44番目となる秋田いのちの電話を立ち上げ、緊張の内に最初の電話を受けたのが1998年3月末のことであった。この20年間で自殺(自死)に関わる諸事情は大きく変化した。何よりも自殺(自死)者数が大きく減少したことは本当に喜ばしいことである。しかし、自殺(自死)者がいなくなったわけではない。相談電話の受け付け件数も、連日、すべてを受け付けることができないほどの数である。また、自殺(自死)に対する意識や予防・対策といったことも大きく変わった。特に2007年に「自殺総合対策大綱」が策定され、そこに、「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指す」と明記されたことは画期的なことであった。自殺(自死)は追い込まれた死であるということである。今日、病気、生活の困窮、人間関係の悩み、孤独などを抱え、生きづらさへと追い込まれている人が多くいる。私たちの社会は、そのような人たちを追い込んでいる社会なのである。

 主イエスは、「悪霊によって荒野に追いやられていた」(ルカ8・29新改訳)人のところへと出向いて行かれた。そのように、キリストの体なる教会も、この社会において追いやられ、追い込まれている人に福音を届ける働きを担うものでありたい。
(教団総会書記 雲然俊美)

【4885号】2018年度教区総会報告4 17教区総会を終える

教団総会提案2議案を可決

神奈川教区
 6月23日、第140回神奈川教区総会が、今年度、全教区最後の定期総会として開催された。神奈川教区は定期総会を年度末を迎える2月と、この6月、年2回開催している。主日礼拝を翌日に控えた土曜日、231名中160名の議員が清水ヶ丘教会に集った。

 組織会冒頭では、総会招集について質問、意見があった。性差別問題特別委員会から教区総会前に各教会宛送られた書面に、教区総会議員選出・登録に際して女性議員の選出・登録が求められていた。これに対して、各個教会の議員選出の自由の妨害であるとの疑義が示され議長の見解が求められた。三宅宣幸教区議長はあくまで一委員会からの要望であると答弁し、不当な介入ではないとした。

 続く議事日程承認では、議事に先立ち朗読されることが慣例となっている「神奈川教区形成基本方針」を巡って、方針朗読に先立って教団信仰告白を告白することを求める日程の修正動議が提案され議論された。基本方針の基には全教会共通の基盤として信仰告白があり、按手、准允等重要な議案の前に告白されるべきである、という賛成意見、旧教派の伝統から信仰告白を持たなかったことも尊重されるべき、という反対意見が述べられ採決した。161名中、動議賛成72名で否決、信仰告白を行わない議事日程を承認した。

 教団総会議員選挙では、定数の倍数候補を求める予備選挙を行ない、選出された候補者が自己紹介し本投票を行った。予備・本投票共、5名連記投票によって教職・信徒各13名を選出した。

 准允・按手執行においては、各3名の志願者から所信表明を受け議場の質疑を受けた。「教区形成基本方針」の評価について改めて表明が求められたことに2名の志願者が応じた。三宅議長は「教区から見て教団の教師検定試験は不当であるとは言えない」と述べて採決し可決、准允・按手を執行。教師を立てた。

 「北村教師免職戒規撤回」、「聖餐を議論する場の設置」、2議案を教団総会に提案することを可決した。また大嘗祭等に国費を支出しないことを教区として政府に要請することを可決した。

 5851万円の17年度経常会計決算報告をし、内272万円の剰余金を特別積立てとすることを承認した。

教団総会議員選挙結果
【教職】三宅宣幸(元住吉)、古谷正仁(蒔田)、藤掛順一(横浜指路)、平良愛香(川和)、孫裕久(川崎戸手)、網中彰子(横浜明星)、小宮山剛(逗子)、寺田信一(横須賀小川町)、星野健(三田)、佐野匡(横浜本郷台)、飯田輝明(溝ノ口)、宗野鏡子(田園江田)、山﨑正之(横浜二ッ橋)

【信徒】中林克彦(鎌倉雪ノ下)、望月克仁(鎌倉雪ノ下)、伊東永子(翠ヶ丘)、斉藤圭美(高座渋谷)、安達順子(横浜菊名)、沖田忠子(横浜港南台)、若崎重武(橋本)、塚本智子(横浜指路)、佐々木雅子(鎌倉恩寵)、吉澤暢紘(横浜本牧)、古賀健一郎(紅葉坂)、高橋信夫(新丸子)、松橋秀之(蒔田) (新報編集部報)

 

教区総会を終えて

教団総幹事 秋山 徹

 4~6月にかけて各教区の総会が行われ、それぞれの新年度の歩みが始まった。教区総会の報告は新報記者等によって詳しくなされているので、問安使として参加させていただいた総会の全体的な感想について記したい。

 石橋秀雄議長をはじめ教団4役が手分けして教団の現状と課題について伝え、また、教団に対する様々な意見を聴くこと、特に教団総会を前に、機構改定についての骨子の説明をすることが今回の問安使としての責任であったが、それぞれに厳しい日程の中で時間を割いてくださったことに感謝したい。

 わたしが参加したのは大阪、兵庫、東海、奥羽、神奈川、それに、東京、沖縄の7つの教区総会であったが、印象に残ったのは、いくつかの教区で会議の冒頭で開会礼拝や准允式・按手式の中で教団信仰告白をするかどうか、あるいは、戦責告白、さらに各教区の基本方針のような文書を読むかどうかといった議論があったことである。

 信仰共同体が共同して立つべき基盤はどこにあるのかの確認において、まだ一致した状況ではないこと、教区によってかなりの違いがあることが明らかで、日本基督教団は、United Church ではあるが、まだその「一致」は、Uniting の過程にあることを思い知らされる。その内容は別として、教会の危機に直面して共同して立つべきアイデンティティーはどこにあるのかの確認が問われているのである。

 教団とは距離を置くといわれている沖縄教区の総会には、石橋議長とともに参加した。議席は与えられなかったが議場には加えられ、紹介もされて、交わりの回復に向けて曙光がさす思いをしながら帰ってきた。

 各教区では厳しい教勢の中で苦闘している教会の互助の体制をどのように維持し、強化するかが緊急の課題として議論されている状況も知らされた。これは全教区共通の課題であり、教区的な取り組みと教団的な取り組みとの連携、共同が必要であることを思わされる。また、この状況を打ち破る積極的な伝道と総合的な宣教の志と実行が切に望まれる。

 どの総会でも准允式・按手式が行われ、献身への思いや伝道者となることへの心意気を聴くことができ励まされた。主の霊の働きが見える形であらわされるこの教区の教会的機能が健全に行われること、ここに教区が立つべき大切な場があることを強く思わされた。

  • 共に仕えるためにPDF

    リフォユース最新情報はこちら

    宗教改革500周年記念事業

    International Youth Conference in Kyoto

    公募・公告

    エキメニュカル協力奨学金 申込書類一式

    日本基督教団年鑑2018年版

    よろこび

    日本基督教団 伝道推進室

    東日本大震災救援対策本部ニュース

    教団新報 archive

    教日本基督教団 文書・資料集 申請書等ダウンロードコーナー

    月間 こころの友