【4880・81号】共に歩む教会と伝道

 静岡教会に赴任してちょうど10年が経った。時の経つことの速さを思い、様々な事柄に思いを巡らせている。その中で、驚かされた一つの恵みがある。この10年で静岡教会は同じ葵区にある教団の三つの教会全ての歩みに関わらせて頂いたのである。二つの教会の代務者を担い、一つの教会の礼拝説教を毎月第一主日に担当した。当然その交わりは、教師だけでなく教会全体に及んでくる。これまで同じ分区の交わり、同じ地域の教会としての交わりはあった。しかし、共に歩む教会という意識と自覚が育っていたわけではない。一定の人口を抱える市街地に立つ教会であるから、自教会重視の在り方が先行していたとも言えるであろう。しかし、牧師たちが礼拝説教を始めとしてそれぞれの教会の働きに深く関わる中で、静岡教会の意識は明らかに変えられてきたのである。毎週の祈祷会でそれぞれの教会の働きを覚えて祈ることが始まった。共に歩む分区の交わりが内容の濃いものとして受けとめられるようになった。何よりも信徒の交わりが喜びに満ちたものとして受けとめられている。同じ地域に立つ教会として、互いを主にあって喜べる交わりは素晴らしいものである。

 教団の伝道が各個教会の交わりの中で強められ、進められていることを、かつて長く働いた香長伝道圏に続いて見せて頂き、主に感謝を捧げている。
(教団総会副議長 佐々木美知夫)

【4879号】2017年度宣教方策会議 「日本伝道をどう考えていくか」を主題に開催

発題 「宣教基本方策」(1961年)を巡り議論
 3月5~6日、2017年度日本基督教団宣教方策会議が富士見町教会を会場に、主題を「日本伝道をどう考えていくか~宣教基本方策をもとに」と題して開催された。教団四役はじめ、教団内の各委員会、教区代表者等合わせて84名が出席した。

 米倉美佐男宣教委員長が、個人的な意見としつつ、「色々な問題を抱えている教団であるが、日本基督教団信仰告白と教憲教規を整えていく中で教団が教会と成ることを願っている。様々な意見があろうが、会の中で忌憚なく話し合いたい」と挨拶し、教職・信徒各2名の発題を聞くところから会議が始められた。

 最初の発題者は古澤啓太牧師(神戸東部教会)。同氏は冒頭、「教団のバラバラさに自信を持つべき」と語り、現行の宣教基本方策を詳細に分析し、「基礎」「教会」「教職」「信徒」「伝道」「内外協力」「調査広報」「機構」という宣教方策の8つの項目それぞれについて、数々の提案をした。

 続いての発題者は西谷美和子氏(大宮教会員)。「日本伝道とは、神の家族がキリストの愛に応え、受容し合う歩み」と題して女性信徒の視点から発題した。大宮教会の牧会の状況を紹介し、全国教会婦人会連合の働きに言及しつつ、「信徒一人ひとりが祭司として執り成し合い、悲しみ、喜びを受容する信仰に立つとき、イエスの名によって福音を宣べ伝えることが出来る」と結んだ。

 3人目の発題者は中嶌暁彦氏(八王子教会員)。11頁の資料が用意されたが、特に「信仰生活」「伝道の対象」「信徒伝道」「課題と疑問」「伝道の拠点」について語った。同氏が強調したのが、信徒減少という現実の中で、伝道は教職任せではなく信徒が教職と共に担っていく業である、信徒は人を教会に連れてくることが重要である、伝道にはそれなりの財が必要である、ということであった。

 最後の発題者は吉澤永牧師(愛知教会)。自身の信仰のルーツは教団ではないというところから話は始まり、それ故ある時期まで教団で起こっていることを自分の問題として受け止めることができなかったことや、教団で働き場が与えられて以降に感じた問題点を、具体的な事例を挙げ語った。

 発題後フロアからは、特に2人の教職の発題に対する意見があったが、米倉委員長は、紛争世代と紛争を知らない世代のギャップの問題こそが今回のテーマの一つであると語り、その中で伝えるべきことは伝えなければならないし、どこで教団が一致できるかということを世代を超えて探っていくべきと応じた。 (小林信人報)

 

教区議長報告 4教区議長、取組みを報告
 初日の夜、北海、東海、西中国、中部の各教区議長が取組みを報告した。

 久世そらち北海教区議長は、教区の厳しい状況の背景に北海道社会が抱える行政サービスの低下などによる暮らしづらさの深刻化、若年人口の流出などの課題があることをまず指摘した。その中で教区は1984年から10年ごとに長期宣教計画を立てて来た。1994年以降は一貫して革新・連帯・平和を掲げ、現行の第四次長期宣教計画(2014~2023)では社会が縮小して行く時にこそ、教会は活動を豊かにして力強く社会に働きかけることを神からのミッションと受けとめ、礼拝の充実と礼拝を守り続けるための相互支援、礼拝から始まる社会平和への働きかけに取組んでいる。

 宮本義弘東海教区議長は、教区の土台が「伝道とは福音を宣べ伝えること」にあると述べた。これまでの教区伝道部婦人委員会、青年委員会等の活動による教区主導型の伝道では進展が見られなかったことから、2016年に東海教区五カ年計画を立案した。五カ年計画では教区は伝道のために一致して霊性を高め、具体的な伝道の働きは各教会が担う。各教会の伝道力を高めるのは復活の主を礼拝する喜びであると議長は語り、その礼拝の喜びに各教会が包まれる道筋を立てることが教区の急務であると結んだ。

 小畑太作西中国教区議長は、教区宣教基本方針が「祈り」の中で掲げる「わたしたちは様々な重荷を背負う人々の出会いを通して、つくり変えられ…その人々と共に生きる」を紹介しつつ、福音伝道という教会の主体的目標ではなく、社会から教会に何が求められているかに御旨が表れるとの見解を述べた。教会の願いや思いではなく、世に仕えることを中心とする活動に、教会の存在意義と今後進むべき方向を見出せるのではないかと提案した。

 横山良樹中部教区議長は、教区の特色として助合伝道への集中を挙げ、互助制度による具体的な活動を紹介した。中部教区は歴史的経緯から宣教基本方針を定めず、宣教実施目標を掲げて毎年検討し、教区総会で可決する。実施目標の根幹は「福音伝道を使命とし、全体による助け合いと研修によって主にある一致と交わりを求める」ことにあり、助合伝道は8種の援助から成る教区互助制度で進めている。議長は、近年に教区内で起こった未受洗者陪餐発言への対応を経て、教団信仰告白と教憲教規が指し示す洗礼と聖餐の一体性と秩序を重んじることが、助合伝道の基盤である一致には是非必要と再確認したと語り、報告を終えた。 (原田裕子報)

 

講演・全体協議 「信仰の一致における伝道協力」を改めて訴える
 2日目、石橋秀雄議長が「マケドニアの叫び—行き詰まりの中で」と題する講演を行った。

 冒頭、東日本大震災に直面し、「信仰の一致における伝道協力」を訴え取り組んだことを振り返り、教団における信仰の一致が信仰告白による一致であることを語った。

 続いて、この告白にある教会が、「キリストの体としての教会」、「御言葉の秩序としての教会」であることを教憲の条文を紐解きつつ語り、「教会の第一の使命が、受洗者を生み出し、聖餐において十字架と復活の命に与り、キリストの体である教会の枝となって行くことである」、また「教憲による一致があってこそ、教会の力を発揮する」と述べた。

 また、礼拝の恵みに与った者が愛の業に向かうことも伝道であるとし、東日本大震災の際、礼拝共同体の支援と共に、教会を通して地域の支援を行ったことに触れ、「礼拝と証しの生活は切り離せない」と述べた。

 最後に、使徒言行録16章で、パウロが御言葉を語ることを聖霊によって禁じられる中、マケドニア州の叫びを聞き、ヨーロッパ伝道の道が開かれたことに触れ、危機の中で伝道が聖霊の業であることに希望を与えられ、助けを求める叫びを聞くことの重要さを語った。

 講演後に行われた分団協議は、議論を交わすよりも聞き合うことに主眼を置いたワールドカフェ方式で行われた。宣教基本方策の8つの項目毎にテーブルが設けられ、参加者は巡回しながらそれぞれのテーマについて協議し、テーブル毎に用意された模造紙に、意見を残して行く。分団協議後、テーマ毎の報告を聞く時を持った。

 以上を踏まえ、全体協議では、様々な意見が述べられた。特に、教団、教区、教会の役割について、「伝道するのは教会であって、教団がすべきことは教会の伝道をいかに支えるか」という意見や、今回、全教区が出席していないこと、距離を置いている沖縄教区から、教区の申し込みを経ず参加者があることを指摘しつつ、「教区を軽んじるべきではない」という意見があった。沖縄教区からの参加者は、沖縄には、和解のために歩み寄ることへの求めがあることを紹介しながら、「伝道が進展しない原因は、キリスト者が和解して一つになっていないから」と述べた。

 その他、「教団から委員会に問われたことに対し、真剣に議論し応じても、まともな返答が無かった。聞く姿勢が無いことが、宣教基礎理論が進まない原因」等の意見があった。 (嶋田恵悟報)

【4879号】伝道委員会 伝道委員長会議、主題を決定

 第4回委員会が、2月20~21日に宿泊ホテルならびに愛宕町教会で行われた。

 石田真一郎幹事より業務報告及び会計報告を受けた。

 伝道委員会内の各担当の報告を受けた。

 2018年度予算を、一部訂正の上で承認した。

 2018年度開拓伝道援助金に申請のあった3件(北海教区・倶知安伝道所、神奈川教区・横須賀上町教会、四国教区・潮江教会)を審査し、支出を申請額の3分の2で承認した。なお、2017年度後期貸出金申請および2018年度エフロク申請は申し出がなかった。

 伝道に関する発題は、「ボンヘッファーと伝道論」と題し、兼清啓司委員からなされた。ボンヘッファーの著作『服従』における、主に従うことがない〈安価な恵み〉と、服従する〈高価な恵み〉から始まり、〈代理〉という概念によって、主イエスが全うされた他者への責任において新しい生き方が示されること、〈究極的なものと究極以前のもの〉によって、前者を知る教会は、この世において後者をも真剣に進めることで〈安価な恵み〉に陥ることなく、伝道に向かうことが整理して説き明かされた。

 第40総会期教区伝道委員長会議(6月18~19日、横浜指路教会にて開催)について、準備を進めた。教勢、財政が低下する状況を踏まえつつ、希望を確信して伝道に向かうため、主題を「日本伝道の危機と希望」、副題「信仰のともし火を守る」と定めた。伝道圏伝道、教会合併、開拓伝道、信徒によって教会を守る事例の報告者を立て、パネルディスカッションを行うこととした。

 水沼昭子委員の祈祷によって閉会した。 (飯田敏勝報)

【4879号】伝道委員会 《農村伝道協議会報告》

 農村伝道協議会が、山梨・石和温泉華やぎの章甲斐路にて、2月19~20日に行われた。今回は東海教区第54回農村伝道協議会との共催で、主題は「農村伝道と福音を正しく宣べ伝える教会」であった。小宮山剛教団伝道委員長の開会礼拝と挨拶に始まり、宮本義弘東海教区議長の挨拶を交えて、それぞれが継続してきた協議会の意義や経緯が説明された。

 主たるプログラムとして、2組の発題がなされた。遠州栄光教会内の教会学校から始まった深萩伝道の歩みを、宮木成俊兄(当日はインフルエンザのため欠席)と丸山信子姉と山中徳美姉(3名とも遠州栄光教会員)によって、区分された時期ごとに説明と評価を聞いた。NPO法人やまびこ舎の様々な困難も伴う立ち上げからの話を、代表である吉田超兄(坂城栄光教会員)の証しを含めて聞いた。そこでのリンゴや加工品、その他の参加者からの生産品をも味わう機会が、交流会においてあった。

 全体協議において、かつて教団の機構改革において農村伝道の専門委員会を廃止したことに敵意を覚えていたが、今回の共催によって、実際に人の到来と語り合いによってその敵意が消えたとの発言があった。共催の意義を深く感じるものであった。

 共通のプログラムを終えた後、教団からの参加者はフィールドワークに出掛け、ワイナリーの原茂園と勝沼教会を訪ねた。
(飯田敏勝報)

【4879号】社会委員会 大嘗祭を巡り討論

 第4回社会委員会が全国社会委員長会議の後、2月27~28日、教団事務局会議室にて開催された。

 常議員会から当委員会に大嘗祭に関する研究と取り扱いが求められたことを受け、戒能信夫氏(千代田教会牧師)を招き「平成天皇の生前退位と大嘗祭」と題して講演してもらった。はじめに大嘗祭についての基本的な事柄が述べられた後、内村鑑三の「不敬事件」、矢内原忠雄の神権天皇制批判を例に、その様な天皇制批判をする者が周囲から攻撃される、そのことに対してキリスト教会は明確な立場を取ってその者を守る姿勢を取れては来なかったが、それはなぜか、ということから話し、現代の天皇制の問題を具体的な歴史から語ってもらった。そして戦前、戦後になされた天皇制に関しての議論についてを示し、1990年大嘗祭問題への取り組みとして、1986年11月から1990年11月までになされた大嘗祭に関する各教派・団体の声明を紹介した。そして今日、平成天皇の生前退位の意向が示されたことによって大嘗祭が執り行われようとしている。日本国憲法、政教分離の観点からこのことをどう理解するのか。そして日本基督教団はこのことにどう対応するのか。このように問われた。講師より「平成天皇の生前退位の意向は、天皇の第二の人間宣言である。このことは十戒の第一戒に関わる問題であり、我々キリスト者はこのことを無視してはいけない」と示した。その後、講師を交えて自由討論の時を持った。委員会として取り組みを継続する。

 続けて諸報告の後、「社会福祉施設援助金送金先と援助額に関する件」を審議。6教区からそれぞれ推薦された施設に対して、資料を精査し、援助金の送金を可決した。他「2018年度予算に関する件」や「社会委員会通信」の発行に関して審議を行った。(石井佑二報)

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