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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5015号】42総会期第9回常議員会(1面)

2024年3月9日

能登半島地震、被災状況を共有

 第9回常議員会が2月5〜6日、常議員30名(内オンライン4名)が出席し、教団会議室で行われた。冒頭、雲然俊美議長は、オンラインの出席を、事情に配慮して認めることを提案、賛成多数で承認した。
 12月4日に行われた、第1回常任常議員会報告では、黒田若雄書記は「教団出版局将来検討に関する件」、「教団機構改定に関する件」等を扱ったことを報告。質疑応答の中で、常議員会での報告前に、教団新報(5011・12合併号)に常任常議員会の記事が掲載されたことに対する疑義が出された。特に、「雲然議長が、教規変更を伴う改定は難しいとの見解を示した」との記載があることについて、教団の方向性を規定するものと受け止められてしまいかねないとの懸念が示された。
 開かれた会議だったことや、速報性を重んじるべきとの理由で、事前の掲載は問題ないとする意見がある一方、常議員会の付託を受けて協議をする常任常議員会の議論が既定路線のように受け取られてしまうことを問題視する意見があった。雲然議長は、発言の意図について、「現段階では極めて難しいとの認識を述べた。教規変更を伴う改定はしないということではない」と述べた。
 総幹事報告において、網中彰子総幹事が報告。能登半島地震の対応については、救援募金を呼びかけたこと、中部教区が教会の支援に注力する一方で、人道支援については、教団が主になって実施するとし、「人道支援チーム」を立ち上げたこと等を報告した。また、無任所教師に関する戒規適用申請が増えていることを受けて、「639名いる無任所教師について対応を考える時期に来ている」と述べた。
 能登半島地震の被災状況について、加藤幹夫中部教区議長が報告した。「教区が定めたマニュアルに基づき、教師と家族の心身を守ること、地区会長を通して被災状況を把握することに励んでいる。輪島教会がほぼ全壊し、支援を続けている。教会員が輪島を離れている中で、どう再建していくかが課題」。また、中部教区の「現地委員会」の委員でもある勇文人常議員が被災地を訪問したことを報告。「新藤豪牧師が避難所で生活しつつ、輪島に留まる教会員を牧会し、避難所にいる人々や他教会の信徒たちと祈りを捧げながら過ごしている。教会としての礼拝を、どう回復して行くかが課題」。
 伝道推進室委員会報告において、齋藤篤書記が、『信徒の友』誌連載記事「共に祈るために」を終了することを提案した。理由として、教団として一つの働きとなっていないこと等を挙げた。「他のアピールする方法を考えるべき」、「教団の信徒と、教団の出版物の間の距離を近づける役割を果たしている」等の反対意見がある一方、「『日毎の糧』により祈りは捧げられている」等の賛成意見があった。雲然議長は、連載記事を24年3月号をもって終了する議案を起こした上で採決し、賛成17(内オンライン1)、反対11(内オンライン3)で可決した。

(新報編集部報)


「出版局将来検討について」
協議会

 一日目の議事終了後に「出版局将来検討について」と題して協議会が開かれた。これに関連し、議案「出版局に関する件」が一日目の最後に協議された。三役提案として、出版局の将来のあり方について常議員会で継続して検討を重ねていくこととし、第1回常任常議員会において確認した課題と検討事項が報告された。議場からは出版局に対する常議員会の責任を明確にしたことを評価する意見や、常議員会に加えて責任役員会の責任も明確にする要望等が出た上で本件は承認された。
 協議会では、初めに前総会期で将来検討委員を務めた久世そらち常議員が同委員会答申(41総会期第22回常議員会付)に基づき出版局の売上げの低下が全国のキリスト教書店の経営を圧迫し地域の教会やキリスト者の信仰生活に影響を及ぼしていること、一方で神学専門書が高い評価を受けており売上げも見込めること、また組織上の問題としてあいまいな責任の所在・範囲を規則の適切な運用によって明確にするべきこと等を述べた。
 次に藤盛勇紀副議長が、答申に対する出版局側からの応答をまとめた「『出版局将来検討委員会答申』について」(飯塚拓也・第41総会期常任理事会書記名、23年1月18日付)の要旨を説明した。まず「教団にとって出版局はどんな存在か」について論じられてこなかったことに触れ、かつては出版局の利益が教団財政を下支えしてきた事情があることから「出版局の経営問題が教団に及ぼす影響」から論じられているのではないかと述べた。その上で出版局の位置付けについて常議員会と出版局理事会との合意形成を図ることや、信仰告白と教憲教規に基づいた業務の運用の必要性を指摘した。さらに全教団的な祈りの支え、SNSの活用、各教区を通じた出版物購入の呼びかけ、また運営安定と職員への雇用責任を果たすための資金確保を求めた。
 また、雲然俊美議長が出版局の位置付けについて私見を述べる中で、「教団の文書伝道とは」ということを常議員会で議論を重ねて出版局に示すようにし、例えば、「信徒の友」には教団の教務に協力するものとなってもらいたいと述べた。

(米山恭平報)


多様性が生かされるための一体性を確認
機構改訂

 三役提案である議案17「教団機構改定に関する件」が、議案18「日本基督教団の全体教会としての一体性を確認する件」と同時に上程された。
 17号議案は、第42回教団総会において議決された議案第40号の内容に沿って、機構改定の方向性とスケジュールの検討を継続する趣旨の議案であり、特に、①「これからの時代における日本伝道のあり方を検討しつつ、教団信仰告白を告白し、教憲・教規に則った一体性をもって、全体教会としての教団の形成を目指すこと」と、②「現在の教団の規模や財政力を踏まえ、教団総会議員数、常議員数、各委員会の委員数および活動内容等の適正化を図ること」について、協議を進めていくことを提案する議案である。
 議案18号については、同議案を教団総会に提案することを目的とした議案であることが、提案者である藤掛順一議員から説明された。また、「日本基督教団の一体性は、すでに教憲・教規に定められている。そのことを確認し、各教会、伝道所の多様性が教団の豊かさとして生かされるためにも、全体教会の一体性を確立し、確認することを求める議案である」との提案理由が説明された。
 17号議案について、「教規変更である教団総会議員数等の削減について議決することは、困難が予想されると議案の中で言われているが、最終的にはそれを目指すのか」という質問に対し、「最終的には教規変更を目指すことも視野に入れているが、今できるところまでを目指すということも考えている」と黒田若雄書記が答えた。
 加えて、「機構改定はもともと財政問題から始まったことであること、特に、各個教会、伝道所の負担軽減、また、42総会に機構改定の議案を提出することが出来なかったこと、それらのことを常議員会は受け止めるべき」という意見があった。
 18号議案について、「一体性が謳われる中で、多様性が損なわれるのではないかという疑念が出てくる危険があるのではないか」という問いに対し、「そのような声があることを意識し、多様性が生かされるための一体性を確認することを意図している」と藤掛議員が答えた。
 また、「この議案を教団総会で議決することの意味が良く分からない」、「両議案は、教憲・教規違反である未受洗者陪餐問題を意識しているのではないか。そろそろ結論を出すべき」、「議案で謳われている一体性と多様性が並列でなく序列化されているように感じる。そのように運用されることに危惧を覚える」、「各教区の意見を聞くのも重要」、という意見もあった。
 18号議案について継続審議とする動議があったが否決され、17号、18号議案それぞれ原案が可決された。

(小林信人報)

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