インスタグラムアイコンツイッターアイコンyoutubeアイコンメールアイコン
日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5014号】人ひととき(4面)

2024年2月24日

逃れる道を備えられて

大船渡教会員
新沼節子さん

 先天性の心臓病をもって生まれ、五つ下の妹は知的障害をもって生まれた新沼節子さん。小学校6年の頃に手術を行い成功。妹と一緒に学校に通う幸せをかみしめる一方、周囲の子たちと異なる妹を持っていることに「どうして」と思うこともあった。
 24歳の頃、憧れていた「普通の生活」を求めて結婚。与えられた娘・星子さんは出産時の事故で知的障害を負った。妹との生活で、障害を負った子は学校を出てからが大変になると受け止めていた新沼さんは、娘が幸せに暮らして行ける場所を作らなければならないと思い始めた。娘が小学校5年生の頃、施設を作る活動を開始し、11年後の02年に「NPO法人さんりく・こすもす」を開設。グループホームを始めた。最初は孤軍奮闘だったが、今は30人の利用者と32人のスタッフがいる。
 「こすもす」が軌道に乗って来た頃、信頼していた人の不祥事により立ち直れないほどに落ち込んでしまったことがあった。当時、紹介されたキリスト者の精神科医に、「どうして、このような目にあったのか」と思いをぶつけた。それまで因果応報を教えられて来た新沼さんに、医師は、「あなたが悪いのでも、その人が悪いのでもない。あなたがやったことは神さまの栄光です」と語ってくれた。
 この出会いを通して教会に通い始め、間もなくして受洗。今では役員を担うと共に、「こすもす」の利用者が牧師の話を聞くプログラムも実施している。これまで、利用者3人と星子さんが受洗。今では妹や娘が神様に巡り合わせてくれたと受け止めている。この思いを伝えるべく『星は星なりに』を出版した。
 「試練と共に、逃れる道を備えてくださる神さまの愛を知るために、これまでの試練があったのだと思う」と新沼さんは語る。

教団新報
PageTOP
日本基督教団 
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2024
The United Church of Christ in Japan