【4923号】2020年度宣教方策会議 日本基督教団のこれからを考える

教区議長報告 組織改定の見通し拙速

 宣教方策会議が、2月24・25日、富士見町教会で、「日本基督教団のこれからを考える〜伝道推進と機構改定」との主題で行われた。教区の代表者、報告・発題者、教団関係者等、69名が参加した。

 一日目、主題についての教区議長報告を、東北教区・保科隆議長、関東教区・福島純雄議長、西東京教区・願念望議長、大阪教区・有澤慎一議長、九州教区・日下部遣志議長が行った。

 東北、西東京、九州教区はどちらかというと教区の現状報告に重きが置かれ、関東、大阪教区は教団機構改定への要望に重きが置かれた。

 前者、現状報告をした3教区からは、それぞれの教区の伝道の労苦と課題とそれに向き合う工夫が報告された。東北、九州は、どうしても都市部の教会に信徒が集中してしまい、教区の中でも教会間の格差が存在すること、広範囲に及ぶ教区の中の教会・伝道所を、孤立させずにどのように繋いでいくかの課題がある中で、兼務、代務体制で、多くの教職が、複数の教会・伝道所の責任を担いながら奉仕していることが、また、東北、西東京からは、教区でも各種委員会の委員数の削減や、委員会の開催回数を減らす等、規模を縮小する方向での機構改定が行われていることが報告された。

 後者、教団機構改定への要望に重きを置いた関東、大阪教区から共通して出されたのが、教団機構改定の今後のスケジュールに関する危惧である。現時点で教団が想定をしている次期教団総会に議案を提出するのは急ぎ過ぎではないのかということである。関東は常置委員会レベルでの話し合いまでは行い、その上での報告であったが、大阪ではそこまでたどり着いていないゆえ、今回の意見は議長の個人的見解であるとの断りがあった。

 また、これも両教区共通であるが、今回の機構改定にあたって、教団がどういう教団を目指すのかのビジョンを示すべき、更に、中央集権的になるのではなく、もっと教区に委ねるべきことがあるのではという意見が出された。

 報告を行ったどの教区からも、教区の現状の厳しさが聞かれた。いずれの教区も、機構改定によって教区の活動が豊かにされることを願っていた。(小林信人報)

 

発題 ① 伝道局規定などに関心

 一日目後半に、伝道推進基本方針展開検討小委員会の岸俊彦委員長、機構改定検討小委員会の久世そらち委員長、全国教会婦人連合の守安久美子常任委員が発題を行った。岸委員長は2月の常議員会で報告した内容をなぞりつつ、同小委員会が基本方針に添った活動を「とにもかくにも進めている」と述べた。

 久世そらち委員長も、教団機構改定に関する教規変更案や改定後の機構図案等、2月の常議員会資料を提示して活動を報告した。同小委員会は、外部団体・個人への委嘱や連携による機構の縮小を検討している。そのような連携活動をすでに半世紀以上行って来た自主活動団体として、守安常任委員が全国教会婦人会連合の歴史と組織・運営、活動を紹介した。

 守安常任委員は「伝道推進基本方針が掲げる祈祷・信徒・献金運動は、まさに婦人会連合がこれまで歩んで来た道」であると述べ、改定後も連帯の豊かさと喜びを持って教団と連携していく姿勢を示した。また、連合の活動が負担金ではなく、信仰的責任による自主献金で支えられていることを紹介して、機構改定の主課題である財政問題を献金活動で乗り越える可能性を示唆した。

 質疑では、機構改定検討小委員会への質問が相次いだ。伝道局規定の素案作成状況、教区がすでに構築しているネットワーク活用の可能性、各教区の総会議員数割り振りの妥当性、新機構の中で戒規を扱う教師委員会が総務局の中に位置づけられることの妥当性について質問があった。

 久世委員長は、それぞれを検討中であると回答した上で、当小委員会の職務は、常議員会が次期教団総会に提出する機構改定の具体的原案を作成する実務にあり、機構改定に臨む教団の方向性の確立を目標とはしていないので、質問が方向性を示す回答やビジョンの提示を期待しているのなら、それには応じきれないと述べ、小委員会の立場を明らかにした。

 教団の方向性や、機構改定後の教団全体像をどう描いているかについては、二つの小委員会にさらに質問があり、ビジョンなしに機構改定を進めるのは困難との意見が出された。教団が直面する財政危機を乗り越えるためには、財政課題を伝道推進活動から切り分けて簡潔かつ集中的に取り組むべきとの意見もあった。沖縄教区の参加がない現状のまま協議を続けることを憂慮する声も聞かれ、様々な角度から今後の課題が示された。(原田裕子報)

 

発題 ②・全体会 常設専門委員会から発題

 宣教方策会議二日目、伝道、教育、社会、三つの常設専門委員会からの発題があった。

 古屋治雄伝道委員長は、機構改定に関して、現在、様々なレベルでなされている資金援助について、全体的な整合性を踏まえ見通しを立てることの大切さに触れた他、教規の変更案が伝道局についての規定を別規定としていること、改定後の組織において、執行の責任と決議の責任の混乱が見られることなど改善点を指摘した。また、活動の縮小化を恐れずに改定に当たること、トップダウンではなく諸教会から生まれて来る伝道の力を結集することが重要であると述べた。

 増田将平教育委員長は、教育委員会の活動を報告した上で、課題として、①「教育」について共通理解を持つこと、②青年伝道のための部署を設置すること、③教区の課題を共有する場としての青年担当者会と教育担当者会が大切であること、④委員の継続性が保たれること、⑤キリスト教学校との連携が不可欠であることなどを指摘した。

 森下耕社会委員長は、社会委員会の活動を「報告、学習、協議、実践」と類型化した上で、改定によるスリム化で、常設委員会が持っている「協議的性格」が損なわれる可能性があること、また、社会委員会が担っている広範な範囲のフォロー、多発する災害への取り組みなどが充分に出来なくなることに懸念を示した。

 3委員会からの発題の後、分団、昼食を挟み、午後、全体会が行われた。

 沖縄教区が距離を置いている中での改定に疑義を呈し、「沖縄の選出の議員数は減らすべきではない」との意見があった。石橋秀雄教団議長は、「沖縄の中に教団との関係について様々な意見があり、沖縄の決断を見守るしかない」と述べた。

 戒規を扱う教師委員会が総務局の中に位置づけられていることについて、「審査委員会の働きを担っている以上、独立させたほうが良い」との意見があった。黒田若雄四国教区議長が「戒規委員会を置くとしたら総合的な議論が必要」と述べた他、久世そらち副議長は、「戒規を担う委員会を独立させ、他の教師のことを担う部分と分割することは、今回、出来る範囲ではない」と述べた。

 伝道局の内容が明確にされていないとの意見に対して、石橋議長は伝道推進と機構改定の結びつきを強調しつつ、今後の進め方について「2020年の総会においては教団総会議員数の削減の可決に集中し、伝道局については枠を造った上で、更に議論を進めて行く」との方向性を示した。(新報編集部報)

【4923号】2020年春季教師検定試験 新型ウイルスの報道がなされる中で

神の御前に謙遜に祈り求めていく課題

 2020年2月25〜27日の日程で、教団会議室を会場に、2020年春季教師検定試験が開催された。新型コロナウイルスの蔓延の報道がなされる中、注意喚起を促し、委員会としても除菌対策など細心の注意を払い対応した。別の緊張感を強いられることとなったが、受験者に体調不良者が出ることもなく、無事に試験を行うことができたことは感謝である。

 受験者は、補教師40名(Cコース受験者含む)、正教師9名、加えて他教派からの教師転入審査のための受験者3名だった。

 教師検定試験は礼拝から始まった。補教師試験の提出試験の課題となった聖書箇所、出エジプト記3章より御言葉に聞いた。「わたしは何者でしょう」と神により頼むことのできない者になお神は語りかけてくださると説教では語られた。受験者は、教師としての召命を「わたしは何者でしょう」というモーセの声に聞いてきたことを思い起こしつつ、試験に臨むこととなった。

 提出試験の説教・釈義では、語りかける会衆が見えない説教が散見された。補教師の受験者が中心で、これから教会に遣わされることとなる者たちであるが、これまでの教会生活のなかに与えられた交わりを思い起こしつつ説教の準備はできるはずである。会衆不在の説教は聖書の筋書きの説明に終始するものも多く、説教者自身が届けたいメッセージが不明瞭なものも少なくなかった。また罪の指摘も表面的に留まる傾向が見られる。説教者自身の悔い改めと共に、十字架の恵みのうちに立ち上がらされる言葉を聞き取ることができるようこれからに期待したい。

 筆記試験の「教憲・教規、宗教法人法」では、教憲第9条の二種教職制について教団の成立時の歴史的経緯をふまえて論述することを求めた。しかし教団成立に対する知識の不足ゆえ十分に解答できない受験者が多くあった。日本基督教団が課題として担ってきた二種教職制について、条文の言葉としてだけでなく、なぜそのような形になっているかその背後にある出来事も含めて深く学ぶことを求めたい。

 教師検定試験では面接も試験として位置づけている。今回、受験者に面接で問うたのは、日本基督教団の教師となることについて、公同教会、信仰告白、教憲・教規、説教・聖礼典をふまえて召命を論じることであった。そこで明らかになったのは、公同教会に対する理解が不十分なことである。公同の「公(おおやけ)」という漢字の意味だけ捉えて、だれにでも開かれているのが教会であるということを述べた受験者が少なからずあった。公同教会に対する理解の不足は、自分に与えられた召命を語る言葉も個人的体験としてしか語り得ないところにも現れていた。自分の出来事として召命は語れるが、神の客観的出来事の中に自分がおかれていることに思いが至らないのも公同教会がわからないことに起因すると思われる。自分の遣わされる教会に仕えることが、日本基督教団という教会、そして公同教会に連なるものであることを意識しつつこれからの歩みをなしてほしい。教師試験は、御言葉を宣べ伝える尊い務めに仕えていくのに必要であることをふまえて行われている。試験の合否以上に、神の御前に謙遜に祈り求めていく課題がそれぞれに示されたことを覚えてほしいと願っている。

 なお試験終了後から28日午前の日程で、第6回教師検定委員会を開催。今回の試験の振り返り、また2020年秋季教師検定試験の提出試験の聖書箇所の選定など準備を始めた。(清藤 淳報)

 

講評

 2020年春季教師検定試験が2月25〜27日、東京を会場として行われました。新型コロナウイルスが蔓延する中で、細心の注意を払いながら、受験志願者も教師検定委員も臨みました。主に守られて、受験志願者52名全員が筆記・面接試験を受験されました。教師検定試験は、「伝道者としての召命」を問う試験です。あらゆる世代の人々に、あらゆる状況の人々の魂に向かって、生ける御言葉を語るために、必要不可欠な神学を身に着けているかどうかを確認する試験です。一人一人の受験志願者が誠実に試験に臨み、伝道者としての召命を問われました。献身者が少なくなっている今日にあって、主は日本基督教団に、新たに52名の伝道者を召して、立てて下さっておられることに、畏れと感謝が生じました。

第41総会期 教師検定委員長

井ノ川 勝

 

2020年春季・補教師検定試験問題

教憲教規および諸規則・宗教法人法

(60分)(A,B,CⅢ)

 次の2題に答えてください。

1.以下の2点について簡潔に答えてください。

 ⑴教憲第9条によると、日本基督教団の教師は正教師と補教師の二種類があります。なぜ二通りに分けられているのか、教団成立時の歴史的経緯を踏まえた上で説明してください。また、これに関して現在の教会現場で考えるべきこととは何か述べてください。

 ⑵教会担任教師が行なう教務ならびに事務ついて、該当する教規を示しながら説明してください。

2.宗教法人法における「宗教団体」とは、どのようなものですか。また宗教法人となった宗教団体は、何を目的として宗教法人法による法律上の能力が与えられているのか記してください。

 

旧約聖書神学(60分)(B,CⅢ)

 次の3つの語句について、2つを選んで聖書箇所を挙げながら説明してください。

1.旧約聖書の黙示思想

2.旧約聖書における法

3.知恵文学

 

新約聖書神学(60分)(B,CⅢ)

 次の2題を、新約聖書の聖書箇所をいくつか挙げつつ、神学的に論じてください。

1.マタイによる福音書における律法について

2.新約聖書における復活について

【4923号】公告

 教師検定委員会では、教師検定規則第6条⑥に基づき、同規則第3条6号対象者(所謂Cコース受験者)に対する認定面接を左記のように実施します。2021年春季試験以降に新たにCコース受験を志願される方は、本委員会の指定した書類を2020年7月15日(水)までにご提出いただき、左記日程の面接にご出席ください。なお、面接要領・提出書類用紙については、百円切手を同封の上、本委員会事務局に直接お申込みください。

★認定面接

日時 2020年9月17 日(木)15 時〜(予定)

場所 大阪クリスチャンセンター

なお、認定面接予定者には、書類受付後、案内通知を送付します。

2020年3月28日

日本基督教団教師検定委員会

  〒169−0051

東京都新宿区西早稲田2−3−18−31

電話 03−3202−0546

【4923号】教師検定試験公告

2020年秋季教師検定試験を左記の要領で行います。

一、受験要綱の申し込み

 受験要綱と教団指定の願書用紙は160円切手を同封し、正教師受験志願者か補教師(A、B、Cコースの別も)受験志願者かを明記した上、封書でお申し込みください。

二、受験願書の提出

 受験願書と必要書類を整えて、受験料とともに所属教区に提出してください。

 ①教区締切 2020年5月29  日(金)

 (教区により締切が異なりますので、教区事務所に確認してください)

 ②教団締切 2020年6月25 日(木)

 (各教区から教師検定委員会に提出する際の締切です)

*受験料は正教師1万3千円、補教師1万円。

三、正教師「説教」「釈義」の課題テキスト

 ①旧約 サムエル記下12章1〜17節

 ②新約 エフェソの信徒への手紙2章1〜10節

四、正教師の「神学論文」の課題

 『今日における宣教の課題』に、「特に〜をめぐって」という副題をつけ、ご自分の伝道・牧会をふまえて神学的に論述してください。

五、正教師の「組織神学」の課題

 三位一体の各位格(父・子・聖霊)とそれぞれの関係について、組織神学的に論じてください。

六、補教師「説教」「釈義」の課題テキスト

 ①旧約 エレミヤ書31章27〜34節

 ②新約 ペトロの手紙一 2章1〜10節

 *コースによって「説教」「釈義」の提出内容が異なりますので、必ず受験要綱でご確認ください。

七、補教師(CⅢコース)の牧会学の課題

 『牧会とは何か』について神学的に論述してください。

八、提出物締切について

 当委員会への提出締切日は、「説教」「釈義」「神学論文」「組織神学」「牧会学」全て2020年6月26日(金)午前必着です。

九、学科試験・面接試験について

 学科試験は9月15日(火)、面接は9月16日(水)、17日(木)に大阪クリスチャンセンターにおいて実施します。詳細は受験志願者に通知いたします。不明な点は直接、当委員会へお問い合せください。

2020年3月28日

日本基督教団教師検定委員会

   〒169−0051

東京都新宿区西早稲田2−3−18−31

電話 03−3202−0546

【4923号】▼世界宣教委員会・国際関係委員会▲ 宣教師への医療費などの支援を検討

 2月10日、第3回世界宣教委員会並びに国際関係委員会を教団事務局で開いた。

 アジア、北米、南米、ヨーロッパへ派遣されている宣教師報告をもとに、それぞれの活動状況を確認した。宣教師たちは、異なった文化や言語、地域性、そして政治状況の中で奮闘しているため、当委員会としても出来る限り柔軟に対応できるように支援したい。

 今委員会では特に、ピラポ自由メソジスト酒井兄姉記念教会パラグアイの江原有輝子宣教師を迎え、詳細な報告を受けた。1960年代の日本人入植から現在に至るまでの歴史、現状、宣教活動は、私たちの教団が海外に宣教師を派遣する意義を再認識させるものであった。ピラポ教会会員手作りの手鞠をお土産としていただき、当委員会からはヒムプレーヤーを贈呈した。

 また、各宣教師への医療、緊急、語学研修費について検討し、新たに派遣される宣教師については人間ドックの費用を補助することとなった。限られた予算の範囲内ではあるが、少しでも具体的な支援となり、宣教の活力となるものと期待している。

 総務部への人事異動のため、当委員会担当職員が1名減となった。これからの委員会運営に支障が生じたり、各宣教師への必要な支援や、各国のキリスト教関係諸団体との交流が滞ったりすることが決して無いように知恵を絞りたい。教団全体の経済的な厳しい現実はあるにしても、世界へ開かれた教団であり続けることの重要性について、少しでも多くの方々に理解してもらいたいと願っている。

(近藤 誠報)

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