【4880・81号】イースターメッセージ 復活の主は不安と恐れのただ中に 山本 一

ヨハネによる福音書 20章19~21節

命のための行進ーヘッドライトの働きを担った高校生

 イースター・主の復活をお祝いいたします。

 ここアメリカで3月24日に歴史的な「命のための行進」が行われました。それは過日、フロリダ州で起こった銃乱射による高校生殺害の事件に端を発した銃規制を呼びかけるものでした。

 アメリカでは年間3万5000人が銃によって命を落としていると言われます。その内、子ども及び10代の若者は2500人余りで、これは一日に7人の若い命が銃で命を落としている計算になります(Everytown for Gun Safety Support Fund による統計)。ここでは子どもたちが、日本でいう地震の避難訓練のように、ロックダウン訓練と呼ばれる銃をもった人物の侵入に対応する訓練を幼稚園のときからさせられています。

 このような現実にも依然として銃規制の動きに進展が見られない社会に対して、事件のあったフロリダ州の高校の生徒を始め多くの人々が立ち上がり、憤りと嘆願の声を上げたのです。私自身、サンノゼの行進に加わるうちに、あのマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の言葉を思い出しました。

 公民権運動の指導者であったキング牧師は、1968年にバーミンガム刑務所の中から一通の手紙を書きました。それは人種差別の問題に口をつぐむ人々、とりわけ教会の穏健派の牧師たちに宛てて書かれたものでした。彼は「今の時代、悪意のある人々の嫌な言動だけでなく、善良な人々の恐ろしいほどの沈黙のために悔い改めなければなりません」と述べ「なぜ教会はヘッドライトよりもむしろいつもテールライトなのですか?」と疑問を呈したのです。

 アメリカ社会の闇の象徴とも言える銃の問題、長年解決できないでいる大きな課題に対して、悲しみと憤りを胸に立ち上がった高校生たちの小さな群れは、全米に広がる大きな平和を生み出すムーブメントを引き起こしたのです。彼らはこのアメリカ社会において、まさに闇を照らし、暗い道を切り開くヘッドライトの役割を担っていると感じました。  アメリカには銃だけでなく、麻薬、膨大な軍事力と軍事予算、高額医療費、貧富の差の拡大と社会が生み出すいくつもの大きな闇があります。ここに住むまで、そのようなイメージのためにアメリカに対する印象は良くありませんでした。

 しかし教団の宣教師として遣わされて4年半が経った今感じるのは、そのような社会の闇がある一方で、このフロリダの高校生たちのように、その闇に対して光を射すようなヘッドライトとしての働きが確かにあり、そこに教会が素早く、また力強く働きかけているということです。そのような働きが、この国を確かに支えているのだと感じるのです。

 

復活の主の励ましを受けて

 福音書には復活の主イエスとの出会いの話は実に様々記されていますが、ヨハネはユダヤ人を恐れて扉に鍵をかけて家の中に閉じこもっていた弟子たちの姿を描き、その家の真ん中に立ち「あなたがたに平和があるように」と声をかけ、励まし、この世へと遣わされた復活の主イエスの姿を描きます。それは当時の社会システムの中にあって、恐れと不安の只中にある小さな群れ(教会)を励まし、立ち上がらせる復活の主がおられるという信仰の証しなのです。

 あの2016年末の大統領選挙の日、教会の近隣に住むメキシコからの移民の方々がとても心配になりました。彼らの多くは貧しさ、治安の悪さゆえ命をかけて亡命してきた人たちです。恐れていた通り、選挙の直後、私たちの知人である一人が、ショッピングモールの駐車場で数名の人物に囲まれて「新しい大統領が就任した、お前たちは国に帰れ!」と脅された出来事が起こりました。

 その晩、その家族を含め20名ほどが近隣の教会に集まり、その不安を吐露しました。その時、私たちは手を握り、涙を流して「神は生きておられる、誰にも不当に人権を侵害させない」と共に祈りました。そして、そこから移民たちの連帯と平和を求める働きが新たに生み出されていったのです。

 私はそこに、復活の主の力を見るのです。復活の主と出会い、その命に生かされていくことは、恐れや不安を抱き小さくなっている者が立ち上がり、世の闇を切り開くヘッドライトの働きをする者へと変えられて行くことだと感じるのです。

 

この世の闇へ

 先日は「異国の地で神と出会う」をテーマに、ここサンフランシスコ・ベイエリアの教会の日本人の群れ「日語部」の集会を開きました。そこで日本から渡米してきた日本人がいかに苦しみや葛藤を抱えているかをあらためて知らされました。

 シリコンバレーの激しい競争の中にあって孤独に働く会社員、物価が全米一高いこの土地で子育てに苦しむ若い夫婦、日本人留学生は精神的に病み、自殺する者もある。アメリカで長年忍耐してきた高齢者は晩年、日本食も満足に食べられず、家族のいない高齢者の中には低所得者の入る小さな相部屋の施設で生涯を終えていく人もある。皆少なからず、異文化の中、マイノリティとして暮らすことの困難さを感じています。

 その中で新しく教会に繋がった方々がこの小さな群れ「日語部」と出会い、主の愛と希望を知ることができたと証ししてくれました。

 私たちアメリカで日本語を話す教会の群れは、決して大きな群れではありません。また社会のシステムの中にあって弱り、無力さを覚えています。しかし、この小さな群れが今日まで存続してこられたのは、復活のイエスが私たちの只中に来てくださり、私たちを同じ過酷な現実に苦しむ人たちのもとへと遣わしてくださっているからだと信じるのです。

 復活の主は、この世の様々な不安や恐れを抱える小さな私たちを力づけ、この世の闇を照らすヘッドライトとしての働きへと押し出してくださる。そのことを信じ、このイースター、復活の主イエスの励ましを受け共に世の闇へと力強く出て行きたいと願います。
(教団派遣宣教師/ウェスレー合同メソジスト教会)

【4880・81号】2018年春季教師検定試験 83名受験、正・補教師、転入67名合格

テキストに真剣に向き合い、喜びを見出し、語り出すように

 2018年春季教師検定試験が、2月20~22日、キリスト教会館、早稲田奉仕園を会場として行われた。初日、筆記試験、2~3日目、面接試験が行われた。補教師58名、正教師21名、転入4名が受験した。今回、受験生が多く与えられた。伝道者が不足している厳しい現実にあって、主が日本基督教団の教師としてこれだけ多くの伝道者を立ててくださっていることに感謝した。試験の結果、補教師合格44名、継続6名、不合格8名、正教師合格19名、不合格2名となり、転入4名も認められた。

 教師検定試験は伝道者としての召命を問う試験である。筆記試験、面接試験を通して、伝道者としての召しが問われた。

 そこで問われるのが、伝道者が語る言葉であった。福音を聴く魂の奥底まで届く、明晰で、鋭く、慰めに満ちた福音を語っているかが問われた。そのために、伝道者として基本的な神学を身に着けることが求められた。

 試験科目は全て基本的な神学を身に着けているかどうかを問うものであった。単なる知識としてではなく、自分の中で咀嚼し、自分の言葉で表現出来る程に身に着いているかが問われた。しかし、多くの受験生が、基本的な神学が身に着いていない結果が現れた。「旧新約釈義・説教」はテキストの掘り下げが不十分であり、説教の聴き手の現実が見えていなかった。「旧約・新約聖書神学」は日々聖書に親しんでいるかどうかが問われたが、不十分であった。「教会史」は教会史において起きた出来事を今日の教会と深く結びつけて理解しようとしていなかった。「組織神学」は組織神学的思考が身に着いていなかった。「教憲教規」は教会の具体的な問題を教憲、教規、宗教法人法に則って、どのような手順で進めて行くのかが身に着いていなかった。

 伝道者が身に着けるべき神学は多岐に亘っている。それだけに、忙しい牧会・伝道の中にあっても日々神学を学び続ける姿勢が問われる。主はこの日本に、私どもを伝道者として召し、福音を待っている多くの魂に豊かな福音を語ることを求めておられる。

 面接試験は全体面接と個別面接が行われた。全体面接では委員長が日本基督教団の教師として立てられることの意味を「教憲教規」に則って説明した。教団はイエス・キリストを首と仰ぐ公同教会であって、教団の定める信仰告白を奉じ、教憲および教規の定めるところにしたがって主の体たる公同教会の権能を行使する。そのために、教団の教師は神に召され正規の手続きを経て献身した者である。正教師は按手礼を領した者、補教師は伝道の准允を受けた者であり、聖礼典は按手礼を領した教師がつかさどる。

 個別面接では、教団の教師として主によって立てられている召命が問われた。自分の言葉で明確に召命を語ることが出来ているかどうかが問われたが、明晰に語ることの出来なかった受験生もいた。公同教会と合同教会とを混同している受験生もいた。

 この数年の傾向として、他教派からの転入志願者が増えている。そこでも、何故、教団の教師となるのかが問われたが、その召命が不十分な志願者もいた。試験終了後、Cコース受験志願者認定面接を行い、3名の志願者があった。それぞれが職を持ちながら伝道者としての召命を受け、Cコースの受験に臨もうとしている。3名とも明確な召命を与えられ試験に臨もうとしていた。主が様々な場所で様々な人を伝道者として召してくださっておられる、主の御業に触れ、畏れと感謝を覚えた。 (井ノ川勝報)

 

講評

 2018年度春季教師検定試験が2月20日から22日にかけて行われました。

 春の試験は補教師の受験が主となりますが、今回の試験は教団会議室だけでは間に合わないほど多くの受験者が与えられました。教会に仕える者がたくさん与えられることは本当に嬉しいことです。

 提出試験としての説教について言えば、聖書の説明に終始し、説教者がテキストから受け止めた福音が説教者自身の言葉で語り尽くされていない説教が多くありました。与えられたテキストに真剣に向き合い、喜びを見出し、語り出す作業を、今後も大切にしていただきたく思います。またそれぞれの試験の結果につきましても、主の御旨であると信じ、受け止めていただきたく願うものです。

第40総会期 教師検定委員長 服部 修

 

2018年春季・補教師検定試験問題

教憲教規および諸規則・宗教法人法 (60分)(A,B,CⅢ)

次の2題に答えてください。

1.日本基督教団は教師を「正教師」「補教師」と分けています。その違いを、教憲および教規より必要な条項およびその内容を明示し説明してください。

2.宗教法人である教会は何によって運営されなければならないでしょうか。宗教法人の目的を明らかにしながら、必要な条項およびその内容を明示し説明してください。

 

旧約聖書神学(60分)(B,CⅢ)

次の3つの語句について2つを選んで説明してください。

1.除酵祭の規定

2.逃れの町

3.第二神殿

 

新約聖書神学(60分)(B,CⅢ)

次の3題のうち2題を選んで新約聖書のテキストをいくつか挙げつつ、答えてください。

1.新約聖書において「 平和」はどのような意味を持つか、論じてください。

2.律法に対するイエスの態度について、論じてください。

3.先在のキリスト論について、論じてください。

【4880・81号】「熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援募金」延長のお願い

「熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援募金」にご協力くださり感謝いたします。
 以下のように40総会期第4回常議員会にて、2019年3月31日までの延長を決定しました。引き続きご支援をお願いいたします。
教団総会議長 石橋秀雄

 

議事30 熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援募金に関する件
提案者 議 長
議  案
 熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援募金を、1年間(2018年4月1日~2019年3月31日)延長する。

提案理由
 39総会期第第8回常議員会(2016年8月30日)において、熊本・大分地震被災教会支援に関して、熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援募金の開始を可決した。その際、同募金の期間は、「2年間(2016年4月15日~2018年3月31日)」とした。

 しかし、熊本・大分地震被災教会会堂等再建支援委員会よりの報告によると、1月24日現在の同募金総額は1億841万9201円であり、目標額の1億8000万円には至っていない。

 そのため、同募金をさらに1年間延長しようとするものである。

【4880・81号】《宗教改革500周年記念事業》リフォユース500 ユースカンファレンス青年大会     1000人を超えて集う大会に

 3月21日、青山学院大学ガウチャー記念礼拝堂を会場に、宗教改革500周年記念事業の最後の行事として、日本基督教団主催の青年大会「リフォユース500ユースカンファレンス」が開催された。

 教派を超えて、教団が加盟しているNCC系、JEA(福音派)系、JPN(ペンテコステ派)系の諸団体にも呼びかけがされた。

 大会当日は、雪交じりというあいにくの天候であったが、教団からの参加者約200名を含む1000人以上の若者を中心とした参加者が集められ、教団主催の青年大会としては稀にみる大規模な大会となった。また、当日の様子はインターネットを通じてライブ配信され、常時100人を超える人たちが視聴した。学食には20を超える協賛団体のブースも用意され、参加者の交流の場ともなった。

 当日のプログラムは礼拝形式で進められた。大会のために青年有志により結成された100人ゴスペルチームによる賛美、関野和寛牧師(日本福音ルーテル教会ルーテル東京教会)、晴佐久昌英神父(カトリック上野・浅草教会)、大嶋重徳牧師(キリスト者学生会KGK総主事)、小林克哉牧師(日本基督教団呉平安教会)という4人の説教者が立てられ、東京山手教会で開催された前夜祭で演奏したクリスチャンバンド「ナイトdeライト」を含めたバンドスタイルによる賛美リードによる会衆賛美が、各説教者の説教の間に捧げられた。礼拝の途中には、クリスチャンバンドである「サルーキ=」の演奏もあり、盛りだくさんの内容で礼拝が捧げられた。

 後日、このような大会の継続の必要性が確認され、準備委員会は解散となった。 (小林信人報)

【4880・81号】2018年宣教師会議 広島にて「本当の平和への道」を主題に開催

 3月14~16日、広島教会を会場にアメリカ、オランダ、カナダ、南アフリカ、韓国、台湾、香港等、出身国も派遣団体も異なる35名の参加者が集い、2018年宣教師会議が開催された。

 初日は会場となった広島教会の武田真治牧師を通して御言葉に与りつつ、開会礼拝が捧げられた。今年の主題は「本当の平和への道—ヨハネ14章27節」。

 2日目は広島教会会員の山崎敦子氏から被爆体験を聞いた後、日本語、英語、韓国語、中国語等の言語別に分かれ、シェアリングの時がもたれた。証しの中で、かつて広島教会におられた牧師が説教中に「広島に原爆が落ちたことは恵みだった」と語ったという話が特に出席者の関心を集めた。この牧師も原爆で娘を亡くしている。その言葉の意図は、また神の恵みとはいったい何なのか。北森嘉蔵牧師の「神の痛みの神学」について思い巡らした者、理解を超えた出来事を心に留め続けた主イエスの母マリアや主の十字架を嘆く弟子たちを思い起こした者、すぐには理解できず受け入れられないことについて問いを抱え続けることの意義、答えを簡単に導き出すべきではないこと、神の時等について、異なる背景を持った国々から遣わされている宣教師たちだからこそ、お互いの歴史観、考え方の違いも認識しつつ、真剣に語り合った。

 そして原爆の悲劇、この地に住む人々が負わされた痛嘆や苦悩に思いを馳せ、次の世代に平和を受け渡していくことの大切さ、悲劇を経験した人々に「神の恵み」を伝えていく難しさを改めて覚えた。

 3日目は逝去宣教師追悼式でベティ・ウルクハート、アルトマン由紀子、ジェイムズ・リード、バーカー清子の各宣教師を憶え、2017年度で退任する川野真司宣教師、カレン・ストライドム宣教師へ教団からの感謝を表し、閉会礼拝をもって恵みの内に終えた。
(西之園路子報)

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