【4901・02号】イースターメッセージ イエス様は、復活してくださいました 岡本拓也

しかし、兄は父親に言った。「このとおり、わたしは何年もお父さんに仕えています。言いつけに背いたことは一度もありません。それなのに、わたしが友達と宴会をするために、子山羊一匹すらくれなかったではありませんか。ところが、あなたのあの息子が、娼婦どもと一緒にあなたの身上を食いつぶして帰って来ると、肥えた子牛を屠っておやりになる。」すると、父親は言った。「子よ、お前はいつもわたしと一緒にいる。わたしのものは全部お前のものだ。だが、お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ。祝宴を開いて楽しみ喜ぶのは当たり前ではないか。」 《ルカによる福音書 15章29~32節》

生と死を考える春

 イースターの喜びを申し上げます。寒かった冬が終わり、陽の光に力強さが感じられる春、草花が緑を増し、鳥のさえずりや花の香りにも生命の躍動を感じます。

 生命が繋がっていくことと、イエス様の復活の命を結び合せ、私たちはイースターを明るく喜ばしい時として過ごします。しかし実のところ、死や復活について私たちは何を知っているでしょうか。

 聖書の中で生き返った人はイエス様だけではありません。私が特に印象深く覚えているのはルカによる福音書15章にある「放蕩息子のたとえ」に登場する放蕩息子です。「お前のあの弟は死んでいたのに生き返った。いなくなっていたのに見つかったのだ」(15・32)。この息子は生命を失ったわけではないにも関わらず「生き返った」と言われることに、復活を考える要点があるように思います。

 ここで考えられている「生」は、すなわち繋がりということです。父親にとって、この息子はどこへ行ったのかもわからず、便りもなく、財産も分けてしまっているため、完全に繋がりが断たれていました。この関係の断絶を、父親は「死」と表現するのです。

 

ある信徒さんのこと

 私の奉仕する教会に、90歳を越えても毎週教会に来られ、自分の役目として受付に座ってくださる方がおられました。一人暮らしで身寄りもなく、生活保護で生活をしておられましたが、徐々に認知症の症状が現れ、ケアマネージャーさんと相談して老人ホームに入ることになりました。超高齢社会の今、ケアマネージャーさんが手を尽くして入れる施設を探してくださり、入居できる施設が見つかったときは、ほっとしました。しかし、すべてのことが済んだ後になって、家族以外は面会できない規則があることがわかりました。施設の管理の都合によって電話も取り次ぐことができないというのです。更には、その人が元気かどうか、いえ、生きているのか、亡くなったのかさえ個人情報保護のために教えることはできないと言われました。

 確かに、思いもよらない犯罪が起こる今の日本において、入居者本人に限らず、施設を利用しておられる方々の安全や、個人情報の保護を考えるとそのような規則が必要なことは理解できます。しかし、一人の人間の社会的な繋がりをこうも一方的に断ち切ってしまうやり方に、何とも言えない非人道的な印象を禁じえませんでした。施設の職員やケースワーカーと何度も交渉しましたが、信徒さんとの繋がりを回復することはかないませんでした。「手紙は受け取る」とのことでしたので、藁にもすがる思いで、お手紙と教会の住所を印刷した返信用の葉書を施設の職員に託しました。

 

復活は出来事

 その人との関係が突然絶たれた喪失感は、愛する家族の死に直面したかの様でした。私はその時、息子との関係の断絶を死と表現した父親の気持ちがわかったような気がしました。肉体の滅びは死の始まりであり、関係の断絶によって死は完成するのです。

 その信徒さんとの関係が断たれたとき、何とかこの繋がりを取り戻すことはできないかと考えました。それは、イエス様が十字架に死に、墓に葬られた後、ひたすらイエス様のお墓に行くことを待っていたマグダラのマリアの心境にも通じるように思います。一方的に関係が断たれ、自分の力ではどうすることもできない無力感と孤独。マリアは生きた心地がしなかったことでしょう。

 復活とは、そのような関係の断絶が回復されることです。だとすると、復活は出来事として両者の間に同時に起こることであり、どちらか一方にのみ起こることではありません。そのことはヨハネ福音書が伝える、復活したイエス様とマリアとの出会いの場面によく表れています。復活のイエス様と出会っていながらそれがイエス様とはわからず、イエス様の「マリア」という呼びかけに対し「先生」と答えることで初めて復活を悟ったマリア。名前を呼ぶことによって繋がりが回復し、マリアの中にイエス様の復活が完成したのです。

 このことは死が肉体の滅びに始まり、関係の断絶によって完成することに対応しています。事実として肉体が生き返るだけでは、復活は完成しないのです。

 

汝殺すなかれ

 死は断絶であり、生は繋がりである。パウロはこのことを部分と体という比喩で表現しています(一コリ12・12~26)。私たちは皆一つの体を構成する部分であって、互いに補い合うからこそ体という全体が生きたものになっています。一つの部分が他の部分を切り捨て、部分でありながら全体になろうとする時、その体は死んでしまいます。内輪で争っていてはその国は成り立たないと言われたイエス様の言葉も思い出されます。

 ある日、私が教会の郵便受けを開けると、一枚の葉書が届いていました。老人ホームの職員に託した、あの葉書です。脳梗塞の後遺症で斜めに偏った震える文字を見た瞬間に、私の中にその人が生き返ったかのような喜びが溢れました。姿を見ることはできないが、確かにある喜びの知らせ。福音とはこういったものなのだと思いました。私はこの生きた繋がりを断たないために、急いでお返事を書きました。

 生きることは繋がることであり、復活は結び直すことです。さらに言うと、分断は殺人です。私には、排他主義と断絶のはびこる今の社会は、危篤状態のように思えます。

 イエス様は、そんな私たちにもまだ望みはあるということを、完全な死からの復活によって示してくださいました。イエス様の復活の喜びに与るために、私たちもまた、断絶を繋がりに変える命の業に参加しなければならないと思います。 (南住吉教会牧師)

【4901・02号】▼教師検定委員会▲ 教師を立てるため畏れと祈りをもって仕え

 4月2日、教団小会議室において41総会期第1回教師検定委員会が開催された。委員として招集されたのは次の通り。井ノ川勝(招集者)、木村太郎、清藤淳、辻順子、西岡昌一郎、藤盛勇紀、町田さとみ。これに道家紀一担当幹事と中川信明担当職員が加わる。

 はじめに井ノ川委員より、教師検定委員の任務について説明された。本委員会は日本基督教団の教師を立てていくために畏れと祈りとをもって仕えていく委員会である。教規45条に基づき教師検定に関する事項をつかさどり、また教師検定規則2条に示されるように、教師試験は学科試験のみならず、信仰経歴および召命についても問うものであることが説明された。さらに32総会期第5回常議員会の「合同教会のゆたかさの中で、信仰告白を規準として教師検定試験を行う」との議決を踏まえ、教師検定委員会の任務を担っていくことが確認された。

 次に委員会組織として、委員長に井ノ川委員を、書記に清藤委員を選任した。

 第1回委員会では、今総会期はじめて委嘱を受けた委員も多いため、委員会の活動の説明を丁寧に行った。教師検定委員会の方針については、32総会期第5回常議員会議決を含め第40総会期教師検定委員会方針を踏襲することとした。総会期中の委員会日程および教師検定試験の日程の確認をした。それに伴い学科試験問題の担当者の確認を行う。なお試験問題は個人による出題ではなく、委員会全体としての協議を経て試験問題とされることも確認された。

 そのほか、今総会期で担っていく課題として、教師検定規則第4条、第5条の変更の件がある。補教師試験の受験科目の再検討であるが、これについては神学校と面談を重ねる教師委員会、また教師養成制度検討委員会と共にこの課題を担っていくことを確認した。
(清藤 淳報)

【4901・02号】▼宣教委員会▲ 常設専門委員の派遣を加えて

 4月2日、41総会期第1回宣教委員会が教団会議室で開催された。

 組織として委員長に岸憲秀、書記に田中かおる、「障がい」を考える小委員会委員長に竹村眞知子を選出した。委員として青山実、今期は、《伝道》古屋治雄、小池正造、《教育》増田将平、飯田敏勝、《社会》森下耕、庄司宜充の各常設専門委員会から2名ずつ委員が派遣されている。加えて、大三島義孝幹事、石田真一郎幹事が加わる。また、陪席は長島恵子(全国教会婦人連合)、坂下道朗(全国教会幼稚園連絡会)、大野光信(日本キリスト教保育所同盟)である。

 常設専門委員会からの派遣委員増員について秋山徹総幹事から「この委員会が各委員会の活動を統括して総合的に教団の伝道推進に資する委員会活動の展開が望まれている」と説明があった。

 各委員の自己紹介のあと、前期からの申し送り事項を確認した。その中の一つとして「青年伝道」への取り組みが挙げられていたが、秋山総幹事から、青年プラットホームを総幹事のもとに置き、青年の諸活動の情報と交わりを有機的に展開する場を設け、青年活動の活性化を図ることを願っているとの説明があった。宣教委員会としても今後、情報を共有していくべきことを確認した。また、「牧会者とその家族のための相談室」が設置されて始動していることの報告があった。

 宣教方策会議については、日程と場所を確定した(2020年2月24~25日、富士見町教会)。内容については継続審議とし、第2回委員会で協議を重ねることとなった。

 「障がい」を考える全国交流会(2020年10月5~6日、戸山サンライズ)を開催することを確認した。

 教団の宣教(伝道・教育・社会)の要としての委員会の役割が模索されることとなる。 (田中かおる報)

【4901・02号】♦神学校等人権教育懇談会♦ 人権教育を巡り、 神学校・キリスト教学校が協議

 3月26日、日本聖書神学校で第32回神学校等人権教育懇談会を開催した。神学校やキリスト教学校から5校8名、部落解放センターや講師が牧会している教会員、友人等、約25名が参加した。

 初めにロバート・ウイットマー宣教師(農村伝道神学校校長)から「神と共に歩む」と題して開会礼拝が行われた。カナダ合同教会の議長や執行部は、大変豊かで多様な構成によって担われている。民族や人種の違い、障がい者、女性、同性愛等「小さく弱くされてきた」と呼ばれた方が代表や執行部等に用いられ、神様の恵みの教会を体現していることが報告された。しかしここに至るまでに、苦しい様々な差別事件や対立があったという。そのようなカナダ合同教会の紹介を通して、深く優しい御言葉の礼拝が持たれた。

 「各神学校の取り組み」の紹介として井上智氏(関西学院大学神学部教員)から報告を受けた。関西学院大学の「人権教育の始まり」、「大学と神学部の関係」、「研究」、「人権教育」、「今後の課題」が語られた。

 そして上野玲奈氏(土沢教会牧師)から「インクルーシブな教会を目指すアメリカの神学教育と地方在住マイノリティの現状」と題して発題を受けた。仙台で牧会をしていた時に東日本大震災があり、その後に米国イーデン神学校へ留学。その学校のカリキュラムや多様な教師の方々の紹介、あらゆる授業において人権教育が一番重要視される内容、自分自身の中にある刷り込まれた差別・権力構造を教員と一緒に批判的に考え、確認していく作業が大変辛かったが勉強になったことなどが語られた。また講師が最近経験した超教派教師会での差別事象や、東北地方で唯一カミングアウトして牧会している同性愛者の孤独と闘いが語られた。その後、参加者からの意見交換があった。

 次回は、2020年3月30日に部落差別問題をテーマに開催する予定。 (小林 明報)

【4901・02号】♦東京・千葉支区教師会♦ 機構改定への理解を深め、 意識を高めるために

 2月18~19日にかけて、鴨川グランドホテルを会場にし、東京教区・千葉支区一泊研修会が開催された。千葉支区では毎年この時期に、教師の学びと懇親を目的とし、この研修会が支区の教師部の企画立案により開催されている。今回のテーマは「第41回総会を受け~これからの教団機構改定・支区形成を考え、祈る」ことであり、講師に教団議長の石橋秀雄牧師が立てられた。出席者は26名であった。これは千葉支区に属する教師の半分に満たない数字であり、教団の機構改定についての意識が少々低いのではないかという声も聞かれた。

 千葉支区としても、意識を高めることがこの研修会の一つの目的であった。機構改定については、その骨子が教区総会に資料として示されているが、教師がどれほど自覚をもって、機構改定について意識をしているかと問われると、まだまだ意識は薄いというのが現実だからである。

 石橋議長は、まず、自身が経験した教団紛争期の混乱状況の中でのエピソードから語り始めた。「そのような混乱は見られなくなった今、しかし、さまざまな危機が教団の目の前にある。何とかその危機を今回の機構改定で全教団的に乗り越えたい」と語った。

 議長が強調したのは、骨子の中でも示されていたが、機構改正を実現する上での土台となる三つの基本方針である①「祈祷運動・祈ろう」、②「信徒運動・伝えよう」、③「献金運動・献げよう」についてであった。祈りへの熱心さ、伝道への熱心さ、献げることへの熱心さ、この熱心さが日本基督教団を、主の伝道命令に忠実に従う教団とすると語った。

 その後、今後の見通しとして、機構改定がどのような手続きでされていくかについて、「教団伝道対策検討委員会」の下に「基本方針展開検討、機構改定検討各小委員会」を設置し、「伝道推進室」と連携しつつ具体的作業が進められるとした。

 翌日、岸憲秀支区長が議長の講演を受けつつ発題をし、その後、分団に分かれて議長講演と支区長の発題を分かち合った。
(小林信人報)

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