【4916号】キリストの平和の実現のために 東アジアを巡る2つの集会、日本で開催

和解と平和を求める日韓キリスト者の共同祈祷会

 主が備えてくださった祈りの時

 昨今の日韓の政治・経済・社会の関係において険しい言葉と報復のやり取りが交わされる中で、表記の集会が10月9日夕に日本キリスト教会柏木教会で開かれた。教団をはじめ、在日大韓基督教会、日本聖公会、日本福音ルーテル教会、日本バプテスト連盟、日本バプテスト同盟、日本キリスト教会、日本カトリック正義と平和協議会などによる実行委員会の主催で、予想を超える170余名の参会者によって盛大に行われた。

 この集会は、去る8月11日に昨今の社会状況を憂える韓国の教会からの呼びかけで、ソウルで行われた集会の連続で、日本でもぜひこの祈りの会を開きたいとの願いを受けて開かれたもの。韓国からは20名ほどの参加者があり、同じ主を仰ぐキリスト者として、隔ての壁をご自身の血によって取り除き、和解をもたらしてくださった主イエス・キリストに心を合わせて祈った。

 集会でははじめに石橋秀雄教団議長と李鴻政韓国NCC総幹事のメッセージがあった後、両国の教会やYMCAなど各センター10数団体からの平和を求める祈祷文が読み上げられ、共同の祈りがささげられた。

 石橋議長のメッセージでは「以前は遠く離れていたが、今や、キリスト・イエスにおいて、キリストの血によって近い者となったのです。…」、「キリストにおいて、キリストの血において、十字架において、二つのものを一つにし、一人の新しい人を造り上げ、敵意を十字架にかえて滅ぼされました」の聖句から、「この御言葉は、私たちの罪の告白と悔い改めなしには聞くことができない御言葉です。日本基督教団は国家の政策に追従して、罪を犯しました。そして、現在も政治的問題に振り回されて、主にあって近い者を遠くに追いやっていることはないか反省させられます」として、今この時、キリストに集中し、和解の道を求め、キリストの平和の実現のために日本の教会と韓国の教会とで真剣に祈る時を主が備えてくださったことを感謝すると述べた。

 李総幹事は「安倍政権は歴史的正義を否定し、再び戦争遂行可能な国に進めようとし、帝国主義的な野心を具体化しようとしている。今この時、韓国と日本の良心的なキリスト者と市民とが手を携えて『東北アジア共同の家』建設を目指して和解と平和の道に進むべきだ」と述べた。この集会のために来た聖歌隊による力強い賛美もあって、和解と平和を求める祈りを熱くさせられた。

 また、この集会で7月に平壌を訪れた訪問団の報告会も行われ、朝鮮民主主義人民共和国のキリスト者との交流の、まだ細い流れではあるが、和解と贖罪の主の導きによる歩みが始まっていることの報告を受けた。(秋山 徹報)

 

帝国主義の影響と宣教の課題についての東アジア部会

台湾孤立化の課題を共有

 昨年の11月に台湾基督長老教会が主催する「正義と平和のための台湾エキュメニカルフォーラム」(以下TEF)が開催された。これはアジア諸国のみならずヨーロッパ、アメリカからも発題者を集め、参加者200名を超える国際会議であった。背景には近年加速傾向にある台湾の国際社会における孤立化がある。

 TEFは実行委員会を組織し第2回目の国際会議を検討中であるが、足元の東アジア地域で教会及び団体から数名ずつ集めて更に課題を共有する試みが行われた。それが「帝国主義の影響と宣教の課題についての東アジア部会」である。

 期間は10月11〜14日。会場は金曜日と日曜日が教団会議室、土曜日がホテル近くの貸会議室を利用した。

 丁度ラグビーワールドカップの開催と重なり、宿泊場所の選定には苦労したが、結果的には台風19号が東京を直撃した12日の土曜日は、貸会議室がホテルから徒歩3分の距離にあり、予定を早めてホテルに帰着したため、交通の便やゲストの安全に気を使わずにすみ不幸中の幸いであった。ただ、予定では18名の参加であったが、ミャンマーからの参加者については日本から送る必要のあったビザ取得のための書類が、ミャンマーの国内郵便事情の悪化により間に合わなかったのは想定外であった。

 開会の挨拶は石橋秀雄教団総会議長が行い、続いて秋山徹総幹事から主題である「帝国主義の影響と宣教の課題」についての発題があった。秋山総幹事は教団発足当時の資料から、帝国主義が日本基督教団の信仰告白的部分にまで影響を及ぼした事例をあげた。

 続いて韓国基督長老会(PROK)のジェチョン・リー総幹事から韓国の文脈を用いて主題に対する発題が行われた。

 二日目は台湾の教育機関から原住民のジャバカウ・ジャリマロウ氏と香港の教育機関からラップ・ヤン教授の発題を受けた。特に香港の状況については現地在住の人しか語ることのできない生々しい情報を提供してもらった。午後の「宣教の課題と方策」の時間はアジアの諸教会間の協力の可能性について語り合った。

 日曜日の午前は教団会議室に集合し、TEFの実行委員会に提出するレポートを作成した。10時半からは早稲田教会の礼拝に全員参加した。早稲田教会にはPROK出身の信徒が礼拝に参加しており、またPCT主催の「I Love Taiwan」に参加した青年も加わり、礼拝後には良き交わりの時が与えられた。

 午後はエパタ教会に移動し、亀岡顕牧師よりエパタ教会の歴史と宣教の課題についての話を伺い、質疑応答の時を持った。海外ゲストにとっては数の上では圧倒的なマイノリティーである日本の教会の姿に触れる良い機会であった。(加藤 誠報)

【4916号】荒野の声

 インフラが充分に整っていないアフリカ・ケニアでもインターネットが普及し、マサイの戦士は、ソーラーパネルでスマホを充電する。ITがもたらした情報革命は、世界を一つにしたのだろうか。▼「コミュニケーションだけが進んでしまうと、根本がないだけに、悲惨な事態を招くんじゃないですか。人々の共通性をもとにした形で、安全、経済、福祉等の問題を共有していかなければならないんですよね」(緒方貞子『共に生きるということ』PHP研究所)。▼日本人女性初の国連公使となり、国連難民高等弁務官として人道支援に貢献した緒方貞子さんは、価値を一定程度共有することなしに情報だけが行き交うつながりは、人々の理解を深める一方で、分断を顕在化し、亀裂を深めるきっかけにもなり得ることを見抜いていた。今、世界では、その懸念が現実になっている。▼教団は、『信徒の友』やHPに載せられた教会を覚えて祈り、献金を送る取り組みを始めた。これが豊かな実りを生むかどうかは、共通の基盤を確認しつつ、一人一人が身近なところから主にある交わりを形作って行くことに、地道に仕えていけるかにかかっている。

【4916号】天皇代替わり、教区の取り組み

 日本基督教団は、「天皇の退位および即位の諸行事に関する声明」を出しました。教区の取り組みとして、今号で西中国教区、大阪教区、次号で東京教区、北海教区、兵庫教区を取り上げ、報告します。

 

♦西中国教区♦ 学習を越える取り組みを実施

 現状において天皇制の問題は二つに分けて考える必要がある。一つは、法的な問題。つまり象徴天皇制は残念ながら憲法と関連法規がある。しかし、その運用が超法規的に為されている問題である。それは違憲・違法行為であり司法が糺すべきところを政治権力に流され、まともな判断ができない。

 前回の代替わり直前の88年、山口自衛官合祀拒否訴訟最高裁不当判決もその一つである。教団信徒によって提起されたその裁判支援の繋がりは、判決後も毎年開催する不当判決抗議集会を通じてあり続けている。

 今回の代替わりに際しては、この繋がりを基に教区靖国天皇制問題特別委員会が軸となり、昨年10月、憲法学者の横田耕一氏を迎え「天皇代替わり問題を考える集い@やまぐち」を開催、併せて「天皇代替わり問題連絡会@やまぐち」を立ち上げた。それは単なる学習を越えて、既に提訴準備に入っていた即位・大嘗祭違憲訴訟との連携、また当時囁かれていた山口県の主基田選定に対処するためであった。教区内諸教会へは委員会が情報を発信した。

 その後、同連絡会は訴訟支援の他、県知事の護国神社参拝問題に取り組んでいる。また10月22日には「第2回天皇代替わり問題を考える集い@やまぐち」を開催し、大嘗祭二日目の11月15日には第3回を山口市民館前出発のデモ行進として開催した。教区内では広島において広島西分区他により「10・22『即位礼正殿の儀』を問う広島集会」が開催された。

 その他、委員会としては2019年9月20日付で「即位の礼及び大嘗祭に現れている、政府の憲法軽視及び違反に関する抗議声明」を表し、幼児施設等に内閣官房が出した奉祝要請に対しては宣教委員会教育部と共同で2019年4月26日付と10月8日付の2度抗議声明を表し、その旨を教区内の幼児施設等に送付した。が、こうしたことは相手が国政府であることからすれば教団として対応すべきであろう。

 ところで、こうして教区報告だけで、教団として報告できないことについて記す必要があろう。何故ならば違法行為の典型は越権のみならず不作為でもあるからである。これでは、天皇制問題のいま一つには気付くことも出来ない。(小畑太作報)

 

♦︎大阪教区♦ 教会から生まれた「人権」は普遍的な理念

 大阪教区は総会で「大嘗祭に反対する」ことを確認・決議し、その取り組みを行なっている。既に3回の集会を持った。

 第1回目、発題者の原田佳卓牧師(隠退教師)は、何でも無批判に尊重する態度に生き続ける国民の忠誠心の構造を指摘し「信教の自由」とは国家を越える「人権」という価値の受容承認によって成立するのであり「聖なる価値の担い手としての個人」という人間観が必要だと主張した。同じく発題者の吉本幸嗣牧師(岸和田教会)は、国家神道において現人神信仰を復活させようとする動きに対して反対する必要を述べ、特に日本基督教団信仰告白の「主の再び来たりたまふを待ち望む」に立脚し、キリスト者が「天皇制」の問題性を世に発信することの大切さを語った。

 第2回目、講師の星出卓也牧師(日本長老教会西武柳沢キリスト教会)は、戦後の天皇の「人間宣言」後も皇室祭祀を担う天皇の職務は依然として在ることの問題性を語り、私たちは「イエスは主である」と告白する教会の信仰を守ることにだけ終始するのではなく、神がたてられた国が神の国となるという課題をも担っており、キリスト者は少数者だからこそ偽りで固めた牙城を崩せる存在だと語った。

 第3回目、講師の新堀真之牧師(香椎教会)は「九州教区宣教基本方針2017年度−2026年度」に触れ、宮中祭祀の祭司として大嘗祭において“カミ”となる「宗教性を帯びた天皇」に思いを馳せることは、聖書の神と並べて他の神々を拝することと指摘し、心を向けるべきものに心を向け私たちが自らの信仰のあり方を考えることは、天皇制の課題に向き合うことに繋がると語った。

 教区として、今後「天皇制」にいかに取り組むか、新たなステージを迎えている。「人権」という概念が教会から生まれたこと、教会は、人権や差別の課題は国家を越えた普遍的な理念であることを積極的に発信し、キリストが教会の主であり国家の主であると世に証しするためにも、信仰者としてのあり方が問われている。

(宮岡真紀子報)

【4916号】▼教師委員会▲ 「教師継続教育研修会」、来年度は見送り

 第3回教師委員会は10月28日、神学校問安のあと、関西学院教会にて開催された。

 はじめに報告事項を扱ったが、その中で「神学校日献金」の現在の経過報告がなされた。ここ数年、献金が減少する傾向にあるのに加えて、今年は神学校日が台風であったこともあり、さらに厳しい予想であることが報告された。教団の教師養成にとって大切な献金であるので、引き続き献金が満たされるように祈って待ちたい。

 今回、特に重要な審議事項は、「教師継続教育研修会」と「教師検定規則第4条および第5条変更」に関する件であった。

 教師の継続教育を求める声が高まる中で「教師継続教育研修会」の積極的な意義と長期継続の必要性を受け止めながらも、来年度はオリンピック開催時の混雑等を予想し、開催を見送ることにした。その間、財政的なことも踏まえ、開催場所についても検討を重ねて行くことを決めた。

 「教師検定規則第4条および第5条変更」に関して、教規第39条⑴による「教団議長招集会議」の報告を受けて、教師委員の忌憚ない意見を話し合った。その中で特に試験内容の変更は、受験者の不利益にならないようにもっと時間をかけることが必要であること、より積極的な意義づけをもってなされるものであることが意見として出された。これらの意見をまとめて教師委員会の見解とすることを確認した。

 神学校の問安は、今回は同志社大学と関西学院大学神学部を問安し、有意義な話し合いの時を持った。次回は11月18日に、東京聖書学校と日本聖書神学校を問安予定であり、東京神学大学と農村伝道神学校は日程を調整中である。(上原智加子報)

【4916号】♦部落解放全国会議♦ 「SAYAMAからの解放~さらなる広がりへ」

 第14回日本基督教団部落解放全国会議㏌関東教区が10月29〜31日に大宮教会を主会場に行われた。テーマは「SAYAMAからの解放〜さらなる広がりへ〜」。全17教区より150名の出席が与えられた。

 狭山事件から56年。石川一雄さんは80歳をすぎた今も無罪を訴えている。部落差別が背景にあるこの事件は、様々な新証拠の開示と科学的な鑑定によって、その無罪はますます明らかとなっている。石川さんご夫妻を迎えてのこの会議は、まずそのことを学び、再審無罪の時が一日も早く訪れることを祈り、闘う時となった。また和田献一部落解放同盟栃木県連合会執行委員長(氏家教会信徒)より部落解放運動の歴史とその表舞台でのマイノリティーについての講演を聞き、国際人権基準の視点を持って様々な人権問題に取り組んでいくことを学んだ。

 二日目は部落差別問題と共に様々な人権問題を学び分かち合った。性差別を山下明子世界人権問題研究センター嘱託研究員、聖書研究を山口里子「日本フェミニスト神学・宣教センター」共同ディレクター(聖書学者)、沖縄・宮古島の基地建設を坂口聖子宮古島伝道所牧師、在日コリアンを金性済NCC総幹事。そして4つのテーマごとに分団協議し、全体会で分かち合った。一つ一つ人権問題は広がりを持ちつつ、つながっていること。キリスト者は信仰の視点を持ちつつ、国際的な人権基準に立って、連帯していくこと。その中で教会、教団、部落解放センターの必要性を共有し、さらなる広がりのために連帯していくことを祈り合った。

 会議全体は賛美にあふれ、食事会は出会いと交わりの時となった。また台風と豪雨被害について報告し合い、祈る時となった。

 三日目は銀座教会ホールでの派遣礼拝・狭山事件の再審を求めるキリスト者集会。日比谷公園大音楽堂での狭山市民集会に参加し、石川さんの再審無罪を祈りつつデモ行進をした。「よき日のために 歌おう共に みんなが心から 笑える日がきっとくる」。「勝利をのぞみ、勇んで進もう 大地踏みしめて ああ、その日を信じて われらは進もう」と歌いながら。(熊江秀一報)

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