第34総会期第三回宣教委員会が一一月七~八日、教団A会議室にて開催された。開会礼拝を川崎善三委員が担当し、一コリント一三章一二節に基づいて、教団の更なる連携による形成を願う説教がなされた。
諸報告では、常議員会、常設専門委員会等の報告がなされ、協議に入った。
協議の主要事項の一つは宣教方策会議に関する件である。前回にも報告したが、第33総会期は、宣教理解の行き詰まりのゆえに対立を際立たせかねないと、会議の開催が懸念されていた。そのため教団の「宣教」を巡る概念、語義について学びを重ねてきたが、残念ながら宣教方策会議の開催を見送らざるを得なかった。
そこで今期委員会は全教区・教会・伝道所が共有できる宣教に資する課題を提起し、それをもとに宣教方策会議の開催への協議を継続してきた。殊に八月下旬には宣教方策会議準備会を行い、そこに一六教区(沖縄教区は欠席)の宣教委員長またはそれに代わる担当者を……
東海教区部落差別問題特別委員会主催の第一六回「にんげん大学」が十一月三日沼津教会を会場にして開催された。
講師は、教団部落解放センター運営委員会委員長の東岡山治氏で、第一部「怒りから祈りへ」第二部「糾弾から尊敬へ」と題した二度の講演を通して参加者に部落解放への啓発を促した。参加者は二三教会四八名であった。
この「にんげん大学」は東海教区が部落解放運動の一環として取り組んでいる企画で、教区内にある六分区を輪番に会場として行なわれている。東岡氏への講師依頼には、主催者側から以下のような視点を踏まえての講演としていただく依頼をした。それは、「ペトロの手紙一第三章九節にある『悪をもって悪に、侮辱をもって侮辱に報いてはなりません。かえって祝福を祈りなさい。祝福を受け継ぐためにあなたがたは召されたのです』というみ言葉が、水平社宣言の根底に流れる祈りと重なっていると信じますが、この点について東岡先生……
一一月二三~二四日、富士箱根ランドスコーレプラザホテルを会場に開催された西東京教区伝道協議会で、日本に於ける現在の教会事情に照らしても大いに注目すべき主題講演がなされた。山口隆康東京神学大学教授による『伝道する教会(の建設)』がそれである。 講演は、箴言の「幻がなければ民は堕落する/教えを守る者は幸いである(29章18節)」の引用で始められた。
「『民(信仰者)が、堕落する』とは、『民がわがままにふるまう』という意味であり、『わがまま(堕落)』は自己追求の罪、神への服従の反対語で、『伝道の幻』は、わたしたちを堕落した信仰者、即ち、わがままで自己中心的な『神への服従なき信仰者』から解放してくれる。私たちが伝道する理由は、それが復活の主イエス・キリストのご命令だから、『あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい…マタイ28章19~20節』。わたしたちが、この主のご命令に服従してい……
▼教会員が、一枚の写真を携えて来た。セピアに変色した八〇年近い昔の集合写真には、青年から幼児まで九〇人ばかりの顔が見える。その最前列真ん中、おかっぱ頭の少女が当人とのこと。成る程面影を見る。▼牛込のとある民家でのクリスマス集会とは覚えているが、所番地や教会名は不確か。▼この時のことが、昨日の出来事のように鮮やかに思い出されると言う。人数に圧倒されて後ろの方にいたら、前にいらっしゃいと呼び出され真ん中に座らされた。恥ずかしいような得意なような。あの日に帰りたい。もう一度あの場所を訪ねたい。三晩続けて同じ夢を見たそうだ。▼他には手がかりがないまま、コピーをもって教団に行ったら、直ぐに有力な情報を得た。写真の一人が故M牧師だろうと見当がついた。▼初めてイエス様に声を掛けられた日、信仰の友を得て、高らかに讃美を歌った日。そんな思い出を持つ人はなんと恵まれたことか。例え写真が色褪せる程の年月が経って……
「教団新報」次号四五九四・九五号を合併号とし、一月二八日に発行致します。
なお教団事務局、出版局、年金局は二九日~一月四日は休業致します。
総幹事 竹前 昇
マタイによる福音書二章一~一二節
異邦人を照らす光 上原智加子
・全ての人が招かれている日
今年もまたクリスマスがやって来ました。至る所で、クリスマスの楽しい雰囲気で盛り上がっているのを目にします。でもどうして教会以外の場所で、クリスチャンでもない人々が、これほどまでクリスマスを祝うのでしょうか?
おそらく毎年来るイベントの一つとしてお祝いしているだけかもしれません。しかし、クリスマスは、単なるイベントで、楽しみたい人だけが参加して、楽しんだらそれで終わりなのではありません。むしろ、クリスマスは、分け隔てなくすべての人が喜び祝い、この喜びに生きるように招かれている日なのであります。なぜなら、その日は、神の御子が世を照らす真の光として、すべての人を照らすためにお生まれになった日だからであります。御子が生まれたこの日、ユダヤ人だけでなく異邦人にも、神を喜び讃美する救いの道が……
教団新報に掲載されないニュースについて報告したい。職責上いろいろな関係を持つが、その中から三つを取り上げる。
①九月一二日 東京基督教大学・神学校の教授陣と「伝道について」協議をなした。これは同国際キリスト教学科長・倉沢正則教授の申し出により実現したもので、教団からは、私のほか疋田國麿呂関東教区宣教委員長、米倉美佐男東支区長が出席、良き交歓と有意義な共有をなした。今後も継続していく予定である。議長は同じ会館にある日本福音同盟(JEA)の事務所を訪問、具志堅聖総主事らと出会いの時を持った。
②一〇月一六日 午後四時、在日大韓基督教会関東地方会の伝道集会にて説教をさせていただいた。会場の東京教会の青年部を中心にした讃美にはじまり金柄鎬牧師(府中教会)の引き付ける司会で会は盛り上がった。各々の教会が礼拝を終えて参集し、伝道集会を持つ迫力と実力に教えられた。川崎教会長老・高麗博物館長の宋富子氏……
主にある真理に生かされて
米国育ちのダニエルさんが、はじめて教会の礼拝に足を踏み入れたのはアメリカの大学時代である。当時のダニエルさんは部活動、アルバイト、成績トップを目指しての勉強にと我武者羅に生きていた。しかしその反動による不安や疲れで、人間関係も勉強も思うようにいかなくなった。その頃、教会を訪れる機会があり、自分がそれまで生きてきたのと全く違う世界、聖書の語る真理に触れた。そして教会でしか見つけられない平安、聖書に示される神の素晴らしさに心惹かれるようになり、独り子イエス・キリストを信じ、一九九五年一〇月、受洗へと至った。それから一年後に日本へ留学、聖ヶ丘教会に導かれた。そこで日本におけるキリスト者として「神と人とを愛したい、奉仕したい」との志が与えられた。
ダニエルさんは元々ビジネスの実践に興味があり、日本のビジネスや語学の習得が来日の動機だった。しかし日本で学ぶうちに、ビ……
関東教区新潟地区は3年に一度、信徒大会を開催している。今年は開催年にあたり、10月10日にこの一年間に起きた新潟地区の水害、中越地震、大雪といった自然災害の被災経験を覚えて「あなたはだいじなたからもの」というテーマで、6つの被災教会のひとつである小出教会の清心保育園を会場に一日リタジーを行った。
当日は嬉しいことに新潟地区で活動する全ての教会、伝道所からの参加があり、また清心保育園関係者、関東教区からの参加も合わせ約220名の大会となった。
また、当日参加できない方々も共にこの信徒大会に参与できるようにと福引付き500円券を発行していた。当日の昼食、ミニバザーは全てこの金券で購入し、更に福引のお楽しみがあった。金券は目標の400枚を軽く上回る売上があり、大成功だった。
リタジーの中では、水害、地震、大雪被災を経験した三条、長岡、見附、栃尾、小出、十日町の六教会の思いや経験の分かち合い……
町の灯りとして立つ
新栄教会牧師 川上 憲雄
新栄教会は、東京で初めて創立された教会である。元々は、築地にあった。一八七三年(明治六年)九月に、アメリカ長老教会の宣教師ダビッド・タムソン氏の指導の下、築地明石町六番地にてキリスト者男女八名が、東京公会と称して教会を組織した。これが、当教会の始まりである。初期の信徒たちは、伝道に燃えて東京に幾つかの教会を設立している。その後約七〇年間築地にて、福音宣教に励んだ。
第二次世界大戦の末期に、空襲対策から採られた強制疎開政策によって、築地から目黒の地に疎開してきた。それ以後、目黒中町一丁目の目黒通り沿いの地に六〇年間根を張って、宣教して来た。とにかく長い歴史を持つ教会で、今年九月二〇日で一三二周年を迎えた。
時折、見知らぬ方から「明治の終わりに祖父が洗礼を受けたが、調べてほしい」との依頼が来る。そのような依頼を聞くと、新栄教会の歴史……