日本キリスト教社会事業同盟副理事長 村田 哲康
・日本キリスト教社会事業同盟とは
我が国の社会福祉事業は、社会福祉基礎構造改革等に見られるように、今、大きな転換期を迎えている。
そのような状況下にあって、キリスト教社会福祉事業は混迷を極め、その存在意義や在り方が改めて問われている。
キリスト教社会福祉事業は、キリストのからだなる教会の奉仕の業であり、教会のこの世に対する姿勢に深く根ざしている。この時代において、キリスト教社会福祉事業の使命と役割を果たすことにより、宣教の責任を負わなければならない。
日本キリスト教社会事業同盟(以下、「社会事業同盟」と略す)は、このような高い志の中から、福音に生きるキリスト者の証、奉仕の業を模索してきた先人達によって、日本基督教団(以下、「教団」と略す)と同じ信仰基盤に立つ社会福祉事業団体及び社会福祉諸分野で実践活動しているキリスト者からな……
第31回教団総会は「新しい式文を改訂して、教会で実際に用いることができるものにするための具体的な作業をする小委員会」の設置を決議し、これに基づいて信仰職制委員会のもとに「式文改訂小委員会」が構成された。
今常議員会は、岡本知之信仰職制委員長より「式文改訂作業現況報告について」の次のような報告を受けた。「信仰職制委員会は既に結婚式文試案を作成した。これに引き続き、葬儀式文、礼拝式文についても、式文改訂小委員会における作業に入っている。更にこれらの諸案の文体調整等を行い、順次試用版として仮作成することを予定している」。それは試用版を作成し、教団諸教会における試用に供し、更に広く意見を徴した上で最終的な式文試案を調整して、常議員会での承認を得たら、新式文として発行したいというものである。
常議員会は、この「式文改訂作業に関する現状報告について」の報告を受けたことを承認したが、「信仰職制委員会……
飯塚拓也予算決算委員長は〇六年度予算案概要について、次のように要点を説明した。
一、教団事務局の支出削減が進み、教団諸教会の財政事情等を考慮した結果、負担金収入を前年度予算に対して一%(二七八万円)減として予算を立案した。出版局繰入金、教団運営資金繰入金共〇五年度予算と同様〇円とした。
二、支出項目についても〇五年度に比較して増減はあるが、収入に見合った削減策を実施した。人件費も昨年に対して一、〇〇〇万円以上の削減をしている。職員、嘱託職員が退職した後、人事配置により増員しなかったことによる。なお、これまで人件費に含まれていた部落解放センターの人件費は新設項目に移した。
三、教団負担金の賦課基準については、今年度は昨年の改定を引き継ぐ。
次に年度報告C表及び記入要領改定案を説明した。これは各教区から提出されるC表の記載を統一し、教区負担金算定に当って公平性を確保することが目的である……
出版局勘定の整理に関する件として、二八行にもなる詳細な提案理由を記して次の議案が提出された。「出版局勘定九七、六九九、二六八円、および未収入金の内、一三、五〇〇、〇〇〇円を出資金(出版局:元入金)に振替える」。
計良祐時幹事が議案と提案理由を朗読した後、竹前昇総幹事は、提案理由に基づき、特に次の点を強調した。「本来は事務局と出版局との間で業務の合理性を得るために設けられたもので、その都度現金の支払いを受け取ることをせず相手に替わって支出すること(立替払い)に用いられてきたが、長期にわたり両者間の清算が行われず今の数字になった」。「内訳は、大きく三つに区分される。①出版局が、区分経理として、事務局での出版局経理として会計処理を行ったために、その計上額が出版局勘定に残ったままになっている額、一二八、二九一、五八九円。②出版局が事務局から借り入れて、返済手続きをしていなかったために計上されてい……
教憲第9条を検討する件について検討作業委員会の報告があった。前回七月の常議員会には、9条変更は困難との検討委員会の判断が示されていたが、その後、委員会にて議論を進めて、今常議員会に以下の具体的な提言がなされた。
①補教師にも聖礼典の執行を認める。そのために、教憲第9条を以下のように変更する。「本教団の教師は、神に召され正規の手続きを経て献身し、按手礼を領した者とする。教師はこれをわけて、正教師および補教師とする。」これに伴い関係教規を変更する。
②補教師試験課目を見直し、神学校で履修した課目について試験を免除する。 ③補教師の二年目に教団主催の補教師研修を行う。 ①は正教師、補教師の区別を残しつつ、補教師となるときに按手礼を受けるというもの。按手を受けた補教師に聖礼典執行が可能となる。これにより教師として各個教会における教務遂行上の信仰職制的矛盾は解消されるとしている。伝道師、牧師……
二日目の午後は、「合同のとらえなおし」関連議案に多くの時間が割かれた。
まず、それぞれの教区での取り組みについて各教区議長からひと言ずつ報告がなされた。教団と距離を置くことを決めている沖縄教区に対して、どのような言葉をもって応答していくか、関係回復を願い、打開の道を探る各教区の姿勢や苦悩が語られた。
山北宣久議長から、現在もなお山里勝一沖縄教区議長に声を掛け続けており、この常議員会にも出席を願い、対話と関係構築を求めて沖縄教区の訪問を願っていることなど、手紙、ファックスなどで連絡を続けているという報告があった。基本的には前回常議員会の時と現状は変わっていない。
和田献一常議員は、「合同に関する議定書」を読み直してみて得られた認識について概ね次のように見解を述べた。「議定書によると、両教団が『合併』ではなく『合同』としたのは、当時の両教団の背後にあった歴史的事情が影響しているという。当……
第34総会期第三回常議員会は、一〇月二四日午後一時三〇分から二日間、教団会議室で開会時三〇人全員が出席して開催された。
総幹事報告の中で竹前昇総幹事は、「歳入、歳出とも適正な規模まで削減に努めて行きたい。その上で運転資金(八、〇〇〇万円)、必要退職金引当(約一、一〇〇万円)、減価償却額(約八、四〇〇万円)不足の解消が大きな課題となる。阪神大震災救援第二次募金の会計については、兵庫教区と話し合う。教団特別財産は、教会・伝道所一四〇件、センター・施設等二三件の合計一六三件となる」と報告した。
この総幹事報告について、財政関連に論議が集中。竹前総幹事は質問に答えて、「教団財政は予断を許さない状況だが、総幹事就任後五年たっても、教団財政はしっかりとは分からない。外部監査を受ける状態にはないというのが現状認識だ。教団の特別財産も今回、初めて公表出来た。教区活動連帯金の名で、議事として常議員会にも……
重要案件で議論深められる
教憲第9条・合同のとらえなおし・式文改訂等々、普段にも増して重要案件・課題が議論された常議員会であった。継続的に取り扱われてきたこれらの課題は、そこに至る複雑な経緯に強く拘りもあり、従来はややもすれば議論が噛み合わないという感があった。今常議員会では、従来よりは中味に入った議論がなされた。更に議論が深められ、一歩でも半歩でも前進し続けることが期待される。
「お世話になりました」と言い、九〇歳になる教会員が挨拶をされた。その日の礼拝を最後にシニアハウスに入ると言う。高齢の教会員が多くなり、礼拝出席がままならぬ状況になる。「最近、Aさんを見かけませんね」と教会員が消息を話し合っている。足腰が弱くなったとか、老人ホームに入居したとか、寝たきりになったとか、現実を受け止めざるを得ない。思うことは、礼拝に出席できなくなってしまった皆さんは、それまでは教会を支え、担ってきたのである。今、高齢になって礼拝には出席できない。「最近、お見えになりませんね」と言うとしたら、悲しい現実である。願うことは、高齢となり、朝目覚めては賛美の歌が耳に聞こえ、御言葉にふれる。夕べには感謝のうちに目を閉じる。そういう生活である。
姉は既に天に召されているが、一五年間リュウマチを病んだ。身体のあちこちに骨の補強金具を埋め込み、「せん方つくれどものぞみを失わず」(第二コリント……
旗印を鮮明に、堂々と、元気に
『夕暮れになっても、光がある』(ゼガリヤ書一四章七節)。浜松市郊外、三方原にある社会福祉法人「十字の園」(一九六〇年設立)を訪ねると、この聖句が迎えてくれる。浜松ディアコニッセ母の家に属するハニ・ウォルフ姉妹が長谷川保の協力を得て開設した「十字の園老人ホーム」が始まりである。
初代理事長の鈴木生二は信仰と人格的感化によって事業をよく指導した。現在は、浜松、御殿場、伊豆高原、松崎で養護老人ホームや軽費老人ホーム、デイサービスセンターや訪問看護ステーションなどを運営している。
平井章さんは四代目の理事長(一九九九年~)である。一九四七年生まれ。二七歳の時、御殿場十字の園を会場にして行われた東海教区主催ボランティア・スクールに出席、それがきっかけとなって修善寺教会で受洗、勤務していた楽器会社を退職して十字の園に献身することとなった。
ニーバーの祈り「神よ……