去る、一二月五日(月)~六日(火)西中国教区部落解放現地研修ツアーが実施された。西中国教区からの参加者は一二名。
このプログラムは一九九九年度から実施され、これまで、奈良・水平社博物館、大阪人権博物館、教団部落解放センター、福山人権資料館、ホロコースト記念館、岡山(渋染一揆)、邑久光明園、筑豊、長崎等を訪ね、様々な出会いを通し研修を積み重ねてきた。この度は、しばらくぶりの教団部落解放センターと震災一一年目を迎えようとしている兵庫教区被災者生活支援・長田活動センターを訪ねた。
中国地方は折からの大雪に見舞われ、予定時間より遅れること約一時間、自動車二台に分乗し午後四時頃に教団部落解放センターに到着。しばしのセンター見学後、職員の五十嵐照美さんより、ご自身の被差別経験をとおして、当地での部落差別の実態と取り組みについてお話しを伺った。その後、近隣のフィールドワークを行いながら会場を移してセンターを支える方々との交流会。またその中で臨時主事代行の東谷誠さんから、センターの現在の活動の詳細についてお話を伺った。その後、宿泊場所の神戸学生青年センターへ移動。
翌朝、兵庫教区被災者生活支援・長田活動センターを訪問。主事の柴田信也さんの案内により周辺のフィールドワークを行った。住民の生活とかけ離れた「復興」の現実に触れ、その後、現在のセンターの取り組みについてお話しを伺った。
当研修ツアーの目的の一つは、現地の活動に触れ連帯の実質的契機とすることである。その意味では特に、長田活動センターの多岐且つ細やかな活動が、一教区のセンターによって担われていることには驚きを覚え、また課題を与えられた。またもう一つの目的である「出会い」においては、両センター共、活動に携る方々と出会えたことは意義深いことであった。ツアーを通して得た掛け替えのない経験が、今後の連帯をさらに推し進める一助となることを願っている。
(小畑太作報・周陽教会)