第35回総会直前に、教団年鑑二〇〇七年版が出版された。
教師になった頃、教団年鑑は不必要だったが、教区三役に選任され、人事を扱う関係で必要になり、現在では人事だけでなく、教団全体の現状を知るための必需品となった。
例えば、統計上の数だけで教団を判断するわけではないが、教勢報告・教師数等は、今後を考える大きな参考になるし、献金の推移も貴重な資料である。
今回の教団年鑑を見て驚いたこと。それは、二〇〇六年版に比べ、一七教区の経常収入合計額が、約 四億七千万円も減少したこと。
これは大変な額であり、これまた教団年鑑によると、全一七教区の中で、七教区において、年間経常収入額が、この減少額前後なのである。
ということは、数字の上では、この一年で、一つの教区が無くなってしまったとも考えられる…。
ただこのことは、今年に始まったことでなく、33総会期に設置された「教団機構改正・財政検討委員会……
恵みに生かされ、こつこつ建てる
大学を卒業する3月の末、母教会の大宮教会の会堂、幼稚園舎、牧師館が不慮の火災で焼失した。園舎は突貫工事で完成。すでに建築計画が進んでいた会堂と牧師館も直ちに実施に移されるが、資金的には厳しい。牧師館の設計については大島さんに依頼することとなり、図らずも牧師館の設計が建築士としての初仕事となった。キリストの体を建てるつもりで、牧師館として使い勝手の良い配置を練りに練って設計した。献げる賜物は生かされ用いられる。以来、三三年間で三代の牧師家庭に使用され、応接室では様々な集会も行われ、時にはお見合いの場ともなり、多くの出会いがそこから生まれることとなった。
卒業後、エネルギープラント建設の会社に入社、結婚して三人の子どもにも恵まれたが、シンガポールへの滞在を皮切りに、南アフリカや中近東の国々と行き来する生活となる。入国手続きなどの際、宗教を問う欄に、たいて……
●新刊から
『新約聖書神学Ⅰ 上・下』〈F・ハーン 大貫隆・大友陽子・須藤伊知郎訳〉ボルンカムの弟子であり、現代ドイツを代表する新約聖書学者による最新・最高の新約神学。説教準備に不可欠。上巻ではイエス、原始教会、またパウロ神学を扱い、下巻で共観福音書、使徒言行録、ヨハネ福音書などを扱う。上巻=A5判・五五〇頁・一二、六〇〇円/下巻=二〇〇七年四月刊
ニューセンチュリー聖書注解『歴代誌 上・下』〈H・G・M・ウィリアムソン 杉本智俊訳〉第一級の著者による、最高の評価を受けた注解。A5判・五七六頁・九二四〇円
*続刊=『使徒言行録』W・ニール/『マルコ』H・アンダーソン/『雅歌』J・G・スネイス/『レビ記』P・J・バッド 他
『総説 キリスト教史 全3巻』〈監修=荒井献・出村彰〉現代日本を代表する研究者が総力を結集して書き下ろした、最新の決定版通史。第1巻『原始・古代・中世篇』〈荒井献……
★第29回SCM現場研修/時=3月3日~11日/所=大阪・生野、釜ヶ碕/プログラム=生野工場にて労働他/研修所=生野・KCC会館(在日大韓キリスト教会)、釜ヶ崎・旅路の里/参加費=二万円/主催=SCM協力委員会/締切り=2月10日/申込み・問合せ=浅海(生野)TEL090-4642-1181、水野(釜ヶ崎)TEL090-9550-2179
「働く人」を二〇〇七年三月号をもって刊行終了とします。
二〇〇六年七月の常議員会に「『働く人』を二〇〇七年三月をもって廃刊する件」が上程され、同年十月の常議員会で廃刊が決まりました。構造的赤字、発刊の使命に一つの区切りをつける等の理由からです。今日までの読者、寄稿者、編集の方々、また社会・伝道両委員会のお支えに感謝します。
日本基督教団総幹事 竹前 昇
神さまの恵みの中で
田邉 良三
(石和教会員)
私たち夫婦は結婚して今年で六年目になります。その間に私は伝道者としての召命を受け、一人息子が生まれました。ふり返ってみると本当に慌ただしく、そして、あっという間に過ぎてしまった数年であったと思います。
妻と出会ったのは、彼女が東京神学大学大学院一年の時でした。伝道者となる時を二年後に控え、様々な思いの中で神さまと真剣に向き合っている彼女との出会いは、私にとってそれまでの信仰生活を問い直される機会となりました。神さまを信じると口では言いながら、自分勝手な思いでしか神さまと向き合えていなかった自分を知ることとなりました。しかし、それは同時に、そのような自分を、なお神さまが導き続けてくださっているという事実を知らされる機会となったのです。神さまの恵みの中で生きることこそ、本当に生きることなのだと改めて教えられました。そのような中で、妻と……
4616号2面消息欄、木下芳次氏の「日本メソヂスト教会茅ヶ崎教会」を「日本美普教会茅ヶ崎美普教会」に訂正いたします。
遊佐健治氏(隠退教師)
十一月四日、逝去。七六歳。東京都に生まれる。一九八〇年准允受領、八三年に受按。一九八〇年から二〇〇五年まで曳舟教会牧師を務め、隠退した。遺族は妻の文子さん。
木村アイ氏(隠退教師)
十一月十二日、逝去。九六歳。福島県に生まれる。一九三〇年宮城女学校聖書専攻科卒業。日本神学校に学んだ後、四二年横手教会に赴任。その後岩沼教会を経て五九年から六九年まで鴻巣教会を牧会し、隠退した。遺族は甥の功さん。
徳 フジ氏(隠退教師)
十一月十二日、逝去。九六歳。熊本県に生まれる。一九三三年ランバス女学院神学部卒業。日本メソヂスト教会神戸三宮教会に赴任。その後甲子園、大阪聖和各教会を経て五二年から八九年まで下落合教会を牧会し、隠退した。遺族は実弟の丸尾俊介さん。
支区形成が課題
橋爪忠夫
東京教区南支区は教区を形造る支区の一つで、都内の目黒、品川、大田区と世田谷、港区の一部にある三〇の教会・伝道所が所属している。都心に近い地域ゆえに、変動激しく、教会員の異動も多い。また、ここ十余年で教職も大きく入れ替わった。そして、少しく歴史を振り返ると、一九九〇年まで紛争により約二〇年間、教区総会が開けず、最低限度の教務執行に終始した時代が続いた。
これらのことを背景にすると、支区も再スタートが現況であり、支区形成が大きな課題である。従ってこの課題をいかに担い、いかに克服して行くかに当然のことながら力を注いでいる。最も大切なことは、教団がその成立の根拠としている「信仰告白」や「教憲教規」に、支区形成がのっとって進められることである。教団の「信仰告白」や「教憲教規」はプロテスタントの教会史の上で特段の偏りのない、ほぼ常識とすべきものではないか。
さらに……
9~14号議案は一括して上程され、選考委員会招集者小林眞教団副議長より出版局理事九名・監事二名、年金局理事二一名・監事二名、部落解放センター運営委員会十八名・監事二名、会堂共済組合理事七名・監事二名、「隠退教師を支える運動」推進委員会七名、宣教協力協議会(CoC)代議員七名が推薦された。
その中で特に出版局の現状認識について意見交換がなされた。
まず「出版局の会計報告をはっきりさせてほしい」との意見があり、小島誠志理事長は「出版そのものは厳しいが黒字である。出版の経費、広告料を努力した。確かに出版局の売上が減っているが、教団の教会員が減少していることの方がより深刻な問題である」と答えた。
常議員からは「総売上の減少は回復困難である。また一億数千万円は借入である」との意見が出され、竹前昇総幹事は「常議員会で出版局会計の問題を共有し、議長は出版局経営強化を訴えている。しかし今の出版局には……