「働く人」を二〇〇七年三月号をもって刊行終了とします。
二〇〇六年七月の常議員会に「『働く人』を二〇〇七年三月をもって廃刊する件」が上程され、同年十月の常議員会で廃刊が決まりました。構造的赤字、発刊の使命に一つの区切りをつける等の理由からです。今日までの読者、寄稿者、編集の方々、また社会・伝道両委員会のお支えに感謝します。
日本基督教団総幹事 竹前 昇
神さまの恵みの中で
田邉 良三
(石和教会員)
私たち夫婦は結婚して今年で六年目になります。その間に私は伝道者としての召命を受け、一人息子が生まれました。ふり返ってみると本当に慌ただしく、そして、あっという間に過ぎてしまった数年であったと思います。
妻と出会ったのは、彼女が東京神学大学大学院一年の時でした。伝道者となる時を二年後に控え、様々な思いの中で神さまと真剣に向き合っている彼女との出会いは、私にとってそれまでの信仰生活を問い直される機会となりました。神さまを信じると口では言いながら、自分勝手な思いでしか神さまと向き合えていなかった自分を知ることとなりました。しかし、それは同時に、そのような自分を、なお神さまが導き続けてくださっているという事実を知らされる機会となったのです。神さまの恵みの中で生きることこそ、本当に生きることなのだと改めて教えられました。そのような中で、妻と……
4616号2面消息欄、木下芳次氏の「日本メソヂスト教会茅ヶ崎教会」を「日本美普教会茅ヶ崎美普教会」に訂正いたします。
遊佐健治氏(隠退教師)
十一月四日、逝去。七六歳。東京都に生まれる。一九八〇年准允受領、八三年に受按。一九八〇年から二〇〇五年まで曳舟教会牧師を務め、隠退した。遺族は妻の文子さん。
木村アイ氏(隠退教師)
十一月十二日、逝去。九六歳。福島県に生まれる。一九三〇年宮城女学校聖書専攻科卒業。日本神学校に学んだ後、四二年横手教会に赴任。その後岩沼教会を経て五九年から六九年まで鴻巣教会を牧会し、隠退した。遺族は甥の功さん。
徳 フジ氏(隠退教師)
十一月十二日、逝去。九六歳。熊本県に生まれる。一九三三年ランバス女学院神学部卒業。日本メソヂスト教会神戸三宮教会に赴任。その後甲子園、大阪聖和各教会を経て五二年から八九年まで下落合教会を牧会し、隠退した。遺族は実弟の丸尾俊介さん。
支区形成が課題
橋爪忠夫
東京教区南支区は教区を形造る支区の一つで、都内の目黒、品川、大田区と世田谷、港区の一部にある三〇の教会・伝道所が所属している。都心に近い地域ゆえに、変動激しく、教会員の異動も多い。また、ここ十余年で教職も大きく入れ替わった。そして、少しく歴史を振り返ると、一九九〇年まで紛争により約二〇年間、教区総会が開けず、最低限度の教務執行に終始した時代が続いた。
これらのことを背景にすると、支区も再スタートが現況であり、支区形成が大きな課題である。従ってこの課題をいかに担い、いかに克服して行くかに当然のことながら力を注いでいる。最も大切なことは、教団がその成立の根拠としている「信仰告白」や「教憲教規」に、支区形成がのっとって進められることである。教団の「信仰告白」や「教憲教規」はプロテスタントの教会史の上で特段の偏りのない、ほぼ常識とすべきものではないか。
さらに……
9~14号議案は一括して上程され、選考委員会招集者小林眞教団副議長より出版局理事九名・監事二名、年金局理事二一名・監事二名、部落解放センター運営委員会十八名・監事二名、会堂共済組合理事七名・監事二名、「隠退教師を支える運動」推進委員会七名、宣教協力協議会(CoC)代議員七名が推薦された。
その中で特に出版局の現状認識について意見交換がなされた。
まず「出版局の会計報告をはっきりさせてほしい」との意見があり、小島誠志理事長は「出版そのものは厳しいが黒字である。出版の経費、広告料を努力した。確かに出版局の売上が減っているが、教団の教会員が減少していることの方がより深刻な問題である」と答えた。
常議員からは「総売上の減少は回復困難である。また一億数千万円は借入である」との意見が出され、竹前昇総幹事は「常議員会で出版局会計の問題を共有し、議長は出版局経営強化を訴えている。しかし今の出版局には……
常議員会二日目の午後、限られた時間内に、重要議案が次々と審議された。
先ず、「日本伝道150年記念行事を開催する件」では、小林貞夫常議員が提案理由を朗読の上補足説明した後、活発な議論が展開された。
朝鮮併合と朝鮮伝道教会建設に触れ、「海外伝道は戦争推進の宣撫広告的役割を果たしていた。負の歴史を踏まえて立案すべき」、「一八五九年をプロテスタント伝道開始とすることは、それ以前の沖縄伝道を無視している」、「財政的に困難」などの反対意見が述べられた。
一方で、「歴史評価は一律ではない。負の歴史の中にも恵みはある」、「伝道に困難を覚えるこの時だからこそ、開催すべき」との積極的な賛成意見が述べられた。
また、基本的には賛成するものの、「もっと早く提案され、充分な準備をすべきであった」、「何事かをなすべきではあるが、内容的には再考慮を」、提案理由の「諸グループと連携するという表現に危惧を覚える。……
第二日目午前は、おもに次の議事に時間が費やされた。「機構検討特設委員会設置継続」、「中越地震被災教会会堂等再建支援委員会設置継続」、「在日韓国朝鮮人連帯特設委員会設置」。
第30総会期以降、教団総会のもとに設置され検討を続けてきた教団機構改正・財政検討委員会は、第33総会期二〇〇四年二月に答申を提出し委員会を終了した。これを受けて、答申に基づく処理が順次進められてきた中、前総会期二〇〇六年七月には機構改正特設委員会が常議員会のもとに設置された。今総会期、前委員会を引き継ぎ、なお作業を進めるため設置継続が求められることとなった。
教団総会の適正な開催規模等の検討、宣教研究所、出版局、年金局、部落解放センターの機構の検討、法人規則第30条に定められている各種センターと教団との関係についての検討等、さらなる具体化が設置の目的である。
なお多くの課題が残されているが、山北宣久議長は、「今総会……
「荒野の四〇年」
歴史評価巡り議論
第35総会期第1回常議員会は、十二月十二日から二日間、教団会議室で、三〇人中二九人が出席して開催された。
議事に入る前に、先例に従い、今総会期の常議員会の運営について懇談の時が持たれ、山北宣久議長は冒頭、①節度ある陪席を望む。常議員、要請陪席者の発言に重点を置く。議長の指示に従わない要求陪席者は、陪席を取り消し、次回もその点を考慮する②教団の将来に力点を置いて議論を深めたい③常設委・教区の現状を常議員会に反映し、課題を共有したい④沖縄教区が主体的に取り組んでいる「将来委」を注視しながら、沖縄と関係を深めて行きたい⑤財政とりわけ出版局の経営強化に努めたい、との基本姿勢を明らかにした。
懇談は一時間余に及び、議長総括の在り方、オープン(無差別)聖餐、教憲・教規と教会現場、議案の立て方などについて熱い意見表明が続いた。
議事に入り、出席者の点……
▼今総会期第一回常議員会時に、中越地震募金に関する報告書が配布された。A4版の封筒に沢山の資料が入っている。その表紙には、被災教会の名前と、会員数、礼拝出席数が一覧できるように記されていた。▼随分風変わりな封筒表のレイアウトについて、格別の説明はない。しかし、その意図は、充分に伝わってくる。こんなに小さい数字なのですよ。この少人数で、大事業に取り組まなければならないのですよ。そういうことだろう。沢山の言葉で説明するよりも、遙かに説得力がある。この企画を考えた人に敬意を覚える。▼といいながら、この数字に、全く別の感想も抱いた。つまり、意図とは逆かも知れないが、決して小さい数字ではないと思ったのだ。地震があり、大雪が続き、かなりの過疎地なのに、これだけの人が、礼拝を、教会を守り続けている。▼奥羽の水沢教会も過疎地にある。会堂再建事業は順調とは言えないと聞く。▼数字が大きいか小さいかはともかく、……