【4622号】伝道のともしび

先達の祈りを引き継いで

宍喰教会牧師 畠澤 美雄

宍喰教会が立てられている海陽町は昨年三月に宍喰町、海部町、海南町の三つの町が合併して誕生致しました。徳島県の最南端に位置しており、県境である水床トンネルを抜けると高知県となります。海岸線は太平洋を臨み、漁業と農業が中心の自然豊かな町です。
宍喰教会の特徴の一つは町の人々からの呼ばれ方です。町の人々は宍喰教会とは呼びません。ただ「キリスト」と呼びます。付属の保育所も「キリストの保育所」、牧師も「キリストの先生」です。町の人々に「宍喰教会」は「キリスト」として広く受け入れられ、親しまれているのです。
宍喰教会がこのように町の人々に受け入れられているのは先達の地道な伝道の働きがあったからです。宍喰教会での伝道について決してはずすことができない方が浜口菊次・松子夫妻です。浜口菊次さんは大阪の教会の集会に出席した時に、説教に心を打たれ、即座に「洗礼を受けたい」と願い出たそうです。牧師は求道生活が短すぎることを理由に断りました。しかし浜口さんも譲らなかった。とうとう隣にいた牧師が見るに見かねて、取りなしをしました。「三つの約束をするなら受洗できるように頼んであげよう」。その三つというのが「聖書を毎日読むこと」「毎日祈ること」「伝道をすること」。浜口さんは、故郷の宍喰に戻ってからも、この三つの約束を守り続けたのです。
宍喰に戻られた浜口夫妻を中心に、何カ所か転々と部屋を借りて集会が続けられて行きました。午前中はパートナーの松子さんが、農家の子供たちを集めて保育し、小さな子供への伝道を行いました。夜には大人のための集会を浜口菊次さんが行いました。またこの集会には、多くのアメリカからの宣教師の方々にも協力して頂いたそうです。今も昔からの教会の人たちが懐かしそうに話すのですが、宣教師の方を招いて伝道集会を開くときには、浜口夫妻を先頭に教会の人たちが行列になり、太鼓やタンバリンをたたいて町を行進したそうです。宍喰の町だけではなくて、海部町へも海南町へも隣の高知県甲浦にも、山を越えて、賛美歌を歌い訪問して祈り、人々を集会に導いたそうです。そうした地道な伝道活動を続けた結果、この地域では教会のことを「キリスト」と呼ぶようになったのです。
さて、宍喰教会は最初の頃から、多くの宣教師、牧師たちに支えられてきましたように、その後の歴史も多くの諸教会に支えられてきました。特に二年間の無牧時代は宍喰教会の危機でありましたが、香長伝道圏の諸教会に支えられて伝道を続けることができました。そして現在に至るまで香長伝道圏の協力伝道の交わりの中で、宍喰教会は歩みを続けております。いくつか具体的に言えば、宍喰教会の伝道の働きにおいて重要な位置を占める付属の保育所は、宍喰教会だけではその働きを担うことはできません。香長伝道圏の牧師、長老、信徒が理事や監事として加わってくださり、保育所での伝道の働きを続けております。また宍喰教会も近隣の教会が行っている開拓伝道の業に教会として加わり、牧師と長老を送り出しております。このように一つの教会の伝道の業に周りの教会も加わり、協力して伝道の働きを行っているのです。「地の果てまで福音を宣べ伝えよ」と命じられた主の御言葉に従い、同じ主の御体の肢として共に地域での伝道の業を担っているのです。
宍喰教会は来年度で創立七〇年を迎えます。信仰の先達が灯した伝道のともし火を、主に助けられ、地域の教会と協力しつつ、これからも灯し続けたいと思います。

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