7月5~6日、教団会議室にて、教団救援対策本部第3回会議が開催された。
今回からは、奥羽・東北・関東の三教区の議長と教団新報主筆も陪席して議事を進めることとなった。
前回記録承認の後、第3回常議員会報告、救援対策委員会報告、「東日本大震災海外献金プロジェクト」関連報告等と続き、さらに、日本キリスト教社会事業同盟と宣教協力学校協議会における取り組みの報告がなされた。
教区報告として、奥羽教区については、邑原宗男議長が、宮古教会、新生釜石教会、千厩教会の会堂等の被害状況、大船渡教会における支援物資配布活動のほか、各教会におけるボランティア活動等について報告した。
東北教区については、高橋和人議長が、被災教会の状況のほか、東北教区被災者支援センター、教区教会救援復興委員会の活動についての報告をした。特に、福島第一原発事故が引き起こした放射能汚染による避難状況など、建物の補修といったことと……
6月28~29日の2日間にわたって第37総会期、第3回教育委員会が開催された。
東日本大震災および原発事故の深刻化は子どもを念頭においた教会教育の現場でも重大な影響を及ぼしている。それは教育委員会の議論にも深く関わってくることである。
教育委員会が毎年全国の教会に向けて依頼しているクリスマス献金の送付先について、例年であれば世界の子どもたちと、日本の子どもたちのためにということであったが、今回は東日本大震災を覚えて、特に教団の献金と一つとしていくことを前回委員会でも確認した。今回はその送付先を具体的に検討しようというところでも、岩手・宮城の状況と、放射能汚染のもとにある福島の状況とを一つのこととして考えられないなど、献金送付先の決定についても難航した。
そのような中で常議員会の救援方針に基づいて、子どもたちのために用いられるよう献金していけるようにと再度確認がなされた。また原発事故に……
常議員会2日目、7月5日の午後には、主に会計関係の議案が扱われた。
議案第16号「予算決算委員会報告の件」が承認された。兵庫教区から阪神淡路大震災救援金の残金の一部が入金されたとの報告に対し、委員会として監査等をし、残りの返金についてはっきりさせた方が良いとの意見が出された。委員会として対応することは考えていないとの応答があった。
議案第17号「監査委員報告に関する件」が承認された。総論として、景気の後退期にもかかわらず健闘していることが述べられた。
出版局会計について、税務署から、在庫と帳簿の間の不一致を指摘され、申告額に修正が発生したことを受け、在庫管理を徹底するよう述べたことが報告された。
議案第18号「2010年度教団歳入歳出予算補正に関する件」が承認された。新潟県中越沖地震救援募金の残金および阪神淡路大震災救援資金の一部が入金されたこと、またスイス・韓国三国間教会協議会が……
3教区から被災教会の状況が報告された
《東北教区》
診断あるいは方向性が出されているものを以下の3段階に分類。
①大規模補修もしくは新築を要し、支援を求める教会
いずみ愛泉(礼拝堂正面タイルの破損、集会室壁亀裂、会堂入り口階段の破損)/岩沼(礼拝堂損傷大、立ち入り禁止張り紙。特に塔部分が危険な状態)/鹿島栄光(玄関渡り廊下部分天井落下)/白石(会堂全体に亀裂。隣接塀倒壊。鐘楼より鐘が落ちて破損。牧師館、風呂場タイルが剥がれ、屋内の土壁崩落)/中村(会堂全体、塀、墓地に損傷)/福島(会堂解体撤去終了。伝道館にて礼拝)/福島新町(瓦、壁の一部崩落、損傷部分大きい。煙突部分解体終了)/郡山(牧師館屋根瓦暖炉煙突瓦崩落。建物亀裂、居住不可)/郡山細沼(石塀の崩れ、内壁落下)/常磐(礼拝堂全体に損傷)
②補修を要し、かつ支援を求める教会(検討中含)
仙台松陵/仙台北三番丁/仙台ホサナ/仙……
1日目の夕食休憩後のセッションでは、教区報告がなされた。沖縄教区を除く16教区からの出席があり、事前配布された各教区提出の資料に基づいた報告がなされた。
今回は、教区総会の議決が主な内容となるが、資料には決まった書式がなく、結果として、各教区の事柄に取り組む姿勢が垣間見えるものとなった。そこで、資料に記載された議決のみを項目別に計上して、全体の傾向を捉えることとしたい。
第一は、教勢と伝道に関する事柄である。
◎教会・伝道所廃止・解散(3教区)。
◎教会(謝儀)互助・財政(10教区)。
ほとんどの教区で危機感を持ち、教勢と伝道力の低下にどう対処するかが、財政、とりわけ互助の課題として現れ出ている。
第二は、教区の宣教理解と姿勢に関する事柄である。
◎教区宣教基本方策改定など(7教区)。
◎教区機構改正(6教区)。
独自の宣教基本方策を掲げる教区がある一方で、そのようなもの……
「救援対策委員会報告の件」と「救援対策本部報告の件」は併せて上程され、第1日目夜から2日目午前までかけて審議された。
初動対応のため地震発生翌日3月12日に設置された救援対策委員会の活動、また4月18日の臨時常議員会で設置を承認した救援対策本部の活動および決定事項が報告された。
救援対策本部長である石橋秀雄議長はじめ本部委員、担当幹事から、救援の基本方針・支援活動および企画についての説明と報告がなされた。
議論の過程で、本件は報告承認事項としてではなく、議案化して議決すべきとの意見が出された。その理由として以下2点が上げられた。
一つは教団救援対策基金ならびに運用規程設置後、最初の全教団的な救援活動であり、今後に向けても常議員会と救援対策本部との関係を明確にしておく必要があること。
なお一つは、阪神淡路大震災時の救援活動を巡って教団に混乱が生じたことを反省して、今回の活動が進めら……
伝道方策巡り、根底からの活発な議論
放射能汚染についての講演会開催
第37総会期第3回常議員会が、7月4~5日、全常議員の出席を得て開催された。要請陪席者も、沖縄を除く全教区議長または代理人が、各委員長も全員が出席した。
前回常議員会での北紀吉常議員の提案が容れられ、会議冒頭、同常議員の司式・説教で、短い礼拝が持たれた。1996年第30回教団総会で選出された小島誠志議長は、総会議事規則第1条に則り、常議員会を祈りによって始めるべく、聖書日課による聖書朗読・祈祷を導入した。礼拝によって常議員会が始められるのは、一体何時以来のことなのか、手元の教団新報にも記載がなく、内藤留幸総幹事の記憶にもない。全く初めてのことだろうと思う。
北常議員は、創世記15章1~6節に基づき、アブラハムと主との不思議な問答を、教団の現実と重ねて描き出し、『恐れるな』という言葉の背景にあるものを顕わにし、同……
4月18日の東日本大震災対策を審議する教団臨時常議員会の時、「今年は四役が手分けして、全教区の問安を致します」とお話ししました。
「教団の一致」これを崩してはなりません。今、教団は教団信仰告白で一致しています。この信仰の一致を崩してはなりません。この信仰の一致のもとに「伝道する教団の再建」ということは、わたしの悲願です。
わが日本基督教団は「主の御体なる教会」と信仰告白で告白され、「主の主権」のもとにある教会です。
この主の御体なる教会としての教団に対して「距離を置く」ということは教団にとっての大きな痛みです。
東日本大震災の被災教区の教会の痛みと苦しみも、「主の御体なる教会」としての教団の痛みであり、苦しみです。
この信仰の一致において、東日本大震災への対策と取り組みがなされなくてはならないと考えています。
救援対策本部が掲げる大震災の10億という献金目標も、この信仰の一致に……
「茹でガエル理論」ご存じですか?
茨城YMCA総主事、水海道教会員。
鍋の中に蛙を入れて、じわじわと温度を高くしていくと蛙は、鍋から出て行くチャンスを逃し、茹だってしまう。常に、身の周りの変化に敏感でなければならないという教訓、「茹でガエル理論」。仕事にたずさわる中で、繰り返し思い起こす。教会もキリスト教主義の活動も、自らが置かれている世で起っていることに気がつかないでいると茹だってしまう。
70年代、新聞でYMCAホテルの募集を見つけて就職した。職場の人間関係に悩み、松戸教会に通い洗礼を受けた。それ以来、教会とYMCAの活動に身を献げている。茨城YMCAに設立の時から関わり、現在、総主事として務める。全国から多くの人が集まるつくば研究学園都市で、細々と、しかし、着実に活動を続けている。「20万人の都市であるつくばにキリスト教の保育施設が十分に整っていないことは、キリスト……
011年平和聖日
日本基督教団 総会議長 石橋秀雄
在日大韓基督教会総会長 崔栄信
死者・行方不明者を合わせて2万人以上を出した未曾有の災害である東日本大震災は、私たち日本に住むすべての人々に大きな痛みと苦しみをもたらしました。特に、東北から関東にかけての約500キロにわたる沿岸部を飲み込み、人間の生活の営みを無残に破壊し尽くした津波は、恐るべき自然の力に対する畏怖の念と、そこに暮らす私たちに人間の弱さとはかなさをあらためて悟らせました。このような悲劇の中で、私たち日本にあるキリスト者たちは、私たちの人生に与えられた「故なき患難」の意味を苦しみながら探しつつ、今大きな痛みの中にある人々と共にその痛みを分かちあいながら、それでもなお望みを持って復興への道を歩み始めています。なぜなら、「ひとり子の十字架の上での死」という絶望的な出来事でさえ全人類の救いへの器とされた神は、この絶望をも……