「賽の河原」を越えて行く橋
「何を見に出て行ったのか」(マタイ11・7)。いま、現代の日本全土にこの言葉が響き渡る。今までは救いを必要としない時代であったのか。人間の実相が隠蔽されていたのか。軽い、生き方が軽い。何もかも軽い。そこに突然、「地の基ふるい動く」、眼の前に広がるのはなんという崩壊であることか。なんと戦後日本は軽く壊れやすかったことか。仏教学者山折哲雄氏は、故郷東北を訪ね、荒涼惨憺たるむき出しの光景に圧倒されてこう言った、「賽の河原だ!」。それでは、ただ無常を受けいれ耐えるのみか。「あきらめ」が所詮大事ということか。
「何を見に出て行ったのか」
「賽の河原」という言葉が、突然思い出させた。 ある年わたしはスイスのバーゼルに居た、バーゼル美術館で、ルターと同時代の画家ホルバインの描いた『墓の中に横たわるキリスト』がある、それを見に「出て行った」。二度も見に行き、……
『地域の人々の救いに仕える教会の再建をめざして』
これは日本基督教団東日本大震災救援対策本部の“テーマ”です。ここには、このたびの大地震・津波や原子力発電所事故による放射能の被害をうけた教会やその地域の人々を支援しようとする教団の基本的姿勢とその活動の方向性が明示されています。
3月11日の大地震が起った次の日に、教団は直ちに緊急救援対策委員会を総幹事のもとに設置し、活動を始めました。被災状況を正確に把握するために調査チームを数次にわたって派遣し、全国諸教会に緊急救援募金を呼びかけ、広報活動も開始して、既に3ヶ月が経過しました。その間、各被災教区に1千万円を初動活動資金として送金し、更に教団として本格的救援活動を担う“救援対策本部”を立ち上げ、本部長に石橋秀雄総会議長が就任、広範囲にわたる支援が精力的に、継続的に展開されています。その主な事柄はテーマに添った募金大綱を作成し、国内向けに……
1974年千葉県出身。西千葉教会員。
いわゆる、母親のお腹の中にいたときから教会にいたという教会育ちである。祖父母と両親の信仰を17歳で継承し、今に至っている。生まれてこれまで日曜日の礼拝を休んだのは十数回、はっきり言って変人ですとあっけらかんと笑い飛ばす。ただ、教会だけが自分の居場所、というわけではなかったと言う。教会以外にも居場所はあり、いろいろな遊びも経験した。しかし、一見遊び人のような自分が礼拝を捧げていることが、お洒落で格好良いと思っていた。それが礼拝生活の原動力だったと振り返る。現在の仕事は保育士。この務めに落ち着いて8年目。「社会福祉法人そのえだ」が運営する保育園で働いている。もともとキリスト教主義に根ざした法人であるが、現在の職場は、公立の施設の民間委託に応える形で立ち上げられた保育園であり、キリスト教を前面に押し出すことが困難な状況にある。キリスト者の職員もただ一人……
茨城県の被害は、東北、奥羽の各県に比べ、軽微に見える。しかし、地震による、液状化現象、土地の陥没をはじめ、教会堂、信徒の住まいの損傷等、困難な状況を抱えている。大きさの差はあれ、ほとんどの教会に何らかの被害が出ている状況である。
また、地区には、幼稚園、保育園を併設する教会が多く、園舎の補修が課題となっている。中には5千万円規模の補修が必要な教会もある。
紙面の都合上、記者が訪問した2教会、建物の被害が激しい水戸中央教会と、もっとも震源地に近い日立教会の、被害及び地震後の取り組みに絞って紹介したい。
水戸中央教会は、山本隆久教師、山本英美子教師が牧会する。会堂、牧師館が一体の建物は、いたる所にひびが入り、「危険建物」と診断された。主日礼拝は、比較的損傷が軽微であった礼拝堂部分を用いているが、週日の集会は、教会近くの空き店舗を借りて行っている。牧師館部分の損傷も激しく、教会の隣にあるマ……
この度の東日本大震災の被災地域は非常に広範囲にわたっている。これまであまり報告されなかった千葉支区の教会の被災状況を、ここに報告させていただく。
東京教区千葉支区には、62の教会・伝道所が連なっている。4月25日に開催された支区総会にて配布された支区総会資料の中で、支区内各教会・伝道所の震災報告がされたのだが、震災報告をした57の教会・伝道所の中で「特に異常無し」と報告をしたのは、37の教会・伝道所であった。つまり、20の教会・伝道所が、軽微なものも含めて何らかの対処が必要な被害を受けたことを報告したということなのである。これが、千葉支区の教会・伝道所の大まかな被災状況である。
中でも特に被害が大きい教会・伝道所をここに列記させていただき、全国の教会・伝道所の皆さんに祈りの課題に加えていただきたい。
今回の震災で、千葉支区の中で一番被害が大きかったのが、北総分区に連なる安食教会である……
ボリビア・サンタクルス ボリビア福音メソジスト教会ラ・グロリア教会主任牧師
◎資格 日本基督教団正教師
◎締め切り 2011年8月31日(水)必着
◎選考 書類と9月16日(金)の面接にて決定
◎資料請求 世界宣教部 電話03-3202-0544
草村 美(とみ)氏(高円寺教会主任担任教師)
11年5月11日、逝去。94歳。東京都(府)に生まれる。'42年新公同神学院卒業、'43年杉並教会に赴任、後に高円寺のぞみ伝道所を開拓伝道、'48年高円寺教会設立、牧会した。遺族は娘・林美幸さん。
原 義雄氏(隠退教師)
11年5月19日、逝去。89歳。東京都に生まれる。'80年日本聖書神学校を卒業、同年阿佐ヶ谷教会に赴任、'96年まで牧会し、隠退した。遺族は妻・原ふみ子さん。
5月16日に第37総会期第2回宣教研究所委員会が開催された。今回は日帰りで設定され、一日の委員会を宣教基礎理論策定に集中した。
宣教基礎理論策定については第35総会期の委員会において発議され検討に入ったものの、第36総会期の委員会は「信仰の手引き」の作成に集中したために中断していたものである。
今期の新しい委員会は第35総会期委員会がまとめた「宣教基礎理論作成のための共通理解」を踏まえつつ、各委員があらかじめ考えてきたところの「宣教」についてその骨子を発表した。
今回の発表に当たっては聖書に根拠を置くことを共通課題としたものの、一人ひとりの構造や組み立てに違いがあったため、それらをただちに一つにまとめるまでには至らなかった。
ただ重要なこととしては、宣教の内容については考え方が同じであることを確認することができ、互いの共通基盤を設けるところまで作業を進めることができ、今後の作業に希……
2月21日~22日、第37総会期第1回社会委員会が開催された。
招集者司式による開会礼拝を行い、礼拝後自己紹介、議事日程を確認した。その後、委員会組織を行い、結果、委員長に釜土達雄、書記に上森俊明を選任した。
続いて担当幹事及び担当職員より(a)業務報告、(b)会計報告、(c)常議員会報告について報告を受け、続いて(d)前期委員会よりの申し送り事項を確認し協議に入った。
主な協議事項は、次の通りである。
今期委員会の方針及び計画は、前期委員会の評価と展望を確認しながら協議を行った。これを踏まえて、社会活動基本方針が取り扱われてきた経緯を踏まえながら丁寧な作業を進めていくこと、社会福祉事業団体との協力をより深めていくこと、救援対策基金設置に関わる社会委員会の位置づけについて、協議を行っていくこととした。基地問題、裁判員制度と死刑制度など、命の問題を課題としていくことも確認された。また……
4月18日(月)~19日(火)、教団B会議室にて、第37総会期第2回伝道方策検討委員会が開催された。
1日目、「幼稚園・保育園を持つ教会の課題について~能登半島、石川県、そして富山県での経験から~」と題して釜土達雄牧師(七尾教会・七尾幼稚園園長)が講演。幼稚園と保育園の違い、教育と福祉の違い、認可や運営システムの違いなどの基本的な事柄、更には教育の自由と独立、保育園の種類、認定こども園について、行政の幼保一元化と幼保一体化への変遷など、幼稚園・保育園が直面している課題が説明された。教会関係幼稚園や保育園の存在と働きは、日本における伝道の「土作り」であると講演は締めくくられた。
2日目、講演を受け教団として具体的にすべきことは何かを協議。幼稚園・保育園の責任を担う教職のスキルアップのための研修の継続的実施、相談窓口の設置、更に乳幼児教育についての研究会、全国幼稚園連合会などの教団における……