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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

教団新報:一覧

【4876号】伝道のともしび 小さな群れが、ささやかな「接点」に 荒井 偉作

2018年2月17日
 名取市は仙台の南隣、太平洋に面する町です。かつては田畑が広がる農漁業の町でしたが、子育て世代を中心に人口が流入し、現在は大型の商業施設や新興住宅地が増えつつあります。名取教会は駅近くの住宅街に建つ、町の中心部で唯一のキリスト教会です。  故・小田忠夫先生(東北学院)が自宅の敷地の一部を提供くださり、1983年に仙台長町教会の名取伝道所としてスタート、2009年には第2種教会に。昨年初めて教会員ベビーが誕生したばかりの若い教会です。  また教会の長老会は牧師を含め全員が農家出身または農業経験者ゆえ牧歌的にして開拓精神旺盛な教会形成をしています。  2011年3月11日、激しい揺れの後に津波がこの町の沿岸部にも幾度となく押し寄せました。沿岸部の住宅地は真っ黒な津波に飲み込まれ、海岸から最遠部では約5キロの地点まで海水が到達しました。  名取教会も教会員と会友の4名もの……

【4876号】ブリュッセル・ケルン日本語教会報告

 2018年1月12日から19日にかけて、ベルギー・ブリュッセルとドイツ・ケルン、デュッセルドルフに出張した。  ブルュッセル日本語プロテスタント教会に2017年4月から赴任している川上真咲、川上寧宣教師の訪問と礼拝説教の担当は勿論のことであるが、今回は、受入れ団体であるBEM(ベルギー福音宣教会)の「evalu- ation」(評価)が加わった。  「evaluation」という言葉には重たい響きがあるかも知れないが、実際は丁寧なヒヤリングであった。  BEMは、主にイギリス人がベルギー人に福音を伝え教会を生み出す熱い宣教団体である。フランス語を習得し、外国人であるベルギー人に福音を伝える困難と孤独、そして喜びを知っている。だからこそ、川上真咲・寧宣教師と共に喜びと苦労を分かち合うために「evaluation」は行われ、私も参加が求められた。  質問であるが「宣教……

【4876号】人ひととき 林 和子さん 全国教会婦人会連合 ~御言葉の実践の場として~

 義母は、長く全国教会婦人会連合の働きの中心を担った林敏子さん。和子さんのもともとの出身はルーテル教会。結婚後初めて教団の教会を知り、気付いたときには婦人会連合の働きに加えられており、義母がどのような人であったのかを、徐々に知らされることになる。  生まれは広島の江田島。終戦後、家族で静岡に。母親のお花の先生の紹介で、小学5年生の時に、近所のルーテル教会に導かれ、高校2年生の終わりに洗礼を受ける。洗礼の準備段階で、ルターの小教理問答を叩き込まれたことが、現在の信仰の土台となっている。  青山学院大学入学と同時に上京、東京でもルーテル教会に出席し続ける。静岡に戻り就職、静岡英和の教諭としてしばらく働き、その後結婚し、同時に教団の教会での信仰生活がスタートした。  教団の教会での信仰生活の始まりは、婦人会連合での歩みのスタートをも意味していた。義母の勧めもあり、海外のクリスチ……

【4876号】ウチは放牧だから

 前回のこの欄で紹介した、秋南教会(秋田県)の瀬谷重治牧師の忘れられない言葉がある。  瀬谷牧師には、私が神学校に行く前から、地区の青年会などで指導いただいていた。神学校を卒業し、当時もたれていた秋田県牧師会の時に、私が、「この広大な地域で伝道をしていて、先生はどのように信徒の方たちの牧会をしているんですか?」と聞いた。秋田県の半分から3分の2ほどの広い地域で、今も続く「伝道圏伝道」を展開し、瀬谷牧師は各拠点を巡回(サーキット)し、信徒宅に泊まるなどして集会をもっていたのである。  私の質問に、瀬谷牧師は間髪入れずに、「ウチは放牧だから」と言って豪快に笑ったのである。「放牧…!?」と、一瞬言葉が出なかったことを覚えている。  瀬谷牧師独特のユーモアのある表現ではあるが、「放牧」とは、牧会をしないでほったらかしにしているということではなく、まず、信徒を信頼しているということ……

【4875号】新春メッセージ 崩れの極限から新しい世界の創造 石橋秀雄

2018年1月27日
見よ、わたしは新しい天と新しい地を創造する。初めからのことを思い起こす者はない。それはだれの心にも上ることはない。代々とこしえに喜び楽しみ、喜び躍れ。わたしは創造する。見よ、わたしはエルサレムを喜び躍るものとして/その民を喜び楽しむものとして、創造する。わたしはエルサレムを喜びとし/わたしの民を楽しみとする。泣く声、叫ぶ声は、再びその中に響くことがない。そこには、もはや若死にする者も/年老いて長寿を満たさない者もなくなる。百歳で死ぬ者は若者とされ/百歳に達しない者は呪われた者とされる。彼らは家を建てて住み/ぶどうを植えてその実を食べる。彼らが建てたものに他国人が住むことはなく/彼らが植えたものを/他国人が食べることもない。わたしの民の一生は木の一生のようになり/わたしに選ばれた者らは/彼らの手の業にまさって長らえる。彼らは無駄に労することなく/生まれた子を死の恐怖に渡すこともない。彼らは、……

【4875号】熊本・大分地震被災教会のクリスマス

主が建てられた教会を信じる 別府不老町教会  熊本地震によって被災した緒教会の復興のために祈り、支えくださり、心より感謝する。主の憐れみと皆様の支援がなければ、復興の道筋は到底見出すことができないものだった。改めて、祈られ、支えられている幸いと喜びを心に刻むものである。  震災以後、別府不老町教会は礼拝堂が使用できなくなり、礼拝堂の建て直しを決議して歩んできた。しかし、以前に行った建築の借入金も完済しておらず、資金の目途がまったく立っていないなかで、計画を進めることになった。日々不安や恐れとの戦いがあり、「神を信頼するか」、「主が建てられた教会を信じるか」が大きく問われることとなった。  資金が足りなかったときのための資金繰りに頭を悩ませていたが、主なる神と主の教会は私たちの信頼に応えてくださった。  九州教区の執行部、教団の会堂等復興支援委員会、教団伝道委員会が祈りを……

【4875号】教区議長会議 教区議長が集い日本伝道について話し合う

 12月11~12日、ハートピア熱海にて、今総会期第2回目の教区議長会議を開催した。出席者は、教団三役・16教区議長(沖縄教区議長は欠席)で、教団伝道対策検討委員3名、予算決算委員長、教団幹事4名が陪席した。  これは、6月の第1回教区議長会議に続き、各教区での伝道の取組みを互いに聞き合い、それぞれの現状と課題を共有することを目的として開催したものである。  開会礼拝(石橋秀雄議長)の後、伝道対策検討委員会報告として、同委員会の検討内容について雲然俊美書記、同委員会が設置した教団機構・財政検討小委員会での検討内容について同小委員会の小西望書記が報告した。報告の後、教団における信仰の一致とは何か、伝道対策検討委員会で審議している伝道の概念とは何か、小規模教会に対してどのような支援をしようとしているのか等々の協議をした。  その後、1日目の夜まで、各教区からの報告の時間をもっ……

【4875号】信仰職制委員会 「式文」改訂について協議

 第3回信仰職制委員会が、12月4~5日に教団会議室にて開催された。武田真治書記欠席のため、田邊由紀夫委員が書記を代行した。  今回、当委員会に対して答申を求められた諮問はなかったが、道家紀一担当幹事から、「キリスト教教育主事の関係施設における位置・処遇について」と「在外教師の教区名簿の登録について」の問い合わせがあり、協議の上、委員会としての見解を答えた。  続いて以下の研究課題に取り組んだ。  ⑴「『現行教規、諸規則』の問題点について」—藤盛勇紀委員長より発題があり協議した。石橋秀雄教団議長に報告し、今後の取り扱いについて検討してもらうことにした。  ⑵「式文改訂について」—この件を検討する前提として、『式文』(試用版Ⅰ、Ⅱ)の作成に携わった岡本知之前信仰職制委員会委員長に同席してもらい、試用版『礼拝式文』作成の経緯と教団における礼拝指針の位置づけについて、詳し……

【4875号】教区議長コラム 北海教区 「連帯」の宣教的意義

 北海教区の教会・伝道所の半数以上が会員数30名以下の「小規模教会」である。いずれも高齢化、会員減、若年層の不在、財政難に悩んでいる。  しかし、教会が立つ街もまた高齢化、少子化、人口減、経済不振といった課題を抱えている。教会は、地域の課題を共に負って悩んでいるのだ。隣人と共に担う苦難を恥じることはない。胸をはって苦しもう。  苦悩する地域に教会が証しできるメッセージは、「神は共におられる」ということだ。私たちは決して見捨てられてはいない。孤独ではない。孤立していない。ひとりではない。共におられる方がいる。そして共に生き、悩み、重荷と困難を分ちあう交わりがある。北海教区の諸教会がつちかってきた「連帯」の宣教的意義がそこにある。  北海教区は長年にわたり「教職謝儀保障」を充実させて地方小規模教会にも牧師が定住できるよう祈り支えてきた。ところが近年はそれでも牧師招聘が困難で牧……

【4875号】クリスチャントゥデイなど張在亨牧師グループに関する声明

 日本基督教団は2008年6月、議長声明において、クリスチャントゥデイに対する疑惑が解消されるまで、クリスチャントゥデイと一切の関係を持たないことを宣言した。  2008年4月に、クリスチャントゥデイは、疑惑を指摘したキリスト教教職者を名誉毀損で提訴した。この民事訴訟の2013年11月判決において、この教職者の表現の一部に適切でない部分があったとされる一方で、クリスチャントゥデイを含む多数の関連団体・教会が張在亨牧師の影響下にある一体的なものであったことが明らかにされた。  そして今年、かつて同グループ内において、張在亨牧師は来臨のキリストであるとの信仰に誘導する聖書講義が行われていた事実や、団体・教会の活動を維持するため、メンバーが消費者金融から借り入れをするように仕向けられたり、人事指示を受けて過酷な集団生活や無償労働をさせられていた事実などについて、複数の脱会者から証言を……
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