第七回「新潟県中越地震」被災教会会堂等再建支援委員会が、関東教区の要請を受け、被災教会の一つ長岡教会で開かれた。
一月三〇日(月)長岡駅へ一時に集合。二時より長岡教会での被災五教会連絡会議に、当再建支援委員会のメンバーも出席させていただいた。
この冬の大雪で屋根に新たな被害が出ていること、積雪で崩壊の恐れがあるため付属施設で礼拝を守っている、などの報告と共に再建という大きな事業への不安も窺い知ることとなった。そのような中で、十日町教会牧師館は解体・撤去を終え、再建計画を進めている。また見附教会は、液状化により地盤崩壊を起している現在地に代わる土地を取得したとの嬉しい報告があった。しかし、主任教師である和泉啓三牧師は体調不良のため長期療養中で、熊江秀一新潟地区長(新津教会)が代務をされている。資金の目処が立たないまま再建計画を考えるのは、大変不安なことであろうと拝察する。
再建支援委員……
教憲第9条検討作業委員会の小林眞委員長は、長文の委員会報告を配布し、これに基づいて以下のように委員会活動を概略した。
先ず、現行教職制度について、教団成立時の拙速さ等が原因で幾つかの課題が未整理であることは否めないとし、所謂「二種教職制度」は、教職と信徒の区別を、基本的には「聖礼典の執行の可否」におくプロテスタント教会としては本来なじまない制度だが、多少急いだ教会合同の流れではやむを得なかった措置であったと思われるという考え方を述べた。
その上で、59年に「教憲改正特別委員会」を設置して以来の、改正への努力がなされて来た経緯・歴史を概説した。
また次のように「作業委員会」の協議を総括した。
第34総会期第二回常議員会で、本委員会がこの課題を様々な角度から検討した結果、その作業推進の困難さの故に、作業継続をほぼ断念する「中問報告」を提出した。しかし常議員の意見もあり、更に検討を加え、……
二日目午前、「セクシュアル・ハラスメントの防止等に関する規則制定の件」が上程された。教会内でのセクシュアル・ハラスメントの訴えに対して、教団が相談窓口を設置して被害者の相談に応じ、必要な調査、調停を行う事、調査委員会や専門家の関与などを盛り込んだ手続規定が提出され、活発な議論の後、継続審議となった。
提案者である山北宣久議長は、提案理由で「教団としては、教団諸教会において起こることの防止および相談・苦情への窓口の設置、またセクシュアル・ハラスメントが生じた場合の迅速かつ適切な対応がとられることの準備」の必要性を訴え、議場への補足として「常議員会の中でも、この規則の制定については課題であった。今まで教団は後手に回ってきた。教団で負いきれないところを教区なども関わってくれていたことに感謝する。今回の規定の作成については、すでに規則がある学校や専門家の意見も聞いた。組織的にどう責任をとるか。形……
二日目午後、合同のとらえなおし関連の議案が一括上程された。
今回も、沖縄教区との関係回復に向けた状況は相変わらず厳しいことが認識され、これを何とか打開したいとの思いから一つの提案が常議員から出され議論が交わされたが、具体的な実りには至らなかった。
まず山北宣久議長が、七月三一日付で山里勝一沖縄教区議長にあてた書簡を朗読した。書簡の趣旨は次のような内容だった。「二月一三、一四日の常議員会が招集されています。今回も、沖縄教区との関係をめぐって討議され祈りを合わせることが中心となろうかと思います。教団と距離を置くという姿勢が続いていること、そうした現実をもたらせてしまっていることについて痛みを覚えております。しかしそれ故にこそご出席下さり、今思っていることをお話しいただきたいと切望する次第です。教団総会議長個人としても訪問する用意が常にありますので、会見をご一考下さい。新しい主の年二〇〇六年……
日程二日目に入り、「阪神大震災救援募金(第一次募金)終了に関する件」が山北宣久議長より提案された。
議案は「第一次募金を終了する。募金残金四、三三一、〇一二円は『新潟県中越地震』被災教会会堂等再建支援募金に繰り入れる。『地震・教団』の残部は廃棄処分とする」。
提案理由を要約すると次の通りである。
第29総会期第一回常議員会において「募金については三役会で決めた」ことに基づいて「教会・地域のために一億五千万円」と議決した。第30総会期に口座を閉じることが決められたが、その一方で、送金されてきたものは受け入れるとされ、事実上今日まで継続されてきている。
第一次募金の総額は約二億八千万円になる。常議員会は第32総会期に最終監査を行ったが、常議員会が監査を行ったのは九七年度分からであり、九五、九六年度の約二億五千万円については監査が行われていない。
阪神淡路大震災は、その被害を前にして、……
第34総会期第四回常議員会は、二月一三日午後一時三〇分から二日間、教団会議室で開会時三〇人中二九人が出席して開催された。
総幹事報告で竹前昇総幹事は、兵庫教区から阪神大震災救援第二次募金の会計報告(05年9月末現在)を受領したことを報告し、「収入合計一億四、九二四万円余。貸出金一億一一八万円、現預金四、〇八四万円余(返済分)。個人貸付返済完了三八名、返済中四五名、死去四名。教会貸付返済教会九、返済中一五教会」となっていることを明らかにした。 これに対し、「常議員会の議決により集めた募金であり、返済分は教区にではなく、教団に戻すべき」「兵庫教区は貸付に当たって契約書を交わすべきだった」「貸付金は何年で完済予定なのか。死去者への請求はどうなるか」「常議員会で給付の意見が大勢であった中で、当時の兵庫教区議長が貸付を主張して決まった経緯がある」「総幹事は緊急事態に陣頭指揮をするのであり、常時指揮……
教団の根幹に関わる議論
今常議員会で協議された案件の大半は、過去三回の常議員会は勿論、前総会期更にそれ以前の総会期から継続的に取り扱われてきた事柄である。時間をかけてきた分進展し解決或いは解消の方向に向かっている、とまでは言えないかも知れない。しかし、従来に比べて議論が深められ、対立点が明確になって来たようにも見える。少しずつであっても、積み重ね、時には更地に戻し、これが教団の未来を築くための基礎を固める業になるようにと祈るのみ。所謂「沖縄教区との関係回復」の課題も同様で、秋の教団総会開催を見据えるならば時間的リミットがあるが、焦らずに真の解決をこそ願う。
もう三〇年以上も早朝から教団の正常化のために祈りつづけていてくれるグループがある。朝祷会である。毎日、毎日、日本のどこかで教団のために祈っていてくれる朝祷会の存在、これは大きな恵み、そして励ましに他ならない。
信徒運動の一つとしての朝祷会。その祈りの執成しに教職は謙虚にせられ、その熱き祈りに応えていかねばならぬ。
来年で朝祷会誕生五〇年。その八割近くの時を教団が正しく機能を回復し、本来的使命に立ち帰るために割いていてくれている。
その朝祷会全国連合年頭集会が一月二〇日~二一日、東京虎ノ門パストラルと東京カテドラルで開催された。今年で第35回を数えるとのこと。
「平和と一致を願う祈り」という主題に沿って開会礼拝にて「屠られた小羊」と題し、ヨハネ黙示録五章11~14をもとに説教させていただいた。
この会でも教団のため熱き祈りを捧げて下さり感謝至極である。
折からキリスト教一致祈祷週……
礼拝で養われた奉仕のフットワーク
「朝まだきチラシ束ねて足早に十五軒巡れりと水飲みつの妻」これは、県議会議員を務めた今は天にあるお連れ合いが詠まれた歌である。
毎月第四木曜日に家庭集会を開いている。その都度、週報に家庭集会の案内が記されているので赤線を引き配って歩く。朝早く、一時間半ほど歩いては配るのである。電話をかけて案内をするより、教会の週報を見ていただきたいとの願いもある。そのお陰で健脚になったと言われる。現在では全国を歩いているかのようである。時には自分で案内書を作ることもある。配布し、声をかける。「伝道は声かけです」と熱意を語る。遡ること一九七〇年からであり、三六年続けている。
一九六二年に結婚。それは知的障害者と共に歩む始まりであった。家でもあり施設でもあるところから二分の距離に大塚平安教会があった。すぐに東京山手教会から転入する。まもなく役員となり、婦人会を立ち上げ……
●新刊から
『キリスト教礼拝・礼拝学事典』(今橋朗・竹内謙太郎・越川弘英=監修)プロテスタント、聖公会、カトリックなど日本のキリスト教界が総力を結集して完成した、日本初の本格的事典。礼拝関連の全ての分野を網羅する四〇〇余の項目は全て書き下ろし。礼拝の歴史に学び、明日の礼拝を切り拓くための最新の事典。牧師と信徒が礼拝を知るために。
*A5判・五三〇頁・特価八九二五円(本年六月末迄)
●書評再録
『キング牧師フォト・ドキュメント 私には夢がある』
アメリカの人種差別撤廃運動を指導したキング牧師の生涯をたどる写真集。三〇万枚以上の写真から選んだ決定的な三六五枚。「キングは、非暴力のガンジー哲学を米国で実現し、二〇世紀に貢献した」。七年前、インタビューしたコレッタ夫人の声がよみがえった。(朝日新聞=〇五年一二月八日)*B4判・八九二五円