七月一二日、常議員会は教師委員会から報告を受けた。
軽込昇教師委員長による四件の報告の内「教師の戒規に関する事項」に質疑が集中した。
六月一六日に執行された粟津安和教師への『戒告』について、「軽すぎるのではないか」、「係争中の案件だからと教師委員会の判断が保留されたのはなぜか」、「加害牧師との面接はあったが、被害者との面接はあったのか」等の質問が出された。
これに対し、軽込委員長から、「セクシュアル・ハラスメントはあってはならないこと」とした上で、「当該裁判が民事訴訟であったこと」、「係争中の案件に対し先に判断を下すのは、双方への荷担ないし干渉になると判断した」、「被害者と接触をとるよう努めたが、当人の健康上の理由により適わず、父親と面接を行った」との答弁がなされた。
山北宣久議長は「戒規を受けること自体が重大なことである。免職、除名といった処分だけが戒規ではない」との見解を示し、……
▼牧師の家系に生まれ、牧師を職業に選んだ男は、神の実在を信じたことは一度もない。しかし、善良で仕事熱心で、貧しい子供達への同情心に溢れている。周囲からは、優れた無欲な牧会者と評価されている。彼が聖書の記述を信じていないことを、誰も知らない。▼彼はクリスマス説教の原稿が書けずにもがく。「もともと彼は神を信じていないのだから、これは信仰の危機ではなく心の危機であり、真夜中のミサの言葉が浮かばないのは、ただ単に思いつかないだけなのだ…ジル・マゴーン『牧師館の死』、創元文庫」。▼ どんなに善良かつ優秀であっても、学問を修めていても、説教は出来ない。もしその人に信仰がなければ。確信犯的な詐欺師でもない限りは、魂の矛盾に苦しみ、自分の不信を誰かの前に告白したくなるだろう。小説の牧師は自分の家庭が非常事態に遭遇した時、その心が破綻し、崩壊していく。▼教会の営みを、神の言とこれへの信仰以外のもので補うこと……
『教団新報』今号を四五八四・八五合併号とし、四五八六号は九月十日発行とします。
総幹事 竹前 昇
「『新潟県中越地震』被災教会会堂等再建支援委員会報告」に関しては、山北宣久議長が、「『新潟県中越地震』被災教会・被災地を覚える主日制定に関する件」も併せて審議することを提案し承認された。
小橋孝一委員長は、「一億五千万円どうしても集めなければ再建は出来ないという状況が明らかになっているので、責任を感じている。関東教区も募金しているが、それぞれ勝手にしているのではなく、よく相談している。使途は明確であり、連絡しあっているので、競合ということはない。しかし、募金の現状は厳しい」と説明した。
三浦修関東教区議長は、毎月五教会を訪問していること、教会が個々に募金すると混乱が生まれること、設計士・診断士に判定してもらい対応を考慮していることなど、状況を説明し展望を述べた。
小出望社会委員長は、社会委員会で検討した募金の会計処理について報告し、「教区との話し合いで、救援活動のためと目的を定めて募……
第34総会期第二回常議員会は、七月一一~一二日、三〇人全常議員が出席して開催された。
冒頭、議事日程を巡り議論があった。『濱田辰雄教師と阿部洋治教師の正教師登録の件』について、西澤宏常議員より、「これを議案としたのは、いかにも唐突であり、教師委員会報告等との兼ね合いで疑念を持つ」という反対意見が述べられた。これに対し、山北宣久議長は、「形式が整い、時間的に間に合えば常議員提出議案は議題として取り上げている」と答えたが、後宮敬爾常議員は、「議事三五を排除する」という主旨の議事日程修正案を提案した。採決の結果、修正案は少数否決され、原案は賛成多数で可決された。
但し、この議案は他議案の審議が白熱し、全体に時間が足りなくなったために、二日目閉会間際に二六号以下の議案と共に一括上程された上、継続審議の扱いとなった。
総幹事報告を巡っては、過去数回の常議員会と同様に多くの項目について沢山の質問……
重要案件に白熱した議論
セクシュアル・ハラスメント事件を巡っての教師委員会の対応、教憲第九条の改革について、年金制度の改正案、更に新潟県中越地震、今常議員会では耳目を集める重要案件が重なった。一方で、「合同のとらえなおし」を初めとする懸案事項は、容易に解決の道が得られる問題ではなく、事柄によっては糸口が見えない状態が続いている。教団存亡の危機という声さえ聞く。常議員会の働きはますます重大であり、教団に連なる信徒・教職の祈りがここに集められることが期待される。
六月二五日開催の神奈川教区総会を最後に、全教区総会が終了。私は問安使として五教区を廻り、自分の所属教区を加えると六教区の総会に出席したことになる。
当然ながら、会場(教会・ホテルなど)の違いをはじめ、協議方法や、さらに議される課題は様々であり、そこに教区独自の姿勢が明確に示されていた。
そんな中で改めて考えさせられたことを一つだけ記したい。
それは、廻った教区総会で執行された准允式と按手礼式に使用された式文のことである。
A教区では、「口語式文」を、B教区では「新しい式文」を、C教区では自分で作成した式文を使用しておられた。確かに、「口語式文」は第一〇回教団総会で承認されてはいるものの、これを使用しなければならない、という規約(強制)はないので、何を使用するかは、執行する教区議長に委ねられている。
また、議場には准允式・按手礼式の式文を知らない議員がほとんどであるから、どの式文を……
人間を発見し、真ん中に礼拝を発見して歩む
思い立って、夫と相談して二人で「ピースボート」に乗り込んだ。フィリピンから始まり、東南アジア諸国、アフリカ、アメリカ、南アメリカ、…。南半球一周一〇二日間の船旅は、太平洋戦争の激戦地ラバウルに行き着く。
「じつは、まったくの観光目的でした」と平野さんは正直に語る。船上ではたしかに多くの学びの機会が与えられ、とくに環境問題の学習については、国内各地に行っては感じていた問題意識を持って臨んだ。しかし、もとは観光目的の旅で三ヶ月半はきつい。「ものすごく、空しくなりました」。
そこで平野さんは思いきって呼びかけた。「クリスチャンの方、集まりましょう」。四方は見渡す限りの海原、自ずと心は上を向くのか。九〇〇人の乗客の中から、一八人のクリスチャンが集まった。日本におけるキリスト者の割合の二倍だ。
礼拝が始まった。ある牧師の娘さんがお父上の説教集を持……
★新刊から
『神学と牧会カウンセリング』〈ジョン・B・カブJr.=著、柴野雅亜規=訳〉日々を生きる信徒の生活に、神学はいかに出会うのか。神学と心理学、カンセリングの統合を目指す試み。四六判・一七六頁・二五二〇円
『慰めの祈り-病むときに』〈W・バークレー=著、小塩トシ子=訳〉「入院したときに」「眠れない夜に」など、病の中にいる人の具体的場面におくる、短い祈りと、聖書の言葉。今、病にある人に、医師や看護師に。四六判・一六二頁・一六八〇円
★重版から
『傷ついた癒し人-苦悩する現代社会と牧会者』〈H・J・M・ナウエン=著、西垣二一・岸本和世=訳〉四六判・二二四頁・二〇〇〇円
六月六日から七日にかけて、四七回を数える「農村地方教会教職信徒協議会」が兵庫県加西市にある関西農村センターで、二七名の参加者を得て開催、学びと協議の時を持った。
講師は君島洋三郎先生(農村伝道神学校校長)。農伝神学校五五年の歩みを紹介しながら、熱意をもって『農』へのこだわりを語られた。営利農場廃止後も実習を重んじるゆえんを「学生たちが農業実習で土に触れ、作物の命を育む体験を大切にしている」と。卒業後の教会現場を視野に入れた懸命の取り組みに感銘を受けた。
現場からの発題Ⅰは川端諭先生(滋賀・堅田教会)による「地方教会に赴任して」。成松伝道所、宝塚福井教会、そして堅田教会での働きの中での宣教の視点を踏まえて話された。聖書を読む時、イエスが当時「罪人」と呼ばれた人々の友となられたのを受けて、現代の教会がどこまでそのイエスに近づき、迫ることが出来るかとの課題、宿題をいただいた。
発題Ⅱは小西……