日本は「唯一」の被爆国か
8月12日、広島流川教会を会場に、オンラインと併用して、第56回「敗戦の日・追悼と、平和を求める集会」が行われた。この集会は、敗戦の日に、アジア太平洋戦争で亡くなられた方々を覚えて、「西中国キリスト者遺族の会」が中心になって、追悼することから始まった。しばらくして、「追悼するだけではなく、その時代の中で平和を求める必要があるのではないか」という意見があり、現在の名称で行われるようになった。会員が高齢化、減少してからは、それまで協力していた西中国教区宣教委員会社会部が、その意思と活動を引き継いで現在に至っている。
今年度は、祈りと賛美の後、「韓国の原爆被害者を救援する市民の会」広島支部世話人、「ヒロシマを語る会」代表の豊永恵三郎さんを講師に迎え、「在外被爆者問題について」と題して、自身の支援活動や裁判資料を中心に講演をしてもらった。
諸説あるが、広島・長……
「青年担当者は何をする?」をテーマに
《教区青年担当者会》
第13回教区青年担当者会が9月4日にオンラインで開催された。テーマは「青年担当者は何をする?」。これまで「青年」に当てられてきた焦点を「青年担当者」に当てる新しい試みであった。横山ゆずり教育委員長の開会祈祷に続き、司会の藤巻朋子委員がその趣旨を説明した後、講師の大宮謙氏(青山学院大学教授・宗教部長)より「生命線はKeep Young!」と題して講演がなされた。
大宮氏はまず、自己紹介をかねて自らの教会における青年(青年会)および青年担当者時代を懐かしく振り返った後、リンカーン大統領のゲティスバーグ演説を模して「青年の青年による青年のための青年会」であることが第一であると主張し、青年が青年担当者よりも数的優位にあること、企画・運営は青年に任せ、青年担当者は「あくまで伴走に徹する」こと、そして「目標や成果を優……
日独ユースミッション2023
「赦せない私たち」を主題に
8月7〜17日に、ドイツ福音主義教会のヴィットシュトック・ルピン教区より15〜21歳のユース9名、カローラ・リッター教区監督を含むリーダー3名の計12名を日本に迎え、日独ユースミッション2023が開催された。今回は教団主催ではなく、ユースリーダー5名と共に有志実行委員会を構成し、ドイツ側のリーダーたちとズームミーティングを重ねつつ、準備を進めてきた。またホストファミリー等の協力を千葉支区と神奈川教区に依頼。ウェスレー財団、および教団のカナダ合同教会基金からは助成金をいただくことができた(協力・教団世界宣教委員会)。
このユースミッションは2002年よりスタートし、毎年開催ではないものの、交互にユースを送り出し、迎え入れ、20年以上の歴史を重ねてきた。
今回の主題は、「赦せない私たち−君はライバルのユニフォームを着られる……
お知らせ
「教団新報」今号を5005・06合併号とし、次号は10月28日に発行します。
総幹事 網中彰子
教師検定試験公告
2024年春季教師検定試験を左記の要領で行います。
一、受験要綱の申し込み
受験要綱と教団指定の願書用紙は165円切手を同封し、正教師受験志願者か補教師(A、B、Cコースの別も)受験志願者かを明記した上、封書でお申し込みください。
なお、正教師受験志願者は「教師検定規則第12条②」によるものに限ります。
二、受験願書の提出
受験願書と必要書類を整えて、受験料とともに所属教区に提出してください。
①教区締切 2023年11月13日(月)
(教区により締切が早まる場合がありますので、教区事務所に確認してください)
②教団締切 2023年12月13日(水)
(各教区から教師検定委員会に提……
確かな救いがここにある
わたしたちは、キリストと共に死んだのなら、キリストと共に生きることにもなると信じます。
(ローマの信徒への手紙6章8節)
日本基督教団総幹事 網中彰子
「誕生日までに洗礼を受けたいです!」前任地の横浜明星教会に着任して3回目の主日礼拝後に高校生が笑顔でそう申し出た。蒔かれた種が最善の時に芽吹くように、受洗者が与えられるようにと祈り続けた教会の信仰の潤いに満たされて、その一人が洗礼へと導かれたことを思い皆で喜びの時を迎えた。古い自分が主と共に死に、主と共に生きる幸いがある。
初めての死
私の母方の祖父はカトリック雪ノ下教会の神父様と交流があった。洗礼は受けていなかったが家では讃美歌の「山路こえて」を弾き語りしていた。その祖父が亡くなり戸惑う家族に神父様は「教会で葬儀をしましょう」とお声をかけてくださったそうだ。最後に棺に花を入れる時、5歳の……
【5003・04号】《宣教師からの声》多くの実を結ぶことを祈りつつ(1面)
【5003・04号】お知らせ、お詫び・訂正(1面・3面)
【5003・04号】▼部落解放センター運営委員会▲(2面)
【5003・04号】▼信仰職制委員会▲(2面)
【5003・04号】▼牧会者とその家族のための相談室委員会▲(2面)
【5003・04号】♦︎教師継続教育研修会♦(2面)
【5003・04号】日本国の軍拡に反対し、武力によらない平和構築を求める要望書(3面)
【5003・04号】教区議長コラム(3面)
【5003・04号】事務局報(3面)
【5003・04号】伝道のともしび(4面)
【5003・04号】キリスト教社会事業同盟 総会(4面)
【5003・04号】人ひととき(4面)
【5003・04号】四国全体の伝道を覚えて(4面)
……
四国教区では、自立連帯献金の充実を願い、7月を「自立連帯献金推進月間」としている。この教区の呼びかけを受け、高知教会では毎年、二つの取り組みをしている。「自立連帯献金推進」を覚える祈祷会と「四国伝道を覚える日」礼拝である。
まず「自立連帯献金推進月間」を覚える祈祷会では、自立連帯献金推進に関わる信徒の方に奨励をしていただいている。今年度は、財務部委員長にお願いした。改めて、自立連帯献金を用いて互助制度を運用することから見える今後の展望をお伝えくださり、感謝な時となった。
そして、7月の1回の礼拝を「四国伝道を覚える日」とし、これまで主として教区互助を受けている教会の牧師に説教を担当していただき、礼拝後、教会の報告をしていただいている。このことが、それぞれの教会の実際の姿に触れ、四国全体の伝道の大切さを受け止めることに繋がっているように思う。また、今後高知教会がどのように歩んでいく……
主の支えを受け止めて
大和郡山教会員
大川桓史(たけし)さん
教会付属幼稚園の教諭として働いていた母に育てられ、幼少期から教会に通っていた大川桓史さん。伝道熱心だった母に訪問伝道に連れられて行ったこともあった。自然と信仰を養われて行く一方で、心で信じていれば洗礼を受ける必要はないと思っていた。高校2年生の頃、イースター早天礼拝に向かう途上、母が語った「イエスさまも洗礼を受けたよ」との言葉に背中を押され、洗礼を受けた。
野球少年として育ち、高校ではテニスに打ち込んでいたため、受洗後はなかなか礼拝に出席できなかったという。高校卒業後は、コンプレッサーの製造を行う町工場に就職。パソコンの表計算ソフトを独自で学びつつ、製造業務の事務を整えて行った。
また、働きながら教師となるべく、大阪キリスト教短大の夜間に通った。教師になることはなかったが、この時期に最も勉強に励んだという。
……
教会とのあるべき姿を模索し
教会がキリスト教社会福祉施設とどのような関係を築けるのかという点は、多くの教会が考えていることと思うが、教団と同じ信仰に立つ社会福祉事業団体及び同分野のキリスト者の組織が日本キリスト教社会事業同盟(以下「社事同」と略)であり、教会との相互理解と協力を推進する活動がなされてきた。また教団も社事同と協力するよう「教団社会活動基本方針」(1966年)に掲げて以来、踏襲してきた。
社事同は1949年に設立され、現在、団体会員62法人・160施設、協力会員10名、個人会員10名。
社事同総会が7月7日、レンブラントホテル東京町田にて開かれた。
開会礼拝では雲然俊美教団議長が「あなたがたが与えなさい」と題してマタイ18章13〜21節の説教をされ、主よりの励ましを頂いた。
総会に先立つ研修会では、源流である教会とのあるべき姿を探るため、2講演が行われた。
……
祈り合う一つの体として
荒尾教会牧師・荒尾めぐみ幼稚園園長
佐藤 真史
荒尾教会は、一人の女性信徒・宮崎貞子が、1946年秋に自宅を開放し家庭集会を始めたことに端を発する。専従牧師がいない中で、宮崎の祈りと尽力は並々ならぬものだった(柚木麻子著『らんたん』では宮崎の人柄が垣間見える)。宮崎のヴィジョンは教会創立に留まらず、400坪の土地を取得し、1952年の荒尾めぐみ幼稚園創立にまで至った。
けれども、それからの道のりは順風満帆ではなかった。礼拝出席10名の地方教会で3年から5年で牧師は入れ替わり、炭鉱町であった荒尾自体も斜陽化していく中で、園児が集まらず苦労した。無牧の期間は特に苦しく、園児20名にも届かない時期もあった。閉園までも話し合ったというが、大切な宣教の業として幼稚園を文字通り死守していったのだ。
1970年代に入り、幼稚園は安定していったが、2000年代に入る……