長老たちと牧会をテーマに学びを続けている。学びの中の一つの講演で、全信徒の祭司性という課題はプロテスタント教会が宿題として負っている、と聞いた。福音主義的告解はいかにしてあるべきか、宗教改革500年を迎えてなお手探りだ、ということだ。▼罪の赦しがどのようにして兄弟姉妹たちに届けられるか。赦罪の言葉を聞けなくなってしまっている兄弟姉妹たちにどうしたら赦しが伝えられるか。この務めに、牧師だけでなく、長老、信徒も携わる仕方を祈り求めながら学び模索している。▼牧会ということを学びながら気付かされたことは、この課題もきわめて伝道的な課題だ、ということだ。十字架のキリストゆえの罪の赦しは、教会の外にも内にも語られ続けなくてはならない。信者にも未信者にも。▼信者は、罪の赦しを聞いた礼拝から福音を聞けなくするような喧騒に満ちた世に出てゆく。そこで赦しを覚え続けることができるように。福音を聞けないで人生を……
《教区伝道委員長会議》
9月12~13日に、教区伝道委員長会議が、新潟・東中通教会にて行われた。テーマを「福音の喜びを伝えるために~教区の伝道の現場から~」とし、17教区中15教区から16名の出席(開催地である関東教区から2名の出席)があった。
発題は、熊江秀一教師(新津教会、関東教区副議長)から「新潟地区の伝道~にいがた たがいに~」、鈴木功男氏(目白教会、教団常議員)から「東京信徒会-何を受け継ぎ、どこへ行くのか-」と題してなされた。
続いて各教区報告がなされた。今回はテーマにあるように共有する伝道の使命を確認すると共に、副題に定めたように教区による固有性を具体的に覚えることを狙った。
熊江教師の発題に触発され、各教区からの報告も置かれている地域の特性がしばしば伝えられた。鈴木氏による発題は、信徒会と関わり合いつつ、教区を超えて教団全体に影響する働きがなされ……
《全国財務委員長会議》
予算決算委員会主催により、全国財務委員長会議が9月12日と13日に、耐震改修工事を終えた教団会議室で開催された。
教団にとって教区の財政現状を知る大切な年1回の会合である。愛澤豊重予決委員長は出席への感謝を述べ、祈りをもって会議に入った。
主な議題は、①各教区の財務状況報告、②教団財務状況報告、③2017年度教団原予算案および負担金について、④「教団財政の今後」についてであった。
沖縄教区を除く各教区の報告は、都市部と地方の区別なく現住陪餐会員数の減少、兼牧教師の増加、負担金未納教会、負担金の軽減を求める教会が生じているなどであった。また、これらは教区財政に影響し、教区活動の縮小、委員会回数の削減、委員数の適正化を検討、予算案の削減、活動費10%カットの断行など、対応策を考え教区活動の維持に取組んでいる報告であった。
教団の財務状……
第6回委員会が9月13日、教団会議室にて委員5名の出席によって開催され、松井睦委員長による聖書朗読、祈祷の後、議事に入った。
宣教研究所編『陪餐問題に関する資料ガイド』(1991年)についての諸意見の整頓に関する研究プロジェクトについては、『新・陪餐問題に関する資料ガイド』(案)としてとりまとめた目次案に従い、執筆担当の箇所を決め作業に入っている。その中間報告がなされた。作業の完成にはなお一定の期間を必要とすることから、委員会として、中間報告で示された作業内容を確認し、引き続き、研究員の委嘱を含め、次期委員会に作業の継続を申し送ることとした。
「『青年伝道を考える』研究プロジェクト」については、研究員として、木下喜也(金城教会牧師)、森島豊(青山学院大学宗教主任)の両氏が委嘱され、本委員会後、教団会議室を会場に、第2回研究員会を開催する旨、報告を受けた。委員会として、今後……
第6回社会委員会が、9月26~28日に行われた。初日は沖縄でフィールドワークを行った。ひめゆりの塔、平和祈念資料館に行き、沖縄戦の悲惨な状況を学び、戦跡を見学した。
2日目は、渡嘉敷島に渡り、金城重明牧師(隠退教師)の案内で、「強制集団死」の場所を巡り、話してもらう予定であったが、台風の影響で渡航ができず、日本基督教団真和志教会を会場にして講演してもらった。金城牧師は「強制集団死」の生き残りであり、『「集団自決」を心に刻んで』の著者である。
なぜ「強制集団死」が起こったのか、その背景に明治以来の国家がほどこした皇民化教育があること、「強制集団死」の悲劇を詳細に語った。しかしその中で生き残り、戦後その苦悩の中で生きることとなった。この絶望の中でどう生きるか、その時にキリスト者の青年に出会い、キリストに導かれた。その後、神学校に進み、牧師として福音伝道と教育に仕えた。
……
第5回韓国・台湾・スイス協約合同委員会が9月15日、教団会議室を会場にして委員全員の参加をもって開催された。
報告事項では、6月7〜8日に行われた韓国3教団(大韓イエス教長老会、韓国基督教長老会、基督教大韓監理会)との協議会(在日大韓基督教会は陪席)、7月6~8日にスイスのバーゼルで開催された三国間(スイス・韓国・日本)協議会、8月13~20日に行われた日台ユースミッション、8月22~25日に台湾の嘉義で開催された台湾基督長老教会と日本基督教団との第15回教会協議会などが加藤誠世界宣教幹事により報告され承認された。
協議では、韓国3教団との協議会報告を受けて、今後の協議会の方向性と在日大韓基督教会の陪席の立場について話し合われた。韓国3教団との協議会は、宣教協約締結後数回行われたが、この20年ほどは開催されてこなかった。6月の協議会では、在日大韓基督教会から名称を「5教団……
印南眞人氏(無任所教師)
16年6月21日逝去、68歳。73年日本聖書神学校卒業。77年より宇都宮教会、宇都宮峰伝道所(現宇都宮東伝道所)を牧会。
遺族は妻・印南繁子さん。
丸尾美津保氏(別帳教師)
16年6月23日逝去、99歳。大阪府生まれ。41年ランバス女学院神学部卒業。50年より53年まで大阪聖和教会を牧会。
遺族は娘・高橋めぐみさん。
平山武秀氏(隠退教師)
16年7月31日逝去、84歳。福岡県生まれ。57年同志社大学大学院卒業。同年より燕、長崎平和記念、松山、天満、神戸多聞教会を経て06年隠退。
遺族は妻・平山博子さん。
久世 望氏(隠退教師)
16年8月28日逝去、85歳。埼玉県生まれ。58年東京神学大学大学院卒業。同年より長野県町、篠ノ井、柏、上田新参町、篠ノ井教会を経て……
はじめに
2016年、本校は創立して129周年となります。長い歴史の中で、特に太平洋戦争の時はいろいろな意味で困難な時代でした。是非この戦争前、戦争中、戦後に大きな働きをしてくださったアニー・メイ・マクラクラン先生(Annie May Mclachlan)のことについて、皆さんに知っていただきたく原稿を書かせていただきました。
1 来日から強制送還まで
マクラクラン先生は、1895(明治28)年、カナダ大平原のマニトバ州パイプストーンに生まれました。先生は教員生活をしながらも婦人ミッションに入り、トロントの神学校で学び、1924(大正13)年に来日しました。それから途中2年間(昭和4〜6年)山梨英和で働きましたが、その後ずっと静岡で生活しました。先生のキリスト教の信仰に基づくすべての人たちへの愛は、多くの人たちに信頼され、愛されました。
昭和16年になると戦争の影響が……
佐藤さんには、人に語れない空白の30年間がある。幼少期に家族から見捨てられ、暗闇の中を手さぐりで歩き、気付いた時には人生の裏道を歩いていたという。そんな中、信仰の道を歩み始めるきっかけとなったのは、一冊の聖書との出会いからだった。聖書が世界のベストセラーであると知り、興味を持ったところから、ある牧師にその気持ちを手紙で伝えると、その牧師が一冊の聖書を手に会いに来てくれた。その日から、前のめりにイエス様の教え・御言葉に傾倒していき、牧師の説教を聞き、一歩ずつ、確実に人間らしさを取戻していった。そして罪が赦され生まれ変わると知って、迷わず受洗を希望した。
洗礼式は、東日本大震災(2011年3月11日)の2週間後に予定されていた。ところがその日、牧師の身内の突然の訃報で、洗礼式が5ヵ月の延期となった。なぜこのような出来事が起きたのか、「私は神様に見放されたのか」と、洗礼式までの5ヵ月間……
全国的に代務や兼務体制の教会・伝道所が増えているということを聞くことが多くなった。実際、小規模教会では、主に財政的な困難を抱えていて専任の牧師を招くことができず、代務者を立てたり、兼牧をお願いするということがある。
代務は、主任担任教師が不在となった場合に、他の教会の牧師などがその働きを代務することであり(教規第109条)、後任教師を迎えることをもってその務めを終えることになる。それに対して兼務は、その教会の牧師として就任することになるので、礼拝・牧会・伝道の務め全般を担うことになる(教規第111条)。いずれにしても、教会の労も多く、その働きを担う教師の負担も大きい。
私自身、同じ市内の教会の兼務をしてすでに25年になる。この間、他の教会の代務者となったことも何度かある。その経験からすると、当然のことであるが、代務であれ兼務であれ、教会によって状況がそれぞれに異なっている……