時代と他者に出会い直して行く教会
柳下 明子 《日本聖書神学校教授/歴史神学》
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、「不要不急」の外出の自粛要請が始まると、地域によっては主日礼拝を会堂で行わない、または教職のみで礼拝を献げる、ということが起こりました。
カトリック教会では感染拡大を防止するのは愛の業であるとの判断で、2月末には東京大司教区では信徒の「ミサの免除」が宣言され、公開のミサは中止となりました。日本聖公会でも教区によっては「公祷」の休止を決定しました。東京教区ではその決定の後、主教の司式する聖餐式の配信を教区が始めています。これらの教派においては各個教会の個別の礼拝の状況に関わらず、司教の献げるミサや、主教の献げる聖餐式を通して教会の公同性は保たれることになります。ルター派の教会ではルターの著作から、主日礼拝は律法的に特定の場所や時間に拘束されるものではない、という共通理解……
新型コロナウイルスの感染が拡大し、人々が不安を抱いて過ごす中、度々「ウイルスは武漢の研究所が発生源で人為的なもの」との主張が聞かれた。
この件についての真実は分からないが、似たようなことはかつてもあった。地震や台風といった自然現象の際にも、限定的ではあるものの、それが人為的なものであるとの陰謀論が語られた。
想定外の事態や、真相が分からない出来事に接する時、「対立している隣人の仕業」とする受け止め方が一定の支持を得る。客観性を欠いていても、そのような主張が受け入れられる現実は、そう受け止める人々の内に、他者に対する恐れや攻撃性が潜んでいることを映し出しているのかもしれない。知識の木の実を食べたことで、互いに裁き合い、自らを守らざるを得なくなった人間の悲惨を思う。
旧約の預言者たちは、強大な敵が迫って来るという現実に直面し、敵の背後に主なる神の働きを受け止め、それを悔い改めの時として民……
第7回常議員会開催について
今回の常議員会(7月6〜7日)は、職責上の陪席者(常設委員会委員長、教区議長他)の出席は控えて頂き、常議員のみでの開催といたします。ただし、事務方および広報関係の陪席は認めます。
傍聴者は、オンラインを含めて認めません。
また、議事によって必要な場合は、その時間のみ該当する担当者の出席を要請することもあります。
総幹事 秋山 徹
秋季教師検定試験に関する公告内容の変更について
2020年度秋季教師検定試験の学科試験・面接試験を、9月15日(火)〜17日(木)大阪クリスチャンセンターで開催することを公告しました(3月28日・「教団新報」第4923号)。その後、新型コロナウイルス感染症が拡大し、秋以降どのような状況になっているのか予測することは困難です。教師検定委員会は試験方法を巡って、様々なシミュレーションを立て、検討してきました。受験志願者が様々な交通機関を用いて受験会場に集まり、一堂に会して試験を受けることは、感染リスクを伴います。何よりも受験志願者の安全を確保することを優先しなければなりません。
これらを踏まえ、教師検定委員会として、次のような決定をいたしました。今年度秋季教師検定試験の学科試験はレポートで行います(面接試験はオンラインで行う方向で検討中)。詳細は受験志願者に通知いたします。不明な点は直接、……
インターネット会議開催
新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、多くの教会はイースターやペンテコステを含む3〜5月の礼拝や集会に、集うことを制限せざるを得ない状況になった。このような状況下で、教会はどのように過ごし、キリストの体にふさわしい交わりを保ってきたか、教区の情報を交換し合い、また当面の課題を明確にし合うために、インターネット会議が6月12日に開かれた。
参加者は教団三役、沖縄教区を除く全国16教区の議長(2教区は副議長)、予算決算委員長、総幹事、幹事。教団会議室では石橋秀雄議長と秋山徹総幹事、その他の幹事が、参加者の顔が映し出されたスクリーンを前にし、各参加者はそれぞれのパソコンから参加した。
中心的な議題は、⑴各教区の教会がコロナ危機の下でどのように対応しているか、また教区総会についての報告と、そこから生じる意見や要望、⑵今年秋の教団総会の開催をどうするかについての……
0点、不合格
礼拝が終わって礼拝堂の扉の外に立って礼拝者に挨拶をしていると、わたしの説教や態度に点数をつける信徒がいる。「今日は50点、不合格」、まれに「70点、合格」と判定されることがある。彼女は元放送局のアナウンサー。「言葉がハッキリしない」、「早口」、「口が大きく開いていない」と厳しい目が向けられる。合格点をもらえるように発声練習をしてきた。コロナウイルスの影響で、自宅礼拝となった。第一礼拝をビデオで撮影し、ただちにホームページにアップ。自宅礼拝者はビデオを見ながら主礼拝の時間に一緒に礼拝をささげている。すぐ反応がある。「ビデオで石橋牧師の顔を見て涙が出た。しかし、相変わらず落ち着きがないねー」。最初の礼拝のビデオを見た。確かに落ち着きがない。5分と自分の姿を見る勇気がでなかった。次の礼拝、指をなめて讃美歌をめくった。すかさず、「指をなめて讃美歌をめくった」、この声は多かった。理由……
行く先々に主がおられた
岡田 光廣さん、岡田美保子さん
「若い時に兄を亡くし、虚無感に捕らわれている時に、ラジオから福音が流れてきて、教会に通い、受洗しました」と美保子さんはキリスト者となったきっかけを話す。光廣さんは美保子さんと知り合い、結婚する中で教会に通うようになり、後には受洗もした。しかし、国家公務員としての仕事は忙しく、「不真面目な教会員でした。洗礼も妻の信仰に従って、家庭平和のために受けたようなものでした」と光廣さんは語る。
そんな光廣さんを変えたのは次男が大学卒業後に心と体の調子を崩したことであった。ちょうど広島に転勤し、生活をしている時であった。「頑張っていた子なんです。なんでこんなことになるんだろうと思いました。見ていて苦しかったです。でも次第にわかったのは、この子にとって大事なことを神さまが病をとおして教えてくれているということでした。そして神さまは生きておられる……
逝去
麻生統一氏(隠退教師)
19年5月20日逝去、87歳。大阪府生まれ。97年関西学院大学卒業。01年より西伯法勝寺教会を牧会し14年隠退。遺族は妻・麻生妙子さん。
宇都宮佳果氏(隠退教師)
20年3月29日逝去、86歳。兵庫県生まれ。58年関西学院大学大学院卒業。同年より豊中、神戸東部教会を牧会し06年隠退。遺族は妻・宇都宮生子さん。
山田 稔氏(隠退教師)
20年4月2日逝去、91歳。石川県生まれ。60年日本聖書神学校卒業。同年より桜台、ひばりヶ丘教会を牧会し99年隠退。遺族は娘・山田道子さん。
濱邊達男氏(隠退教師)
20年4月15日逝去、87歳。神奈川県生まれ。57年青山学院大学大学院卒業。同年より荒尾、前原教会を牧会し、青山学院大学、弘前学院大学、東洋英和女学院大学に務め、茅ヶ崎堤教会を経て14年隠退。遺族は妻・濱邊敬子さん。
川原田玲子氏(無任所教師)
2……
二度と経験しないことが
西東京教区議長 願念望
主の平安とお支えをお祈りします。これを書いているときは、緊急事態宣言の真っ只中です。教区総会も5月開催を6月に延期して書面開催となりました。各教区も、書面開催が多く、厳しい状況下でさまざまに取り組んでおられることを思い、共に主の助けをお祈りいたします。
1995年1月17日、東中国教区の鳥取の教会で阪神淡路大震災を経験し、教区での炊き出しに行かせていただきながら、このようなことは二度と経験しないだろうと思いました。
青森の教会で、2011年3月11日の午後、舟のように礼拝堂が揺れる中、まもなく停電になりファンヒーターが動かず寒さに凍えました。いっぱい着込んで子どもたちと布団に潜り込んだ夜中に、携帯が鳴りました。教団総務幹事の藤盛勇紀先生からです。伺うと、奥羽教区のだれとも連絡がつかず、初めて繋がったと。あとで分かったのですが教会の転送……
当初、第3回委員会を4月20・21日に予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、日程を20日のみ、対面での会議を止め、各自が各場所からEメールを送受信する仕方で会議を行った。
宣教委員会の下に設置されている当小委員会は、「障がいを考える全国交流会」を4年ごとに主催している。今年は10月5・6日、津田望氏(社会福祉法人「のゆり会」理事長)を講師とし「発達障害の理解と対応」を主題に全国交流会を開催する。そのための準備と段取りを確認したが、新型コロナウイルスの感染状況を考慮する必要があり、6月末に開催か中止かを決定することとした。また、当委員会が担当しているホームページは、現在の体裁を継続することとした。
議事終了後、臨床心理士でもある杉本園子委員(高知教会員)を講師とし、「発達障害の理解と支援」を主題とした全国交流会に向けての学習会を持つ予定であった。しかし、今回の委員会が、新型コ……