愛知県日進市にある「愛知牧場」の周りに、南山教会を始め、愛知国際病院、アジア保健研修所(AHI)等と共に、隣接する形でシルバーホーム「まきば」(以下「まきば」と略す)が建てられています。これまで中部教区の諸教会・伝道所を中心として教団関係の皆様をはじめ、多くの方々の祈りによって歩んで来ることができたことを心より感謝しています。
「まきば」は23年前に、隠退牧師の「終の棲家」としての思いを持ちつつ、介護付き有料老人ホームとしてその歩みを始めました。有料老人ホームとしての評価はもちろん、教団のセンターが運営するホームとしても、入居されたお一人お一人に寄り添い「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(ローマの信徒への手紙12章15節・新共同訳)というキリストの教えのもとに優しさと喜びを伝え、育んでいく施設として介護サービス提供を行っており、良い評価を得ています。
「まきば」……
ローマ・カトリック教会フランシスコ教皇が、11月24日に広島平和記念公園で「平和のための集い」を、25日に東京ドームで「教皇ミサ」を行った。これらの集会に、プロテスタント教会や諸宗教の代表者も招かれた。
広島の集会では石橋秀雄教団議長も壇上で教皇からのあいさつを受け握手した。教皇はメッセージで、「被爆者は、人種や宗教、あらゆる区別を超えて、共に核兵器の脅威と非道さを世界に訴えることができる」と語ると共に、平和を口にしながら核を武器として備え用いることを容認する者の非倫理性・犯罪性を指摘した。米国の核の傘のもとに安住する日本に覚醒を促すものだった。
東京のミサには、教団関係者も多く招かれた。5万人の大会衆の歓呼の中、専用車に乗った教皇は、幼い子どもを祝福しつつ場内を一巡したのち登壇。説教では、創世記の初めと山上の説教から、神が造られた世界と命をそのままに感謝と喜びをもって受……
国立ハンセン病療養施設は全国に13か所ある。それぞれの施設にキリスト教の教会が存在する。施設利用者の減少に伴い、役割を終え、閉じていく教会もある。
そのような中、今もキリストの証しの灯を守り続けている教会がある。青森市の松丘保養園内に存する「単立・キリスト教松丘聖生会」が、その一つである。聖生会会長の神子澤悦子姉は、ご自身の生涯と重ね、聖生会の歩みを次のように振り返る。
1953年頃、園内にあった教会は聖公会一つだけで、その礼拝にはカトリック、プロテスタントの信者が混在していた。1954年にカトリックの教会堂が建てられ独立し、1956年には好善社によりプロテスタント教会の新会堂が献堂され、聖生会だけの礼拝を願い、聖公会を離れて新しい歩みを始めた。
聖公会を離れ、独立した後は、日本基督教団弘前教会の藤田恒男牧師が葬儀や洗礼式などの牧会責任を負い、青森市内の宣教師や牧……
9月半ばより台湾基督長老教会(PCT)から派遣された胡宜芳(フー・イーファン・通称ソウソウ)さんをお迎えした。教団では「受け入れ信徒宣教師」に準じるが、彼女は台湾の大学の日本語学科を卒業したばかりの若い女性。これまでI Love Taiwan Missionなどの青年交流プログラムで日本の教会青年とも交わりが深く、日本の教会の若い人との働きや交わりに加わりたいと願って、ワーキング・ホリデーを使って日本に来た。教団では主としてSCFのスタッフ会議やキャンプに加わり、来年2月の「台湾スタディー・ツアー」には中核になれると期待している。教団青年プラットフォームを活性化する働きにも加わり、1年間を過ごす予定。
教団としてこのような海外のユース・ボランティアを迎えるのは初めてである。 これを通して教団とPCTとのキリストにある連帯の絆が深まるとともに、日本の若いキリスト者にも大きな刺激を与……
和解と平和を求める日韓キリスト者の共同祈祷会
主が備えてくださった祈りの時
昨今の日韓の政治・経済・社会の関係において険しい言葉と報復のやり取りが交わされる中で、表記の集会が10月9日夕に日本キリスト教会柏木教会で開かれた。教団をはじめ、在日大韓基督教会、日本聖公会、日本福音ルーテル教会、日本バプテスト連盟、日本バプテスト同盟、日本キリスト教会、日本カトリック正義と平和協議会などによる実行委員会の主催で、予想を超える170余名の参会者によって盛大に行われた。
この集会は、去る8月11日に昨今の社会状況を憂える韓国の教会からの呼びかけで、ソウルで行われた集会の連続で、日本でもぜひこの祈りの会を開きたいとの願いを受けて開かれたもの。韓国からは20名ほどの参加者があり、同じ主を仰ぐキリスト者として、隔ての壁をご自身の血によって取り除き、和解をもたらしてくださった主イエス・キリスト……
インフラが充分に整っていないアフリカ・ケニアでもインターネットが普及し、マサイの戦士は、ソーラーパネルでスマホを充電する。ITがもたらした情報革命は、世界を一つにしたのだろうか。▼「コミュニケーションだけが進んでしまうと、根本がないだけに、悲惨な事態を招くんじゃないですか。人々の共通性をもとにした形で、安全、経済、福祉等の問題を共有していかなければならないんですよね」(緒方貞子『共に生きるということ』PHP研究所)。▼日本人女性初の国連公使となり、国連難民高等弁務官として人道支援に貢献した緒方貞子さんは、価値を一定程度共有することなしに情報だけが行き交うつながりは、人々の理解を深める一方で、分断を顕在化し、亀裂を深めるきっかけにもなり得ることを見抜いていた。今、世界では、その懸念が現実になっている。▼教団は、『信徒の友』やHPに載せられた教会を覚えて祈り、献金を送る取り組みを始めた。これ……
日本基督教団は、「天皇の退位および即位の諸行事に関する声明」を出しました。教区の取り組みとして、今号で西中国教区、大阪教区、次号で東京教区、北海教区、兵庫教区を取り上げ、報告します。
♦西中国教区♦ 学習を越える取り組みを実施
現状において天皇制の問題は二つに分けて考える必要がある。一つは、法的な問題。つまり象徴天皇制は残念ながら憲法と関連法規がある。しかし、その運用が超法規的に為されている問題である。それは違憲・違法行為であり司法が糺すべきところを政治権力に流され、まともな判断ができない。
前回の代替わり直前の88年、山口自衛官合祀拒否訴訟最高裁不当判決もその一つである。教団信徒によって提起されたその裁判支援の繋がりは、判決後も毎年開催する不当判決抗議集会を通じてあり続けている。
今回の代替わりに際しては、この繋がりを基に教区靖国天皇制問題特別……
第3回教師委員会は10月28日、神学校問安のあと、関西学院教会にて開催された。
はじめに報告事項を扱ったが、その中で「神学校日献金」の現在の経過報告がなされた。ここ数年、献金が減少する傾向にあるのに加えて、今年は神学校日が台風であったこともあり、さらに厳しい予想であることが報告された。教団の教師養成にとって大切な献金であるので、引き続き献金が満たされるように祈って待ちたい。
今回、特に重要な審議事項は、「教師継続教育研修会」と「教師検定規則第4条および第5条変更」に関する件であった。
教師の継続教育を求める声が高まる中で「教師継続教育研修会」の積極的な意義と長期継続の必要性を受け止めながらも、来年度はオリンピック開催時の混雑等を予想し、開催を見送ることにした。その間、財政的なことも踏まえ、開催場所についても検討を重ねて行くことを決めた。
「教師検定規則第4……
第14回日本基督教団部落解放全国会議㏌関東教区が10月29〜31日に大宮教会を主会場に行われた。テーマは「SAYAMAからの解放〜さらなる広がりへ〜」。全17教区より150名の出席が与えられた。
狭山事件から56年。石川一雄さんは80歳をすぎた今も無罪を訴えている。部落差別が背景にあるこの事件は、様々な新証拠の開示と科学的な鑑定によって、その無罪はますます明らかとなっている。石川さんご夫妻を迎えてのこの会議は、まずそのことを学び、再審無罪の時が一日も早く訪れることを祈り、闘う時となった。また和田献一部落解放同盟栃木県連合会執行委員長(氏家教会信徒)より部落解放運動の歴史とその表舞台でのマイノリティーについての講演を聞き、国際人権基準の視点を持って様々な人権問題に取り組んでいくことを学んだ。
二日目は部落差別問題と共に様々な人権問題を学び分かち合った。性差別を山下明子世界人……
「えきゅぷろ」をご存知だろうか。正式名はエキュメニカルプロジェクト。超教派の青年たちによる集いである。ある時カトリック教会の青年たちが「自分の教会しか知らないので他教派の青年たちと交わりを持ちたい」と願ったことから始まった。
毎回有志の青年たちが実行委員会を組織し、実にきめ細やかな準備を重ねている。実行委員会代表は仙台北教会会員で大学生の三浦洋人さんである。
三浦さんによると、カトリック教会でプロテスタントについての勉強会が始まると集った青年間で交流が生まれ、宗教改革500周年に向け教派を超えて一緒に何かしようとの機運が高まり2017年に最初の集まりがスタートした。初回は約150名の青年が参加。フェイスブックのページには開始当初の熱い思いが記されている。「クリスチャン人口1%弱のこの国で、『イエス・キリストのもとに一致しよう!』と集まった複数の教派(現時点ではカトリック教……