アフガニスタンで支援を行う医師、中村哲さんが凶弾に倒れた。現地で信頼関係を築きながら、生活の基盤を整えて行った働きは、国家による支援では実現し得ない実りをもたらしていた。▼平和を望まない人々が、敵意の渦巻いていることを示そうとしたのだろうか。よそ者の活動を嫌う民族主義的熱狂が強まっていたのだろうか。罪が生み出す「隔ての壁」を思わずにはいられない。▼その壁は、私たちの現実でもある。先進国では、年々「孤立主義」が強まっている。殺害されたのが、ジャーナリスト、あるいは宣教師だったらどうだっただろう。死を悼む声と共に、「余計なことをするな」、「外国にまで出て行って、自分の価値観を押し付けるな」と否定的な声が囁かれたかもしれない。▼多くの経典や倫理、哲学が「人にされたくないと思うことは、人にするな」と説くのに対して、主イエスは「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」と語る……
12月6日、教団会議室にて、第5回教団伝道対策検討委員会を開催した。前回記録承認後、岸俊彦教団伝道推進基本方針展開検討小委員長は、『信徒の友』に掲載している「日本伝道の推進を祈る日」の各教区からの記事について、複数の教区より、祈りに覚える教会として2教会を選ぶことは難しいとの意見が寄せられており、その場合には各教区の状況を紹介するようにお願いしていると述べた。
このことに関連して、1教区から記事そのものの提出を断る旨の意見表明が出されていることへの対応について協議したほか、献金の使途を明確にすべきであるといった意見が出された。
続いて久世そらち教団機構改定検討小委員長は、小委員会における協議の概要(機構改定の必要性、教団総会議員数・常議員数の変更、事務局・委員会の改変)、教団総会議員数の変更に伴う経費の見通し、機構図案を説明した。
これに対して、教会を会場として教……
♦東北教区♦
4教会で会堂等が被害
10月に発生した台風19号により東北教区でも各地で被害が発生した。教会の会堂等が被害を受けたのは4件。角田教会は会堂が床下浸水、雨漏りの被害を受けたことに加え、付属幼稚園の園庭に土砂が流入、園バス等が水没した。川俣教会は会堂の一部が床上浸水、敷地内に土砂が流入した。磐城教会は会堂が床下浸水、牧師館は床上15㎝の浸水被害を受けた。本宮教会は礼拝堂と隣接の幼稚園園舎が2m弱の浸水被害を受けた。また会堂は被害を受けなかったものの、仙台愛泉教会では園庭に土砂が流入、原町教会ではカーポートが破損、鹿島栄光教会、中村教会では断水が発生するなどの被害が生じた。加えて、これら被害を受けた教会を含め13の教会・附帯施設において、教会員宅や職員などの関係者宅での浸水や土砂流入の被害も多数発生したとの報告も受けている。
教区は被害報告を受け、本宮教会、磐城教会……
中部教区においては、教師謝儀に対する援助を謝儀援助のみならず、謝儀をより充実するために伝道費援助を行っている。また、教師の生活をできる限り支えることは、各教会・伝道所における伝道の要となることを教区総会ごとに確認している。その伝道費援助の半額を、毎年、教団へ伝道交付金として申請している。
教団伝道方策交付金申請は、教区独自の伝道方策、特に、各教会・伝道所の伝道活動への援助と、青年伝道活動として2017年度から開始されたバイブルキャンプへの援助に充ててきた。伝道活動への援助は、小規模教会・伝道所に対して、特別伝道集会や教会コンサートにかかる費用、チラシや講師謝礼などの伝道費に対しての援助である。
ただし、2020年度は教団財政も考慮して、教団伝道方策交付金申請をバイブルキャンプのみに絞ることを決定した。これは、青年伝道により力を入れ、福音を次の時代を担う一人でも多くの人に伝……
ギリギリでいこう!
北海教区議長 原 和人
1974年の夏の甲子園。徳島代表の池田高校が初出場を果たした。このとき登録選手は11人。これは野球の公式戦が出来るギリギリの人数である。この大会で池田高校は準優勝。「さわやかイレブン」と呼ばれ、甲子園の話題をさらった。
選手層の厚い強豪校ではなく、才能あるホームランバッターも三振を積み重ねる豪腕ピッチャーもいない。小柄でダイアモンドを駆け抜ける選手たちは大きな特徴もスター性もない。そして、誰か一人でもケガをすれば試合が出来ない。そんな池田高校が甲子園で準優勝。この事実と奇跡は全国の数多の弱小チームに夢と希望を与えた。
わたしの牧する2つの教会は、全国規模で言うと小規模教会の部類に入る。年々高齢化で礼拝出席も減少傾向で、ともすれば気持ちが後ろ向きになる。他を見ると、才能に長けた方々が沢山おられ、いろんな行事を行い、信徒も増加。それらを……
逝去
松井容子氏(隠退教師)
19年11月29日逝去、89歳。東京都生まれ。56年日本聖書神学校卒業。同年より都城城南、長崎、福岡渡辺通教会を牧会し、98年隠退。
遺族は息・松井曉郎さん。
金子 健氏(桐生東部教会担任教師)
19年11月22日逝去、81歳。茨城県生まれ。03年東京神学大学大学院卒業。同年より高知中央、桐生東部、安来、桐生東部教会を牧会。
遺族は娘・金子いづみさん。
「はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである」(マタイによる福音書25・40)。
一昨年3月東京都目黒区で当時5歳の女の子が虐待死した。継父より字の練習を命じられ、食事の制限「しつけ」と称して不適切な扱いの日常だった。
同年5月、大阪の警察署に70歳代の女性が訪れ「アルバイトをしながら、自分一人で認知症で寝たきりの夫の介護をしてきたが、4月末から食事を与えていない。もう疲れた。死んでもかまわないと思った」と話した。
最新の人口統計によると日本の総人口は1億2615万人、うち14歳以下の年少人口は1528万5000人で全人口の12・1%、65歳以上の老年人口は3580万1000人で全人口の28・4%と年少人口の倍以上となっている。少子高齢社会は、これからの日本の次世代を担う若者を心身ともに健全に育て社会に……
12月2日に行われた、四国教区本年度第3回常置委員会において、関西学院大学神学部と四国教区との間で、神学生の研修プログラムに関する協定が結ばれた。
今回の協定締結に繋がったのは、四国教区の「神学校との対話」という取り組みである。四国教区では、神学校を卒業してすぐの教師を迎える場合が少なくない。そのような形で赴任する教師を支えることが、教区の重要な役割である。そのため、神学校との対話を通し、今の神学生の状況を受け止め、地方教区の現状を伝える機会を持っている。
本年3月に、四国教区は関西学院大学神学部長中道基夫氏を招き、教会で奉仕の機会を設け、教区三役との対話の時を持ち、協議を行った。この協議の中で、関西学院大学神学部から神学生の研修プログラムを四国教区で行えないかとの提案があった。同神学部はかねてより教区等と連携して伝道者育成の実践的な機会を神学生に提供できないかと考えてお……
父は現役の教団の牧師である。大きな病が与えられてから約6年が経過し、今年度初めに牧師としての最前線から離れることになった。父の決断の前で涙を流した自分に、「信仰があるなら死を恐れる必要はない。永遠の命が与えられているから」と、父は言った。
教会育ちゆえ、信仰の世界があまりにも当たり前になっていた自分が初めて真剣に祈ったのは高校1年。ネットゲームで知り合った友人が、後遺症が残るほどの大けがをした時だった。しかし、それが信仰告白へと導いたかと言えばそうではなかった。
救いを律法主義的に捉えていた自分にとって、信仰者の道はどう考えても歩むことができない道だった。右の頬を打たれれば左の頬を出す、もちろんもっと深い意味があると思いながらも、それは無理だというのが信仰告白前の自分だった。
しかしある時、父親以外の牧師の「信仰義認」を語る説教で目が開かれた。神は人間の弱さをご存……
夏の休暇で沖縄にいたとき、「葬儀の依頼がある。セレモニーホール平塚さんに電話して」とのメールが教会の担当者から来た。「?」、平塚は妻の妹がいて両親の葬儀の司式をした。沖縄から駆けつけることは不可能。平塚に近い横浜明星教会、網中彰子牧師に依頼したら引き受けて下さった。「葬儀社に電話してくだい」とお伝えした。「感動の葬儀だった」とご遺族から感謝のメール。2週間後、委員会で網中先生から「平塚ではなく越谷だった。越谷まで葬儀に行った」と聞かされて驚いた。「セレモニーホールの平塚さん」だった。「の」を飛ばして平塚と思い込んでしまった。以後、網中先生に頭が上がらない。
頭が上がらないといえば、幼稚園の副園長にも頭が上がらない。幼稚園の仕事は丸投げだ。普段仕事をしないで幼稚園に来たら勝手な指示をすることに腹を立てまくしたてた。「石橋先生はね!3歳4歳児だ。落ち着きがない。好奇心が旺盛、遊びが大……