教会に赴任して16年目にして初めて、自ら牧師館の花壇に花を植えた。荒れ放題の状況を見かねて整えてくださっていた教会員は、「どういう風の吹き回しか」と首を傾げている。
かつて、神学校で寮生活をしていた頃、あるクラスメイトが花壇に花を植え始めたことがあった。それを見て、いたく感激していたのは、神学校の中で唯一人キリスト者ではなかった用務員の方だった。曰く「長くこの学校に勤めて来て、『教育』の内の『教える』という側面は見て来たが、初めて『育む』という側面を見た」と。
パウロは、各々が敬う指導者のもとに派閥をつくっていた教会の人々に向けて「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です」(コリ一3・6)と語った。教会において「育てる」とは即ち、神の働きを受け止め、待ちつつ励むことではないだろうか。思い起こせば、教会が誕生したのは、「高い所からの力に覆われる」のを……
伝道推進室より応援した教会・伝道所
母の介護を通して
君津伝道所牧師 髙野 茂
結婚して奥沢教会の担任教師の任期が終わり、一時横浜に賃貸マンションを借りていた頃のこと、次の任地が決まるまでの間に一人暮らしをしていた私の母に認知症を疑う行動が目立つようになりました。この報せは母が所属する洗足教会牧師からのもので、千葉県君津に住所を定めたのも、木更津にあった別宅を処分し2000年にJR君津駅の駅前に一軒家を購入して母を呼び寄せて同居せざるを得なかったことが大きかったと思います。1997年12月にアクアラインが開通し、木更津駅から羽田空港への高速バスの運行が開始されており、区役所へも通勤可能なことも決断を後押ししました。
当時の君津市は、日本製鉄の君津製鉄所が進出して、下請け企業を多数従えた企業城下町の様相を呈しており、人口も9万人を超えていました。幸いなことに木更津教会のご了解を得……
「狭山事件」新たな一歩を呼びかけ
4月15日、曹洞宗宗務庁にて、「同和問題」にとりくむ宗教教団連帯会議(「同宗連」)第45回総会が開催された。加盟64教団のうち出席は38教団、74名。来賓として部落解放同盟中央本部、「同和問題」にとりくむ宗教教団東京地区連帯会議、協賛団体として(公財)新日本宗教団体連合会、(公財)全日本仏教会、日本キリスト教協議会、都府県「同宗連」から部落解放にとりくむ長崎県宗教教団連帯会議が参加した。日本基督教団からは藤盛勇紀副議長、網中彰子総幹事、上野が出席した。曹洞宗が議長教団を務めた第22期(2023〜2024年度)では、新型コロナ以前のような活動をおこなうことができたが、委員長等の選出に困難があったことも報告された。「同宗連」は、各宗教教団から教職員が参加する以下の定例研修を毎年行っている。夏、冬の「基礎講座」、秋の「教団行政責任者研修会」、「狭山現地調査学……
日本基督教団におけるアウティング・人権侵害について
謝罪 報告および処分
日本基督教団総幹事 網中彰子
2022年5月、日本基督教団部落解放センター(日本基督教団事務局分室)において、元嘱託職員(以下、元職員)によるアウティング事件(以下、本件)が発生しました。本件発生後、部落解放センターおよび部落解放センター運営委員会内で解決のための協議を重ね、更に内部調査を行いました。しかし、結果として元職員の行為が「アウティング」であるかどうかの判断には至りませんでした。2023年4月に総幹事が交替し、この問題を総幹事預かりとし、外部の第三者機関(以下、第三者委員会)に調査を依頼し、2024年11月に調査結果が出ました。それに基づき、本件概略をここに説明申し上げます。
※第三者委員会 日本基督教団と利害関係が全くない方々によって組織されている。
〈第三者委員会設置の経緯〉
202……
教区財政をめぐる課題を検討
中部・関東・西中国
中部
能登半島地震、被災教会の現状を共有
第75回中部教区定期総会が、5月20〜21日の日程で、名古屋中央教会を会場にして開催された。開会時の議員数は、正議員190名中162名。開会礼拝では、日本基督教団信仰告白を一同で告白し、聖餐式も執行され、議場において信仰の一致が確認された。その後、3名の教師の准允式が執り行われ、議場は、新しい教師誕生の喜びを共有した。
常置委員会報告の、評価と展望の項で議長報告がなされた。報告では、能登半島地震に対する対応についてや、今後加速度的に進むであろう教勢の低下についてが強調された。特段質疑応答なく報告は承認されたが、議場から、ハラスメントに関する講習会開催の要望があった。その他「原理問題」対策委員会報告において、旧統一協会や新天地等カルトからの接触についての注意喚起がなされた。
常置委員選……
【5033号】2025年度教区総会報告 2(1-2面)
【5033号】2025年度教区総会報告 2(2、5面)
【5033号】荒野の声(1面)
【5033号】教会幼稚園・幼児施設融資金募集(1面)
【5033号】日本基督教団におけるアウティング・人権侵害について(3-4面)
【5033号】機構改定検討委員会(5面)
【5033号】事務局報(5面)
【5033号】伝道のともしび(6面)
【5033号】同宗連第45回総会(6面)
【5033号】人ひととき(6面)
【5033号】幸いなるかな (6面)……
教会幼稚園・幼児施設融資金募集
幼稚園・ 幼児施設(認定こども園・保育園等)の土地拡張、増改築、新築のため、幼稚園・幼児施設融資金2025年度分を次の要領で募集します。
◎金額 50万円~300万円
◎返済期限 5年以内
◎利子 期限内 年 0.5%
期限後 年 1.0%
2025年度は総額600万円を貸し出します。教区事務所を通して教団教育委員までお申し込み下さい。締め切りは8月31日です。
融資実施要綱、申請書は教育委員会(電話03-3202-0544)またはこちらからダウンロード。
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教団総会適正規模について検討
3月19日、第2回教団機構改定検討委員会が教団会議室で開催された。
はじめに藤掛順一委員が提出した文書「教団機構改定を第43総会第30号議決に基づいて進めるために確認すべきこと」について説明を受け、意見を交換した後、協議に入った。
今回は主として教団総会について検討した。まず直近の第43回教団総会にかかった経費等を確認し、総会にかかわる課題を検討した。
「『教団の一体性』という観点からは法定議案だけの審議ではなく実質的な議論ができることが望ましい」、「教規は、重要な課題について宣教方策会議での議論を踏まえて総会で決議されることを想定」、「議案・報告書のデジタル化の検討を」など意見を交換した。
とくに、総会議員の適正規模(議員総数)についてさまざまな意見が出された。また推薦議員の意義や必要性も議論された。さらに各教区の議員数の配分方法をめぐり……
教師逝去
笹渕昭平(隠退教師)
21年10月14日逝去、92歳。京都府生まれ。84年受允、87年受按、84年より高崎南、いずみ、石川教会を牧会し、18年隠退。遺族は妻・笹渕いづみさん。
竹村俊明(隠退教師)
25年4月9日逝去、75歳。石川県生まれ。87年東京神学大学卒業、同年より高知、香美教会、瀬戸キリスト伝道所を牧会し、09年隠退。遺族は妻・竹村眞知子さん。
輿水正人(隠退教師)
25年5月2日逝去、88歳。満州・哈爾浜生まれ。65年農村伝道神学校卒業、同年より阿久根牧会を牧会し、17年に隠退。遺族は妻・輿水路子さん。
横山義孝(隠退教師)
25年4月16日逝去、98歳。東京都生まれ。50年神戸神学院卒業、同年より浦和別所、西川口教会を牧会し、東京聖書学校に務め、東京新生教会を経て東京聖書学校に務め、16年隠退。遺族は子・横山基生さん。
野呂幸子(隠退教師)
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テニスを通して人と
紀 定子さん
紀定子さんは、小・中学生、高校生などにテニスを教えている。
ただ紀さんの思いに従って正確に言うならば、教えているのは挨拶の仕方であり、ラケットの持ち方であり、球拾いの仕方であり、個々の技術や心構えなのだ。自分が教えられるのは、それらの一つ一つでしかない。それらを総合して、「テニス」というものと向き合うことを教えているという。
この話がある会合で紹介されたとき、「説教も同じではないか」という声があがった。普段の牧会があり、釈義の仕方があり、日本語を整えることがあり、聴衆とのコミュニケーションがあり、それぞれの領域で多少の技術的なノウハウがあって、そのコツをつかむこともできよう。しかし、それらを総合してこそ「説教」になるのだ。安易に「これこれこうしたら説教がうまくなる」といったような道はないのだろう、となった。
上記の会合とは静岡説教塾だが、……