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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

教団新報:一覧

【4708号】荒野の声

2010年10月9日
▼「鏡の前で祈ることは禁じられている...中略...目というものは、神の御心に向けられるものであって、外側に向けられたり、虚飾にそそのかされたりするものではないと考えられているのだ」。ユダヤ人社会を背景にした推理小説を著し、時にその信仰生活を詳細に描き出すフェイ・ケラーマンの作品『蛇の歯』から。▼普通は目を閉じて祈るから、自分が祈る姿は見えないし、自分だけではなく、他の人のことをも見ない筈だ。しかし、実際には、目を閉じていても、他の人をも、自分をも見ている。そして、評価したり、躓いたり、裁いたりしている。更には、他人の目を鏡として自分を見、自惚れたり、落ち込んだりしている。▼鏡の前で、祈ったらどうだろう。祈りの言葉が正直になるだろうか。もっと見てくれに拘るだろうか。それとも、恥ずかしくて、祈ることが出来なくなるだろうか。▼『鏡に映った自分の姿を眺めても、立ち去ると、それがどのようであったか……

【4708号】メッセージ 救いを得させる神の力 岡村  恒

  ローマの信徒への手紙1章16~17節     福音を恥としない 「わたしは福音を恥としない」(16節)という告白が響いています。そして、〈福音こそ、神の力だ〉という力強い宣言が聞こえてきます。 〈力〉というのは、世の終わりの日に、全世界を握りしめて離さない〈神の支配〉のことです。私たち一人ひとりの命に関わる救いの根拠は、ただ神の支配そのものにある、と御言葉は語るのです。 使徒パウロが、「福音を恥としない」と語った頃、まさに福音が恥とされていました。ローマには世界中から人間の知恵や知識、技術や富が集められていました。そこでは、キリストの福音は笑いとあざけりの対象でした。パウロが語る福音は〈愚かな言葉〉だったからです。〈全知全能の神のひとり子イエスが、一人の人間になって地上を歩み、十字架に磔にされて、私たちの身代わりに神の呪いを全部引き受……

【4707号】洗礼志願を受けとめるとき

2010年9月25日
  3月で30年間牧会した教会を退任した。退任後ゆっくりしようと思っていたが、他の教会より代務者を依頼された。4月から半年間の約束である。 代務に就任してまもなく、洗礼志願をいただく。 30年前に前任の教会に赴任し、最初の礼拝が終わった時、一人の姉妹が受洗を申し出られた。同姉の信仰を受けとめつつも、同姉については何も分からない。役員会で協議し、クリスマス礼拝にて洗礼式を執行することにしたのである。それまで4ヵ月ある。 代務者になって、同じように早々と洗礼志願をいただいた時、前任の経験がよぎった。半年経てば後任の牧師が就任する。その時まで待ってもらってもよいのではないかと思ったのである。しかし、そのようにお答えする前に、役員会にかけることもなく、洗礼志願を受けとめたのである。 洗礼志願を申し出られたのは女性の教会員であり、お連れ合いの受洗である。末期の……

【4707号】人ひととき 深山 祐さん

  教団教誨師会会長に就任 深山祐さんは1985年、91歳で教誨師を退いた父の故佐太郎牧師の後を受けて、府中刑務所の教誨師に就任した。 以来教誨師25年間、今や父親の教誨師20年を上回り、近年、立川拘置所の教誨師も務めている。 府中刑務所は、受刑者3、000人と受刑者数では日本最大の刑務所だが、近年、目立つのは、「高齢化と再犯者の多いこと」だという。「再犯者が多いのは、教誨の力が足りないのではないかと、いろいろ考えさせられる」と深山さんはいうが、月1・2回、1回45分ほどの教誨では、時間的制約があるだけでなく、集合教誨、個人教誨とあって、1対1で話せる時間は限られている。 「出所後に、どこの教会でもいいから、教会を訪ねて下さい」と深山さんは、教誨で語りかけているが、それを覚えていて教会を訪ねてくれた人が、「聖書が欲しい」と申し訳なさそうに話しかけて来……

【4707号】宣教師からの声 番外編

  メアリー・イザベラ・ランバス(1832~1904)の名を冠して 小見のぞみ (学校法人関西学院 聖和短期大学・宗教主事)   わたしが聖和大学のキリスト教教育学科の学生だったころ、 聖和(Holy Union)の源流となる3つの学校の創設について聞いた中で、特に印象深い話がありました。創立者の一人であるメアリー・イザベラ・ランバスが、10代の若い日に、中国宣教へのアピールがなされた集会で"わたしは、この5ドルとわたし自身を献げます"と語ったという話です。 この一途で情熱的な言葉は、120年以上経ってそれを聞いた学生であるわたしだけでなく、語られた当時、同じく中国への伝道を志していたジェームズ・ウィリアム・ランバスの心を強くうったのでしょう。彼は、それを語った女性、メアリー・イザベラ・マックリーレンとめぐり合い、1853年10月に結婚。南メソ……

【4707号】宣教委員会からのお詫び・訂正

4704・5号(8月14日発行)3面「第5回宣教委員会報告」記事中、3段目4行「その中で」から10行目までを以下のように訂正してお詫びいたします。 そこで、前担当職員で今は同宗連の事務局長に出向している職員にお願いしたが、どうしても時間がなくて進められないというので、幹事会で相談して、今アルバイトの方にテープ起こしをしてもらうという方向で進めている。

【4707号】消息

  今井 晋氏(隠退教師) 10年4月5日、逝去。87歳。京都府に生まれる。'48年京都大学を卒業、'57年准允、同年西陣教会に赴任、00年まで同教会を牧会し03年隠退した。遺族は、妻・今井美令さん。 稲垣徳子氏(隠退教師) 10年4月21日、逝去。100歳。東京都に生まれる。'35年日本神学校、'37年オーバン神学校を卒業、'39年芝教会に赴任、西荻窪教会を代務し、01年まで芝教会を牧会し、同年隠退した。遺族は、姪・大石洋子さん。 野呂芳男氏(無任所教師) 10年4月26日、逝去。84歳。東京都に生まれる。日本基督教神学専門学校、ユニオン神学校を卒業、'48年代々木山谷教会に赴任、'57年より'72年まで青山学院神学部に務めた。遺族は、妻・林昌子牧師。 渡辺玲子氏(無任所教師) 10年6月5日、逝去。76歳。愛知県に生まれる。'5……

【4707号】アメリカ派遣宣教師を訪問 第5回世界宣教委員会

  第36総会期第5回世界宣教委員会が7月9日、教団会議室で開かれた。 多くの派遣宣教師や訪問者、関連委員会の報告を承認。特に、今回、村山盛芳委員長と加藤誠幹事とがアメリカに派遣している宣教師を訪問したこと、また、任期を終えて帰国された南吉衛宣教師の、帰国報告を聞くことに多くの関心と時間を割いた。 アメリカ訪問は、6月13日~23日、ロサンゼルスやサンノゼ、サンフランシスコの宮川裕美子、西之園路子、佐原光児各宣教師とそれぞれの教会訪問のほか、サクラメントで開かれた合同メソジスト教会カリフォルニア・ネバダ部会の年会にも出席。また6月18日より、ニューヨークに移って相良昌彦、小海光各宣教師の働きを聞き、アメリカ改革教会のニューヨーク教区事務所、合同メソジスト教会の海外宣教局訪問も行った。 多忙なスケジュールであったが、それぞれの宣教師が置かれている状況を実際に……

【4707号】荒野の声

  ▼妻が包丁で指を切ったので、家事を引き受ける。厨房のことは嫌いではない。普段から、出しゃばっては妻にうるさがられている。しかし、家事全般となると話は別だ。疲れが出たのか、5日目、刺身包丁を研いでいて左手中指をスライスしてしまった。▼左手中指、最も利用頻度の低い指のようだが、とても不自由だ。痛みも勿論だが、濡らしてはならないということで、顔も満足に洗えない。何故か、パソコンは打ち間違いばかりだ。殆ど右手ばかりを使っているような気がしていたが、必ずしもそうではない。左手中指にも役割はあるのだ。10本の指に、存在価値の差などはない、皆重要なのだということを思い知らされる。▼ところで、このコラムの主題は、「体は一つでも...」ということではない。それなら、一コリント12章に、卑近な体験談を付け加える必要はない。▼大量出血しながら自分で運転して駆け込んだ病院と、そこの医者のことを……

【4707号】エキュメニカル協力奨学金、奨学生2名選考 第2回国際関係委員会

  第36総会期第2回国際関係委員会が、7月9日(金)日本基督教団会議室において委員5名中4名の出席を得て開催された。扱われた内容は概ね以下のものである。 1.報告事項 ①EMS(南西ドイツ宣教会)主催中東聖地巡礼の旅への参加者として2名を推薦し、後日EMSより2名の推薦が受理されたとの連絡を受けた。 ②6月9日(水)~12日(土)に開催されたEMS宣教会議の報告を加藤誠幹事より受けた。 教会税の収入減の影響で、EMSの次年度の予算も大幅な減少が見込まれ、それに伴い、スタッフも削減される予定である。 ③第37回総会報告書については、大津健一委員長が作成した原案を承認した。 2.協議事項 ①書記選出に関する件 中道基夫委員長のドイツでの在外研究に伴い、委員長を書記の大津健一委員に交代したため、藤吉求理子委員を書記として選任した。 ……
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