インスタグラムアイコンツイッターアイコンyoutubeアイコンメールアイコン
日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4930・31号】平和聖日メッセージ

2020年8月1日

2020年 日本基督教団・在日大韓基督教会 平和メッセージ

「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、…十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。」

(エフェソの信徒への手紙2章14、16節)

 

日本基督教団と在日大韓基督教会は、1984年に宣教協約を締結してから36年の歴史を神に導かれて歩んできました。わたしたちを結びあわせる主イエス・キリストは、十字架を通して敵意という隔ての壁を取り壊し、二つのものを一つにしてくださいました。わたしたちは、主イエス・キリストこそ和解と平和の主であることを信じ、2020年の平和メッセージを表明いたします。

 

<新型コロナウイルス感染拡大について>

新型コロナウイルス感染症が世界の脅威となり、日本においても事態が深刻化しています。今この時も、ウイルス感染による痛みや悲しみを覚えておられる方々、悩みと不安の中にある方々の上に、主なる神の慰めと平安をお祈りいたします。

新型コロナウイルス感染症によって、社会も、教会も、関係学校、関係団体も試練の中にあります。礼拝を中止せざるをえなかった教会、重症化が心配される高齢信徒の礼拝出席の自粛を求めるなど、大きな痛みの中で礼拝をささげている教会があります。また、両教会において、全国的集会や総会の中止・延期等も余儀なくされています。しかし、この大きな試練の中で「わたしの兄弟たち、いろいろな試練に出会うときは、この上ない喜びと思いなさい。」(ヤコブの手紙1章2節)との御言葉が示されました。どのような試練の中にも神の恵みに満たされて「この上ない喜び」となるとの御言葉に励まされています。すでに、教会では様々な工夫や取り組みが進められています。日本基督教団と在日大韓基督教会の全国の教会が、祈り合い、この大きな試練の中で、神の恵みを受け、喜びに満たされて礼拝をささげ、神の御栄光を現わすことができればと祈っています。

 

<外国人ヘイト問題について>

新型コロナウイルスの感染リスクに社会が脅かされる中で、外国人に対するヘイトスピーチなどの人権侵害がもたらされています。この度、外国人とかかわりのある特定の事業所に対し、「日本キリスト教団」の名を不当に用いた外国人ヘイト文書が送られたことが判明しました。理不尽な憎悪をあらわにした文書によって、どれほど深い痛みと傷がもたらされたかを思うと心が痛みます。被害に遭われた方々に慰めと癒しを切に祈ります。

わたしたちは、すべての人の命を贖うキリストへの信仰に基づき、「すべての人と平和に暮らしなさい。」(ローマの信徒への手紙12章18節)との御言葉に従って、差別のない社会が実現することを願い祈り、そのための愛による働きにあずかることを志しています。緊張と不安に満ちた今日の状況の中でこそ、社会の中で弱い立場に置かれた人々が守られ、支えられなければなりません。社会の動揺に乗じたあらゆるヘイトに反対し、この社会に生きるすべての人々の人権が守られるべきことを改めて表明します。

 

<在日外国人政策について>

新型コロナウイルス感染拡大により、各教会、学校、施設においても、この状況下での活動に苦闘しておられること、その労力の多大なことは想像に難くありません。日本に在住する外国人、移住労働者たちへの差別が顕在化していることが報じられています。「自粛」を「要請」しながら生存に必要な「保障」を出し渋り、弱くされているところにさらなる圧迫と危機を与え続けるという差別的事態が広がっています。

この状況下で特に根深い差別意識と排外的政策によって引き起こされている出来事のほんの一断片であっても、連続して共有し続け、それぞれの宣教における祈りと支援の連帯を喚起して行きたいと思います。

 

<人種差別問題について>

アメリカで白人警察官による黒人男性死亡事件が起きました。聖書には、「神は御自分にかたどって人を創造された。神にかたどって創造された。」(創世記1章27節)とあります。人種差別は、その人間の尊厳、霊的な部分を深く傷つける罪に他なりません。一日も早く、このような愚かな行為が世界から根絶されるよう、わたしたちは祈りと行動を共にして行きます。

 

わたしたちの教会は今、地球を席巻する過酷なグローバル経済の下で、激変していく社会にあって、この世に遣わされたキリストの体なる教会として、寄留者を歓待の精神で迎えながら、単にナショナルな教会ではなく、移民排斥・マイノリティ排除に抗して、寄留者が招き入れられる「神の家族」(エフェソの信徒への手紙2章19節)として改革されて行くことが求められています。それは同時に、教会自体が今から次の時代へと、頭なる主イエス・キリストによって生かされ、遣わされ、用いられる道であると考えます。

2020年8月

日本基督教団 総会議長 石橋 秀雄

在日大韓基督教会 総会長 趙 永 哲

教団新報
PageTOP
日本基督教団 
〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
Copyright (c) 2007-2024
The United Church of Christ in Japan