【4841号】礼拝確保のため

 教団事務局・出版局・年金局の一日は、礼拝から始まる。礼拝は、信徒の友「日毎の糧」の聖書を読み、その日祈る教会・伝道所の課題と共に解放センターや被災地各センターをも覚えて司会者が祈る。礼拝と相まって、わたしは当該教会宛「祈りのたより」を書いて送るのを常とするが、特に、今日の教団各教会ほど祈りの課題の切なること、願いの具体的な重みを身にしみて知らされることはない。

 各教会とも、牧師・役員はじめ信徒一人一人が互いを大切に思い合い、同志的結束の強化と主にある兄弟姉妹の支え合いをもって教会の苦境を乗り越えようとしているかには目を見張るものがある。最近ある教会の信徒が代務の牧師を心配して、「先生が遠くから来られるので交通事故に遭われませんように」との祈りがあった。多くの教区に無牧、兼牧、代務の教会が目立つ中、礼拝の確保と教会の充実のために知恵と工夫をこらす群れがある。確かに一教会の教勢を競う時代は終わっている。

 だが、自らの教会自体が少数の信徒によって成るにも拘らず、近隣の教会との共同で地域伝道に備え、連帯の実を結実させようと強い意志を持って果敢な体制を組む。此処でも互いの教会の現実への配慮や運営には心を使い合う。地域教会の共働の豊かな喜びも沸き上がるだろう。教会の戦いの目標は、「礼拝の確保」にあるのだ。
(教団総幹事 長崎哲夫)

【4839・40号】教団は伝道をどう進めて行くか 宣教方策会議開催される

 3月7日、8日、富士見町教会を会場に、宣教委員会主催・宣教方策会議が開催された。主題は「日本基督教団は伝道をどう進めて行くか」。前回の開催予定年(14年)は、東日本大震災国際会議に合流したため4年ぶり、17回目になる。教区、関係神学校、教団各委員会、宣教研究所、出版局、年金局、部落解放センター、自主活動団体、日本キリスト教社会事業同盟、宣教協力学校協議会それぞれの代表者、および教団四役、自主参加者、計83名が出席した。発題、パネルディスカッション、講演、分団、全体協議を行った。

 開会礼拝では、一ヨハネ1・1〜4をテキストとして石橋秀雄議長が御言葉を取り次いだ。「伝道が教団にて議論されることを感謝する。伝道理解の違いが一致を崩すゆえ信仰の一致による伝道協力を訴えてきた。教団信仰告白の礼拝と愛の業は一体の関係にある。しかし順序が重要。愛の業が第一の業となるなら教会が疲弊し崩れてゆくのではないか。愛の業として社会活動は尊いことだが、愛の業が第一となるなら主の御体なる教会を建てることは後退、教会にしか与えられていない命と力を失い衰退する。

 ヨハネの手紙にて命の言葉が示される。主イエスはどなたであるかを告白することで教会は建ちもし倒れもする。教会は命の言葉を知り、命に繋がる喜びの満たされるところ。命の言葉は主イエス・キリストである。教会に託された第一の使命は、共通の信仰が中心にある交わりを持つことである。御父と御子の交わりと、洗礼と聖餐により主と一体となる信徒の群れが教会である。人の言葉による感動は虚しく、主と一体になる喜びはあり得ない。教会は御言葉を語る。

 議長として『伝道に熱くなる教団』を掲げたとき、使徒言行録の記すパウロのエフェソ伝道が心にあった。熱心に御言葉が語られ聞かれ、復活の主の命をいただく。『伝道に燃える教団』となって日本社会に主の言葉が広がり力を増したと言えるよう、疲れ苦しむ人たちが喜びに溢れる者となるため、わたしたちとの交わりを持ってくださいと伝道し、福音を全力で語る教会となることが求められている」。

 主催者挨拶として米倉美佐男宣教委員長は、「主題に込めたのは、伝道を進めることで一致したいとの思いと、一方、現在、一致はないという意識である。伝道について議論するより、具体的にどうするかを考えたい。いろいろな立場のパネラーに依頼し、日本伝道開始のときから抱えてきた問題を今どのようにしたらよいのか、それぞれに考え方を出し合い、やっていけることを見出すことが願いである。もはや日本伝道は教団だけではなく諸教派と協力しなくてはならない。なぜ日本でキリスト教が広がらないのかも考えなくてはならない。今きちんとしたものを残し次に続けなくてはならない」と述べた。
(新報編集部報)

 

発題

それぞれの立場からの発言

 第1日目には、主題である「日本基督教団は伝道をどう進めて行くか」に即す形を取りつつ、4名が発題を行った。

 松沢教会牧師・北紀吉氏は、「かつて宣教の課題という言葉が盛んな時、伝道は個人の思想信条を侵害する悪とされた。教会も権力とみなされ、教会の秩序は解体へと向かい、教勢は著しく低下した。その中で、教会の使命としての伝道が改めて問われた。個人や組織に主権を置かず、神に主権を置き、仕えることで個人も組織も自らの使命を果たせる」と述べた。

 また、今後の課題を、①十字架の福音に固く立つ教師養成、②各個教会の自主性を育むこと、③福音主義と簡易信条を擁す教団の特徴を認識し、共通の信仰に基づく一致の再結集、④関係学校、諸団体との協力関係強化、⑤全国信徒会などの伝道する自主活動団体の育成と連携しての伝道を挙げ、「伝道への有機的な・総合的な取り組みが今求められている」と述べた。

 函館千歳教会牧師・柴田もゆる氏は、「21世紀に入る頃から、伝道という言葉が盛んに用いられ始めたが、教勢の問題と絡めて伝道を語ることには抵抗がある」と述べた。

 また、「教団が教会であることは認めるが、各個教会と違い、教団は信徒を擁さず、毎週礼拝を行わないので、教団が伝道するという言い方に疑問を感じる。具体的には、伝道という言葉のもとで一元化の傾向があり、地方の課題が置き去りにされていないだろうか。伝道資金制度も、改訂宣教基礎理論も、事が性急に進みすぎていないか。今こそ、互いの違いを認め、出発点にしてほしい」と語った。

 東京基督教大学教授・山口陽一氏は、「教団の外から見て日本の伝道をどうしたらよいかという点と教団との連携をくむことができる提案」を依頼されたことを述べ、同封されていた第2次改訂宣教基礎理論に基づいて、福音派の視点での発題をし、「第2次改訂宣教基礎理論の基本線は、教団にとっても、他の教派との協力を推進するにあたっても重要なもの」と語った。「ただし、戦時下からの歴史的コンテキストが薄く、特に抵抗権(政治的神奉仕)をより明瞭にすべきではないか。日本キリスト教史の教訓を捨象せず、『抵抗権』が明示されることを望みたい」と述べた。

 教団宣教師・ナグネ氏は、課題を国内だけの問題として捉えず、世界宣教的状況の中でとらえることを説き、健全な聖霊信仰の中で統全的な理解の必要性があることを語った。現在の状況を教団全体で悔い改めて祈ることを求め、大祈祷集会を行うことを勧めた。「愛なくして伝道なし、宣教もなし」、「伝道即宣教、宣教即伝道」と利己的ではなく、利他的な愛に生きることを訴えた。(佐藤 進報)

 

講演

日本キリスト教史について問う

 宣教方策会議2日目は、筑波大学名誉教授・大濱徹也氏による講演から始められた。「日本キリスト教とは何であったか・歴史として問い質す」と題された講演の要旨は次の通りである。

⑴現在、キリスト者は何を思い描き、明日の宣教を目指そうとしているのか
 昨今の教会が発する言説に、キリスト者として信仰的実存をかけた問いがどれだけ見られるか。世間の声明類と同じ地平のものに過ぎず、信仰のありかが読みとれない。ここに教団の澱みが見られるのではないか。

⑵視点をどのように設定するか-歴史、時代を読み解く作法とは
 主イエス・キリストは信仰の大義を掲げるのではなく、小さな者に寄り添い個別的な場から問いかけた。この視点に立ち、時代を想起し読み解き、歴史を創造すべき。

⑶日本キリスト教史はどのように読み解かれたか
 過度な神学的課題意識、ある種の政治神学に寄り添う現在の場から、過去を断罪して事足れると考えた。そこには共産党が説く前衛神話と同じような世界を読み取ることができる。

⑷日本のキリスト者はどのような存在であったのだろうか
 日本のキリスト教指導者層は、攘夷の志の中でキリスト教を受け入れており、排外、愛国主義の傾向が強く、村落の共同体にどっぷりつかっている民衆以上に、国家の忠実な僕だったと考えられる。

⑸「国体」「天皇制」をめぐる相克
 天皇制とは何なのか等の歴史検証をせず、また、殉教者がなぜ国家と対峙したのか、そこにある信仰とは何だったのかを問わずに、単なる殉教者の英雄談のみで対国家が語られるような状況がある。

⑹現在、大地の場から日本の教会を問い質すために
 もっともらしい言説を飛び交わせながらなされる空中戦ではなく、他者の信仰に対する共鳴を持ちつつ、大地に這いつくばって生きる教会員の呻きに寄り添う「私」の言葉を教会が語ることが必要。
(小林信人報)

【4839・40号】宣教方策会議2

パネルディスカッション 全体協議会
 発題・講演を巡り活発に議論

 1日目、パネルディスカッションでは、ナグネ宣教師が、「伝道の進展」について、「神の国が広がって行くイメージ」と述べたことから議論が始まった。信徒の参加者、木俣努氏から、「伝道が、牧師中心になり、理解できる言葉で神の国が語られていないのでは」との意見があった他、津村正敏氏が、「信徒の役割」について問うた。パネラーから、神の国は躓きと共に、神の働きの中で受け止められること、信徒会の発足による、各個教会を越えた祈りの交わりの重要性等が述べられた。

 北紀吉牧師の「紛争中、伝道・宣教が反国家としてのみ語られ、言葉を共有していなかった」との発言に、孫裕久牧師は、「時代の中での必然性がある。一部の主張で全体ではないのでは」と疑義を呈した。北牧師は、「当時は、一部ではなく大勢」、「どちらが悪いということではなく、キリスト主権でなくなる時、教会は危ない」と応じた。

 具志堅篤牧師が、基地問題に対し、怒りを原動力に対応することは、「祈りによってしか解決できない沖縄の深い問題を見えなくする」と述べ、キリスト者として健全に社会問題に向かい合う姿勢について問題提起し、パネラーが、意見を述べた。

 小林克哉牧師は、共通項と共に、違いを明らかにして行くことの重要性を述べ、救済論の違いについての議論があった。違いへの対応について、「立ち止まり、すり合わせるべき」、「違いの克服ではなく、神の栄光が顕されることに集中すべき」等の意見があった。

 2日目、全体協議では、分団報告の後、特に、大濱徹也氏講演が指摘した天皇制問題の質疑応答に時間が割かれた。大濱氏は、キリスト者が天皇にシンパシーを感じて来た事実を脇に置き、観念的に批判することの意味のなさを指摘。「天皇制を、政治システムの問題として批判するのではなく、自分より偉い権威に結びつくことによってでしか自分を位置づけられない人間の在り様の問題とし、自らのこととして受け止めるべき」と述べた。

 原裕牧師は、東北において、震災が愛の業に駆り立て、垣根が取り払われたことを述べ、国際会議の宣言に立つ大切さを述べた。
(嶋田恵悟報)

【4839・40号】▼宣教委員会▲ 宣教方策会議の反省と評価

 第4回宣教委員会は、宣教方策会議が行われた後、3月8〜9日にかけて、富士見町教会を会場に開かれた。

 宣教委員会のもとにある常設専門委員会、自主活動団体、「障がい」を考える小委員会の報告などを受けた後、宣教方策会議の振り返りを行った(内容は宣教方策会議の報告記事、および後に配布される報告書参照)。

 「日本基督教団は伝道をどう進めて行くか」という主題のもと、4名の発題者、1名の講演者を与えられたが、バランスの取れた人選、またそれぞれの話を聞くことができた。「今後の日本基督教団で伝道に思いを馳せるとき、ふまえておくべき内容となったと言える」。「具体的宣教方策が形作られるには至らなかったが、これをどう受け止めて行くかが課題である」などの意見が出た。その他、不参加の教区や神学校があったのは残念であったことも委員会として共有した。

 「牧会者とその家族のための相談室」設置について、第38総会期より準備がなされ常議員会へ提案されたが、差し戻されてしまっている。前総会期に人材や財的裏付けも含めて、具体的な内容がまとめられてきたことを共有し、今総会期中に常議員会に提案することを確認した。次回委員会にて詳細を詰めることとした。

 また日本基督教団が宣教協約を結んでいるRCA(アメリカ改革派教会)より、牧師のメンタルケアについての協力ができないだろうかとの提案があったことが報告された。牧師のメンタルトレーニングに用いられる小冊子の紹介がなされ、RCAより小冊子の著者を招き、理解を深めつつまた積極的に用いたいと確認された。

 その他、認定こども園をめぐる問題を宣教委員会が担っていくことも確認した。情報が錯綜し現場が混乱する中、教団として正しい情報を発信する役割を担っていきたいと考えている。(清藤 淳報)

【4839・40号】▼伝道委員会▲ 開拓伝道援助金申請を承認

 第4回委員会が2月22~24日に、農村伝道に関する協議会と並行して行われた。協議会は、全国からの参加者の移動を考慮して3日間の日程にし、また真冬の北海道であり、開催まで心配された点があった。しかし、現地の参加者たちが独自に実行委員会をも立ち上げ、多大な協力を得て、天候にも恵まれて、協議会を無事に持つことができた。

 伝道委員会の議事として、業務報告及び会計報告を承認した。

 また、常議員会報告、東日本大震災救援対策本部報告を受けた。伝道推進室委員会報告、宣教委員会報告、「こころの友」「信徒の友」編集委員会報告、宗教改革500周年記念教会中高生・青年大会実行委員会報告をそれぞれの担当者から受けた。記念大会は、教団の「宗教改革500周年記念事業基本方針」に基づき、2017年度に「教会中高生・青年大会」が行われる。その準備が始まったが、伝道委員会としてもこれに協力する。

 また、2016年度開拓伝道援助金に申請のあった6件(奥羽・浪岡伝道所、関東・神の愛キリスト伝道所、東京・冨貴島教会、兵庫・姫路あけぼの教会、西中国・小郡教会、四国・香川直島伝道所)を審議し、すべて承認した。それぞれの教会・伝道所に問安を行うための担当者を決めた。問安者は現地に赴き、祈りをささげることで、単に財務上の応援だけでなく、教団としての伝道協力が目に見える形で実現するよう働いている。2017年度の援助金についても申請を受けていくが、原資は限られているので、献金によって広く協力を願いたい。

 第39総会期教区伝道委員長会議について準備を進めた。宣教委員会の宣教方策会議との関連や、伝道推進室の動きなども考慮して、企画を立てている。

 また、全国教誨師連盟が60周年を迎えるので、追加として10万円の献金を決定した。(飯田敏勝報)

 

北海道にて農村伝道に関する協議会
 2月22~24日に、第10回農村伝道に関する協議会が、北海道三愛畜産センターにて行われた。教区推薦の12名、教団伝道委員、その他、利別教会をはじめ現地から大勢が集まり、全体で40余名の参加者があった。

 1日目は移動にも時間がかかり、夕食後の成田いうし伝道委員長の開会礼拝からプログラムが始まった。会の開催には北海教区の協力を得、久世そらち議長の挨拶がなされた。

 2日目はホテルから三愛畜産センターへ移動し、基調講演を受けた。河村正人氏は発題「瀬棚フォルケホィスコーレの歩みとこれからの展開」で、この地での教育活動、更に三愛運動と新規就農について語った。生出正実氏は講演「農村伝道に導かれて」で、農業とキリスト教とに関わり合った講師の半生が、家族をはじめ多くの方々との歩みであったと語った。

 昼食後にフィールドワークで、酪農の現場とせたなの町の歴史に触れる時をもった。無教会や聖公会を含め、キリスト教がこの地に深く関っていることが、現地の実行委員長である西川求氏によって案内された。夕食後に交わりの時をもち、司会者がいきなり発言者を指名するという仕方で、大半の参加者が正直な思いを述べる機会となった。昼食時には混声で、交わりの時には訓練を重ねた男声合唱が披露され、信仰が反映された賛美を皆で感じることができた。

 3日目はホテルにて、全体協議。発題や講演に加え、既に昨夜から始められた協議が、尚一層深められた。

 今回の協議会によって、現地の方々が今後のことを考える好機ととらえてくれたことは、大きな喜びであった。信仰を伴う共同体が今後更に、いかに歩んでいくかを、内と外とから、祈り合うことができた。熊江秀一伝道委員の閉会礼拝によって、御言葉を受けて送り出された。(飯田敏勝報)

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