歴史と現代の課題を実際に学ぶ
8月18日から12日間、教団から7人の学生を迎え研修ツアーを行った。
夏休み中の7、8月は、カナダの教会は日曜日の礼拝以外は活動休止で、青年たちもキャンプやボランティアに出かけているため、日本の青年たちが望んでいるこちらの青年たちとの交流は難しい。そのため、このツアーの三つの柱は、①先住民の文化と歴史に学ぶ、②日系カナダ人の歴史と移民の暮らしぶりに学ぶ、③ホームレスや低所得者層向けの奉仕活動は夏でも休みなく行われているため、カナダ合同教会の社会奉仕活動に学ぶ、となった。
参加者は経験も関心も英語力も様々だったが、それぞれに学びの課題を持ち、訪問先での出会いを通して多くを感じ考え、日本社会と歴史、教会のあり方を見つめ直すよい機会となった。
先住民の歴史と日系カナダ人の戦争中強制移動の歴史は、多民族多文化を受け入れ尊重し、誰もが平等な恩恵を受ける社会を目指しているカナダ史の汚点とも言える。多くの移民難民を受け入れてきたカナダもその成立は植民地支配に始まり、民族差別は今日もなお根深く残っている。先住民の歴史を追体験するエクササイズや先住民長老の体験談、ホームレスの街ダウンタウン東部の第一合同教会、及び旧日本人街に残る日本語学校への訪問と学びはそのようなカナダ社会の深い闇と向き合わせてくれた。
また、郊外のラングレー合同教会を訪問し、地域密着型の奉仕活動の説明を受け、クロスローズ合同教会のコミュニティミールでの奉仕に参加し、地域共同体に奉仕する教会のあり方を、肌で感じることができた。
最後に、ツアーを共に企画し、強い社会正義への信念を持って学生をリードしてくださったカナダ長老教会信徒、カイロス(社会正義を求めるキリスト教超教派NPO)ブリティッシュ・コロンビア代表のジャネット・マッキントッシュさんに深い感謝をささげたい。
(木原葉子報)